今日はとにかく冷える日で、朝は起きれなかったし、夕方も家に帰って来たらそのまま寝てしまおうとしてしまい、危うくまとめ記事のことを忘れてしまうところだった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第92回めの放送を見ましたよ。
今や大阪に残っている両替商はほとんどなかった。
当主の榮三郎(桐山照史)も加野屋もいよいよ銀行になる時期に来たと感じていた。
榮三郎は雁助(山内圭哉)を説得した。
雁助は両替商の番頭としての矜持を持ち、暖簾分けしてもらうことを夢見ていた身としては忸怩たる思いであった。しかし、時代の変化を認めざるを得なかった。また、加野屋の存続のためにも両替商に固執することは誤りだと理解している。雁助は渋々ながら銀行設立を承諾した。
加野屋が銀行になると、経営方法が変わる。これまでの家族経営ではなく、会社組織にならなければならない。
家族経営では、番頭や女中たちを家に住まわせ、寝食をともにし、実の家族のようであった。会社組織になると、彼らは給料を貰って決められた時間だけ働く身分になる。住まいや食事は各自で準備し、他人のような関係になる。
加野屋の使用人たちは動揺した。
よの(風吹ジュン)もこれまで家族として生活してきた者たちと離れがたかった。そこであさ(波瑠)に、しばらくの間は使用人たちが通いと住み込みを自分で選べる形式にするよう提案した。
あさは素直に応じた。会社組織を作ることに頭がいっぱいで、働く者たちの気持ちを全く考えていなかったことを反省した。
うめ(友近)が深刻な顔をしてあさに話しかけてきた。
うめは雁助がどうなるか心配なのだという。雁助は先代の時代から加野屋のために身を粉にして働き、もう少しで暖簾分けを受けるという所まで来ていた。それなのに、会社ができてしまうと「暖簾分け」という制度そのものがなくなってしまう。雁助が可哀想だというのだ。
あさは、雁助を一番大きな支店の店長に任命し、大いに実力を発揮して働いてもらうつもりだと説明した。しかし、うめはどうにも納得がいかない様子だった。
話はそれで終わったが、あさはうめの態度に驚いた。うめが仕事のことに口出しするのは初めてだったからだ。
うめはひとり台所で働いていた。そこへ雁助がふらりとやって来た。
雁助は、気がついたら時代が変わっていたとボヤいた。「会社」というものはなんだか冷たい感じがすると言う。もう自分が必要とされる時代ではないのではないかと弱音を吐いた。
そして、一緒に家を出ようとうめに告げるのだった。