今日の『スタジオパークからこんにちは』のゲストはシシド・カフカだったわけで、生放送でのドラム演奏が披露されたわけだが、彼女はいつも裸足でドラムを演奏するという話題になり、実際にシシド・カフカの足の裏が画面に大写しになったりして、「シシド・カフカは顔も髪型もプロポーションも声も動きも何もかも好みだけれど、足の裏も綺麗だし、足の指もスラリとしているし、非の打ち所がねぇな」と大興奮した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の第109回めの放送を見ましたよ。
あさ(波瑠)と新次郎(玉木宏)は休暇を取り、ふたりきりで和歌山へ旅行することにした。有田に住む姉・はつ(宮﨑あおい)の一家に会うためである。
あさにとっては、仕事以外の旅行は初めてのことであり、新次郎とふたりきりの旅行も初めてである。洋服でめかしこんで嬉しそうに出かけた。
有田に到着すると、あたり一面みかん畑だった。
村の子どもたちは洋服を初めて見た。あさのスカートを「ミノムシ」のようだと囃し立てた。
子どもたちが騒ぎ立てるのを聞きつけて、惣兵衛(柄本佑)がやって来た。惣兵衛は幼なじみである新次郎との再会をとても懐かしがった。昔は色白だった惣兵衛だが、今や農作業で日焼けをしてとても健康的だった。性格的にも陰気なところはなくなり、子どもたちと同じようにあさのスカートのことを「ミノムシ」のようだと冗談を言うのだった。
惣兵衛の両親・栄達(辰巳琢郎)と菊(萬田久子)も元気だった。大阪随一の両替商だった頃の栄華はなくなってしまっていたが、すっかり人のよい農家になっていた。新次郎とあさの到着を満面の笑顔で迎えた。
一時、家出をして加野屋に転がり込んでいた藍之助(森下大地)も更正して、家族と仲良く暮らしていた。あさや新次郎との再会を喜び、商売の様子を興味深く尋ねるのだった。
一方、次男の養之助(西畑大吾)は藍之助に比べれば行儀が悪かった。それでも、はつたちがしっかりと育てていることが伺われるほど、屈折したところのない子どもだった。
洋装のあさがくつろげないことに配慮して、はつはあさに自分の着物を貸してやった。はつは、大実業家のあさに粗末な衣類を着せることを恥ずかしく思ったが、あさはそんなことは気にしなかった。はつの着物を借りられることだけで嬉しかった。
ふたりで着替えをしながら、はつはあさの来訪の本心を尋ねた。はつは、あさが藍之助の様子を伺いに来たと思っていたのだ。家出した子供を母親が大阪まで迎えに行くという無様な様子を見せたことをはつは恥じていたのだ。
しかし、あさはその予想を否定した。純粋にはつたちの家族に会いたかったのだと説明した。それを聞いて、はつはやっと胸のつかえが取れた。
夕食ははつが腕によりをかけて拵えた和歌山風のちらし寿司だった。
子どもたちは、いつもより具が多いと言って大喜びしていた。新次郎とあさは、はつが精一杯のもてなしをしてくれたのだと思って嬉しかった。そして、実際、とても美味しい食事だった。
食事同様、話も弾んだ。笑いの絶えない楽しい夕食となった。
その時、村の庄屋・倉掛(中村育二)が家にやって来た。はつに頼まれていた、客用の布団を持ってきたというのだ。
倉掛は、あさと新次郎に会えたことに感激した。村のほとんどの家では新聞を取っていないが、彼の家では購読をしており、あさの紹介記事も読んだことがあるのだという。そして、惣兵衛の家が加野屋と親戚であるということに驚いたのだという。それで自ら布団を貸し出すのと一緒に、挨拶に来たのだ。
倉掛は、惣兵衛たちが和歌山に移住してきた時のことを話した。
初めは、大阪から落ちぶれてきた奇妙な家族だと思って警戒していたという。しかし、一家の男たちは頼りになるし、女たちは学があって美しいことから、立派な家族だとわかったという。それからは村の一員として迎え入れた。今では菊やはつには琴の師匠として、倉掛の家で教室を開いてもらっているのだという。
それから倉掛は、みかん農家の境遇についても説明した。
江戸時代には、徳川御三家が紀州にあったため、紀州みかんはもてはやされていた。しかし、明治維新後は徳川家の威光がなくなり、紀州のみかんも人気がなくなってきたという。今では東京の問屋に安く買い叩かれるばかりだと言って嘆いた。
このような状況を改善するため、これからの農家には学問が必要だと痛感しているのだという。
それで、倉掛は自分の子どもたちを東京の学校に行かせており、将来は和歌山に帰らせてみかん農家の発展のために働かせるつもりでいるという。
その時には、藍之助にも村を支えて欲しいという願いを語った。藍之助は、学校の先生も太鼓判を押す秀才だったという。和歌山の寒村にいるのがもったいないくらいで、江戸時代ならばどこかの藩に仕えていてもおかしくなかったほどだったという。
それだけの能力があるので、ぜひ有田のために尽力して欲しいと語った。
その話を聞きながら、あさははつが藍之助のことを本当はどう思っているのかが気にかかった。