朝のアレとのテンションの違いがあからさま過ぎて、自分で自分が可笑しい当方が、テレビ朝日の帯ドラマ劇場『トットちゃん!』の第4話の放送を見ましたよ。
黒柳守綱(山本耕史)は朝(松下奈緒)のために夜明けまでバイオリンを奏で続けた。朝は守綱のことが愛おしくなり、家を捨ててもかまわないと思った。そんな朝に向かい、守綱は自分の妻になるよう告げた。そのままふたりは、守綱の部屋へ向かった。
部屋に入るなり、守綱は朝に口づけをし、そのままふたりはベッドに倒れ込んだ。
朝は初めて結ばれる予感に見を固くした。
しかし、横になるなり、守綱は眠ってしまった。
そのままふたりは部屋を一歩も出ることなく過ごした。その夜、やっと結ばれた。
その日、朝の叔父・井上宏(高田純次)は、家出人として朝の捜索願を警察に届け出た。同時に、朝の実家に電報で知らせた。東京から戻ったばかりの父・周通(佐藤B作)は激しく激怒し、宏たち夫婦を罵った。宏は、妻・三好(古村比呂)の弟であり、当然彼女も攻撃の対象となった。
朝が守綱と暮らしはじめて2日目の朝。朝は守綱を起こさないようにベッドを抜け出した。守綱の住むアパート・乃木坂上倶楽部の1Fロビーはカフェサロンになっており、そこへ降りていった。
そこにはアパートに住む画家・華子(高岡早紀)がくつろいでいた。彼女は有名な建築家である日本人の夫と共に、パリで長く暮らしたという。しかし、その夫が亡くなり帰国した。
朝は、家を裏切って駆け落ちのような状態になり、誰とも連絡を取っていないことを心配していた。
そう打ち明けられた華子は、朝が後悔するようでは黒柳が不憫だと話した。自信を持って彼を愛することが必要だと告げた。
さらに華子は、自分がふしだらで多くの男と関係を持った話を始めた。結婚前や死別後はもちろん、結婚中も夫以外の男と寝た。そうしている時は、自分が生きていることを実感できて充実していたと言うのだ。けれども、どんなに多くの男と関係を持っても、全てを捨ててもいいと思えるような男はいなかった。
朝は全てを打ち捨てて守綱に連れ添おうとしている。守綱こそが自分にとって唯一の男だと思えるなら、何も心配はいらないと諭した。自分が幸せになったと思う時が来たら、全てのことに納得がいくと予言した。今の朝に必要なことは、腹を決めることだという。
その話を聞いて、朝は悩みを吹っ切ることができた。笑顔が浮かんだ。
画家の華子は、その朝の笑顔をスケッチして残すのだった。
守綱が目を覚ますと、そこに朝の姿がなかった。慌てふためいた守綱は部屋を飛び出した。
サロンに朝の姿を見つけると、居住まいを正し、涼しい顔を装った。しかし、その狼狽ぶりは華子やカフェマスター・シイナ(小澤征悦)には筒抜けだった。
朝はアパートの他の住人たちからも暖かく迎え入れられ、1週間強ほど平穏に楽しく暮した。
年が明けて、1930年(昭和5年)1月7日。この日は、守綱の仕事始めで、午前中からリハーサルが行われるという。バイオリンなどを準備し、カフェサロンに集まった住人たちと談笑していた。
新聞を読んでいたシイナが、朝の父が連絡を乞う広告を出していることに気づいた。そのことで、住人たちの意見は分かれた。
劇作家・上原富夫(隈部洋平)は良識的な考えの持ち主であり、ふたりで朝の実家に挨拶に行くべきだと提案した。
一方、ダンサーのエミー市川(凰稀かなめ)は、ふたりで決めたことなのだから親は関係ないと言って猛反対した。彼女は夫・ダニー市川(新納慎也)との結婚を家族に反対され、駆け落ちして現在に至る。ゆえに、家族のこととなると過敏に反応するのだ。夫・ダニーがなだめても言うことを聞かず、ダニーにまで腹を立てて出ていってしまった。
守綱の結論は、挨拶には行かないということだった。ふたりが愛し合っていればそれで十分だと言うのだ。
朝も異論がなかった。加えて、エミーとダニーのように、言いたいことが言えて、喧嘩もできる夫婦になりたいと話した。自分の両親は父が絶対的な権力を持っていて、母は口答え一つせず完全に服従していた。ふたりが喧嘩をしているところは一度も見たことがない。自分は喧嘩のできる夫婦に憧れるというのだ。
その直後、朝の父・周通が現れた。
周通は、バイオリンを持っている男こそが娘をかどわかした男だとひと目でわかり、守綱を殴り倒した。