昨日コンビニに行ったら、レジ横でカルーアが安売りされていたのでつい買ってしまったのだけれど、肝心の牛乳を買い忘れた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の12回めの放送を見ましたよ。
父・浩太(高橋克典)が生駒山の遊園地に連れて行ってくれると約束した日の前日、舞(浅田芭路)は飛行機に乗れるのを楽しみに学校から帰ってきた。
ところが、工場を覗くとそれどころではなさそうだった。取引先から急に納期を早めるよう言われ、翌日は休日返上で作業しなければならなくなった。小さな町工場は立場が弱く、そういった要求でも受け入れなければ立ち行かないのである。
舞に未練はあったが、文句も言わず諦めた。
遊園地行きが中止になった舞は、ばらもん凧に独自の工夫で翼をつけて飛ばしてみることにした。しかし、当てずっぽうで作った翼にはもちろん何の効果もなく、凧は全くあがらなかった。
自室でガッカリしていると、仕事の合間に浩太が覗きにきた。浩太は自分が舞くらいの時の写真を見せた。その歳のころ、初めて自分で模型飛行機を作って飛ばしたのだと言う。今度一緒に作ろうと誘ってくれて、舞は嬉しくなった。
けれども、浩太の仕事は忙しくなるばかりで、なかなか時間を作ってもらえなかった。
ある日、舞は幼馴染の貴司(齋藤絢永)とともに、古本屋デラシネを訪ねた。そこで模型飛行機の本を購入し、独自に勉強しようとしたのだ。
店主の八木巌(又吉直樹)は偏屈な男だった。本をちょっとでも雑に扱う客のことが気に入らず、本を売らないと言って即座に追い出すほどである。
それでも舞には優しかった。舞が模型飛行機の作り方の本を探していると言えば、関連する本をいくつか見繕ってくれた。舞はその中で気に入った1冊を購入した。
その間、一緒に来た貴司は、目についた詩集を読んでいた。自分が思っていても言葉にできなかったことを代弁してくれているようだし、目の前に景色が見えるようだと評した。貴司はそれを買おうとしたが、店主・八木によれば売り物ではないと言う。なぜなら、八木本人の詩集であり、2冊しか印刷しなかったからだと言う。貴司には譲ってくれなかったが、店の奥でじっくり読むことを許してくれた。貴司は貪るように読み始めた。
その頃、舞には知る由もなかったことだが、浩太のネジ工場は古くからの付き合いのある客から取引を止められてしまった。客の言い分は、浩太の工場のネジには細かい傷があるというものだった。ねじ止めの機能に問題はないが、現代では美しさも品質の一部だと言う。近年では外国製品の品質が良くなっているばかりか、価格面でも有利である。すでに他社と契約したと言うのだ。
浩太は頼み込んだが、取り付く島はなかった。
本を買ってきた舞は、早速、浩太に報告しようとした。しかし、浩太は事務所で険しい顔をしていた。舞は声をかけられなかった。
自室に戻った舞は、本を見ながら必要な材料を調べた。そして、貯金箱を開けてお金が足りるかどうか心配になった。
それでもなんとか自力で模型飛行機を完成させて飛ばせてやろうと決意した。
浩太は飛行機が飛んでいるのを見ると元気になると言っていた。だから、舞がそれを見せて元気にしてやりたいと思ったのだ。