NHK『カーネーション』第76回

毎日朝ドラを見て関西弁を聞いているはずなのに、いざ関西に来てみると関西弁のディクテーション能力が低下していることを自覚してショックを受けながらホテル日航奈良に宿泊している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第76回目の放送を見ましたよ。

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第14週「明るい未来」

1945年(昭和20年)8月15日、戦争が終わった。

しかし、糸子(尾野真千子)はまったく実感が湧かなかった。
それどころか、10年近くの戦争の間に亡くなった大切な人々のことを思い出すと悲しくてならなかった。家で一人で涙を流した。

久しぶりに鏡で自分の顔をじっくり見た。自覚のないうちに、自分の顔はずいぶんと老け込んでいた。そんな自分を見ているうちに、もうこの先に楽しいことは何一つないのではないかと落ち込むのだった。

それから、どうしていつまでも自分の気が晴れないのかと考えた。その結果、モンペのような冴えない服を着ているからだと気づいた。そこで、周りが未だにモンペや国民服といった保守的な衣類を身につけている中、糸子は自分だけアッパッパを来て過ごした。
窮屈な服を脱ぎ捨てることで、やっと糸子は人心地がついた。そしてやっと、戦争が終わったと知るのだった。

ラジオからは軍歌に変わって、楽しげな歌声が流れるようになった。山中に疎開させていた家族も家に連れ戻した。久しぶりの明るい食卓に、みんなに満面の笑顔が戻った。

けれども、将来に対する人々の不安は拭えなかった。
オハラ洋裁店は軍からの仕事を受注していたが、それらは全面的に中止となった。材料の生地は払い下げで手に入れることができたが、何を作って誰に売ればいいのか、商売の目処が立たなかった。とりあえずは、細々と下着を縫うばかりだった。

さらに、アメリカ軍が日本にやってくるという噂も人々を不安にさせた。
特に女たちは、アメリカ兵達に乱暴されるのではないかと怯えるのだった。
糸子ですら、アッパッパのような薄着のままではアメリカ兵に目を付けられると怖気付いた。しかし糸子は、もう二度とモンペなど着たくないと思うのだった。モンペを着るくらいなら死ぬ方がマシだと思えば、何も怖くなくなった。周りが呆れるのも気にせず、糸子だけはアッパッパを着続けた。

ある日、糸子は木之元(甲本雅裕)に闇市を案内してもらった。闇市には、配給では手に入らない物まで、ほとんで何でも大量にあった。いずれも価格は高かったが、糸子は持ち前の話術で巧妙に値切り、満足のいく買い物ができた。久しぶりに活気のある市場の様子を見たり、珍しいものが手に入ったりで、糸子は気分爽快で家に帰ってきた。

一方で、だんじり祭に関しては、当局から開催を禁じられた。理由は、騒ぎによってアメリカ軍を刺激するべきではないというものであった。岸和田の地元民たちは反発したが、それに従うほかなかった。

9月14日、だんじり祭が行われるはずだった朝。人々はだんじり小屋に集まり、扉を開けてだんじりを拝んだ。
けれども、人々はだんじりを見ていると血が沸き立った。だんじりは岸和田の人間の命そのものだと言い出し、当局に無断でだんじりを急遽曳くことを決めた。集まった人々の手によって、ゆっくりとだんじりが小屋から姿を表した。

その巨大な姿を見上げ、糸子は呆然としつつ、内に何かを思うのだった。

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NHK『カーネーション』第75回

今日は7時ころから出かけており、23時に帰ってきた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第75回目の放送を見ましたよ。

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第13週「生きる」

勝(駿河太郎)が戦病死し、遺骨が帰ってきた。しかし、糸子(尾野真千子)は実感がわかず、呆けてばかりだった。勝の死が悲しいというのではなく、飢餓や睡眠不足、猛暑、騒音などで思考能力が残されていなかったのだ。勝の葬式行列で歩いていても、暑いという事以外はほとんど何も考えられなかった。

勝が死んでも、糸子の生活は変わらない。細々と仕事をしながら、バケツリレーの訓練をしたり、山奥に疎開した家族に食料を運ぶ。夜中に空襲警報が鳴るため睡眠不足の毎日であった。不条理なことが日常風景になってしまい、糸子は感覚が麻痺してしまっていた。

ある日、泰蔵(須賀貴匡)の戦死も伝えられた。泣き叫ぶ八重子(田丸麻紀)が隣にいても、糸子は全てが違う世界のことのように感じられた。当然、涙の一粒も出なかった。
けが人はいないものの、神戸の祖父母の家や所有する工場が空襲で焼けてしまったという。その話を伝えられても、やはり特別な感情は湧かなかった。

糸子は完全に心を失っていた。そのことを自覚しつつ、糸子はありがたく思った。様々な悲しい出来事に一々翻弄されず、つらい思いをしないで済むことは救いであると思うのだった。

ところがある日、家族の疎開先に食料を運んだ際、優子(花田優里音)と直子(心花)が赤い花びらをたくさん摘んで来て、糸子に手渡してくれた。無邪気な子供たちの様子と、久しぶりに見た美しい物に、糸子は少しだけ心を取り戻した。
懐かしい記憶が次々と思い出され、だんじり祭りのお囃子の幻聴も聞こえた。糸子はそれらの幻覚に誘われるように、だんじり小屋へ向かった。
だんじりを目の前にして、糸子は感情が爆発した。その場で大声を出しながら泣き崩れた。糸子は少しだけ人らしさを取り戻したようだった。

その矢先、娘たちの疎開先の方が空襲に遭っているという情報を耳にした。慌てて駆けつけ、より安全な所へ家族を移そうとした瞬間、目の前に爆弾が落ちた。家族に怪我はなかったものの、腰を抜かして動けなくなってしまった。
糸子一人だけは気丈であった。糸子は外に出て、飛び交う火の粉の中で空を見上げた。そして、
「うちは死ねへんで!」
と叫び声をあげた。昔の勝気な糸子が復活しつつあった。

その時、奈津(栗山千明)は少し離れたところから岸和田に爆弾が落とされる様子をぼんやりと眺めていた。隣には、落ちぶれた奈津を言いくるめて連れ回している男(櫻木誠)がいた。男は、自分はこれ以上失うものが無いから、空襲など怖くないと言うのだった。その言葉に、奈津も涙を流しながら同意した。

そして8月15日。日本は降服した。
正午に玉音放送が流れると、人々は喜びと不安の混じり合った、なんとも言えない気持ちで浮き足立った。

ところが、糸子だけは何の感慨もなかった。糸子にとっては、いつもと同じ夏の暑い一日だった。
いつもと同じように、昼食の支度を始めた。

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NHK『カーネーション』第74回

明日は年内最後の放送日だけれども、7:08のバスに乗って早稲田大学に行く予定(第15回実験社会科学カンファレンス)なので、まとめ記事の公開の遅れる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第74回目の放送を見ましたよ。

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第13週「生きる」

1945年(昭和20年)3月14日朝。
岸和田で初めて空襲警報が発令されたが、結局何事もないまま警報が解除された。
糸子(尾野真千子)は家に帰るとすぐに善作の位牌と遺影をカバンにしまった。昨夜、避難の時に持ち出すのを忘れたので、今後はいつでも持っていけるようにしたのだ。
善作がそばにいれば安心だと思い込もうとしたが、やはり戦争に対する不安は拭えないままだった。

翌日の新聞では、大阪市内が焼夷弾で焼かれたことが伝えられた。それを受けて、町内会の防火訓練が週2回に増やされた。しかし糸子は、100機近いB29爆撃機が飛来するのに、人力とバケツの消火活動では何の役にも立たないと白けるばかりだった。

家族の身は自分で守らなければならないと思った糸子は、山奥の農家(上村厚文)の納屋を借り、千代(麻生祐未)とハル(正司照枝)、子供たち(花田優里音、心花)を疎開させることにした。市街地でなければ空襲の対象にならないと考えたからだ。その上、農家の手伝いをすれば食料も手に入れられるという打算もあった。真新しい下着を差し入れたり、りん(大谷澪)、幸子(高田真衣)、トメ(吉沢沙那)ら若い縫い子に畑仕事を手伝わせることで、大所帯の小原一家でも困らないだけの食料をなんとか確保することができた。

ただし、その食料を自転車で運搬するのは全て糸子の役割となった。いくら食料が手に入ったとは言っても、力仕事をするのに十分な量は到底食べることができない。それに毎夜の空襲警報で十分な睡眠もとれない。糸子は日に日に疲弊するばかりだった。

そんな生活が三月ほど過ぎ、6月に梅雨入りした。
疎開先の家は雨漏りやムカデの被害に苦しめられた。ハルは家に帰りたいと文句ばかり言っている。それでも、千代や子供たちは珍しい田舎暮らしを満喫しているように見えた。近くの川で蛍を見るのを楽しみにしている。

その頃、夜逃げした奈津(栗山千明)は、食うのに困ってイモを数個盗んで逃げるほど落ちぶれていた。追いかけられて逃げているところを、復員兵(櫻木誠?)にかくまってもらった。薄汚れてはいたが、月明かりの下でも奈津の美しさは際立っていた。その姿を見た男は、飯を食わせてやるといって奈津をどこかへ連れて行こうとした。深く物を考えられなくなっている奈津は、言われるがままに男について行くのだった。

7月になり梅雨は明けたが、今度は太陽に照らされ暑い日々が続いた。アメリカの爆撃機が毎日頭上を飛ぶようになり、警報がひっきりなしに鳴った。
この前までは楽しそうにしていた疎開先の家族たちは暑さで参ってしまった。

糸子の疲労も限界に達し、何も無い時は家の中で突っ伏しているばかりだった。空腹と睡眠不足の結果、物事を深く考えられないようになっていた。

そんな矢先、勝(駿河太郎)が戦死したという公報が届けられた。無表情に封筒を眺めるだけの糸子であった。

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NHK『カーネーション』第73回

今年のクリスマスは、大阪、札幌、奈良の各支部のサンタさんからプレゼントをもらった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第73回目の放送を見ましたよ。

大阪支部から山瀬テレカ、札幌支部から経済学漫画、奈良支部からお酒。どうもありがとうございます。

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第13週「生きる」

1944年(昭和19年)12月暮れ。
アメリカ軍の本土への空襲が始まった。岸和田に攻撃が加えられることはまだなかったが、頭上を爆撃機が飛ぶようになった。

1945年(昭和20年)1月3日。
糸子(尾野真千子)は3人の娘たちだけを連れて神戸の祖父母宅を訪問した。おじ(田中隆三)やいとこの勇(渡辺大知)は紡績会社の経営のため神戸に残り続けるという。若い勇にいたっては、工場長という肩書きのおかげで兵役を免除されており、その役目がなくなると出征せねばならぬという。空襲の恐れがあっても、戦地に行くよりはましなのだ。
祖母・貞子(十朱幸代)は生まれ育った神戸を名残惜しく思いながらも、姫路の山中の別荘に疎開するつもりだという。近頃は祖父・清三郎(宝田明)がボケ始めたため、いざというときに逃げ切れないことを心配しての事だった。

祖父・清三郎は、それほどひどいものではなかったが、短い時間でボケと正気を行ったり来たりしていた。善作(小林薫)の死を知っているはずなのに、糸子だけが来たことについて、善作はなぜ来ないのか、と尋ねるのだった。また、糸子がまだ女学生だと思い込んだりしている。
しばらくすると、糸子のことを千代(麻生祐未)だと思って話しかけはじめた。清三郎は、千代に向かって、善作に冷たい仕打ちをしたことを謝った。自分も元々は貧しい丁稚の出で、金持ちの娘と結婚させてもらったという境遇は善作と同じである。清三郎自身は、先代(養父)にとてもよくしてもらった。それなのに、自分はどうして善作に対して同じように接してやることができなかったのか、と後悔するのだった。その時は善作の死をしっかり意識しており、岸和田の仏壇へ謝罪の伝言を託すのだった。

神戸の家を去る時、糸子と祖母・貞子は抱き合った。日本への空襲が始まったことで、これが今生の別れになるかもしれないと思うと名残り惜しかったのだ。再会を誓い合って、糸子は岸和田に帰った。

翌1月4日、名古屋、大阪、浜松に初めて焼夷弾が落とされたことが新聞で報じされた。焼夷弾には油が仕込まれており、あっと言う前に火が燃え広がるという。人々はその武器に恐怖し、容赦のないアメリカ軍に恐怖した。町内ではバケツリレーによる消火訓練が盛んに行われるようになった。しかし、糸子はバケツの水くらいでは何の役にも立たないのではないかと思うのだった。

そして、3月10日未明には、東京大空襲が行われた。同12日には名古屋が空襲に遭ったという。爆撃対象が西進している様子から、いつ阪神地区が空襲されてもおかしくないと思われた。
その矢先の3月13日の深夜、空襲警報が鳴り響いた。

糸子はハル(正司照枝)を背負い、家中の物を引率して防空壕へ逃げようとした。しかし、恐怖のあまり身のすくんでしまったトメ(吉沢沙那)がどうしても逃げようとしない。もうこのまま死んでもいいと言うのだ。
腹を立てつつも見捨てることのできない糸子は、他の者達を先に防空壕へ行かせ、ハルと一緒に家に残った。空襲が始まって、もっと恐ろしくなればトメも逃げる気になるだろうと予想したのだ。豪胆にもその時期を待つことにした。

はたして、空襲が始まる前であったが、トメは気を取りなおした。このままでは、足腰の弱いハルまで巻き沿いにしてしまう。自分のせいでハルを犠牲にするわけにはいかないと思い直したのだ。
急いで非難を開始する3人であったが、家のものが向かったであろう防空壕はすでにいっぱいで入れないと聞いた。そこで別の防空壕へ向かうのだった。

しばらく行くと糸子は、善作の位牌を家に忘れてきたことを思い出した。
しかし、取りに戻ることはなかった。縁があれば再開できるだろうと割り切って、防空壕への道を急いだ。

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『太陽を盗んだ男』を見た

主演・沢田研二、監督・長谷川和彦、1979年製作の映画『太陽を盗んだ男』を見た。

当時、人気絶頂だった沢田研二が演じる主人公は、少々エキセントリックな中学理科教師。催眠スプレーで交番を襲い、拳銃を奪取。それで武装し、東海村の原子力発電所からプルトニウムを強奪する。それを原料に自宅で原子爆弾を作成する。
原子爆弾を用いて警察を脅迫するというお話。

『太陽を盗んだ男』主演の沢田研二。プルトニウムの精製に成功し、喜びに打ち震える。

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NHK『カーネーション』第72回

今日の日中(夜じゃないところがトホホ)は某かわいこちゃんとデート(デート?デートなのか!?)だというのに、僕は朝ドラを見てブログを書く必要があるので、その分だけ待ち合わせ時刻を遅らせてもらったりして、「お前やる気あんのか?」と自問自答している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第72回目の放送を見ましたよ。

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第12週「薄れゆく希望」

1944(昭和19年)年9月。
今年は、ついにだんじり祭りが中止になってしまった。若く元気な男たちがみな戦争にとられてしまったので、物理的にだんじりを曳くことができないのだ。無邪気な次女・直子(心花)は、男しかだんじりを曳けないというしきたりなど無視して、来年は自分が曳くと言って騒ぎ出した。糸子(尾野真千子)は、それはできないのだと諭しながらも、小さい頃の自分を見ているようでかわいらしく思った。

しかし、糸子は悔しくてたまらなかった。戦争によって、人が人らしくない生き方を強いられていることに納得がいかなかった。
学校で子供たちは、人の殺し方と自分の死に方ばかり教えられている。一度は戦争に興味を失った長女・優子(花田優里音)も、最近ではまた軍事教練ごっこばかりしている。八重子(田丸麻紀)の長男で中学生の太郎(大原光太郎)。は、日本軍の正義を信じこみ、自分は海軍予科練に入って飛行士になることを夢見ていた。

それでも糸子は、太郎のことを親思いのよい子供だと思っていた。彼は毎日、糸子の店を手伝っている八重子の帰りを迎えに来る。八重子がどんなに断って、必ず八重子の荷物を運んでやるという心優しい息子だった。
そんなふたりを見ていると、糸子は安岡家のことが気にならないわけにはいかなかった。八重子自身は毎日明るく元気だが、夫・泰蔵(須賀貴匡)を戦争に取られ、義母・玉枝(濱田マリ)の髪結いは店じまいし、義弟・勘助(尾上寛之)は復員後に精神がやられ無気力な毎日を送っている。その上、3人の子供の母である。八重子は何も表に出すことはないが、大変な苦労をしているに違いないと思うのだった。

ところが、糸子も一家の大黒柱として忙殺されるようになり、八重子にばかり肩入れする余裕も無くなった。ある日、八重子の元気がなく、一日中ぼんやりとしていたのだが、糸子はそれに気づかなかった。異変を察した千代(麻生祐未)が話を持ちかけるのだが、糸子はみんな大変な時期なのだから、自分のことは自分でやってもらわなくては困るといって取り合わなかった。
特にその日は、店の者たちが検品の手を抜いたことによる不良品のクレームで大忙しだったのだ。

糸子が忙しく働く声や姿は、店の外まで漏れていた。
その様子を、勘助がこっそりと、そして嬉しそうに覗いていた。それを、使いから帰った四女・光子(杉岡詩織)が見つけた。

勘助の装いを見て、光子は彼が出征するのだと気づいた。糸子に会って行くよう誘う光子であったが、勘助は丁寧にそれを拒否した。そして、糸子を助けることを光子に託すのだった。
自分も本当は糸子に別れを告げたいのだが、その資格が無いのだと寂しそうに言った。自分が弱虫であることを恥じているのだ。そして、そんな自分も今回の出征でやっと終わりにすることができると言うのだった。
それは、死ぬことをほのめかした発言だった。

光子は泣きながら家に帰ってきたが、何も言おうとしなかった。その様子から悟った八重子が、勘助の出征のことを打ち明けた。
何も知らなかった糸子は、慌てて勘助の後を追った。しかし、糸子は勘助に追いつくことができなかった。

一月後、勘助は戦死した。

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NHK『カーネーション』第71回

明日の日中(夜じゃないところがトホホ)は某かわいこちゃんとデート(デート?デートなのか!?)だというのに、クリスマス・プレゼントを準備しておらず、しかも今日は出勤日だから買い物にも行けねぇよ、やべぇよと焦っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第71回目の放送を見ましたよ。

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第12週「薄れゆく希望」

1944年(昭和19年)4月。
八重子(田丸麻紀)はついにパーマ機を金属供出してしまい、店を閉じることになった。収入のなくなった安岡家を救うため、糸子(尾野真千子)は彼女を店で雇うことにした。
明るい八重子はみんなの話題の中心になったし、糸子の良き相談相手にもなってくれた。八重子の夫・泰蔵(須賀貴匡)は戦争に行ったままであったが、彼の男前ぶりの噂で持ちきりだった。そろそろだんじり祭りの時期だが、大工方として屋根に登った泰蔵のことなどが語られた。

糸子はふと、泰蔵に恋をしていた奈津(栗山千明)のことを思い出した。すると奇遇なことに、奈津から電話がかかって来て呼び出された。
糸子が奈津の家に行くと、自分が結婚式を挙げた部屋に通された。しかし、その部屋は現在では半分物置のような状態になっていた。食料物資が不足していて客に提供する料理もないし、当局からの指導で商売もほとんどやれなくなったのだという。

そして奈津は、本題を切り出した。
土地と家屋を含めて1万円で店を買って欲しいと言うのだ。店の経営に失敗し、それだけの借金をこしらえてしまい、どうすることもできなくなったのだ。何人もの金持ちに相談したが、この時局では買い手がまったく見つからなかったという。
もちろん糸子にはそんな大金を用意できるはずもなく断った。そして、幼なじみの奈津に対する友情と、同じ経営者としての不甲斐なさとから、つい大きな声で説教をしてしまった。しかし、負けん気の強い奈津はまともに聞こうともせず、ふたりは喧嘩腰で別れた。

腹を立てて帰宅した糸子は、八重子に全て話した。すると八重子は奈津に同情するのだった。奈津は父(鍋島浩)を早くに亡くし、婿養子の夫(真鍋拓)は蒸発、母(梅田千絵)は体が弱い。奈津は頼る人物もおらず、ひとりで店を切り盛りしてきた。最終的に失敗してしまったかもしれないが、これまでの頑張りは立派なものだと褒めるのだった。
糸子は困っているなら、どうして手遅れになる前に相談してくれなかったのかと苦々しく思った。しかし、八重子のいうことももっとだと思い、できる限りのことをしてやろうと思った。

まずは神戸の祖母(十朱幸代)に購入を持ちかけたが、彼女は興味を示さなかった。
他に手のなくなった糸子は、店のリーダー格・昌子(玄覺悠子)が反対するのも聞かず、店の金で何とかしようと思い、奈津の所へ向かった。

奈津の家の前では借金取りたちが地団駄を踏んでいた。話を聞くと、奈津と母親は夜逃げして姿を消したという。店は軍が二束三文で買ったのだという。

糸子は怒りと悲しみの感情に駆られた。誰もいなくなった家に向かって口汚く罵りながら泣き叫ぶのだった。

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NHK『カーネーション』第70回

今さらながら、斉藤和義ずっと好きだった」(Get back)と「やさしくなりたい」(衣装はこれだけれど、動きはこっちっぽい)のPVが the Beatles のライブ映像を再現していると知り、その完成度の高さに感激した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第70回目の放送を見ましたよ。

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第12週「薄れゆく希望」

1943年(昭和18年)9月。戦争の影がより濃く日常生活に浸透していた。
オハラ洋裁店の仕事は軍服の下請けばかりになった。若者が戦死し、店の前を葬送の列が通りがかった。配給が目に見えて減っているし、商店街でも多くの店が閉店してしまった。人々は庭で食料を自給して飢えをしのぐようになった。小原家では下着や靴下を農家に持ち込んで食料に交換することができる分だけ恵まれていた。

糸子(尾野真千子)は戦地の夫・勝(駿河太郎)に善作(小林薫)が亡くなったことを何度か知らせた。しかし、勝からの返事には、どういうわけか毎回、善作のことを気遣う文が書かれていた。
ハル(正司照枝)もすっかり老けこんでしまった。善作をなくし、世は戦争ばかりで生きていてもちっとも面白くない、無駄飯食いであることだし早く死んでしまえばいいと弱音ばかり吐くようになった。

国民学校では軍事教育が盛んになった。そのせいで優子(花田優里音)もすっかり軍国少女になってしまった。毎日、勇ましい声を出して、兵隊ごっこに明け暮れるのだった。

ある日、優子が戦争映画に連れて行けと騒ぎ出した。初めは相手にしていなかった糸子だったが、根負けして優子と直子(心花)を連れて行った。
あれほど楽しみにしていたのだが、戦闘シーンばかりの映画は優子の期待にそぐわなかった。すぐに飽きてしまって、帰ると言い出した。親子は映画を途中でやめて帰路についた。

帰る途中、憲兵が共産主義者に暴行を加え、逮捕するところに出くわした。
あまりの光景に子供たちは震え上がった。糸子は娘たちをかばい、眼を伏せさせて凄惨な様子を見せないようにした。
その時、糸子は思った。戦争ばかりで、美しいものをほとんど目にすることのない娘たちがなんとかわいそうなことか、と。

すぐに糸子は、元来絵の上手な優子のために色鉛筆を買ってやった。物資不足の昨今、それはとても高価なものであったが、糸子は躊躇しなかった。そして、きれいなものをたくさん描け、きれいなものが描けたら妹たちに見せてやれと優子に言うのだった。
優子も色鉛筆をすぐに気に入り、もう戦争ごっこはしなくなった。

もうすぐ、だんじり祭の時期だ。
若者達が戦争に取られてしまったため、年寄りばかりの祭りになりそうだ。しかし、どんなことがあってもだんじりは曳かれなくてはならない。
だんじり祭りのことを考えると、糸子は暗いことは全て忘れて、うきうきと明るい気持ちになることができた。

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NHK『カーネーション』第69回

昨日のまとめ記事はマクラとラストを綾瀬はるかで結んでいたのと同様、実は小野小町の「いとせめて・・・」が糸の掛詞にになっていたわけで、誰か褒めてくれるかと期待していたのだが、誰も言ってくれなかったので自分で言ってしまう当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第69回目の放送を見ましたよ。

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第12週「薄れゆく希望」

糸子(尾野真千子)は自分の傲慢が、町の人々から爪弾きにされる原因を作ったのだと反省した。町の人々に対してにこやかに接し、下手に出るよう心がけた。
おしゃれモンペ教室を再開したところ、心配したほどには客足は減らなかった。以前と同じように食料を代金替わりにした女性たちがやって来た。糸子は一安心した。

その矢先、婦人会の澤田(三島ゆり子)らが店にやって来た。以前なら澤田の顔を見ただけで腹を立てていた糸子であったが、自分を落ち着かせて穏便に対応した。
しかし、澤田の要求は糸子には到底受け入れられないものだった。国が戦時体制にある時期に、お洒落をしようなどというのは言語道断だというのだ。ボロ布以外でモンペを作ることを禁じられてしまった。

さらに、お洒落にうつつを抜かしているようならば、店にミシンは必要ないと言われてしまった。鉄を溶かして武器にした方がよほど国の役に立つ。そこで、翌日回収に来るから準備をしておけと言うのだった。
その命令に、ついに糸子は堪忍袋の緒が切れた。澤田らを怒鳴って追い返した。

澤田らを追い返したのはいいものの、明日にはミシンをとられてしまう。糸子は悩み始めた。
ミシンは一家の重要な生活の糧であるばかりか、善作(小林薫)の形見でもあるのだ。彼が一大決心をし、自分の商売を諦め、店の反物全てと引き換えに買ってくれたものなのである。絶対に手放すわけにはいかなかった。

困った糸子は、善作の仏前で手を合わせ、心のなかで相談した。もちろん、善作の遺影は何も答えてはくれなかった。

ふと見ると、優子(花田優里音)が隣に来て、一緒に手を合わせていた。
糸子は優子の髪を切ることを決めた。優子をかわいがる善作は、優子の髪を伸ばしておさげにすることを命じていた。糸子はそれが気に入らなかった。善作が口出しできなくなったのをいいことに、優子をオカッパにしてしまった。

優子自身は、自分の髪型を少しも気に入らなかった。そのため、むくれてしまった。
糸子は優子をなだめるために、みんなに意見を聞いて来いと追いやった。
家の者は、異口同音に新しい髪型が似合っていると褒めてくれた。しかし、それでは納得できなかった。

家を飛び出した優子は、隣の履物屋に飛び込んだ。
そこには偶然、木岡の弟・靖(多々納斉)が来ていた。靖は優子の新しい髪型を褒めつつ、糸子によろしく伝えるよう優子に頼んだ。軍の仕事を請け負っていて商売が順調な靖は、オハラ洋裁店に困ったことがあったら仕事を回すと約束していたのだ。いつでも糸子を助ける準備のあることを、優子に託して伝えた。

優子は家に帰って糸子に靖のことをすぐに伝えた。
それで閃いた糸子は、すぐに隣に駆け込んで靖に仕事を卸してくれるよう頼んだ。軍服の縫製を行えば、ミシンを供出しなくてもいいと考えたのだ。

その日のうちに軍服の仕事に取り掛かった。
翌日、澤田らがミシンを回収に来たが、糸子らは胸を張って軍に協力していると言い放った。軍服を作るためにはミシンが必要だから供出には応じられないと突っぱねるのだった。そう言われてしまっては、澤田も手ぶらで帰るしかなかった。
糸子は大切なミシンを守ることができた。

昨日と同じように善作の仏前に座った糸子は、事の顛末を善作に報告した。自分がいかに巧妙にミシン供出を免れたかを説明するのだった。

ふと見ると、優子が隣に来て、一緒に手を合わせていた。
そこで、あっと思った。全ては善作の差配だったと気づいたのだ。善作が優子を使ってことをまとめてくれたのだ。
糸子は、まだまだ善作にはかなわないと思った。

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NHK『カーネーション』第68回

小野小町の「いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る」という歌があることを知り、寝間着を裏返しにして寝ると恋しい人の夢を見る事ができるというのでユニクロのスウェットを裏返して試してみたら、自分の結婚式の夢を見ることができて、花嫁はミニスカートのウェディングドレスで絶対領域も白く眩しい綾瀬はるかだったのだが、「俺的にはなんか違う。山瀬まみ、もしくはそれに準じる女の子じゃないと納得できん」とプリプリしながら目を覚ました当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第68回目の放送を見ましたよ。

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第12週「薄れゆく希望」

善作(小林薫)の葬式の翌朝、糸子(尾野真千子)は寝床でうつらうつらしていた。娘たちの健やかな寝顔を眺めつつ、善作がいなくなったことをしみじみと考えていた。

そこへ、いつも食事作りをしている清子(坂口あずさ)と光子(杉岡詩織)が騒ぎながらやって来た。家の食料がすっかりなくなっているというのだ。葬儀の参列者に立派な食事を振舞ったため、底をついてしまったのだ。

国内の物資が窮乏していて、今ではみな最低限の簡素な葬式しか行なっていない。静子(柳生みゆ)が反対するのも聞かず、糸子が後先考えずに立派な葬式を出してしまったことが招いた結果だった。糸子の右腕である昌子(玄覺悠子)はすぐにでも店を開けて商売をしなければ飢えてしまうと訴えた。しかし糸子は、善作の喪が開けるまで絶対に店を開かないと言って聞かなかった。葬式の香典をかき集め、店の者(高田真衣吉澤沙那)に買い物に行かせた。

ところが、買い物に行かせたふたりが泣きながら手ぶらで帰ってきた。市場では、小原家に食料は売らないと言われたという。小原家は非合法の闇商売をしているという噂があるといって門前払いされてしまったのだ。葬式を手伝いに来てくれた町内会の奥さん連中が、台所にあった大量の食料を見て不審に思って流した噂だと思われた。
善作を失ってただでさえ落ち込んでいる一家に、さらなる衝撃であった。

結局、背に腹は代えられないので、喪が開ける前に店を開くことになった。しかし、店に対する嫌がらせも始まった。植木鉢が壊されていたり、「非国民」と書いた紙が貼り付けられたりしていた。客足も鈍っていて、開店休業状態であった。

この時、糸子は初めて世間の冷たさや怖さを知った。
同時に、自分の意地を引っ込めるべき時が来たことを悟った。これまで家の者を配給所に行かせなかったのは、国からの施しを受けなくても、才能で家族を養うという自分の甲斐性を誇りに思っていたからだ。配給所の無様な行列に並ばないことで、自分たちの一家が特別な存在であるかのように思いたかったのだ。
けれども、そういった思い上がりが人々の反感を買ってしまったのだと思い知ることになった。

糸子が落ち込んでいる所へ、電器店・木之元の妻(西村亜矢子)が回覧板を持ってきた。それは野菜の配給を知らせるものだった。
どこかぎくしゃくするふたりだったが、木之元の妻が一緒に配給所に行こうと誘ってくれた。糸子は素直にそれを受け入れた。配給の当日、履物屋・木岡の妻(飯島順子)も合流して3人で配給所へ向かった。

赤の他人から店への嫌がらせは相変わらずだが、昔から親しい隣近所の人々は自分のことを信じてくれている。そのことで糸子は勇気づけられた。そして、近所にそういった親切な人々がいるのも、まさに善作の遺産だとしみじみ思うのだった。

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