情熱を持って書く: 『言語表現法講義』(加藤典洋)

僕は、自分の文章にうぬぼれてはいないつもりだ。それほど優れた修辞技法を使えるわけでもないし、書いてある内容だって必ずしも人々の関心を惹くものではないだろう。
それでも、5年近くも当blogを継続し、記事数も通算2,000を越えた。その間、何人かは僕の文章のファンになってくれたようだ。人に認められるということは、素直に嬉しい。僕の活動の原動力となっている、ファンの皆様には感謝したい。

自分のファンのことは、分け隔てなく大切にしているつもりの当方である。しかし、女好きで有名な当方のことであるので、普段から女性ファンのことを優遇しがちなことを本人も自覚している。自覚しているのだが、改善するつもりも、義理もない。今後もこの調子だ。

何人かいる女性ファンのうち、当方が「ファン第一号」と認定証を発行して差し上げてもよいと考えている女の子がいる。
彼女は
はぁ?なに寝ぼけたこと言ってんの?そんなの欲しいわけないじゃん。むしろメーワク
と一笑に付すだろうが。

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生・森見登美彦を3mほどの距離で見た

本日、啓林堂書店・奈良店で森見登美彦のサイン会が開催されていたので、見物に行ってみた。

新刊『宵山万華鏡』を同書店で購入した先着50名に整理券が配布されるとのことであった。僕が現地に着いたのは、サイン会開始2時間前で、すでに整理券は払拭していた。ていうか、発売直後(7/3)から配布されていたようで、今さらノコノコ出かけていってもダメだったわけだ。

本にサインはもらえないわけだが、サイン会場への出入りは自由だったので、生の彼を見物してみることにした。

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『日本の殺人』 河合幹雄

僕たちは、殺人者は残虐非道であり、相手が誰であっても躊躇することなく殺してしまう、となんとなく思い込んでいる。小説や映画でそのような登場人物をたくさん見ているせいかもしれないし、マスコミ報道などで凄惨な犯人像が日常的に伝えられているせいかもしれないし、センセーショナルでおどろおどろしい事件は茶飲み話で取り上げられやすいせいなんかもあるかもしれない。

しかし、法社会学を専門とし、公的な統計資料を調べたり、刑務所を訪問して聞き取りを行っている著者によれば、実際の殺人者像は大きく異なるらしい。

日本の殺人数は年間1400件ほどだそうだ(未遂-人殺しを実行したが死ななかった- と予備-殺すつもりで準備した- を含む)。人口10万人あたりに換算すれば 1.2件となる。他国と比較すれば、アメリカで5.6、イギリスで3.5であり、日本は他の先進国に比べてずいぶんと殺人が少ない。このあたりは、「日本は治安がいい」ということなので、今さら騒ぐほどのことでもないが。

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『名誉と暴力』(ニスベット&コーエン)

・・・自分の悩みや揺れ動く心が自分ひとりの私的な事柄なのではなく、世のなかのあり方と深く結びついているのだという理解が、自分の生き方について考えるための手がかりとなってくれることを願ってやみません

『名誉と暴力』邦訳刊行にあたって(山岸俊男)
(強調部筆者)

センテンスの最後を「やませまみ」と空目してしまいながらも、ニスベット&コーエン『名誉と暴力: アメリカ南部の文化と心理』(石井・結城編訳)を読んだ。

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あなたのお薦めを教えてください: 2,319円分

Amazonギフト券残高 2,319円

危なく忘れるところだったのだけれど、僕はAmazonギフト券の残高を 2,319円分持っている。

普段は、能動的に情報収集して、自分の欲しいものを自分で決定している当方(書評記事を読んだり、いろんな人のblogを読んだり)なのだが、たまには受動的に他力本願で買い物してみようと思った次第。

そんなわけで、何かお薦めの商品(Amazonで買うことができるものに限る)がありましたら、教えてください。商品の種類(本、DVD、CD、その他)は問いません。価格もおよそ2,500円以内であれば(ギフト券で足りない分は、200円くらいなら自腹を切る)、何円のものでもいいですし、予算の範囲内であれば複数の商品をあげて下さってもかまいません。
コメント欄に書き込んでくださってもいいですし、Amazon アフィリエイトをやってる方は、自分のblogにリンクを貼って、当記事にトラックバックして下さってもかまいません。

ただし、勝手ながら、お薦めいただいた商品を吟味の上、購入商品を決定させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

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蟷螂山(祇園祭宵々々山)

蟷螂山今朝7時半頃、知り合いから急遽「今夜、祇園祭の見物に行かないか?」と誘われた。今まで一度も祇園祭を見たことがなかったので、行くことにした。

先日読んだ、森見登美彦『宵山万華鏡』に「蟷螂山」という単語が出てくる。幼い姉妹が、「カマキリを見たい」と人ごみをかき分けているうちに、ふたりははぐれて迷子になってしまうというくだりだ。

「カマキリ」だの「蟷螂山」だの、祇園祭の「ぎ」の字も知らない当方だったので、小説を読んだ時には意味不明だったのだが、今日、実際に実物を見て理解した。屋根の上にカマキリの模型を乗せた山車だったのですね。
説明によると、山鉾の中で唯一ギミックが仕掛けられていて、羽や鎌が動くそうだ。巡行(山鉾が実際に練り歩く)は見に行けないので、そのナイス・ギミックを確認できないのは残念だ。

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僕がドラクエIXの購入を取りやめた唯一の理由

知人にネイリストが何人かいて、彼女らからもれ伝わってくるところによれば、ネイル・アートというのは素人が思っている以上に難しく、その検定試験に合格することも想像以上に困難なものらしい。
だから、ネイリストの皆さんのことをリスペクトしていることに間違いは無いのだが。

<<たぶん、ネタバレ。要注意>>

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選挙カーでは連呼しかしてはいけない

麻生首相は、今月21日に衆議院を解散し、8月18日公示、同月30日投票の日程で総選挙を行うことを決めたそうだ(asahi.comの記事)。

8月中旬から下旬にかけてが選挙運動期間となる。
ただでさえ暑くて腹が立つ時期なのに、喧しい選挙カーが町中を走り回るのかと思うと、今から暑苦しいやら腹が立つやらムカつくやら。

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恵龍山・大聖寺: 西国愛染明王ツアー(7)

大聖寺の愛染さんの御朱印

当方の愛染さんツアーにおいて、最大の難所になるだろうと予想されていた岡山県にある大聖寺を無事に制覇することができた。

役所広司、古手川裕子の像と紫陽花この寺には1万株を超える紫陽花が植えられており、通称「あじさい寺」だそうだ。シーズンは6月から7月中旬にかけてだそうで、今日はもう終わりかけであった。それでも、まだ花をつけている株がたくさんあったし、花弁の大きいものや小さいものなど、名前は知らないけれどいくつかの種類があることはわかって、なかなか楽しめた。今度は、満開の時期に来たいものである。

また、境内には役所広司と古手川裕子の立像があった。1984年にNHKで放映されたドラマ『宮本武蔵』に登場した武蔵(役所)とお通(古手川)の像だそうだ。
ドラマの原作は吉川英治の同名小説。その吉川英治が同作の執筆中に、大聖寺に滞在して構想を練った縁などがあって、この像が制作されたらしい。武蔵が三日三晩大木に吊るされ、反省をするというシーンがあるそうなのだが、その大木のモチーフとなったのが同寺門前の大銀杏だと伝わっているそうだ。

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須磨寺正覚院: 西国愛染明王ツアー(6)

正覚院の愛染朱印

昨日に引き続き、愛染さんの御朱印を獲得すべく、兵庫方面にドライブ。
まずは、神戸市内にある須磨寺へ。

正覚院愛染明王が奉られているのは、須磨寺の仁王門前にある正覚院。寺の前のコインパーキングの正面にあたり、アクセスしやすい。

提灯にも愛染明王と記されており、愛染さんが主役のお堂になっている。
大きなガラス張りで公開されているので、見仏しやすい。2m弱ほどありそうな像なので迫力もある。堂の明るさも程よい。

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