NHK『あまちゃん』第37回

後に『機動戦士Zガンダム』の主題歌「水の星へ愛をこめて」でデビューした森口博子も素人時代はのど自慢荒らしで有名だったらしいよね、などとつぶやく当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第37回めの放送を見ましたよ。

* * *

第7週「おらのママに歴史あり」

スナックでアキ(能年玲奈)の誕生会が開かれていたのだが、忠兵衛(蟹江敬三)が爆弾発言を行い、緊迫した雰囲気となった。

忠兵衛によれば、春子(小泉今日子)が家出した原因はアイドル歌手になるためだったという。アキは寝耳に水だったが、昔から街にいる人はみんな知っていた。知っていて、それに触れないようにしていたのだ。彼らは、忠兵衛の言葉も聞こえないふりをした。

春子は、周囲のそのような反応に腹を立てた。田舎の人達は上辺だけの優しさを見せて、自分を腫れ物のように扱う様子があった。今にして思えば、それが不満だったという。通常のスナックでは、客がママにカラオケを歌うようせがむことがよくある。それにもかかわらず、北三陸市の人々は誰一人として春子に歌うよう頼まなかった。みんなの白々しい態度が気に入らなかったのだ。

アキの誕生会は急にお開きになってしまった。

アキは自分の誕生会が台無しになったことよりも、春子の過去が気になって仕方がなかった。確かに春子は、アキが観光海女としてアイドル的扱いをされることに難色を示した。それは、春子がアイドルになることに挫折し、異常な警戒心や被害妄想を持っていると考えると合点がいく。一方で、アキは春子の歌を一度も聞いたことのないことを思い出した。子守唄や童謡ですら歌ってもらったことがない。

現在アイドルになることを目指しているユイ(橋本愛)も、春子の過去が気になった。ユイとアキは、高校時代の春子(有村架純)の担任だった功(平泉成)に話を聞いた。功によれば、春子はスケバンではあったが、かわいくて歌が上手かったという。地元の歌謡大会に出場しては連続で優勝し、県内ではコンクール荒らしとして知られていたという。その時の写真も見せてもらった。

続いてアキは、漁協に話を聞きに行った。漁協長・長内(でんでん)やかつ枝(木野花)が押し入れを探ると、当時の写真やトロフィーが何本も出てきた。さらに彼らの話を聞くと、春子と夏(宮本信子)は頻繁に喧嘩をしていたが、忠兵衛とはとても仲が良くどこにでも付いて行ったという。遠洋漁業船が出港する前日は必ず漁協で宴会が開かれる。春子はそこで必ず歌を歌い、大人たちから小遣いをもらったり、忠兵衛を喜ばせたりしていたという。

アキは、春子が過去にアイドルを目指していたことに間違いはないと確信を得た。しかし、どうして春子や街の人々がそれをひた隠しにしていたのか、その理由がわからない。春子に直接聞けば済むのだが、アキは恐ろしくてそれができずにいた。

いつしか、アキは高校時代の春子の部屋を自分の寝室として使うようになっていた。これまではきれいに使っていたのだが、春子の過去が知りたくて、あちこちひっくり返して手がかりを探し始めた。するとそこへ、春子が何かを持ってやって来た。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第36回

夕方のローカル情報番組といえば、20年近く前に『どさんこワイド』が札幌駅前に神主を呼んで受験生合格祈願をするというので参加し、大騒ぎして木村洋二を呆れさせたことのある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第36回めの放送を見ましたよ。

* * *

第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」

アキ(能年玲奈)の誕生日を祝うため、正宗(尾美としのり)が東京からやって来た。翌日がアキの誕生日なのだ。

アキはひどく驚いた。忙しさのせいか自分の誕生日を忘れてしまっていたことに驚いた。それほど仲が良いわけでもない父が誕生日をちゃんと覚えていて、会いに来てくれたことに驚いた。

そして何よりも、憧れの種市先輩(福士蒼汰)が自分の誕生日を知っていたらしいことに一番驚いた。それというのも、数日前に種市が「ちょっと早いが」と言いつつ、ミサンガをプレゼントしてくれていたのだ。もらった時は何のことだかわからなかったが、今にして思えばそれは誕生日プレゼントだと思われた。アキは嬉しくなった。

その時にちゃんと言えなかったお礼を今すぐ伝えたくなった。しかし夜も遅いし、もう帰宅してしまっていたので、電話をかけることにした。ところが、種市の電話番号がわからない。ユイ(橋本愛)に聞いてみたが、彼女も連絡先を知らないという。その夜は連絡がつかなかった。

正宗は夏(宮本信子)や忠兵衛(蟹江敬三)に気に入られ、歓迎されていた。ところが、春子(小泉今日子)は相変わらず正宗に冷たい。正宗に文句をまくし立てる。アキは、春子に自分の誕生日のお祝いをして欲しいと頼んだ。しかし、正宗の登場でイライラしている春子は、アキの願いを聞くことなくあしらうのだった。

翌日の日曜日も、アキにとってはいつもと同じ日だった。ウニ丼の車内販売をして1日を過ごした。

ユイによれば、何人かに聞いてみたのだけれど種市の連絡先は誰も知らなかったという。さらに、アキがもらったミサンガは漁協で海女たちが内職で作っている土産品であり、色気がなさすぎるので、誕生日プレゼントではないと指摘した。実際、弥生(渡辺えり)やかつ枝(木野花)は、余った糸でアキのミサンガと全く同じ模様のアクセサリーを身に着けていた。それでも、アキは種市から贈り物をもらったという事実だけで嬉しかった。

その日の仕事を終えたアキはまっすぐ家に帰ろうとした。大向(杉本哲太)が車をとってくる間、アキはスナック梨明日で待つことになった。

アキがスナックのドアを開けるとクラッカーがなった。街の人々がサプライズパーティーを開いてくれたのだ。さらに、ユイの計らいで種市も来てくれた。春子が冷たい態度だったのも、ユイが種市の連絡先を知らないふりをしたのも、全てはアキを驚かせるためだった。アキは幸せな気持ちでいっぱいになった。

アキは種市にミサンガのお礼を直接述べることができた。しかし、種市はアキの誕生日のことは知らなかったのだという。贈り物は潜水士試験の合格祈願のためだと説明した。もちろん、目的が違ってもアキの嬉しい気持ちに変わりはなかった。

さらにアキは、試験に合格したら種市とデート(デート?デートなのか!?)をして欲しいと頼んだ。種市は一瞬困った顔をしたが、アキはそれに気づかなかった。種市は、考えておくなどとその場をごまかし、時間になったので帰宅した。アキはその言葉をいい方に解釈し、さらに喜んだ。

スナックではカラオケ大会が始まった。忠兵衛は自分が歌い終えると、次は春子の番だと言ってマイクを握らせた。昔の春子は、よく船出前の忠兵衛のために歌を歌ってくれたのだという。しかし、春子は頑なに拒んだ。その様子を傍から見ていた正宗は、勝手にリモコンで「潮騒のメモリー」を予約した。

20年ほど前の流行歌「潮騒のメモリー」は、どうやら春子の思い出の歌らしい。ただし、春子には正宗がその曲を選んだ理由がわからなかった。前奏が流れ始め、歌い出しになったが春子は黙ったままだった。そして、自分で演奏を止めてしまった。
忠兵衛はがっかりした。がっかりして、「東京でアイドル歌手になると言って家出したのに、なぜ歌わないのだ」などと口走ってしまった。春子の家出の真相は、これまで街の人々が話すのを避けていた事実だ。楽しい誕生会の雰囲気が一気に冷え込んだ。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第35回

昨日の晩飯は自作ぶり大根&ぶり照り焼きにしようかと思ったのだけれど、なんだかスーパーで買い物するのすら面倒くさくなって、家にストックされていたインスタントラーメン(冷蔵庫にあった野菜とチャーシューを炒めてのせた)にしてしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第35回めの放送を見ましたよ。

* * *

第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」

ディレクター池田(野間口徹)が再来し、アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)のテレビ出演に関して、春子(小泉今日子)とユイの両親(平泉成、八木亜希子)を交えて話し合いがもたれた。

春子は、ふたりがストーカー行為等に悩まされ、一生を台無しにするのではないかという懸念を表明した。ただし、彼女が特に心配しているのはユイのことだった。アキは北三陸市のことが大好きであり、自分が地元に貢献できることに喜びを感じている。だから、少々のトラブルが合ってもへこたれないだろうと信じている。しかし、ユイは別だというのだ。ユイの目標は東京に進出してアイドルになることである。田舎でチヤホヤされ有頂天になって都会に行ったりすると、挫折を味わうことになる。田舎の大人たちは、ユイの将来を考えずに食い物にしようとしている。春子はそのような状況が許せないのだ。

そんな春子の意見に異を唱えたのは、当のユイ本人だった。田舎が自分を利用するのと同様に、自分も割りきって田舎を利用するという、自分の考えをしっかり持っていると述べた。その証拠に、全てを方言を使って話し、自分の売り込み戦略もしっかり計算していることを示した。

その様子を見て、春子もテレビ出演を許可した。ただし、アキとユイの将来を考え、街興しに協力するのは来年の3月までと期限を決めた。

はたして、密着取材が始まった。街の人々は初めてのテレビカメラに舞い上がった。アキとユイの車内販売の様子のほか、アキの総父母(宮本信子、蟹江敬三)、ウニ丼の調理場、通っている高校の様子、北三陸市の風景など、全てが夕方のローカル情報番組『5時だべ わんこチャンネル』で魅力的に紹介された。

放送当日は、VTRの他、アキとユイがスタジオで生出演した。スタジオには、街興しの中心人物である大向(杉本哲太)と、引きこもり生活から復帰したヒロシ(小池徹平)がマネージャーとして同行した。

ユイは生放送でも動じることなく、卒なくコメントができた。続いて、アキがしゃべろうとした瞬間、画面が臨時ニュースに切り替わってしまった。アキの初めてのテレビ出演はよくわからないまま終わってしまった。

アキとユイのテレビ出演は、意外な結果をもたらした。次の週末、北三陸鉄道で訪れる人が激減してしまった。ヒビキ一郎(村杉蝉之介)の分析によれば、
ふたりがテレビに出たことでインターネットのファンが離れて行ったというのだ。彼らは飛びつくのも早いが、気持ちが離れるのも早いのだ。

ところが、別の報せがもたらされた。列車の利用客は激減したのだが、道路が大渋滞しているというのだ。ふたりが取り上げられたのは岩手ローカル番組なので、県内の人々が列車ではなく車で殺到したのだ。渋滞に巻き込まれた観光バスの100人以上もの観光客を北鉄に乗せ換えて欲しいという依頼も舞い込んだ。それを受け入れるため、大向は列車の出発を10分以上送らせて乗客を待つよう指示を出した。こうして、結局その日も北三陸市は観光客で大賑わいとなった。

アキがクタクタに疲れて帰ってくると、家の前に正宗(尾美としのり)のタクシーが停まっていた。アキは忙しくて忘れていたのだが、翌日はアキの誕生日なのだ。正宗はそれを祝うためにやって来たのだという。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第34回

能年玲奈オフィシャルファンクラブ『くるぶし。』では本ドラマのサイン入りポスターのプレゼント企画が行われており(受付は5月13日17:59まで、当選者5名)、当然のごとく会員登録と応募をした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第34回めの放送を見ましたよ。

* * *

第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」

春子(小泉今日子)がばらしてしまったせいで、アキ(能年玲奈)が種市(福士蒼汰)に片思いしていることがスナック梨明日の常連客に知れ渡った。駅の待合室で勉強するアキと種市のことを大人たちは囃し立てつつも、微笑ましく見守るのだった。噂になったことを知って、アキは春子に対して腹を立てた。けれども、アキはユイ(橋本愛)という親友を得、種市という憧れの先輩がいて、潜水実習も楽しく、充実した学校生活を送っていた。

一方、アキに好きな人がいると知ったヒロシ(小池徹平)は観光協会を無断欠勤するようになり、またしても引きこもり生活になってしまった。父・功(平泉成)は、女に振られたくらいで仕事を投げ出すヒロシを心底情けなく思い、叱ったり助けてやったりする気すらなくなった。

春子は功を呼び出してふたりだけでアキとユイのことについて話し合った。春子はテレビに出ることでアキが好奇の目に晒されることをひどく心配している。アキが傷つかないように守ってやる自信がないのだという。一方で、アキがテレビに出ないとなれば、ユイのチャンスも潰してしまうことになりかねない。だから迷っているのだ。

功もユイのことを心配している。ユイは自分が歳をとってから生まれた娘だから、まるで孫のように甘やかしてしまう。だから、本人が希望するなら芸能界入りすることも認めるが、彼女が成功できるかどうか分からず不安なのだという。春子は、ユイを見ていると昔の自分を見ているようだと話した。プライドが高くて自信家で、自分は周囲とは異なる特別な存在だと思っている。功も同意した。ふたりは昔のことを思い出した。スケバンだった春子(有村架純)は担任の功と折り合いが悪かった。そんなふたりの娘が同級生になり、子育てのことで相談しあうようになったという状況を互いに笑いあうのだった。

アキとユイもふたりでテレビ出演のことについて話し合っていた。ユイは自分の本心を語りはじめた。ユイのライバルとなる女の子たちは、すでに様々な所で活躍し始めている。それに対してユイは、未だにこれといった業績がなく焦り始めているのだ。以前は田舎のマスコミに取り上げられることは恥だと思っていたが、今ではなりふり構っていられなくなった。地方のテレビ局であっても出演し、チャンスを掴みたいのだという。

ユイは、急に方言を使った自己紹介の練習を始めた。それが今のユイに残された唯一の売り込み方なのだ。その様子を見たアキは彼女の熱意を知った。それで、北三陸市の宣伝を兼ね、ユイを応援するためにも一緒にテレビ出演することを決意した。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第33回

昨夜の『火曜サプライズ』には宮藤官九郎がゲスト出演し、朝ドラの脚本は1日に1話ずつ書いていることや、話のペースや割り振りはあまり考えておらずわりと行き当たりばったりであること、その結果1話まるまる展開上の意味が無いこともあって後悔したりしているなどの話を聞いた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第33回めの放送を見ましたよ。

* * *

第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」

岩手こっちゃこいテレビのディレクターの池田(野間口徹)は、アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)を夕方の情報番組で紹介したいという。インターネットでふたりのことを知り、今時珍しくスレていない様子や、地元のために頑張っている姿に感動したと話した。反応が良ければレギュラーとして出演してもらうこと、さらには全国へ進出することも視野に入っているという。

アイドルを目指しているユイは、これこそチャンスの一つだと思った。衣装やメイク係が付くのかどうか、VTRの事前チェックはできるのか等、かなり本格的で詳細な質問をぶつけた。アキや池田はそんなユイの様子に圧倒された。

しかし、ひとまずその日は返事を保留し、池田は帰っていった。そして、アキとユイはふたりだけで相談した。ユイにとっては自分の夢を実現できることが嬉しい一方、池田の怪しい雰囲気をはじめ、自分の扱われ方に不安があるのだ。テレビに出るとなると一般にも広く知られるようになり、失敗すると取り返しがつかなくなる。だから慎重になるのだ。アキは、自分の浮ついた気持ちとユイの真剣な気持ちとの間に溝を感じた。

アキの主な心配事は、自分が華やかでないことや春子(小泉今日子)に猛反対されるだろうことだ。以前、アキがアイドルになることに興味がある素振りを見せたら、春子に「ブスがアイドルになれるはずがない」などと激しく怒られたことがあるのだ(第22回)。その話を聞いたユイは頭にきた。ユイによれば、アキは単に可愛いだでではなく、特別な素質がある。それが受けるはずだという。春子にはアイドルの何たるかがわかっていないと憤慨した。テレビに出て人気を博すことで春子を見返してやろうと焚きつけた。しかし、アキ自身はまだ春子に言い出せないでいた。

一方、当の春子は、スナック梨明日で大向(杉本哲太)らから説明を受けていた。すると春子は、ユイと異口同音に、衣装やメイク、VTRの事前チェック等について質問した。さらに、出演予定の番組がどの程度の格なのかといった点についても確認した。

一瞬乗り気であるかのように思えた春子だが、ユイはまだしも、アキについては反対する素振りを見せた。アキがアイドル的境遇を受け入れているのは、この街が好きであり、大好きな街の人々に喜んでもらうためである。いわば他人のためにやっていることだ。一方のユイはアイドルを目指し、今回の番組出演も自分のキャリアのために受けるものだ。そのようなアキとユイの思惑の違いが後々問題になるだろうと指摘した。さらに、ふたりはまだ子供であり、これ以上エスカレートしたら取り返しの付かないことになると心配した。

すると、ヒロシ(小池徹平)は自分がマネージャーになると言い出した。アキとユイの思惑の違いを内部で調整したり、テレビ局等外部との付き合いの矢面に立つことでふたりを守るというのだ。しかし、春子はその提案を受け入れなかった。ヒロシはユイの実の兄であり、また、アキに惚れていることを隠そうともしない。そのような立場の人物に冷静な判断ができるはずないからだ。

しかも春子は、アキにはヒロシ以外に好きな人がいるらしいとバラしてしまった。ショックを受けたヒロシは、潜水土木科の実習を覗きに行き、プールの覗き窓からアキの姿を見つめるのだった。水中のアキもそんなヒロシを見つけた。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第32回

一昨日大量に作ったまめぶ汁は今日の朝食でやっと食べ尽くすことができ、やれやれと一息ついている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第32回めの放送を見ましたよ。

* * *

第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」

忠兵衛(蟹江敬三)が帰宅し、天野家は賑やかになった。夏(宮本信子)と忠兵衛は結婚して44年になるが、年に10日しか会えないので、ふたりは今でも新婚夫婦のように仲睦まじい。短い休暇を惜しむように、ふたりっきりのデート(デート?デートなのか!?)を楽しんでいる。ふたりの出会いは海の中だったという。忠兵衛が潜水服で潜っていると、ウニを獲っている夏の姿が目に留まったという。それで一目惚れをしたのだという。その後、海女が上半身裸で潜ることについて、忠兵衛が漁協に怒鳴り込んだこと(第8回)がきっかけとなって結婚したのだという。ただし、結婚式の時には忠兵衛はすでに漁に出ており、夏は夫のいない家に嫁いできたのだという。

アキ(能年玲奈)は忠兵衛のことがすっかり気に入った。忠兵衛は漁の途中にインドやタイ、フランス、ノルウェー、アメリカなど世界各国を巡っている。北三陸から一度も出たことのない夏に代わって見聞を広げたり、珍しい土産を買ってきてやる。忠兵衛によれば、世界を見れば見るほど、北三陸が一番良いと再認識するのだという。東京が嫌で逃げてきたアキは、東京と北三陸のどちらが良いか聞いてみた。忠兵衛の答えは、東京も北三陸も同じ日本だから変わりはないという。アキは自分が小さなことに悩んでいたことを思い知ると同時に、忠兵衛のスケールの大きさにますます惚れ込んだ。

ある日の放課後、アキとユイ(橋本愛)は観光協会に呼ばれた。アキが少し遅刻していくと、ユイがすでにかしこまって座っており、観光協会の関係者も愛想笑いを浮かべて控えていた。珍しいことに高級なケーキと紅茶も用意されていた。

部屋の様子を見た途端、アキは何か裏があると直感した。ユイの隣に誘われて座ると、正面には見知らぬ男が座っていた。男は岩手こっちゃこいテレビのディレクターの池田(野間口徹)と名乗った。薄い色のサングラスをかけ、いかにも胡散臭い業界人に見えた。アキはますます嫌な予感がした。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第31回

昨日まめぶ汁作りに挑戦し、味がしみ込むとなかなか美味しく食べることができたのだが、小麦粉のこね方をよく知らなかったので肝心のまめぶは少々失敗したことを認めざるをえない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第31回めの放送を見ましたよ。

* * *

第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」

アキ(能年玲奈)がウニ丼を売った相手は、死んだはずの祖父・忠兵衛(蟹江敬三)にそっくりだった。その男が袖が浜に向かったので、アキは車内販売を放り出して後をつけた。

家では春子(小泉今日子)が夏(宮本信子)を問い詰めていた。夏は急にお洒落をするようになり、ひと目もはばからず漁協長・長内(でんでん)と親しげに話をしている姿が目撃されている。老人同士が恋中になってしまったのではないかと疑っているのだ。

そこへ忠兵衛が家に帰ってきた。会うなりふたりは熱く抱き合った。死んだと思っていた忠兵衛は生きていたのだ。忠兵衛は春子にも気さくに抱きついた。アキと春子は混乱した。

夏によれば、忠兵衛が死んだというのはアキと春子が勝手に勘違いしたことだという。夏自身は死んだなどと一言も言っていない。忠兵衛は1年のうち350日を遠洋の船で過ごす。そこでいつ死んでしまうかもわからない。だから、死んだものと思って送り出し、仏壇に写真を飾るのが漁師の妻の宿命だと説明した。

忠兵衛が帰ってきたという噂を聞きつけて、親しい人々が集まってきた。その日はスナック梨明日を臨時休業にし、酒を飲み交わしながら忠兵衛の慰労会となった。夏が長内と話していたのは、漁船の帰港に関する情報がいち早く漁協に伝えられるからだ。忠兵衛の帰りが近くなったことで、夏は自分を飾り立てたくなった。それでお洒落をしては長内に動向を聞きに行っていたのが真相だ。ウキウキして長内と話しているため、傍から見ればふたりがデキているように見えてしまったのだ。

明るく豪快な忠兵衛はみんなの人気者だった。北三陸高校潜水土木科出身の忠兵衛は、孫のアキが同じ学科に通っていると聞いて大いに喜んだ。集まった人々は大いに盛り上がった。

そんな中、春子だけは苛立ったままだった。自分だけが騙されていたことに納得がいかないのだ。元々年に10日しか家におらず、18歳の時に家出したまま会っていなかったとはいえ、実の父親が死んだと思えば悲しかった。故郷を捨てたとはいえ、毎年母の日や父の日が近づくと実家のことを思い出して辛くなるほどだった。そんな自分の思いが、街の人々の心ない嘘で踏みにじられたと訴えた。

そんな春子を落ち着かせたのは長内の一言だった。実際には死んでいたのではなく、生きていたのだから良かったじゃないか。そう言われると春子は納得した。改めて両親に向きあおうとすると、いつの間にかふたりは姿を消していた。仲の良いふたりは、うるさい家を出て、手をつないで港を散歩していた。

また、アキとユイ(橋本愛)を2階の隠し部屋へ案内した。そこには25年前のアイドルグッズが大量に飾られている。ユイはそれらの珍しい品々を見て大興奮し、珍しくはしゃいだ。その日は泊まっていくことになった。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第30回

お茶のコップを倒してしまったのだが、そばに置いていた有川浩『植物図鑑』は被害を受けず無事であったことを報告するとともに、「ここが朝倉かすみとの格の違いか」などと思ってしまったことを告白する当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第30回めの放送を見ましたよ。

* * *

第5週「おら、先輩が好きだ!」

潜水土木科の実習は思っていた以上にハードで危険と隣り合わせだった。自然とアキ(能年玲奈)は、祖父・忠兵衛(蟹江敬三)の遺影に毎日無事を祈るのが習慣になった。

ただし、アキは祖父の死因や命日を知らない。夏(宮本信子)に聞いてみたが、返事はいまひとつ要領を得なかった。しかし、ちょうど1年であるらしいことがわかった。夏によれば、常に漁師の妻は、夫が二度と帰ってこないものと覚悟を決めて送り出す。だから辛くはないのだと話した。

学校でのアキは、編入で遅れている分を取り戻すのに必死だ。生徒はみな2年生で潜水士の資格を取得する。アキもそうするつもりなのだ。放課後は種市(福士蒼汰)がつきっきりで勉強を見てくれた。帰りが送れる分、ユイ(橋本愛)とは別々に下校するようになった。

アキが駅で列車を待っていると、ヒロシ(小池徹平)が近寄ってきた。告白したことの返事を聞かせて欲しいと詰め寄ってきた。種市のことを好きになったアキは、ヒロシと交際する気はなかった。しかし、本当のことを言うとヒロシは以前のように引きこもりになってしまうかもしれない。そこで「潜水士の勉強に集中したい」と方便を使って逃げた。

ヒロシに対する配所はするものの、アキは彼に対して腹を立てた。いつもタイミングが悪いのだ。最初の告白は本気獲りの前日だった。動揺して一睡もできずに海に潜ることになった(第23回)。今は種市や潜水士のことで頭がいっぱいだ。彼の間の悪さを思うとイライラして眠れなくなった。

眠れなくなって家の中をうろついていると、仏壇から祖父・忠兵衛の遺影がなくなっていることに気づいた。慌てて夏を叩き起こすが、夏は片付けたと一言言ったきり、また寝てしまった。

アキは夏の態度が怪しいと思った。思い返してみれば、近頃の夏は妙にソワソワして楽しそうにしている。喫茶リアスでみんなに話すと、春子(小泉今日子)にも思い当たるフシがあるという。普段はお洒落には全く頓着しないはずの夏が、化粧をしたりきれいな服を着るようになったと言うのだ。アキと春子の結論は、夏に好きな人ができたというものだった。

琥珀掘り・小田(塩見三省)は、琥珀アクセサリーの内職のために漁協に通っている。そこでの目撃談を語った。漁期が終わっているのにも関わらず、夏が毎日顔を出すのだという。しかも、漁協長・長内(でんでん)と妙に親しげで、体と顔を寄せあって話しているのを何度も見たのだという。夏と長内の関係が怪しまれた。次の週末、アキがウニ丼販売をしている間、家に残った春子が夏を問い詰めることとなった。

ウニ丼販売日当日。アキは車内である老人に目を留めた。なんと、その男は祖父・忠兵衛に瓜二つだったのだ。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第29回

昨日、渋谷のNHKスタジオパークへ行き、スナック梨明日の正月風景(第90回らしい)の撮影場面を見学してきた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第29回めの放送を見ましたよ。

窓の向こうがスタジオだそうだがカーテンが開くことはなかった。設置されたモニタ越しに見る。

窓の向こうがスタジオだそうだがカーテンが開くことはなかった。設置されたモニタ越しに見た。声は聞こえない。


* * *

第5週「おら、先輩が好きだ!」

アキ(能年玲奈)が潜水土木科へ編入したがっているという噂が早くも広まっていた。海女のアキが街のシンボルとして重要な観光資源となった現在、彼女の去就が北三陸市への来客者数に大きく影響する。慌てた大人たちは、天野一家を観光協会の事務所に呼び出して話し合いがもたれた。

駅長・大向(杉本哲太)や観光協会長・菅原(吹越満)、ヒビキ一郎(村杉蝉之介)らは、アキが海女姿で接客することの必要性を力説した。アキは、海に潜ることやウニ丼の車内販売をすることは好きだが、海女の格好でアイドル的扱いをされるのは好きではないと本心を話した。しかし、大人たちはそれこそが街にとってもっとも必要なことだと食い下がった。アキは容姿が優れているわけではないので、海女姿にならなければ見向きされないといった失礼なことまで言い出す始末だった。

そのやり取りを聞いていた春子(小泉今日子)はカッとなった。自分の娘が侮辱された上、大人たちの事情のためにアキが利用されていることに我慢がならなくなった。アキが晒し者にされるくらいなら南部もぐりをさせていた方がマシだなどと捨て台詞を吐き、アキを連れて帰ってしまった。

翌日、春子はアキを伴って学校へ行った。潜水土木科の教諭・磯野(皆川猿時)と3者面談を行い、よく話を聞くためだ。磯野の説明によれば、潜水土木科の主な目的は潜水士の資格を取ることだが、通常科目の授業もきちんと行われるという。春子はアキの進学も視野に入れているので、その点はまあまあ安心できた。しかし、ここ何年も女子生徒はいないのだという。磯野はアキが編入すれば盛り上がると言って喜んだ。春子はここでもアキがアイドル的扱いにされそうなことに腹を立てた。

そこへ、種市(福士蒼汰)が通りがかった。春子が通っていた頃にはむさ苦しい男ばかりだったのに、今では種市のようなかっこいい男の子がいることに驚いた。それと同時に、アキが種市に恋をしているらしいことに勘づいた。それこそが編入の本当の目的なのだろうと気づいた。

3者面談では編入の是非はを保留し、春子とアキは校内を歩いた。懐かしい校舎を見ているうちに、春子は自分の高校時代のことを思い出した。1982年(昭和57年)、高校1年の春子(有村架純)はスケバンで素行が悪かった。放課後も不良男子生徒(鈴木龍之介加藤諒)とともに校舎をブラブラしていた。そこへ、2年先輩の大向(東出昌大)がやって来た。ふたりは幼馴染である。大向は、夏(宮本信子)は春子のことを心配しているから更生しろと言うのだった。そして、飛びかかってきた男子不良生徒を返り討ちにして追い払った。

大向は自分が北三陸鉄道への就職が決まったことを話した。春子が卒業する頃までに、自分は車掌か運転手になっているはずだ。そうしたら、春子を列車に乗せてやるなどと話した。春子は大向にそう言われたことが嬉しかった。

そんな思い出に浸っているうちに、アキの希望を叶えてやろうと決めた。海女になろうが潜水士になろうが、自分のような不良少女になるよりは余程ましだと思うからだ。そう話すと、アキは大喜びした。

アキの編入決定を聞いた大向と菅原であったが、反対はしなかった。アキは相変わらず週末には海女姿で車内販売をするということなので、ふたりに文句はなかった。彼らがアキに依存している様子を見て、春子は一言言わなければ気がすまなくなった。北三陸市には海女の他に、白樺や琥珀、まめぶ汁など他にも良い観光資源がある。そういうものから目を背けているのが良くないというのだ。地元の人が愛すれば、観光客にも素敵に見える。そういう根本的な郷土愛を忘れないで欲しいと説教するのだった。

いよいよアキの潜水土木科への通学が始まった。ユイ(橋本愛)と一緒に登校するのはこれまで通りだが、教室は彼女と離ればなれになる。潜水土木科の教室は、聞いていた通り男子生徒ばかりだった。しかも、朝一番に行うことは「南部ダイバー」という歌を全員でがなり立てるように歌うことだった。その粗暴な様子を目の当たりにして、アキは大変なところに来てしまったと後悔した。

唯一の救いは、成績優秀で就職も決まっている種市が指導係として下級生の面倒を見てくれることだった。

* * *

続きを読む

ヘルメットがなければ即死だった: 似てるもの愛好家としての俺

今朝の『あまちゃん』第28回のシーンに既視感がありました。

『あまちゃん』28回。天野アキ(左)と種市浩一(右)。写真は公式サイトの福士蒼汰の記事より。

『あまちゃん』28回。天野アキ(左)と種市浩一(右)。写真は公式サイトの福士蒼汰の記事より。

そう、往年の名作『機動戦士ガンダム』の最終話におけるアムロとシャアの決闘シーン。

『機動戦士ガンダム』43話のアムロ・レイ(左)とシャア・アズナブル(右)。

『機動戦士ガンダム』43話のアムロ・レイ(左)とシャア・アズナブル(右)。

左右を反転させれば完璧に一致するね。