以前からうちのブラウン管ワイドテレビは地上波デジタルチューナーの調子が悪かったのだけれど、昨日ついにそれが完全に動かなくなり、BSチューナーは無事だったのだけれど思い切って液晶テレビに買い換えてしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第28回めの放送を見ましたよ。
潜水土木科の実習用プールを覗いているうちにアキ(能年玲奈)はそこへ編入することを決意した。そこへ意中の種市(福士蒼汰)が通りがかった。ユイ(橋本愛)の取り計らいで、アキはその場で体験学習させてもらえることになった。
南部もぐりの潜水服は、銅製ヘルメットだけで20kgあり、全身を包むスーツを含めると70kgもの重量がある。陸上では一人で歩くのも困難であり、アキはひどく緊張した。しかし、一緒に潜る準備をしている種市に声をかけられると、嬉しくなって恐ろしさも吹き飛ぶのだった。
潜水服には、地上からホースで空気が送り込まれる。実際に潜ってみると、意外にも息は苦しくなかった。プールの底では種市に手を引かれた。潜水服は手首より先だけが露出しており、彼と手が触れ合った。ヘルメット越しではあったが種市に正面から見据えられ、アキは逆上せてしまった。すると突然胸が苦しくなり、アキの体は勝手に水面に浮かび上がってしまった。
陸上で見ていた教師の磯野(皆川猿時)らは事故が起きたのかと心配した。しかし、それはアキが潜水服の基本操作を誤ったということがすぐに判明した。潜水服の空気は、自分で適宜抜く必要があるのだ。そうしなければ、空気が充満して軽くなって浮いてしまう。種市に見とれてしまったアキはそれを忘れ、体が軽くなると共に、息が苦しくなったのだった。
体験学習が終わると、後片付けをしながらアキは種市とふたりっきりで話す機会を得た。種市は先祖代々、南部もぐりの家系なのだという。親からは大学進学を勧められていたが、種市本人は勉強が好きではないので、高校卒業と同時に東京の建築会社に就職するという。羽田空港の滑走路拡張工事に潜水士として携わる予定だ。どんなに技術が進んでも、海底での基礎工事は人手に頼らざるを得ない。種市はその仕事に誇りを持っていた。
学校を出て駅に向かうと、ユイが不機嫌な様子で待っていた。聞けば、アキにラブレターを渡すよう、兄・ヒロシ(小池徹平)に頼まれたのだという。ユイは自分の親友に肉親からのラブレターを渡すことに嫌悪感を抱いていた。そこまで話すと、結局ユイはラブレターを渡さず、くしゃくしゃに丸めてしまった。ヒロシには直接渡すよう言っておくと吐き捨てた。
その一部始終は副駅長・吉田(荒川良々)が見ていた。早速、喫茶リアスでそのことを報告した。駅長・大向(杉本哲太)や観光協会長・菅原(吹越満)はヒロシの行動を非難した。女子高生に対する大人の行為として言語道断であるし、何よりも、アキに恋愛関係のスキャンダルが発生すると北三陸市の観光業にも打撃が出るからだ。
ただし、春子だけはヒロシに好意的だった。以前の春子は、ヒロシの頼りなさを理由にアキとの交際を禁じた(第20回)のだが、今はそのことを水に流していた。ヒロシは意外にいい子であることが分かったし、他の変な男に引っかかるくらいならヒロシの方が余程ましだというのが理由だった。
春子はラブレターと聞いて、高校時代に菅原と交わした交換日記を思い出した。それを家から持ってきていたので、みんなに披露した。春子はあっけらかんとしていたが、当の菅原は大慌てするのだった。中身は他愛のないもので、春子は好きな歌謡曲の歌詞を書いているだけで、3日で終わっていた。
その頃、アキは2階の隠し部屋(元・春子の部屋)にいた。種市に恋をしてからというもの、アキはこの部屋で古い歌謡曲を聞きながら彼のことばかり考えていた。同時に、潜水土木科への編入届けを書き上げた。それが終わると、アキは部屋で居眠りしてしまった。
夜遅く、スナック営業を終えた春子が帰宅した。みんなに見せた交換日記を戻すために隠し部屋に入ってきた。すると、机の上にアキの編入届けを見つけた。春子はすぐにアキを起こして事情を聞いた。春子は編入に難色を示したが、アキの決意は固かった。
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