週末に清原果耶が腹黒い女子高生を演じる『宇宙を駆けるよだか』を見てしまったせいで、百音との落差に混乱しつつある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第31回めの放送を見ましたよ。
2015年3月。
百音(清原果耶)が受験した気象予報士試験の合否通知が届いた。結果は不合格だった。
それでも百音はさっぱりした気持ちでいた。初回の試験は練習のつもりであり、合格しないことは織り込み済みだったからだ。
そのことよりも、自身が発案した学童机の製作が完了したことで百音は清々しい心持ちであった。一時は完了が危ぶまれたプロジェクトであったが、人々の協力を得て一生懸命打ち込んだ成果であった。
春が訪れ、百音が登米に来てもうすぐ1年になる。百音はあらためて前向きな気持ちになった。
学童机の製作が終わったら、今度は納品作業が待っていた。百音たちは各地の小学校に大量の机を運び込むことに忙殺された。疲れ切ってしまい、夜の気象勉強会でも居眠りをしてしまうほどだった。
疲れ切った百音を見て、菅波(坂口健太郎)がたしなめた。百音の本業は森林組合の職員であり、夜遅くまで気象の勉強をしたせいで仕事が疎かになっては本末転倒である。
菅波は、「今できること、やるべきこと」を考えて実行しろと命じ、その日の勉強会はお開きになった。
その頃、サヤカ(夏木マリ)は4年ぶりに植樹祭を開催しようと考えていた。自分の歳を考えてもうやらないつもりであったが、今年は実施しようと思ったのだ。
理由はいくつかあった。ひとつは、サヤカが先祖から受け継いだ樹齢300年のヒバ(アスナロ)を今度の冬に伐採するからである。それに伴って、次世代の樹木を育成する必要があると考えた。また、地域の子供たちに山と森林の役割を教える必要があるとも考えていた。山と木が水を蓄え、自然のダムになっていることを知らせなければならない。
そして、森林だけではなく、自分自身の世代交代も考えていた。百音に跡を継いでもらえるよう、植樹祭の様子を百音に見せておきたいと思ったのだ。
ある夜、勉強会を再開しようと、百音はカフェで菅波を待っていた。その日、菅波は往診に出かけており、少し遅れていた。雷雨になったが菅波はなかなか帰ってこなかった。
やっと菅波が到着すると、サヤカ(夏木マリ)を背負っていた。ドブにハマって動けなくなっていたところを偶然見つけ、治療のために連れてきたのだ。サヤカは、薪を運びながら植樹祭のことを考えてぼんやりしていたら落ちてしまったのだという。
サヤカは右足を骨折した。菅波に処置され、家まで帰ってこられた。
菅波は、百音がサヤカの面倒を看ることを言いつけて帰っていった。去り際「一人だと不安だ、あなたがいてよかった」と述べた。
その夜、百音はサヤカに家族のことを聞いてみた。サヤカは過去に4度結婚し、いずれも半年以内に別れてしまったという。子どもはいないと話した。
そして、自分の怪我のせいで植樹祭は取りやめだと寂しそうにつぶやいた。
それから百音は、甲斐甲斐しくサヤカの世話をした。
そして、気象予報士の勉強をしばらくやめることにした。菅波から言われた「今できること、やるべきことはなにか」「一人だと不安だ、あなたがいてよかった」という言葉から、今の自分に必要なことを考えたのだ。
その結果、自動車の運転免許証を取得することにした。車がなくては不便な地域であるにもかかわらず、サヤカは足の怪我で運転ができなくなってしまった。だから自分が運転できるようになって、サヤカの喜ぶ顔が見たいのだ。
そのことを菅波に報告すると、彼も賛成した。