NHK『舞いあがれ』第17回

YouTubeの福原遥チャンネル「福原遥とふくはらはる」におけるギター挑戦企画が2回め以降更新されていないことを残念に思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の17回めの放送を見ましたよ。

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第4週『翼にかける青春』

人力飛行機サークル「なにわバードマン」は、年に一度開かれる大会への出場を活動の中心に据えている。
今年の大会は、由良冬子(吉谷彩子)をパイロットとして挑む。彼女はこの1年間、朝から晩までトレーニングに明け暮れ、体力づくりとともに減量もするという過酷な日々をすごしていた。人力飛行機のコクピットも彼女の体型に合わせて作られていた。
大会では飛距離を競い合う。部員たちは、冬子を1mでも遠くまで飛ばしてやろうと機体作りに取り組んでいた。

そんな矢先、なにわバードマンに書類選考の不合格通知が届いた。具体的な理由はわからなかったが、機体コンセプトが他のチームと重複するなど、書類選考で落とされることはまれではないらしい。それでも、部員たちはひどく落胆した。

それでも、部員たちは活動をやめなかった。
女性パイロットによる人力飛行機の飛距離世界記録は、1987年にアメリカの女性パイロット・ライトイーグルによる15.44kmである。冬子によってその記録をやぶることを新たな目標に定めた。部員たちは誰も反対せず、ふたたび一丸となって取り組み始めた。

舞(福原遥)も懸命に活動に参加した。
もともと手先が器用だった舞は、すぐに部品作りの腕前をあげた。しかも、いつも誰よりも早く部室に来るほどの熱心さだった。
加えて、久留美(山下美月)の働くカフェ「ノーサイド」で一緒にアルバイトを始めた。月額1万円の部費の他、活動費を納めなければならず、それを稼ぐ必要があるのだ。
舞は毎日くたくたになった。それでも充実した日々だった。

ある夜、バイトを終えた舞と久留美は、舞の家の隣であり、幼馴染・貴司(赤楚衛二)の両親が営むお好み焼き屋に出向いた。貴司が初任給でご馳走してくれるというのだ。

貴司は今でも本を読んだり、詩を書いたりするのが大好きだという。根っからの文学好きなのに、なぜか今はシステムエンジニアとして働いている。その理由は、コンピュータが相手なので、人間関係に煩わされず楽だと思ったからだという。彼によれば、不思議なことに働けば働くほど、前よりももっと文学に携わりたいと思うようになったという。自分の夢や好きなものがはっきり見えるようになったという。
久留美も同様だという。看護学校に進学したものの、成績が下がると授業料免除が取り消されてしまうので勉強の手を抜けないという。それに加えて、家計を助けるためにバイトをしたり、父・佳晴(松尾諭)の身の回りの世話もしなくてはならない。大変な毎日だが、そんなことに負けず、立派な看護師を目指して燃えているのだと話した。

舞は、そんな二人に感心した。

そこへ突然、舞の兄・悠人(横山裕)が姿を現した。

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NHK『舞いあがれ』第16回

病気などをしたわけではないと思うけど、ここ半年くらい60-61kgくらいの体重になった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の16回めの放送を見ましたよ。

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第4週『翼にかける青春』

18歳になった舞(福原遥)は航空工学を学ぶため、浪速大学に進学した。
そこで「なにわバードマン」という人力飛行機サークルの存在を知り、見学させてもらった。部室の中央には発泡スチロールで作られた主翼の骨組みがあり、舞はその造形の美しさに見とれた。

主翼に近づいて見ていると、由良冬子(吉谷彩子)から手を触れるなと怒鳴られた。その声にびっくりして振り返った瞬間、舞は鞄を引っ掛けてしまい、骨組みの一部を壊してしまった。舞は謝りつつ、ほうほうの体で逃げ去った。

大失敗してしまったものの、舞はそこで見た翼のことが頭を離れなくなった。繊細なのに力強く、大きいのに軽くできていて、それは本当に見事だったからだ。

意を決した舞は、再び なにわバードマン の部室を訪ねた。自分が壊した翼の修理を手伝うとともに入部させてほしいと願い出た。
先日、舞のことを怒鳴りつけた冬子は、舞を追い返そうとした。翼は春休みいっぱいかけて作ったものであり素人にそう簡単にできるものではないというのだ。

舞が彼らの主翼がいかに美しいかを語るのを聞いた部員の鶴田(足立英)が助け舟を出した。主翼の美しさがわかるなら、一緒に作る資格があると言うのだ。
こうして、舞は なにわバードマン に入部することになった。

年に一度、琵琶湖で飛距離を競い合う人力飛行機の大会が開かれる。なにわバードマンはその大会を目指し、1年かけて準備を行うことがメインの活動だという。部員は10名ほどで、各々がプロペラや胴体、設計などの担当に分かれている。
入部を許してくれた鶴田が去年のパイロットで、次の大会では、舞のことを怒鳴りつけた冬子がパイロットを担う予定だという。パイロットは自分の脚力で飛行機を飛ばさなければならない。人力飛行機の設計・製造を行う部員たちとは行動を別にして、トレーニングに出かけた。
今年の飛行機の設計を行ったのは、刈谷(高杉真宙)という学生だった。遠目ではあったが、舞は設計図を羨望の眼差しで見つめた。

人の乗れる飛行機を自分たちの手で作るということに、舞は胸が熱くなった。
早速、ハサミで紙を切って部品の一部を手伝った。しかし、そんな単純な作業にもかかわらず、舞は切るのを失敗して1枚無駄にしてしまった。

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NHK『舞いあがれ』第15回

Google Keepを使って自分の好きな女優をリストにしているのだけれど、このサービスは更新した月日は記録されるが年は記録されない(4月29日更新ということはわかった)という謎の仕様で、いつ更新したかは正確にはわからないのだけれど、葵わかながあるということはおそらく『わろてんか』(2017年度後期朝ドラ)の後だと思うので、2018年4月に更新したっきりかもしれないと思うわけだけれど、黒島結菜が『マッサン』(2014年度後期朝ドラ)には出演していたけれど、まさか『ちむどんどん』(2022年度前期朝ドラ)で主演するとは思っていなかったし、なぜかリストのトップに書かれている原田美枝子さんが同作で共演するとはもっと思っていなかったわけだけれど、ついに永作博美さんまで朝ドラに出演したことは喜ばしいし、ミシェル・ファイファーはまあ無理としても、あとは麻生久美子さんと蒼井優が朝ドラに出演したらこのリストはコンプリートだなと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の15回めの放送を見ましたよ。

好きな女優リスト

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第3週『がんばれ!お父ちゃん』

舞(浅田芭路)と久留美(大野さき)は自分たちの父を元気づけようと模型飛行機の作成を続けていた。一度は失敗したものの、主翼に改良を加えたものがやっと完成した。次の日曜にみんなを呼んで学校で飛ばすことに決めた。

当日、彼女らの飛行機は見事に飛んだ。その様子を見て、舞の父・浩太(高橋克典)や久留美の父・佳晴(松尾諭)は大いに喜んだ。舞と久留美は、飛行機が無事飛んだことも嬉しかったが、父たちが喜んでくれたことをなにより嬉しく思った。

舞は母・めぐみ(永作博美)はもちろん、兄・悠人(海老塚幸穏)も誘った。けれども、悠人は勉強で忙しいと言って難色を示した。彼は一生懸命勉強して、東大にいくことを目標にしている。浩太のように小さな工場で小さなネジを作るような人生を送りたくないと舞に言うのだった。
父をけなした悠人であったが、舞はそれをとがめなかった。むしろ、向かい風にも負けずに強くなれという祖母・祥子(高畑淳子)の言葉を紹介し、自分はずっと悠人を応援すると約束した。
飛行機を飛ばした日、悠人はみんなの輪から離れて、遠くでこっそりと様子を見ていた。

後日、浩太たちが試作したネジの合格通知を受けた。すぐにでも量産を開始してほしいとのことで、浩太の工場は倒産の危機を免れた。共に施策に取り組んだたった2人の従業員、笠巻(古舘寛治)と結城(葵揚)も大いに喜んだ。
浩太は大きな自信を持った。従業員や子どもたちに対して、これからも新しいことにはどんどんチャレンジしていこうと語るのだった。

将来の夢を聞かれた舞は、飛行機を作りたいと話した。浩太は、舞が自分と同じ夢を抱いたことを嬉しく思った。

2004年4月。
浩太の工場は順調に業績を伸ばし、今では社員18人で2つの工場を有するほどに大きく成長していた。兄・悠人(横山裕)は東大に進学し、そろそろ就職活動の時期である。しかし、彼はほとんど連絡をよこさず、めぐみ(永作博美)が電話をかけても留守電ばかりだった。めぐみは心配しつつも、悠人ならきっと大丈夫だろうと楽観視した。

18歳になった舞(福原遥)は浪速大学で航空工学を学ぶ学生となった。
多くのサークルから勧誘を受ける中、人力飛行機を作っているサークルの部室を見学に行った。それは舞にとって運命の出会いだった。

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NHK『舞いあがれ』第14回

近頃、朝晩寒くて萎えている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の14回めの放送を見ましたよ。

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第3週『がんばれ!お父ちゃん』

工場の起死回生のために、浩太(高橋克典)は特殊なネジの試作を請け負った。しかし、相場の納期の半分で仕上げなければならない。懇意の業者に必要な金型の製作を頼むと、あまりの納期の短さに怒鳴られてしまった。それでも、先代からの付き合いがあるからといって注文通りに作ってくれた。
こうして、3週間後の納期に向けて試行錯誤が始まった。

あまり元気のない浩太を励まそうと、舞(浅田芭路)は古本屋デラシネで隠れて模型飛行機を作っていた。幼馴染の貴司(齋藤絢永)も読書のために通っている。

舞はクラスメイトの久留美(大野さき)
()をデラシネに誘った。久留美はクラスの女子から仲間はずれにされていて、舞は気にかけていたのだ。久留美はそれに応じた。
久留美は料理本を見ながら、レシピをメモすることにした。久留美は父・佳晴(松尾諭)と二人暮らしだが、久留美が料理をしているのだという。彼女の父は新しい仕事を探しているが見つからず、元気がないと話した。舞も久留美も、自分の父を心配しているという点で共通していた。

舞は久留美にも飛行機を作るよう提案した。それで久留美も飛行機作りを始めた。一方、貴司は飛行機作りには興味がないと言って、本を読み耽るばかりだった。それでも、人手が必要な作業の場面では、貴司が手伝ってくれた。

いよいよ、ゴム動力のプロペラをつけ、模型飛行機が完成した。しかし、思うように飛ばず、すぐに落ちてしまった。
解決策の思いつかない舞であったが、浩太には秘密にしているので相談できない。そこで、工場の若い職人・結城(葵揚)をこっそりデラシネに呼び出して見てもらうことにした。結城の見立てよれば、翼の角度が良くなさそうだった。舞は結城の助言に従って改良を加え、完成までもう一息となった。

いよいよ、試作ネジの期限の日になった。職人・笠巻(古舘寛治)の奮闘により、ほぼ注文通りのところまで漕ぎ着けた。あとは微調整を加えれば納品ができる。
しかし、その矢先、調子の悪かった工作機械がついに止まってしまった。

浩太は隣のお好み焼き屋に駆け込んだ。機械が専門の古田(湯浅崇)がたいていそこにいることを知っているからだ。案の定、そこで古田はお好み焼きができあがるのを待っていた。
しかし、古田は浩太からの修理依頼をきっぱりと断った。彼も納期が翌日に控えており、今日は浩太の手伝いをしている暇はないというのだ。浩太と同じように、古田にとっても注文の納期は絶対だった。彼らのような町工場にとっては、注文主の信用を損なうことは死活問題なのだ。
浩太の幼馴染であり、お好み焼き屋の店主である梅津(山口智充)は、浩太を援護するため古田をにらみつけた。それでも古田の考えは変わらなかった。
浩太は諦めざるを得なかった。

浩太が去るのと入れ替わるように、舞がお好み焼き屋にやってきた。工場の作業が大詰めで、めぐみ(永作博美)もつきっきりで手伝っている。夕食の準備もできないので、舞にお好み焼きを買いに行かせたのだ。
先の浩太と古田の経緯を知らない舞は、屈託のない笑顔で古田に挨拶した。その様子に古田は気まずい思いをした。お好み焼き屋の妻・雪乃(くわばたりえ)も加わり、夫とともに舞がどんなに健気で父思いの子どもなのかとわざとらしく話し始めた。古田は自分が責められていることに耐えきれなくなり、店を飛び出して浩太の機械の修理に向かった。

こうして、ギリギリのタイミングで試作ネジは完成した。

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NHK『舞いあがれ』第13回

生駒山上遊園地の所在地は、東大阪市に隣接しているとはいえ奈良県生駒市なので、本作はこれまでのところ大阪府、長崎県、奈良県の3府県が舞台になったなと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の13回めの放送を見ましたよ。

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第3週『がんばれ!お父ちゃん』

父・浩太(高橋克典)のネジ工場は、設備が古く、特殊な技術もあるわけではない。昔からの得意先の注文だけを受けて事業を続けている。しかし、安くて品質も高まってきた外国製品に押されて、浩太の工場は取引を中止されてしまった。倒産の危機が迫っていた。
浩太は新しい受注に繋げようと、足繁く営業して回ったがうまくいかない。

長男・悠人(海老塚幸穏)は私立中学への進学を希望している。本人は、ゆくゆくは東大に合格することを目指している。そのために中学受験の勉強を人一倍努力しており、私立中学入学後のプランも明確にしている。
ところが、浩太の事業が傾きかけているため、悠人を私立に行かせることも難しく思われた。そのことを話すと、悠人は強く反発した。めぐみ(永作博美)は、悠人の実力ならば公立校からでも東大に行けるだろうと励ましたが、聞く耳を持たなかった。

古本屋デラシネで模型飛行機の本を買った舞(浅田芭路)は、同店の部屋を借りて飛行機作りに取り組んだ。幼馴染の貴司(齋藤絢永)も一緒で、彼は店主・八木(又吉直樹)の非売品の詩集を熱心に読んだ。

飛行機作りの最初の工程として、舞は竹ひごで骨組みを作りはじめた。ロウソクで竹ひごを温めて曲げると本に書いてあったのでやってみたが、どうしても炎によって竹ひごが焼け焦げてしまってうまくいかない。父・浩太と一緒に作れば簡単だろうとは思われたが、仕事で忙しそうな彼には声をかけにくかった。

それでも、ある夜遅く、隣のお好み焼き屋でビールを飲んで帰ってきた浩太の隙を見つけて相談してみた。
浩太によれば、竹ひごを火で直接炙ってはいけないという。横に倒した缶の中にロウソクを立て、炙られて暖まった缶に竹ひごを押しつけるときれいに曲がるのだと実演してくれた。舞は問題が解決できて嬉しかった。
浩太は、明日、生駒山の遊園地に行こうと舞を誘った。もちろん舞も喜んで応じた。

次の日、ふたりは遊園地での1日を満喫した。舞は念願の飛行機の遊具に乗ったのはもちろん、さまざまな遊具を楽しんだ。浩太によれば、彼の亡くなった父も仕事ばかりの人だったが、ここに連れてきてくれた時は一緒に楽しんだという。

最後にふたりは、展望台から東大阪を眺めた。舞は街がキラキラと輝いて見えると話した。
浩太は自分の住んでいる街をそういうふうに思ったことはなかった。そして、自分はまだ諦めるわけにはいかないと決意した。

開拓営業を断られた会社をしつこく訪問して回った。もちろん良い返事はひとつも取れなかった。
そんな中、ある会社で担当の課長(森本竜一)と押し問答をしていると、見かねた若い社員・真鍋(石田直也)が助け舟を出してくれた。特殊ネジ試作の案件があるという。かなり難しいもので、どこからも断られて困っているという。浩太はそれを引き受けることにした。

工場に戻り、職人・笠巻(古舘寛治)に話したところ、彼ははっきりと難色を示した。納期は3週間と決められていたが、少なくともその倍以上の時間が必要な案件であった。そもそも、新しい金型が必要になるが、それすら適当な時期に手に入るとも思えなかった。
それでも浩太はなんとかしたいと言うばかりだった。

その頃、舞はついに竹ひごで翼の骨組みを作り上げた。

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NHK『舞いあがれ』第12回

昨日コンビニに行ったら、レジ横でカルーアが安売りされていたのでつい買ってしまったのだけれど、肝心の牛乳を買い忘れた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の12回めの放送を見ましたよ。

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第3週『がんばれ!お父ちゃん』

父・浩太(高橋克典)が生駒山の遊園地に連れて行ってくれると約束した日の前日、舞(浅田芭路)は飛行機に乗れるのを楽しみに学校から帰ってきた。
ところが、工場を覗くとそれどころではなさそうだった。取引先から急に納期を早めるよう言われ、翌日は休日返上で作業しなければならなくなった。小さな町工場は立場が弱く、そういった要求でも受け入れなければ立ち行かないのである。
舞に未練はあったが、文句も言わず諦めた。

遊園地行きが中止になった舞は、ばらもん凧に独自の工夫で翼をつけて飛ばしてみることにした。しかし、当てずっぽうで作った翼にはもちろん何の効果もなく、凧は全くあがらなかった。
自室でガッカリしていると、仕事の合間に浩太が覗きにきた。浩太は自分が舞くらいの時の写真を見せた。その歳のころ、初めて自分で模型飛行機を作って飛ばしたのだと言う。今度一緒に作ろうと誘ってくれて、舞は嬉しくなった。
けれども、浩太の仕事は忙しくなるばかりで、なかなか時間を作ってもらえなかった。

ある日、舞は幼馴染の貴司(齋藤絢永)とともに、古本屋デラシネを訪ねた。そこで模型飛行機の本を購入し、独自に勉強しようとしたのだ。

店主の八木巌(又吉直樹)は偏屈な男だった。本をちょっとでも雑に扱う客のことが気に入らず、本を売らないと言って即座に追い出すほどである。
それでも舞には優しかった。舞が模型飛行機の作り方の本を探していると言えば、関連する本をいくつか見繕ってくれた。舞はその中で気に入った1冊を購入した。

その間、一緒に来た貴司は、目についた詩集を読んでいた。自分が思っていても言葉にできなかったことを代弁してくれているようだし、目の前に景色が見えるようだと評した。貴司はそれを買おうとしたが、店主・八木によれば売り物ではないと言う。なぜなら、八木本人の詩集であり、2冊しか印刷しなかったからだと言う。貴司には譲ってくれなかったが、店の奥でじっくり読むことを許してくれた。貴司は貪るように読み始めた。

その頃、舞には知る由もなかったことだが、浩太のネジ工場は古くからの付き合いのある客から取引を止められてしまった。客の言い分は、浩太の工場のネジには細かい傷があるというものだった。ねじ止めの機能に問題はないが、現代では美しさも品質の一部だと言う。近年では外国製品の品質が良くなっているばかりか、価格面でも有利である。すでに他社と契約したと言うのだ。
浩太は頼み込んだが、取り付く島はなかった。

本を買ってきた舞は、早速、浩太に報告しようとした。しかし、浩太は事務所で険しい顔をしていた。舞は声をかけられなかった。
自室に戻った舞は、本を見ながら必要な材料を調べた。そして、貯金箱を開けてお金が足りるかどうか心配になった。

それでもなんとか自力で模型飛行機を完成させて飛ばせてやろうと決意した。
浩太は飛行機が飛んでいるのを見ると元気になると言っていた。だから、舞がそれを見せて元気にしてやりたいと思ったのだ。

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NHK『舞いあがれ』第11回

11月6日(日)に開催予定の『「舞いあがれ!」トークショー』の観覧抽選(10/19締切)に申し込んだ当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の11回めの放送を見ましたよ。

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第3週『がんばれ!お父ちゃん』

五島での暮らしですっかり元気になり、舞(浅田芭路)は東大阪に帰ってきた。
家では自主的に食事の配膳を手伝うようになったり、体育の授業に参加するなど、以前と大きく変化していた。

舞は、五島からの帰り道、初めて飛行機に乗った。その楽しかった経験を嬉しそうに父・浩太(高橋克典)に話した。
すると、浩太も飛行機が好きだと教えてくれた。子どもの頃、生駒山からグライダーが飛んでくるのをよく見かけて憧れたのだと言う。当時のグライダーの写真や、飛行機を考案した江戸時代の発明家の記事など、彼が集めた大量の資料を見せてくれた。実は浩太は、若い自分に飛行機制作に携わりたかったのだが諦めてしまったと言うのだ。
浩太は、次の休みに生駒山の遊園地で飛行機に乗ろうと舞を誘った。舞もその日を楽しみにした。

9月になって舞は東大阪の小学校に戻った。
舞は大好きだったウサギのサキちゃんの様子を見に行ったが、そこにサキちゃんはいなかった。
飼育係の同僚のによれば、夏休みに死んでしまったのだという。とても暑い日があり、心配した久留美は、涼ませる目的でサキちゃんを家に連れて帰った。しかし、翌朝には死んでしまっていたという。
舞は落ち込んでしまった。

学校ではもう一つ気がかりなことがあった。
どうやら、久留美がクラスの女子から仲間はずれにされているようなのだ。久留美はそもそも社交的な性格ではなかった上、ウサギのサキちゃんを家で死なせてしまったことが心象を悪くした。
舞はそれを受け入れ難かった。久留美は、舞が熱で学校を休んだ時、励ましの手紙をくれた優しい子なのだ。けれども、周囲の女子たちと対峙して久留美を弁護するほどの度胸はなかった。

舞は、学校でのできごとをめぐみ(永作博美)に話した。しかも、舞が本で読んだ知識によれば、ウサギは自分の病気を隠す習性がある。だから、久留美が家に連れて帰った時には、すでにサキちゃんは手遅れだったと思われるのだ。久留美に落ち度はないというのが舞の見解だった。
めぐみは、久留美に直接そのことを話してやるべきだと助言した。

翌日、久留美は学校を休んでいた。そこで、舞は彼女の家を訪ねてみた。
久留美は元気な様子で家にいた。ただし、家にいる父・佳晴(松尾諭)を舞の目から遠ざける素振りを見せた。彼は平日の昼間から家におり、自分のことを友達に見せるのが恥ずかしいのかなどと言う声が聞こえた。
久留美は舞を誘って歩きに出た。久留美は父のことを弁解した。彼は元ラグビー選手で、それはかっこよかったという。しかし、怪我をして会社を辞めてしまったと説明した。

舞は、ウサギが病気を隠そうとすることを教え、サキちゃんが死んだのは久留美のせいではないと話した。それを聞いて、久留美の表情が柔らかくなった。舞もちゃんと言えたことに満足した。

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NHK『舞いあがれ』第10回

本日、永作博美さんの52回めの誕生日であることを全身全霊をかけてお祝い申し上げる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の10回めの放送を見ましたよ。

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第2週『ばらもん凧、あがれ!』

一度は断ったものの、舞(浅田芭路)は本心ではばらもん凧を揚げたいと思っていた。祥子(高畑淳子)やめぐみ(永作博美)の後押しもあり、舞はリーダーの一太(野原壱太)に参加させてくれるようお願いに行った。
当初、無下に断ったせいで仲違いしていたが、一太は快く迎え入れてくれた。

そして、凧揚げ当日になった。
計画では、一太が一人で紐を持って走り、2mの巨大ばらもん凧が揚がったらみんなで紐を持って助けるということになっていた。
しかし、直前で一太は、最初に走る役を舞にやらせることにした。一太によれば、舞が自分から何かをやりたいと言ってきたのは初めてのことだから譲るのだという。心配そうな顔をする舞だったが、一太はすぐに助けるから大丈夫だと励ました。
それで、舞は自分が走る役目を引き受けた。

舞が凧紐を持って駆け出すと、巨大ばらもん凧は向かい風を受けて舞いあがった。風に煽られたせいで舞はよろめいたが、すぐにみんなが紐を掴んで助けてくれた。そうして凧は安定し、見事な姿となった。
舞は自分で揚げることができたことをとても喜んだ。

翌朝、祥子とめぐみは電話で話をした。
祥子は舞が立派に凧を揚げたこと、走ったにもかかわらず熱も出なかったことを報告した。祥子の見立てでは、舞はすっかりよくなったと思われた。それで、祥子は東大阪に帰らせると告げた。

祥子は舞への餞別として、舞と兄・悠人(海老塚幸穏)のために作ったばらもん凧を持たせることにした。
ばらもん凧のように、どんな向かい風にも負けずに逞しく生きろとエールを送った。舞は力強く頷き、これまでの数ヶ月のことを感謝した。

出発の日、迎えにきためぐみがフェリーターミナルで待っていた。舞とめぐみは再会を抱き合って喜んだ。
めぐみは、祥子に感謝し、これからは自分が全て引き受けると話した。一方、祥子はそんなめぐみに対して、あまり頑張りすぎるなとたしなめた。
フェリーが出港すると、舞はいつまでもデッキから手を振った。また島に来ることを約束すると大声で叫んだ。

舞は、めぐみに大阪まで飛行機で帰りたいとねだった。一度乗ってみたいのだという。めぐみはそれを許した。
飛行機に乗った舞は興奮した。雲の下に街が見えることがすごいことだと思った。

こうして、舞は無事に東大阪に帰ってきた。

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NHK『舞いあがれ』第9回

昨日の放送では14年前のめぐみとして、聖子ちゃんカットの永作博美さんが登場したわけだけれど、駆け落ちまでして浩太(高橋克典)と結婚した経緯はまだ語れていないので、過去のふたりの馴れ初めシーンが見たいし、その時に再び聖子ちゃんカットの永作さんを拝めるといいなと願う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の9回めの放送を見ましたよ。

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第2週『ばらもん凧、あがれ!』

舞(浅田芭路)が療養のため五島に来て1ヶ月が経った。舞はすっかり島での生活になじみ、熱の出る回数もめっきり減った。畑仕事の手伝いなど、屋外でも元気に過ごしている。
ただし、まだ大事をとって、学校の体育の授業など激しい運動は避けている。

ある日、舞は同級生・一太(野原壱太)の家へジャムを届けに行った。あいにく一太は留守で、その母で、身重の莉子(大橋梓)だけが家にいた。
突如、莉子が産気づいた。しかし、家には誰もいなかった。

舞は走って自宅と往復し、祥子(高畑淳子)を連れてきた。さらに、莉子の家族が出かけているという浜辺にも走って伝えに行った。
舞の迅速な行動や祥子の助けなどもあって、莉子は無事に元気な赤ん坊を産むことができた。

その日、あれだけ全速力で走ったにもかかわらず、舞はまったく具合が悪くならず、熱も出なかった。
祥子は舞のおかげでみんなが助かったと言って、大いに褒めた。

そして、8月になった。
舞は4月からずっと五島に滞在したままである。体調もずいぶん良くなっているし、地元の子どもたちと元気に遊びまわっている。

舞は、一太の祖父が作っているという新しいばらもん凧を見せてもらった。先に生まれた赤ん坊のためのもので、大きさが2mもある巨大なものだった。一太にとって、それは誇らしい凧だった。
それだけ巨大な凧は、数人がかりでなければ揚げることができない。そこで一太は舞に手伝ってくれるよう頼んだ。
しかし、舞は即座に断った。以前に一太の凧を借りて壊してしまったことで怖気付いているのだ。
断られた一太はひどく腹を立てた。

8月なので、島では先祖供養の祭りや宴会が開かれた。大人も子どもも大勢が集まった。
子どもたちは集まって遊んでいたが、舞はそこから離れておとなしくしていた。凧揚げを断って一太と気まずくなってしまったからだ。一方の一太は、元気な子どもで、いつも輪の中心にいた。

宴会のみんなの前で、一太はあの巨大なばらもん凧を翌週揚げると宣言した。そのためのメンバーを発表した。一太の父・信吾(鈴木浩介)、一太の妹・凛(絢香)、同級生・耕平(奏音)、そしてフェリーターミナルの売店員・さくら(長濱ねる)と決められた。
船大工の木戸(哀川翔)から舞は参加しないのかと聞かれた。一太は、誘ったけれど理由もなく断られたと答えた。舞は黙ってうつむいていた。

その夜、舞は久しぶりに熱を出した。一太の凧を壊してしまった夢をみてうなされた。

翌朝、少し良くなり、祥子に事情を話した。自分が手伝って大事な凧を壊してしまうことや、うまくできなくてみんなをガッカリさせることが怖いのだと説明した。
祥子は、失敗は誰しもすることだと話した。加えて、舞は人の気持ちを考えられることが良い点だが、同時に自分の気持ちも大事にしなければならないと諭した。めぐみ(永作博美)に思っていることを全て話して相談することを勧めた。

めぐみは電話で経緯を聞くと、舞の気持ちはどうかと尋ねた。
舞は、赤ちゃんに元気になってほしいと答えた。それを聞いためぐみは、気持ちが届くように一生懸命やればよい、思い切って凧揚げに参加すべきだと話した。
舞は明るい顔になって同意した。

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NHK『舞いあがれ』第8回

パソコンのホスト名には必ず女性の名前を付けることにしていて、当然 hiromi と名付けたパソコンも使っていたことのある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の8回めの放送を見ましたよ。

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第2週『ばらもん凧、あがれ!』

ある日曜日、舞(浅田芭路)は祖母・祥子(高畑淳子)の船に同乗した。釣り客を磯まで送り迎えする瀬渡しの仕事についていったのだ。
朝のうちに送り届け、15時に迎えにくるよう依頼された。釣り客は16時半の飛行機に乗らなければならないという。祥子は長年の経験から、この辺りは潮の流れが急なので少し早めに迎えにくると約束した。

その頃、東大阪では、めぐみ(永作博美)が舞と祥子のことを考えていた。病弱な舞を五島に残してきたことは心配である一方、解放されてホッとしていることにも気づいたのだ。
14年前、祥子の反対を押し切って、めぐみは浩太(高橋克典)と結婚した。もう二度と会わない決意ではあったが、祥子を見返すつもりで良き妻、良き母であろうとがむしゃらに頑張ってきた。ところが、無理がたたり、いやいやながら祥子に頼らざるを得なくなった。
14年ぶりに会った祥子はすっかり老けていた。しかし、その姿を見た途端、めぐみは肩の力が抜け、祥子に素直に頼ろうと思った。めぐみには、祥子はめぐみが頑張りすぎていることに気づいて、楽になるよう仕向けてくれたのだろうと思われた。それがありがたいと思うのだった。

港に戻ってきた舞と祥子は、船着場で朝食の弁当を食べていた。
その時、舞は祥子の船に「めぐみ丸」と書かれていることに気づいた。祥子によれば、船に自分の長女の名前をつけることは縁起が良いのだという。おかげで、大きな事故に遭うこともなく、よく働いてくれる船なのだという。

舞は、祥子とめぐみの関係について聞いてみた。ふたりは喧嘩したからずっと会っていなかったのかと尋ねた。
祥子は、フェリーターミナルで14年ぶりにめぐみの姿を遠くから見た時、涙ぐんだことを思い出した。
しかし、そのことは伏せたまま、祥子はめぐみと喧嘩別れしたことを素直に認めた。ただし、めぐみのことを嫌いではなく、ずっと帰ってくるのを待っていたと話した。子どもが生まれたと知って、舞や兄・悠人(海老塚幸穏)の顔を見たいと願っており、今は舞と一緒にいられることがとても嬉しいという。

孫たちに言及したことが呼び水となって、祥子は作りかけのばらもん凧のことを思い出した。急いで舞を家に連れて帰り、それを見せた。悠人が生まれた時に作った凧は完成していたが、舞の分は骨組みのまま放置されていた。祥子は今から二人で完成させることを提案し、舞は喜んで応じた。

ばらもん凧の絵は、侍が小鬼を退治する勇壮な表情を模している。その絵には強い子になってほしいという願いが込められるのだという。顔以外の部分は、舞の自由に任された。舞は、五島の海と空、そして島を描き込み、船と飛行機も配した。それは祥子も舌を巻くほどよく描けていた。

ようやく凧が完成した頃、同級生の一太(野原壱太)が遊びにきた。彼もばらもん凧の出来栄えに感心し、一緒に揚げようと誘った。
しかし、舞は断った。以前に一太の凧を借りてしくじり、壊してしまったからだ。この凧は大事に飾っておくという。

ほっと一息ついた祥子が時計を見ると、15時ちょうどだった。本来なら、釣り客を磯で迎えていなければならない時刻である。
祥子は慌てて家を飛び出して行ったが、釣り客が乗るはずだった飛行機には当然間に合わなくなった。怒り心頭の客たちに対して、祥子は飛行機代と宿代の弁償をし、何度も頭を下げて謝った。
失敗してしまったと落ち込む祥子に対して、舞は「失敗は悪いことじゃない」と話しかけた。それは、舞が失敗するたびに翔子から言われていた言葉である。祥子は少しだけ救われたような気持ちになった。

学校の図工の時間に、貝殻をたくさん吊るした風鈴を作った。舞の風鈴はクラスメイトからも先生からも褒められるほどのきれいな仕上がりになった。家に持ち帰った舞は、それを祥子にプレゼントした。
そして、迎えにきた一太と一緒に、舞は元気に遊びに出かけた。

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