NHK『あさが来た』第34回

東海林さだおや中島らもリリー・フランキーあたりのエッセイをつまみ読みしてアホみたいに笑いたいと思う程度に心がささくれだっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第34回めの放送を見ましたよ。

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第6週『妻の決心、夫の決意』

あさ(波瑠)に会いに来たはつ(宮﨑あおい)が急に産気づいた。
加野屋は大騒ぎになり、女中たちが総掛かりでお産を手伝った。その結果、はつは無事に男の子を産んだ。

はつは夜逃げしたことを恥じており、そんな自分が会いに来てはあさに迷惑をかけると思い、素性を隠していたはずだった。しかし、お産の騒ぎですっかり正体がばれてしまった。
けれども、加野屋の者は誰もはつを咎め立てたりはしなかった。それどころか、めでたい場面に居合わせることができたと言って大喜びするのだった。

そんな中、あさの義母・よの(風吹ジュン)だけは少々面白くなかった。あさには子供が生まれないのに、姉のはつには子供ができたからだ。本来ならあさではなく、はつが嫁に来るはずだった。そうなっていれば、赤ん坊は自分たちの孫になっていたはずだと言うのだ。

その愚痴をあさが偶然聞いてしまった。
あさは家族の前では何でもない風を装っていたが、内心は傷ついた。

その頃、明治政府は廃藩置県を行った。それに伴い、両替商が旧幕府の藩に貸していた金は政府が肩代わりしてくれることになった。ただし、返還対象となるのは特定の条件を満たす一部のものだけであり、しかも利息なしで50年の分割払いと決められた。
両替商にとっては大損ではあったが、何もないよりはましである。加野屋では条件を満たす債権の洗い出しに大忙しとなった。あさも男たちに混じって帳簿調べに奮闘した。

そんなある日、商人の山屋(南条好輝)が石炭の見本を持ってやって来た。黒光りする石炭の美しさや、実際に燃える様子を目の当たりにし、あさはますます石炭に夢中になった。

山屋の話によれば、その石炭は筑前の鉱山で採れたものだという。その山は質の良い石炭を算出し、埋蔵量も甚大だという。
しかも、その鉱山の持ち主が先日亡くなったという。その人物に子はなく、妻が一人残された。妻は鉱山経営をするつもりもなく、買い手を探しているという。山屋によれば、あさにぴったりの物件だというのだ。

あさは正吉(近藤正臣)に相談した。加野屋の経済状況では言い値を一括で支払うことは無理である。そこで、いくらかの手付金を支払い、残りは分割払いにしてもらう計画を立てた。そのための交渉のため、九州に行きたいと持ちかけた。

正吉は、あさの熱意と先見性を評価していたので、計画に異存は無かった。
ただし、九州へ交渉の旅に出るとなると、1ヶ月近くは家を空けることになる。それだけの間、嫁が家を空けることなど非常識なことである。そうまでして行く覚悟があるなら許可すると正吉は話した。

あさは迷った。そこで即決ができなかった。

その日の夜。珍しく新次郎(玉木宏)が寝室にいた。

あさは、新次郎に妾を囲うよう願い出て、頭を下げた。
それはあさにとって苦渋の選択だった。

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NHK『あさが来た』第33回

数カ月前から左肩の凝りがまったく解消されず、いよいよ俺も四十肩かとがっくり来ていたのだけれど、さらに悪いことに先週からたまに左腕が軽く痺れるようになってきて、これは何か悪い病気か怪我かと心配していたりして、特に寝起きにしびれていることが多いわけで、まさにそれこそが今朝の寝坊の理由だと言い訳の口実にしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第33回めの放送を見ましたよ。

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第6週『妻の決心、夫の決意』

新次郎(玉木宏)は、あさ(波瑠)が自分の言うことを聞かず、炭鉱経営に乗り気なことが面白くなかった。毎晩出歩くようになり、今夜も三味線師匠・美和(野々すみ花)の家に来ていた。

普段は他の弟子も一緒なのだが、その日はたまたま新次郎しかいなかった。
新次郎に対して好意のある美和は、彼の手を握って誘惑した。

新次郎もその気になりかけた。
しかし、腕を動かした拍子に自分の裾の縫い目に気付いた。それは、あさが不器用に繕った痕だった。あさのことを思い出して我に返った新次郎は、美和の誘惑をさりげなく振り切って帰って行った。

新次郎が家に帰ると、あさはまだ眠っていた。
新次郎は、あさの寝顔を飽きることなく眺めていた。

それからしばらく経ったある日、あさは義母・よの(風吹ジュン)が新次郎に小言を言っているのを盗み聞いた。

よのは、新次郎が結婚してから4年が過ぎたのに、子供ができないことを不満に思っていたのだ。しかも、番頭の亀助(三宅弘城)に後をつけさせ、新次郎が足繁く美和の家に通っていることも調べあげていた。これらのことから、美和を新次郎の妾として子供を産ませるよう勧めるのだった。
この時代、地位のある男が跡取りを作るために妾を囲うことは珍しいことではなかった。新次郎ほどの立場であれば、妾を持っていても世間から後ろ指をさされるようなこともない。よのはしきりに勧めた。

新次郎には全くその気がなかった。しかし、母の手前、はっきりと口に出して断りはしなかった。
陰から聞いていたあさには、新次郎の表情や様子ははっきり見えなかった。新次郎がきっぱりと拒絶しなかったことや、自分に子供ができないことなどが相まって、あさはすっかり落ち込んでしまった。

その直後、はつ(宮﨑あおい)が家に訪ねてきた。ただし、はつは自分のような落ちぶれた者が姉だと知れてはあさに恥をかかせると心配した。そこで、通りすがりの物売り女を装って会いに来た。
はつのお腹はすっかり大きくなっており、赤ん坊は無事に成長しているようだった。

はつは、あさに折り入って頼みがあるという。それは、はつの付き従う ふゆ(清原果耶)のことだった。ふゆは、京都の実家からずっとはつの世話係をしており、今も一緒に百姓の納屋に住み込んでいる。はつの赤ん坊が生まれたら、その子の世話も引き受けると張り切っているという。

しかし、はつは、ふゆの将来を思えば、いつまでも自分の元には置いていけないというのだ。ふゆは働き者であるし、美しい女性でもある。なんとか良い夫へ嫁がせてやりたいが、百姓に落ちぶれた自分には無理だという。
そこで、加野屋の女中としして雇ってもらえないかと言うのだ。そして、あさが良い嫁ぎ先を世話して欲しいと頼んだ。

あさは、喜んで引き受けた。ふゆがいなくなった後、はつの世話係がいなくなることは心配だが、ふゆのためを思えばそれが良いと思ったからだ。しかも、慕っている姉の願いを断るわけにもいかない。

あさは、新次郎が妾を取るかもしれないと聞いて落ち込んでいたが、久しぶりにはつに会えたことですっかり機嫌が良くなった。
はつも、あさの様子がどこかおかしかったことに気付いて訪ねてみたが、あさは話そうとはしなかった。はつにだけは知られたくないと言うのだ。今はただ、幸せそうにしているはつが羨ましいと答えるだけだった。

その直後、はつが腹を抱えて苦しみだした。

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NHK『あさが来た』第32回

今日は文化の日だというのに、特に文化的なことをする予定のない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第32回めの放送を見ましたよ。

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第6週『妻の決心、夫の決意』

実家の父・忠興(升毅)は明治政府の仕事を請け負うことで頭角を現し、今や日本経済を背負って立つほどの大実業家になっていた。本拠地を東京に移すことになり、忙しい合間を縫って大阪の娘たちに会いに来た。

まずは、あさ(波瑠)を訪ねた。
忠興は、嫁入り前の娘たちに家事で家や夫を助けることこそ女の努めだと厳しく躾けた。それにもかかわらず、あさは炭鉱産業で頭がいっぱいで、忠興への近況報告でもそのことばかり話した。
忠興は激怒し、子供の頃のようにあさを追いかけ、尻を叩くのだった。

忠興は義父・正吉(近藤正臣)とふたりきりになり、改めて娘のことを謝罪した。家事を行わず、商売への口出しばかりしていることを謝罪したのだ。

しかし、正吉の評価は違っていた。
正吉によれば、あさには類まれな度胸と商才があるというのだ。時代の流れに翻弄され、両替商の先行きは不安である。そんな中、あさは事業を拡大し、家勢を取り戻そうと努力してくれている。正吉は年老いて頭が固くなっているし、跡取りの榮三郎(吉田八起)はまだ幼い。榮三郎の後見人である新次郎(玉木宏)はいくつになっても頼りない。
新しいことに物怖じしない、あさの柔軟な態度のおかげで家が助けられていると大いに評価した。加えて、新次郎も少しずつだが変わってきており、それはあさの良い影響だと褒めた。
忠興は、自分の娘が大切にされていることに感激した。

忠興は、あさに案内されてはつ(宮﨑あおい)の様子を見に行った。しかし、忠興ははつに一切会おうとはせず、農作業をするはつを遠くから眺めるだけだった。
はつは、義父・栄達(辰巳琢郎)と共に忙しく働いていた。けれども悲壮感はなく、栄達との関係も良さそうで明るかった。
はつは全く気付かなかったが、栄達は忠興の姿を見つけた。栄達と忠興は互いに遠くから無言のまま頭を下げた。その様子だけで、忠興には はつもはつなりに大切にされていることがわかり、安心した。

帰り道、あさは自分とはつの境遇が明暗を分けたとつぶやいた。そして、本当の幸せとは何かがわからなくなったとこぼした。忠興にも思うところがあった。

忠興は、歩きながらぶっきらぼうにあさへ助言をした。
炭鉱は日本の国力増強に貢献する意義ある事業だという。各地で鉄道設立の動きもあり、石炭の需要が大きく増えることは間違いがなく、将来性がある。しかし、炭鉱には手に負えない荒くれ者が多く、よほど肝の座った男でなければ統率できず、女には難しい商売だと言うのだ。
それでも、よく考え、自分でもできると結論を下したなら、やってみるといいと応援した。
あさはたいそう勇気づけられた。

1870年(明治3年)になった。
時代がどんどん変わり、昔ながらの両替商は時代の流れに取り残され始めた。加野屋の商売も楽ではなくなってきた。

あさは相変わらず炭鉱のことばかり考えていた。しかし、鉱山を買うための資金の準備もままならない。
そこであさは、自分の嫁入り道具や持参金を処分することを考え始めた。

一方、新次郎は相変わらず夜遊びばかりしていた。行き先は、いつものように三味線の師匠・美和(野々すみ花)の家だった。
いつもは弟子たちが何人か一緒にいるのだが、その日は珍しく、家には新次郎しかいなかった。

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NHK『あさが来た』第31回

雨が降っているせいで、いまいちテンションの上がらない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第31回めの放送を見ましたよ。

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第6週『妻の決心、夫の決意』

あさ(波瑠)は石炭のことで頭がいっぱいだった。これからの時代は石炭の需要が爆発的に増えることが予想され、大儲けのできる可能性があるからだ。寝ても覚めても、石炭の話ばかりしていた。

しかし、新次郎(玉木宏)は石炭の取引に猛反対だった。石炭に手を出すことはかなり投機的であり、確実に儲けが出るという保証が無いからだ。それに加え、あさが九州の炭鉱へ視察に言って聞かないことにも腹を立てていた。炭鉱は荒くれ者ばかりなので、そのようなところにあさを行かせるのが心配でもあるのだ。

あさが石炭に夢中なせいで、新次郎は面白くない。新次郎は家を留守がちになり、毎晩のように三味線の師匠・美和(野々すみ花)のところに通い、朝帰りするようになった。

新次郎に相手にされなくなったあさは、姉・はつ(宮﨑あおい)の所へ足繁く通うになった。百姓の納屋で貧しい暮らしをしている彼女らのことが心配だからだ。

そこであさは、2つの大きな事件を知った。
一つは、はつの妊娠である。家が潰れて暗いことばかりのはつにとって、久しぶりの明るい事件であった。はつはつわりに苦しみながらも、健気に農作業に精を出していた。
もう一つの事件は、惣兵衛(柄本佑)の蒸発である。突然姿を消し、もう何日も行方が知れないという。
はつは、あさに対して、自分の所へ来る暇があったら新次郎と仲良くすべきだと諭した。
はつによれば、あさの来ていない時に新次郎が顔を出しているのだという。彼の口から、あさと仲が悪くなっているという話も聞いていたのだ。
また、新次郎は伝手を使って、行方不明の惣兵衛を探してくれているという。はつはそんな新次郎に感謝するとともに、あさとの仲を心配した。

それを聞いたあさは、新次郎と仲直りをしようと決意した。早起きをして、朝帰りをする新次郎を近所まで迎えに出た。
あさはにこやかに話しかけたが、新次郎は石炭のことを根に持っており、そちらへ話題を向けた。水を向けられてあさは、石炭のよさをつい喋り出してしまった。
あさの勢いに、新次郎は面白くなくなった。話を打ち切って、一人で家に入っていった。仲直りすることはできなかった。

ある日、あさの実父・忠興(升毅)が訪ねてきた。

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NHK『あさが来た』第30回

今年も社心をサボってしまうのだけれど、同大会の盛会をお祈りする当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第30回めの放送を見ましたよ。

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第5週『お姉ちゃんに笑顔を』

あさ(波瑠)と正吉(近藤正臣)は、五代(ディーン・フジオカ)に会いに行った。五代の志に賛同し、大阪の商業都市化に協力すると申し出た。
加野屋の賛同が弾みになり、大阪中の商人たちもこぞって協力することを決めた。五代の指導で、大阪に巨大な通商会社をつくり、外国と取引をすることが計画された。

ただし、取扱商品を何にするかは未定だった。
あさは、石炭の取引をすることを主張した。あさ自身は石炭を見たこともなかったが、それで大きな車や船を動かすことができると聞いて夢中になっていたのだ。朝から晩まで石炭のことばかり夢想し、誰彼なく石炭のことばかり話すのだった。
しかし、石炭の良さを理解する人は皆無だった。石ころに夢中になっているあさのことを気でも狂ったのではないかと言い出す人まで出る始末だった。

ついにはつは、九州の炭鉱の視察に行くと言いだした。百聞は一見に如かずだと言うのだ。
しかし、家族は全員反対した。未だ日本国内で取引のされていない石炭に将来性があるのかどうか不明だから。
それに加えて、炭鉱は荒くれ者の巣窟だという噂だ。そのようなところに、あさを行かせる訳には行かないというのだ。

特に新次郎(玉木宏)が強硬に反対した。危険なところにあさを行かせたくないのだ。
いつも朗らかな新次郎とは打って変わって、大声を出して九州行きを禁じた。どうしても行きたいなら、離縁してから行けと言うほどであった。
あさはそれ以上何も言えなくなった。

翌日、あさは商人たちの寄り合いのため、役所へ出向いた。
すると、五代が政府からの命令で横浜に異動になるのだという。政府の方針は大阪よりも先に横浜を商業都市とするということに決まり、外国事情や商取引に詳しい五代を派遣するというのだ。五代は反発したが、抗いきれなかった。
その報せに、あさをはじめとした大阪商人たちは落胆した。しかし、それで大阪の商業都市化が頓挫するわけではなかった。商人たちは、横浜での仕事を終えた暁に五代が大阪に戻ってくることを期待した。五代がそれを約束したことで、商人たちは盛り上がるのだった。

その頃、はつ(宮﨑あおい)はしきりに胸が苦しくなるようになった。
その様子を見ていた菊(萬田久子)は子供ができたと判断した。栄達(辰巳琢郎)は、継ぐべき家が失くなった時に跡継ぎができるとは皮肉だといいながらも、孫ができたことを喜んだ。

ちょうど惣兵衛(柄本佑)は行商で留守だった。はつは、一刻も早く惣兵衛に報告したく、帰りを待ちきれなかった。町の方へ歩いて行き、帰ってくる惣兵衛を道で待ち構えようとした。

しかし、惣兵衛は一向に帰ってこない。
それどころか、道端には惣兵衛の天秤棒とカゴが打ち捨てられていた。
そのまま惣兵衛は姿を消した。

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NHK『あさが来た』第29回

目が悪すぎてコンタクトレンズを装着しないとあまり目が見えないのだけれど、最近は放送ギリギリに目を覚ますのでコンタクトをする時間がなく、メガネを使っているせいでボンヤリとしか見えないという当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第29回めの放送を見ましたよ。

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第5週『お姉ちゃんに笑顔を』

あさ(波瑠)は寄り合いで耳に挟んだ新しい商売のことを新次郎(玉木宏)と正吉(近藤正臣)に話した。
外国では鉄道が普及していて、大量の人や物を一度に運べるという。しかもそれは、人や馬で動かすのではなく、石炭を燃やして動かす車だという。そこで、石炭を扱えば儲かるという。

ただし、あさの話はまったく曖昧なものだった。あさ自身が鉄道や石炭がどのようなものかわかっていないからだ。正吉と新次郎も、乗り気にならなかった。

そこで、あさと新次郎は、石炭に詳しい山屋与平(南条好輝)にもっと話を聞くことにした。山屋は、新次郎の三味線仲間でもあったため、あさは新次郎と共に三味線師匠・美和(野々すみ花)の家に出向き、そこで話を聞いた。
山屋によれば、九州の筑前に良い炭鉱があるという。そこへ直接行く方が話が早いというのが山屋の意見だった。

あさは、山屋の話に耳を傾けながらも、新次郎と美和のことが気になっていた。美和が、あさを差し置いて、新次郎へ甲斐甲斐しく茶を出したり、隣に座ったりするからだ。
しかも、新次郎の着物の綻びがきれいに縫い直されていることにも気付いた。それは、あさが何度やっても見苦しい縫い目にしかならなかったものだ。そう思うと、最近、新次郎はその着物ばかり気に入って着ていることにも思い至った。あさは、新次郎と美和の仲を疑い始めた。

家に帰り、正吉に炭鉱のことを報告した。しかし、正吉はまったく乗り気ではなかった。両替の仕事で手一杯で、九州まで派遣する人手などないと言うのだ。そもそも、両替商なら店に座っているだけでできるのに、九州の山にまでわざわざ出かける必要性も感じないのだ。
あさは、新次郎に援護を頼んだ。しかし、新次郎も乗り気ではないらしく、正吉の味方についてしまった。

それで、あさは頭にきた。
新次郎の着物の繕いを指摘し、美和との浮気を糾弾した。近頃は、以前にも増して昼も夜も外出することが多くなっていることが証拠だと言うのだ。

新次郎は、少々思案し、美和が縫ったものではないと否定した。
そして、別の女に縫ってもらったものだと説明し、その女にこれから会わせると言うのだ。
あさは、その女と対決することを決め、新次郎について行った。

新次郎があさを連れて行ったのは、郊外の畑である。そこでは、みすぼらしい女が野良作業をしていた。
近づいてみてみると、はつ(宮﨑あおい)だった。
新次郎は、はつの居場所を漏らさないと約束していたはずである。そこで新次郎は、はつの居場所を教えたのではなく、「着物を縫った女の居場所を教えただけ」と詭弁を弄してごまかすのであった。そうして、あさとはつをふらりっきりにしてやった。

はつは困惑したが、あさと再会した嬉しさが勝った。
あさに対して、立派な両替商の若旦那の着物が不様な縫い目ではいけないと注意した。そう言って笑った。

はつは、新次郎が自分たち一家にとてもよくしてくれていると話した。
惣兵衛(柄本佑)に何度も酒を持ってきてくれたり、はつには繕い物の内職を紹介してくれているのだという。自分の居場所を秘密にするという約束も守ってくれていた。新次郎への感謝でいっぱいだという。

続けてはつは、百姓に間借りして農作業をするという貧乏な暮らしは惨めだと話した。手紙を出す金もないので、京都の実家に連絡も取れない。日々の仕事に忙しくて、その他のことを考える余裕もない。
しかし、忙しいのは案外いいことで、くよくよと考えなくて済むのだという。たとえ今は落ちぶれてしまっても、自分は一生懸命に家を守ろうと努力している。自分は元気だし、そのことをくれぐれも実家に伝えてくれと託した。

あさははつの気丈さに安心し、それを陰ながら支えてくれていた新次郎に感謝もした。

数日後、あさと正吉は五代を訪ねた。

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NHK『あさが来た』第28回

昨日の「大公」の謎が解けてすっきりした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第28回めの放送を見ましたよ。
2015-10-28 03.59.35

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第5週『お姉ちゃんに笑顔を』

はつ(宮﨑あおい)の行方を探していた新次郎(玉木宏)は、一家を見つけた。みすぼらしい姿で百姓の手伝いをして食いつないでいた。

彼らの新次郎に対する反応はそれぞれ異なっていた。
義父・栄達(辰巳琢郎)は、新次郎の姿を認めるや否や、走って逃げ出してしまった。

はつは、自分と会ったことを一切あさ(波瑠)には知らせないで欲しいと頼んだ。また、援助などの施しも一切いらないと気丈に断った。

惣兵衛(柄本佑)はすっかり日に焼け、健康的で朗らかな顔つきになっていた。新次郎の家が潰れず、激動の時代を生き抜いていることを妬むでもなく、喜んでいる様子ですらあった。彼は何かが吹っ切れた様子だ。

その夜、新次郎と惣兵衛は連れ立って飲みに出かけた。安い酒とうどんという質素な食事であったが、惣兵衛はひどく感激していた。
惣兵衛は、新次郎に今の心境を話した。彼は母・菊(萬田久子)のことを恨んでおり、いつか殺してやりたいと常々思っていた。しかし、今はその気も失せたという。それというもの、健気なはつの様子を見ていたら、自然と心が穏やかになってくるのだという。あさと同様、はつも神経が図太い女だと最近わかってきたと言って笑うのだった。
その時、惣兵衛は心に何か決意を固めかけていた。しかし、それを新次郎に言いかけて、やめた。新次郎は何も気づかなかった。

その日、あさは商人たちの寄り合いに出席していた。その日の会合は、政府の役人である五代(ディーン・フジオカ)が役所に商人たちを招待するという特別なものだった。集められた部屋は西洋の調度品が設えられ、とても豪華なものだった。いつもより大勢集まった商人たちも、部屋の物珍しい様子に興奮すると共に、五代から直接話しが聞けるとあって期待も高まっていた。

しかし、商人たちの期待はすぐに裏切られた。
五代は、英語交じりで、抽象的な将来展望を語るばかりだった。大阪を国内随一の商業都市とし、西欧との貿易を発展させたいという計画はなんとなく理解できた。
しかし、商人たちの懸案事項は、今日明日の金のやりくりであった。自分の店が潰れるかどうかの瀬戸際にある。日本や外国といった大きな視野や、即効性のない投資などには全く興味がなかった。商人の中には、五代は元武士のくせに西洋かぶれで話の意味が分からないなどと陰口を叩く者も出始めた。

会合後、あさだけが残って五代と話をした。商人たちの理解を得られずに意気消沈していた五代であったが、あさはとても勉強になったと感謝を述べた。
加えて、あさは姉・はつが行方不明で何も手に付かないことを打ち明けた。しかし、姉の事ばかり心配していても何も始まらないので、今は心配な思いを商売に向けて行くつもりだと決意を述べた。

五代は、山王寺屋などいくつもの商店が潰れてたことは、新政府の政策の失敗のせいであることを本心では認めていた。
その罪滅ぼしのためにも、大阪の商業を復興し、世界に誇れる街にすることが自分の使命だと決意を新たにするのだった。

あさが帰宅すると、京都の母・梨江(寺島しのぶ)から手紙が来ていた。
そこには、新政府の御用達となって、家の景気が上向いているとの報告があった。ただし、商売の都合により、東京へ移転する可能性も浮上していると記してあった。あさは、自分の育った屋敷がなくなるかもしれないことを少々寂しく思った。そして、はつと過ごした楽しかった日々を思い出さずにいられなかった。

しかし、それも一時だけのことだった。
あさの心は、はつへの思いを全て商いに向けるように燃えていたのだ。

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NHK『あさが来た』第27回

「木公」はふつう「きこう」と打って変換するもんだと思うのだけれど、下図の♀は一体どういう文字で変換してタイポしたのか気になって、昨夜はなかなか眠れなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第27回めの放送を見ましたよ。
2015-10-27 22.20.34

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第5週『お姉ちゃんに笑顔を』

はつ(宮﨑あおい)たちの一家は、没落して借金取りから逃げまわる日々であった。菊(萬田久子)がはつのことを疫病神呼ばわりしたことで、ついに惣兵衛(柄本佑)は堪忍袋の緒が切れた。惣兵衛は包丁を握って、菊に襲いかかった。

とっさにはつが菊をかばった。そのせいで、はつは肩に軽い怪我をした。
はつは、惣兵衛が母に危害を加えるという罪を犯さなくて良かったと言う。惣兵衛の罪を未然に防いだことで、やっと自分も家の役に立つことができたと誇った。
はつは、自分が菊から罵倒されたことも、山王寺屋が潰れたことも、家族の誰のせいでもないと話した。それは時代の流れや新政府のせいだと断じた。だから、惣兵衛が逆上して罪人になる必要はないと言うのだ。
これから先どうなるかはわからないが、今は前向きに進んでいくしか無いと諭した。

はつの言葉で、一同は落ち着いた。
惣兵衛は母・菊を許し、腰を抜かしてしまった彼女を背負って歩き始めた。

その頃、加野屋には新政府の役人となった五代(ディーン・フジオカ)が訪ねてきていた。
五代は、加野屋が中心となって、大阪で商業を復興し、外国との貿易港とする計画を持ちかけた。しかし、主人の正吉(近藤正臣)はひどく消極的であった。
あさ(波瑠)もしおらしく茶を出すだけで、以前のような活発さは微塵もなかった。はつの行方がわからず、落ち込んでいたからだ。

その態度に五代は憤慨した。
五代は腹立ちまぎれに、あさに説教をした。あさがふつうの奥様のようになってしまって落胆したとなじり、加野屋も潰れてしまえばいいと息巻いた。

一方的な物言いに、あさもカッとなって言い返した。
外国に行って見聞を広めたはずの五代が、政府の一役人になってしまって情けないと言い放った。そして、新政府のやり方も気に入らないとまくし立てた。新政府は先立つ金も無かったくせに新しい時代を作って、大阪の商人たちに莫大な上納金を要求してきた。旧大名たちが借金を返さないことを知っているのに、何も手を打ってはくれない。
明治の世など糞食らえだ、と啖呵を切った。

その威勢の良さに、五代は感心した。
五代はあさと加野屋を許した。そして、あさに商人たちの寄り合いに出席しろと告げて帰って行った。

これまで女が商人たちの寄り合いに参加したことはない。
あさを連れて行っていいものか議論になったが、新次郎(玉木宏)は出席を強く勧めた。五代に楯突いた以上、彼の言いつけを守らないと加野屋は大変なことになるだろうと言うのだ。それに、あさにとっても商売の勉強がでいる良い機会だと言うのだ。

あさは、正吉に連れられて寄り合いに参加した。
あさは追い出される程ではなかったが、話し合いの輪からはほぼ外されていた。酌を強要されるなど、単なる女としてしかみなされなかった。
それでもあさは、男たちの話に辛抱強く耳を傾けた。おかげで多くの知識を得ることができた。大阪に造幣局ができること、そのための材料として鉱山開発が盛んになりつつあること。また、外国では鉄道と呼ばれるものが普及していること。帳面上にいくら金があっても、現物がなければ商売は危険であることなど。

あさは、もっと早くに参加していればよかったと後悔した。そして、姉・はつにもいろいろ教えてやれば、彼女の状況も変わっていたかもしれないと思った。
そのようなことから、これからの時代は女にも知識が必要だと痛感した。

はつの捜索は一度後回しにし、今は商売の勉強を優先させることとした。
毎日昼は店に張り付いて帳簿の確認をし、夜は商人たちの寄り合いに参加し、それが無い日は遅くまで書物で商売の勉強をした。家事は多少疎かになったが、本を読みながら縫い物をするなど、努力を怠らなかった。
あさのことは、良い意味でも悪い意味でも噂になりはじめた。

あざが商売にばかり打ち込むので、新次郎は毎日昼からも外出するようになった。あさは商売のことに夢中で、特に気を留めるでもなかった。新次郎はますます抜け出しやすくなった。

実は新次郎は、忙しくなったあさに代わって、はつの行方を探っていたのだ。
山道で、大八車に野菜を乗せて運搬しているはつと出会った。

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NHK『あさが来た』第26回

寒いから気が滅入るのか、気が滅入っているから寒さがキツイのか判断のできない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第26回めの放送を見ましたよ。

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第5週『お姉ちゃんに笑顔を』

はつ(宮﨑あおい)の一家は、夜逃げして谷町の長屋に身を隠していた。それを見つけ出したあさ(波瑠)であったが、はつは家に閉じこもって会おうとしない。はつはあさに帰れと言うだけだった。

長屋の奥から菊(萬田久子)の恨み声があげた。はつの実家に借金を申し込んだが断られ、そのせいで没落したと罵るのだった。はつも、あさに顔を見たくない、帰れと言うばかりだった。あさはどうすることもできず、引き下がるしかなかった。
はつの言葉は本心ではなかった。しかし、この場はあさを返すしかなかったのだ。はつはあさへの謝罪を何度もひとりごちた。

翌日、あさは着物や食料などの援助物資を携えて、はつたちの隠れている長屋を再訪した。しかし、すでに一家は居を移しており、足取りがわからなくなった。
あさは、自分がはつの窮状に気付かず、何もしてやれなかったのが原因だと思い込み、ひどく落ち込んだ。

そんな時、新政府の役人となった五代(ディーン・フジオカ)が加野屋を訪れた。彼は、大阪の商工業の復興を担当しているという。これまで幕府や大名に頼った商売をしていたが、これからはやり方を買えなければいけないという。五代のプランは、大阪の港を整備し、西洋諸国との貿易の拠点にするというものだった。そのためには、大阪商人を結集する必要があり、加野屋に中心的役割をはたして欲しいというのだ。

しかし、正吉(近藤正臣)らには雲を掴むような話だった。五代の提案の意味がさっぱりわからなかった。しかも、加野屋は現在の苦境を乗り越えるのに精一杯で、将来の計画など考える余裕はないのだ。五代の申し入れを体よく断った。

そこへ、あさが茶を運んできた。
五代は、あさと再会できたことを大いに喜んだ。しかし、五代の興奮とは対象的に、あさは完全に塞ぎこんでいた。はつのことで頭が一杯で、他のことは何も考えられないのだ。茶だけ出すと、五代への挨拶もそこそこに奥へ引っ込んでしまった。

あさは、茶を出し終えると、再びはつを探すために家を出た。
家の前で、外出から帰って来た新次郎(玉木宏)と出くわした。新次郎は、手がかりもないのに闇雲に探しまわるのは愚策だと言って、あさを落ち着けて家に帰そうとした。
そして、そこに、用事を終えた五代も出てきた。あさ、新次郎、五代の3人が一堂に会する事となった。

その頃、はつの一家は大八車に最低限の家財だけを乗せて、借金取りから逃げまわっていた。郊外の山里をもう何日もさまよっていた。野宿の連続で、疲労も極限に達していた。

菊ははつに八つ当たりした。山王寺屋が傾き始めたのは、はつが嫁に来てからだという。はつのことを疫病神だと罵った。

その言葉に、惣兵衛(柄本佑)は逆上した。包丁を構えて、菊に襲いかかった。
それを庇ったはつが怪我をしてしまった。

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NHK『あさが来た』第25回

僕の一番好きな宮﨑あおいさんと言えば、映画『好きだ、』であり、僕の大好きな永作博美さんの少女時代を演じているという夢のような映画であり、特に瑛太が宮崎あおいさんに鼻を近づけて匂いを嗅ぐというシーンが妙にエロティックで忘れられない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第25回めの放送を見ましたよ。

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第5週『お姉ちゃんに笑顔を』

あさ(波瑠)の交渉により、加野屋は奈良の豪商・玉利(笑福亭鶴瓶)から資金援助を受けることに成功した。加野屋は明治維新の混乱を乗り切る目処が立った。

一方、はつ(宮﨑あおい)の嫁いだ山王寺屋は危機を脱することができないでいた。最後の望みとして京都の実家に金の無心に向かったが、援助を断られてしまったからだ。

あさとはつは金策の帰り道に、大坂の町中で旅装束のまま出会った。
何も知らないあさは親しげに話しかけるが、はつはどこか元気がなさそうで、そそくさと立ち去ってしまった。以来、あさははつのことが気がかりで、何も手につかなくなった。

見かねた新次郎(玉木宏)はある夜、三味線の稽古のついでに、あさを山王寺屋まで連れて行ってくれた。
近所まで来てみると、夜だというのに山王寺屋の前には人だかりができ、何やら大騒ぎをしている。なんと、山王寺屋は夜逃げをして、店も家ももぬけの殻だったのだ。当然、はつの姿も見当たらない。あまりのことに、あさは言葉を失った。

大坂では、両替商が次々に潰れていた。生き残った両替商は、加野屋を除いてほとんどなかった。加野屋では、今後の方針について話し合いが持たれた。

大番頭・雁助(山内圭哉)は、伝統を守って両替商以外の事業に手を出すことに反対した。
しかし、家長の正吉(近藤正臣)は時代の変わり目だからこそ、新しい事業を始める重要性を認識していた。跡取りの幼い息子・榮三郎(吉田八起)も同様の意見だった。特に榮三郎は、天皇や政府が江戸に移ってしまい、このままでは京都や大坂の勢いが衰えていくことを懸念していた。今こそ、上方の意地を見せる時だと発奮した。

新次郎は、石炭の取引に将来性があるという噂を口に出した。
大きな山を購入し、そこから石炭を掘り出して売るのだという。ただし、芸事の稽古の折に、とある商人から聞いた噂話だと言って、あまり乗り気ではなさそうだった。話を聞いた面々も、石炭が何かは知っていたが、具体的な使い方は思いつかず、それがどうして商売になるのかわからなかった。

一同は、あさに意見を求めた。そもそも、新しい商売が必要だと見栄を張ったのは彼女だからだ。
しかし、あさはしょぼくれていて、何も意見を言えなかった。彼女の頭の中は、行方不明になった姉・はつのことでいっぱいで、他のことは一切考えられなくなっていたのだ。
新しい商売についての話し合いは、一度打ち切られた。

あさは、それから毎日、うめ(友近)を伴ってはつを探しまわった。
やっと、谷町にそれらしい人物を見かけたという噂を聞きつけ、現地へ向かった。谷町は、貧しい長屋街だった。

そこで、落ちぶれたはつを見つけた。
はつは、あさの姿を認めると、長屋の中に逃げ隠れてしまった。あさがいくら声をかけても、戸を固く閉め、返事もしなかった。

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