フジ『北の国から』第5回

今日初めて字幕を表示させたところ、黒板家の娘は蛍ではなく「螢」であることを知った当方が、BSフジ『北の国から』の第5回を見ましたよ。

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五郎(田中邦衛)らの住んでいる麓郷は、元々は東大の演習林だった。その管理を請け負うことで入植を許されたという経緯がある。その請負関係は今でも続いており、森林の伐採を行う際には集落の男たちが大勢駆り出される。無論、五郎もその手伝いに出かけることになった。

その前日、クマ(南雲佑介/現・南雲勇助)が道具の準備や段取りのために五郎の家にやって来た。クマは笠松杵次(大友柳太朗)に気をつけろと注意を促した。杵次は、五郎の父の親友だった老人だ。五郎はもちろん過去に杵次と面識もあったが、忙しさにかまけて挨拶が後回しになっていた。クマは杵次のことについて言葉を濁したまま帰って行った。
純(吉岡秀隆)は杵次に会ったことはなかったが、噂だけは聞いていた。同級生の正吉(中澤佳仁)の祖父であるが、ケチでズルい人間だと悪評が立っていた。純はそのことを家族の前で面白おかしく吹聴した。

すると五郎は、会ったこともない人物の悪口を言うなと純を叱りつけた。
純は、五郎の自分への態度が冷たいと思った。本田(宮本信子)が訪ねてきてから態度が変わったように思った。確かに純は令子(いしだあゆみ)のことを思い出し、未練がましかった。けれども、五郎に情が移り、令子との電話のチャンスを自ら放棄して帰ってきた。それにもかかわらず、五郎が自分に冷たいことを不服に思っていた。螢(中嶋朋子)への態度と比べると、その差は歴然としていた。

翌日、純は五郎が演習林での仕事から帰ってくるまでに風呂を沸かしておくように命じられていた。しかし、純は火を熾すことが苦手だった。マッチの火を白樺の皮に移し、そこから種火を作らなくてはならない。けれども、何度やっても白樺の皮から先がうまくいかない。マッチや皮を無駄にしてばかりだった。
苦戦しているところへ五郎が帰宅した。五郎は無言で道具を奪うと、あっという間に火を熾した。ヘタなら早くから初めて間に合わせろ、などと冷たく言い放ち家に入ってしまった。

食事中も五郎はむっつりしていた。純が学校での出来事を大騒ぎしながら話していると、うるさいと言って叱った。早々に食事を終えると、螢だけを誘って外へキツネを見に出かけた。
純は、ますます自分が五郎に嫌われているように思った。雪子(竹下景子)に相談してみたが、彼女は気休めしか言ってくれなかった。

外に出た五郎は、仕事場で杵次に言われたことを思い出していた。
杵次は、五郎らの住んでいる土地は自分のものだと主張した。五郎に住む権利はないというのだ。五郎の親は、五郎が東京へ家出した後に苦労した。その時に杵次が資金援助し、借金のカタに土地を譲り受けたのだという。五郎には寝耳に水で、激しい衝撃を受けた。五郎はそのことで思い悩んでいた。

その翌日、純と雪子は草太(岩城滉一)に連れられて富良野の街へ出かけた。雪子は美容院へ、純は草太のボクシングジムを見学した。ボクシングの練習をする草太は、いつもの軽薄な様子と違って男前に見えた。
練習後、雪子を待つ間、純と草太は喫茶店に入った。草太は雪子に恋人がいるかどうか、純に尋ねた。草太はかなり雪子に惚れ込んでいた。純はそんな草太をからかうように、かつ、ませた態度で答えた。雪子は恋人と別れたばかりらしいということが伝えられ、草太にもチャンスがあると焚きつけるのだった。

その夜、五郎は杵次を居酒屋に誘い、もう一度詳しく話を聞いた。
しかし、杵次の話は眉唾ものであった。まず、土地の登記はされておらず、土地の譲渡は口約束のみだった。50万円貸したというが借用書もないという。杵次は証人を立てたというが、その人物は3年前に他界している。杵次の主張を裏付けるものは何もなかった。けれども、五郎は父の親友だったという遠慮もあり、強く反論することができなかった。
五郎は、幼馴染みであり、林業の請負もしている中畑(地井武男)に相談した。中畑が間に入ってくれることになった。

中畑の仲裁結果を待つことなく、五郎は家に帰った。
帰宅すると、火は熾っていたが、焚き付け用の白樺の皮があたりに散乱していた。それを見た五郎は激怒し、純を怒鳴りつけた。普通の人なら1週間は使える材料を、純は1晩で浪費する。それにもかかわらず、材料を大事にすることもしないと言っては当たり散らした。見かねた雪子が、自分がやったのだと言って純をかばってくれた。
寝室で、純は雪子に自分は五郎から嫌われているのではないかと相談した。雪子は軽く笑い飛ばして否定したが、雪子にも五郎の態度が気になっていた。

さらに翌日。
杵次は演習林の作業場に姿を現さなかった。中畑の話によれば、五郎の土地の事を問いただしたら、杵次はブツブツと言うだけで、到底本当の事を言っているようには聞こえなかったという。彼の様子を見て、中畑は杵次が嘘をついていると断定した。五郎には気にするなと言って励ました。仕事に来ないのは中畑が断ったのではなく、杵次が勝手にしていることだと付け足した。

その頃、杵次は五郎の家に来ていた。
ちょうど純が家の前で火を熾す練習をしていた。杵次は少々酒臭かったが、親切に優しく火の熾し方を教えてくれた。手ほどきの通りにやると、純にも簡単に火が着けられた。
杵次は昔話を話して聞かせた。このあたりは鬱蒼とした森だったという。熊もたくさん住んでいたし、樹齢500年を越える立派な樹木もあった。そこへ人間がやって来て土地を切り開いた。もちろん、このあたりを切り拓いた入植者の一人が杵次である。粗末な道具や馬しか利用できず、その苦労は並大抵ではなかった。野生生物や大自然を犠牲にもした。それにもかかわらず、若い者たちはこの土地を捨てて出ていく。なんと身勝手なことか、と嘆くのだった。そこまで話すと、静かに帰って行った。
後から聞くと、昔の杵次は「仏の杵さん」と呼ばれていたことがあるという。それが今ではすっかり人が変わったのだという。

その日の夜は、五郎は妙に機嫌が良かった。友人たちも集まって、家で宴会が始まった。酒がどんどん進んだ。
純は、ふと、つらら(熊谷美由紀/現・松田美由紀)が窓から覗いているのに気づいた。外に出て声をかけると、中にいる草太を呼んできて欲しいと言うのだ。純は家に戻って声をかけるが、草太は面倒くさがって外に出ようとしない。ついには、家に入ってこいと大声で呼びつけた。つららは、来ていることをみんなには秘密にしたかったのだ。声をかけられて恥ずかしくなり、雪の中を走り去ってしまった。

純はつららに同情した。つららが草太に避けられているのと同じように、純も五郎に避けられている。五郎は先日、純が杵次の悪口を言ったことを激しく叱責した。それにも関わらず、今夜は酒を飲んで五郎はみんなと一緒になって杵次の悪口を言っている。明らかな矛盾である。それに、純には杵次が悪人に見えなかった。そう思うと、純は杵次にも同情した。杵次も自分やつららと同じように、みんなから避けられるタイプの人間なのだ。

純は家の中で激しい疎外感を感じた。一人で外に出た。
するとそこへ、螢が餌付けしたキツネがやって来た。純は石を拾ってキツネに投げつけた。ちょうどキツネの様子を見にでてきた五郎と螢がその瞬間を目撃した。キツネは一目散に逃げていった。
怒りに駆られた五郎は、純を張り倒した。合計2発殴った。純は立ち上がると、そのまま森の中に姿を消した。螢は泣き崩れ、五郎はその場に呆然と立ち尽くした。草太が純を追いかけた。

草太は追いつき、純が落ち着くのを待って話を聞いた。純は、五郎は螢だけをかわいがり、自分は嫌われているのだという悩みを打ち明けた。すると草太は不快感を顕にした。草太の見立てによれば、五郎は純が強い男になるようにあえて冷たくしているのだという。五郎は無器用な人間なので冷酷な態度に見えてしまうが、心の底では純を大切に思っていると説得した。
純は草太の言っていることは、詭弁だと思った。しかし、今夜は反論する気になれなかった。草太の口調が男の優しさを湛えていたからだ。

家に帰ると五郎は泥酔していた。
純が寝室に上がると、螢は自分が使っていた湯たんぽを純に差し出した。螢が言うには、五郎は雪子にこっぴどく叱られたのだという。ついには反省し、純のことが好きだと言っていたと教えてくれた。
螢はキツネのことは怒っていないとも話した。キツネはまた来ると信じていると言うのだ。

しかし、キツネはそれきり来なかった。

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フジ『北の国から』第4回

DVD『ボディ』せっかくマドンナ(当時アラサー)主演のエロ映画『ボディ』のDVDがあるというのにそれを見るひまがないよとボヤきつつも、毎日の放送を楽しみにしている当方が、BSフジ『北の国から』の第4回を見ましたよ。

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12月、五郎(田中邦衛)たちが麓郷に住み始めて1ヶ月強が過ぎた。
気温がぐんと下がってきた。黒板家のあばら屋では1階に五郎、2階の屋根裏部屋で純(吉岡秀隆)と蛍(中嶋朋子)、そして雪子(竹下景子)が寝泊まりしていた。就寝中の寒さに音を上げた純は、五郎に何とかして欲しいと訴えた。しかし、五郎は純が自分で何とかしろと突き放すのだった。2階は純たちのテリトリーであり、その中でも男である純が解決するのが筋だというのだ。

五郎は幼馴染みである中畑(地井武男)に仕事を世話してもらった。彼の事業を手伝うのだ。今日は彼の自宅敷地内にある養豚場で作業していた。そこへ本田(宮本信子)と名乗る弁護士が現れた。彼女は令子(いしだあゆみ)の代理人として東京から来たのだ。
本田の使命は、子供たちを令子の手に取り戻すことだった。まず、令子が離婚を望んでいないことを伝えたが、五郎の意志は変わらなかった。続いて、客観的な事実として、以前は五郎が全ての子育てを令子に任せていたこと、子供たちもかなり令子に懐いていたこと、周囲の人々もそう見立てていたことなどを指摘した。その上で、子供たち自身に富良野で暮らすことの同意を取り付けているのかと五郎を詰問した。五郎は黙っている他には何もできなかった。

五郎が黙ってばかりいるので、本田は質問を変えた。この約1ヶ月の間に、令子は3度も子供たちに手紙を送っているのに返事がない事を問うた。返信用の封筒を同封しているのに返事がないので、令子が不審がっているというのだ。中畑家気付けで送れば黒板家に届くはずなのに、何かトラブルでもあったのかと問いただした。
確かに五郎に手紙は渡されていた。ところが五郎が処分していたのだ。五郎は、本田に対しては子供たちに手渡しているし、彼らも読んでいるはずだと嘘をついてごまかした。
五郎は令子との話し合いを思い出していた。令子は五郎に恨まれてもいいし、財産もいらないかわりに、子供だけは手放したくないと強く言っていたのだ。

家に帰ると、蛍が一人で2階の寝室の壁にビニールを張り付けていた。それですきま風を防ごうとしているのだ。一方の純は、つらら(熊谷美由紀/現・松田美由紀)の家にテレビを見に行ったので留守だった。五郎は蛍のことが愛おしくなり、頭を抱きしめて撫でた。そして、蛍を手伝ってやるのだった。
その直後、純が帰宅した。蛍に仕事を任せっきりにして遊びに行ったことがばれたので、純は気まずそうにした。対する五郎も、複雑な表情をして何も言わなかった。純の頭に軽く手をのせると、釘を打ち付けるための金槌を純に手渡して部屋を降りていってしまった。

翌日の学校帰り、純と蛍は本田に声をかけられた。見知らぬ人間が自分たちの名前を知っていることで、ふたりはひどく怯え、警戒した。本田は純の腕を掴み、令子からの手紙を見たかと尋ねた。純は黙って逃げようとするものの、困惑した表情を浮かべた。それで全てを悟った本田は、令子から預かってきた手紙を純に渡した。しかし、純と蛍はそれを投げ捨てて逃げ帰った。

それでも純は、本田の言ったことが気にかかった。中畑の家で確認したら、令子からの手紙が来ていたことは事実だった。中畑が五郎に引き渡したことも間違いなかった。五郎が手紙を隠していることが判明した。
その日の夕食。五郎は仕事からまだ帰らなかった。雪子にモーションをかけている草太(岩城滉一)が来て食事をしていた。純は素知らぬふりをして、令子から一つも頼りがないのはおかしい、もしかしたら五郎が隠しているのではないかと問うてみた。しかし、雪子も草太も、五郎がそのようなケチなことはしないはずだと言って笑い飛ばした。

ちょうどその時、五郎が家にたどり着いた。家の外から純たちの話し声が全て聞こえてしまった。
家に入ると、五郎は純に手紙を渡した。日中、本田にもう一度会い、託されたのだ。そして、明日本田の宿泊しているホテルに連れて行くので、そこで本田と話せと命じた。
そして五郎は、令子からの手紙を全て焼いたことを白状した。中畑にも雪子にも知られないよう全て自分一人で行ったと告白し、彼らの濡れ衣を晴らした。そして、自分は軽蔑されて当然だと言うのだった。

純は2階の寝室で、一人で一心不乱に母からの手紙を読んだ。一方の蛍は、全く興味がなかった。一人外に出て、キタキツネを餌付けしようとしていた。

五郎は東京での出来事を思い出していた。
その日、急に予定が変わり、五郎の夜勤がキャンセルになった。そこで、五郎は蛍と連れ立って、令子の美容室まで彼女を迎えに行った。店はすでに閉店しており、入り口も閉まっていた。しかし、店の中からレコードの音が聞こえてくる。そこで五郎と蛍は裏口に回った。五郎は令子を驚かせようとし、そっとドアを開けて静かに入って行くよう蛍に命じた。
蛍がドアを開けると、下着姿の令子が見えた。陰にもう一人いるようで、その人物の吐き出すタバコの煙が見えた。自分もタバコを吸おうと手を伸ばした令子は、視線の先に蛍と五郎を見つけた。五郎は蛍を抱えて、走り去った。

翌日、五郎は純をホテルに連れて行き、本田に引き合わせた。蛍は来なかった。純がどんなに誘っても彼女は頑なに拒否したのだ。理由は一切しゃべらなかった。

本田によれば、令子は子供たちに会いたくて毎日泣いてばかりいるという。それから、五郎が手紙を無断で破棄したことをなじった。続いて、純は五郎と令子のどちらが好きかと尋ねた。純はもじもじして答えなかった。本田は質問を変え、東京と北海道のどちらに住みたいかを聞いた。これにも純は答えなかった。

純は、本田の話を上の空で聞いていた。純は、本田の吸っているタバコがずっと気になっていた。話に夢中になっている本田は、灰が落ちそうになるのに気づいていない。純はそのたびに灰皿を差し出すのだった。
純は東京の家に住んでいた時のことを思い出していた。当時の令子はハイ・ファイ・セットに凝っていて、五郎が夜勤の日は彼らのレコードばかり聞いていた。その日の夜、純がトイレに起きると、令子がリビングでレコードを聞きながらどこかに電話している様子が垣間見えた。その時初めて令子が喫煙する姿を見た。その日の令子は別人のようだった。令子は電話に気を取られていて、タバコの灰が落ちそうになっているのに気づいていない。五郎はよくタバコの灰で絨毯を焦がし、玲子に叱られてばかりいた。今まさに、玲子が絨毯を焦がしそうになっている。純は部屋に飛び込んで行って灰が落ちると指摘したかった。しかし、どうしてもそれができなかった。後日、玲子が五郎を叱っていた。絨毯にまた焼け焦げを作ったというのだ。しかし、それは明らかに玲子のタバコで焼かれたものだった。ところが、五郎も自分が知らないうちにやったのだと思って疑わず、言われるままに修繕していた。純は真実を知っていたけれど黙っていた。
それから半年ほどで、玲子が急に家を出ていった。

純が追憶から意識を戻すと、本田は相変わらず五郎の悪口を言い続けていた。そして、また灰が落ちそうになったので灰皿を差し出した。
純は耐えられなくなった。母のことは大好きだし彼女に会いたい、東京で暮らしたい、五郎の態度は腹に据えかねる。本田の言うことはいちいちもっともだ。しかし、赤の他人が自分の父の悪口を言うことには我慢ならなかった。

本田は玲子に電話をかけ、通じると受話器を純に差し出した。しかし、純はそれを受け取らなかった。それどころか、走って逃げ出した。自分でも何に突き動かされて逃げているのかわからなかった。駐車場で待つ五郎の元へ一目散に走った。

家に帰ったが、純はその日のことを一切蛍には話さなかった。蛍も何も聞かなかった。

その夜、純は令子の夢を見た。背後では母の好きな音楽がなっていた。そして、電話がどんなにありがたいものか、それを一方的に純に語りかけるのだった。目を覚ました純は、それは夢ではなく、東京で母が本当にそう言っているのだと思った。

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フジ『北の国から』第3回

このドラマは富良野の風景や動物をしっぽりと見せるシーンがかなり多く、ストーリーだけを追うなら密度がそれほど濃くないのでまとめ記事も割と簡単だな(面白くないということを意味しない)と思い始めた当方が、BSフジ『北の国から』の第3回を見ましたよ。

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蛍(中嶋朋子)が迷子になった日の翌朝。五郎(田中邦衛)はほとんど眠れない一夜を過ごした。純(吉岡秀隆)が東京に帰りたいと涙ながらに訴えたことをずっと思い出していたのだ。

その日は、家の外に燻製器を作る作業に取りかかった。五郎はクマ(南雲佑介/現・南雲勇助)と共に森へ入った。中が空洞で大きさも手頃な倒木を見つけたのだが、それを家の前まで運ぶのに苦戦した。純は設置予定地の地ならしをした。蛍と雪子(竹下景子)は炉を作るための石を拾い集める役となった。

タイミングを見計らい、純はみんなにわからないように雪子へ声をかけた。自分が東京に帰りたがっていることを打ち明け、そのことを五郎に伝えて説得して欲しいと頼んだのだ。
夜を待ち、雪子は五郎とふたりっきりになって純の伝言を伝えた。

五郎は何も言わずに聞いていた。純の気持ちは伝わったようだ。
加えて雪子は、自分の心境も赤裸々に語った。雪子が富良野にやってきた本当の理由は、自分もここに住もうと思ったからだ。しかも、もう後戻りはできないという。なぜなら雪子は、東京で妻のある男と付き合っていた。挙句に妊娠し、その子を堕胎したのだという。そのため、もう東京には居たくないのだ。

五郎はなんと答えていいかわからなかった。その時、雪子に惚れ始めている草太(岩城滉一)がやって来た。夜になったので雪子を富良野のホテルまで送って行くというのだ。そこで五郎と雪子の話は打ち切りになった。
また、雪子を送って行く様子は、草太の恋人のつらら(熊谷美由紀/現・松田美由紀)がそばで見ていた。本来、草太とつららは旭川に遊びに行く約束になっていたのだ。草太は雪子のことを遠い親戚付き合い(草太の父は五郎と従兄弟同士であり、その五郎の義理の妹が雪子である)だと言い、約束を反故にして雪子とともに走り去ってしまった

その翌日、日中は何もなく過ぎた。
夜、食事の後片付けも終わり、子供たちが寝室に行こうとしたところで、五郎が純に声をかけた。ただし、五郎は木を削る手を休めず、声も低く、純とは目を合わせようともせずに話しかけた。東京に帰りたいと思っているのか、純の意思を確認した。純は短く肯定した。そして、五郎が怒っていると思い、ひたすら謝るのだった。
それに対して五郎は、怒っていないと話した。その代わり、悲しくて仕方がないのだという。純が東京に帰りたがっていることは認める。しかし、それを直接言わず、雪子を介して伝えてきた態度が気に入らないのだ。純のことを卑怯だと断じた。息子が卑怯者であることが悲しいというのだ。
五郎が雪子をホテルまで送ることになり、話はそこで終わった。

翌日、五郎は分校に出かけ、凉子先生(原田美枝子)に相談した。しかし、涼子の態度は冷淡で、まとも取り合わなかった。自分は一介の教師であり、家庭の問題には助言のしようがないと言い張った。自分に相談するのではなく、別れた妻と相談するのが筋だといって突き放した。

五郎は令子(いしだあゆみ)に電話をかけ、純を東京に返すことで話がまとまった。家に帰るやいなや、五郎は純に東京へ帰ることを命じた。雪子には、純を東京へ連れて行くことを頼んだ。雪子にとっては、富良野での生活を五郎から拒絶されたことを意味している。それでも雪子は従わざるを得なかった。

それから3日後の朝。
純は雪子と共に家を出た。五郎の従兄の清吉(大滝秀治)が駅まで送ってくれることになった。五郎と蛍は家の前でふたりを見送った。
純は何度か家の方を見返した。五郎と蛍の姿を見て心が痛み、考えなおそうかとも思った。しかし、親子はいずれは別れるものだと自分に言い聞かせ、初志貫徹を心がけた。

布部駅にはずいぶんと早く着いてしまった。雪子は清吉に気兼ねして帰そうとするが、清吉は汽車が発つのを見送ると言って譲らなかった。時間まで駅前の食堂で待つことにした。

そこで清吉は朴訥と昔話を始めた。
それはトラクターが導入されて、農法が大きく変わった頃の話だという。ある年、運悪く冷害に襲われた。そのため4組の家族が一斉に離農した。清吉は、今日と同じように彼らを駅まで見送りに来たのだという。11月で雪が降り始めていて寒かった。誰も一言も口を利かなかったのだという。清吉は心の中でずっと考えていたことがあるという。
「お前らは負けて逃げていく。俺らを裏切って逃げ出していく」
それをずっと胸の内で思っていた。もちろん清吉はこの地の厳しい状況はよくわかっている。彼らと共に入植し、20年近くも一緒に働き、苦しみや悲しみ、悔しさなどを共有している。だから、他の誰にもその言葉を言わせるつもりはない。けれども、苦楽を共にした清吉にだけはそれを言う権利があると言うのだ。

汽車の時刻になった。純と雪子は予定通り旅立っていった。清吉は黙ってふたりを見送った。
車窓を見ていた純は、富良野で暮らした数日間と清吉の言葉を何度も思い出していた。つい涙がこぼれた。

その日、蛍は小学校へ通いだした。
分校まで送ってきた五郎に涼子先生は謝った。純のことを相談された時の冷淡な態度を反省したのだ。さらに涼子は自分の暗い過去を打ち明けた。東京で教師をやっていた時、当時10歳の子どもが飛び降り自殺をしたのだという。涼子への当て付けの自殺であった。それからというもの涼子は教師としての自信をすっかり失くしてしまったのだという。五郎は何も言えなかった。

その日の夜。
蛍は学校での出来事を話した。自分の名前の由来を尋ねられたのだという。蛍自身が知らなかったので、この機会に五郎に尋ねたのだ。
五郎は、自分が家を出た時の話を始めた。夜、誰にも告げずにこっそりと家出し、富良野まで歩いた。その時、たくさんのホタルが五郎にまとわりついたのだという。まるで「行くな」と言っているかのようだったという。

蛍は自分の名前の由来について納得した。続いて、兄・純の名前の由来を尋ねた。五郎によれば、それは令子が名付けたのだという。

そこまで話した時、家の外で物音がした。
純と雪子が帰ってきた。

純はこの場所を好きになったわけではなかった。けれども、ここで暮らす覚悟は固めた。
翌日、初雪が降った。

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フジ『北の国から』第2回

週1回ずつの再放送だと思っていたのに、1日1回(月-金)ずつだと知ってにわかに焦った当方が、BSフジ『北の国から』の第2回を見ましたよ。

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一家が富良野の麓郷に暮らし始めて5日目の朝。
蛍(中嶋朋子)は新しい生活に順応し、むしろ毎日が楽しくて仕方がない。
一方の純(吉岡秀隆)は心底嫌になっていた。これから冬に向かっていくというのに、家はオンボロで寒くて仕方がない。生活の準備のため、毎日朝から晩までこき使われて疲労困憊している。

五郎(田中邦衛)の命令で、今日は室を作ることになった。石を積み上げて作る貯蔵庫で、冬の間の食料を蓄える重要な設備である。純と蛍は材料となる石を集める係となった。手押し車いっぱいに石を積み、何度も往復しなくてはならなかった。ここでも蛍は楽しそうに作業を行ったが、純はふてくされていたり、サボって昼寝をしたりしていた。

中畑木材の若衆・クマ(南雲佑介/現・南雲勇助)の手伝いもあって、その日のうちに室は完成した。夜、一人で仕上げ作業をしている五郎のところへ蛍がやって来た。

蛍が言うには、純が東京にいる母・令子(いしだあゆみ)に手紙を書いているのだという。手紙の内容は、子供たちを東京に連れ戻すよう懇願するものだという。口止めされていたのだが、蛍はそのことを五郎に知らせたのだ。
五郎は静かな声で蛍をたしなめた。蛍は純の秘密を勝手に漏らし、告げ口をした。蛍に対する純の信用を裏切ったことにほかならないと指摘したのだ。蛍はうつむいて黙りこんでしまった。しかし、五郎はそれ以上は叱らなかった。代わりに、純も呼び寄せ、蛍と共に山の高台へ連れて行った。そこからは富良野の街の夜景が一望できた。美しい光景に蛍はすぐに元気を取り戻した。

あくる日、五郎は子供たちが通う予定の小学校へ手続きに来た。そこは山村の子供たちのために開かれた分校で、児童も数人、教師は一人しかいなかった。分校の教諭である涼子(原田美枝子)が対応した。成績表を確認したところ、純は良好な成績であったが、蛍はいまひとつだった。純だけは東京で塾に通っていたのだという。
しかし、どうにも涼子はやる気が無さそうだった。五郎に面と向かって「気が進まない」と言う始末だった。今の分校は来夏に閉校することが決まっているので、始めから本校へ通っておいた方が何かと都合が良いと言うのだ。ついには、「東京の子どもは気が重い」などと常識はずれなことまで言い出した。

五郎と涼子が面談している部屋に児童が乱入してきた。正吉(中澤佳仁)がみずえ(清水まゆみ)のスカートを捲ったと訴えるのだ。涼子は顔色も変えず静かな声で、正吉のズボンを下ろして仕返ししろと命じた。それを聞いて、みずえは正吉を追い回した。

その様子を見ていた五郎は、涼子に話したくなった。これまで子供たちのことは妻に任せっきりだった。自分は富良野の農家のせがれで難しいことは全く分からないが、妻は東京出身で教育には熱心で物事をよく知っていたのだという。けれども、五郎には五郎なりの教育方針があるという。近頃の小学校は子供たちに知識ばかり詰め込むが、人間が一人で生き抜く知恵は授けていないように思われるというのだ。口下手な五郎はしどろもどろになってしまい、上手く話すことはできなかったが、涼子は意味を理解してくれたようだった。

涼子と面談を終えた五郎は、清吉(大滝秀治)の家に寄った。そこには思いがけず、義妹の雪子(竹下景子)がいた。令子に頼まれて来たのではないかと警戒する五郎であったが、全ては雪子の一存なのだという。実は雪子は、令子が家を出た直後、黒板家に居着いて家族の面倒を見てくれていた。その縁もあって、雪子は子供たちのことが心配なのだという。しかし、五郎はひどく困惑した。やっと子供たちが富良野の生活に慣れてきたところなのに、このタイミングで雪子に会うと東京のことを思い出して里心がつくというのだ。それでも、仕方なく家へ案内することにした。

清吉の家を去る時、そこの息子の草太(岩城滉一)が雪子に目を留めた。美人で東京風に小洒落ている雪子のことをいっぺんで気に入ってしまったのだ。雪子にちょっかいを出そうとする草太であったが、五郎は彼を冷たくあしらって車を発進させた。草太にはつらら(熊谷美由紀/現・松田美由紀)という恋人がいるし、軽薄な性格の草太と仲良くさせていいことがないと思ったのだ。

その間、純と蛍は家で留守番をしていた。
純は、母への手紙を書き終え、切手も貼った。内容はもちろん、自分たちを東京に呼び戻すよう願うものだった。ただし、手紙を出すためには街まで行って投函する必要がある。そこで純は、蛍に手紙を出しに行くよう命じた。その手紙には2人の運命がかかっているから作業を分担するのは当然だというのだ。純が手紙を書いたのだから、出しに行くのは蛍の使命だという。本当は山道を歩くのが怖かったのであるが、蛍にそれを指摘されても強がってみせた。蛍は断ろうとしたが、あまりに純がしつこいので渋々引き受けた。

それでも蛍は道を歩き出すとすぐに楽しい気分になった。足取りも軽く、街へ向かった。
途中、橋に差しかかった所で沿道にきれいな花を見つけた。蛍は手紙を橋の上に置き、その花を摘もうとした。その時通りがかった自動車の巻き上げる風に乗って、手紙が川に落ちてしまった。みるみるうちに手紙は流されていった。
蛍は川に沿ってどこまでも手紙を追いかけていった。

夕方になって、五郎と雪子が家に帰ってきた。蛍はまだ帰っておらず、珍しく純が食事の準備をしていた。
五郎に蛍の行方を聞かれると、純は知らないと嘘で答えた。そして、雪子の姿を見つけるや、感極まって彼女に抱きつくのだった。

日が暮れても蛍は帰って来なかった。純は根拠のない予想だと断った上で、蛍は街に行ったのではないかと述べた。確信の持てない五郎はもうしばらく待つことにした。

19時になった。純の話によれば、蛍は14時ころ家を出たという。
ついに五郎は蛍を探しに行く事にした。もっとも近所にあるつららの家で電話を借り、街に住んでいる中畑(地井武男)に応援を頼んだ。すぐに中畑とクマが捜索を始めた。中畑の妻(清水まゆみ)も電話であちらこちらへ問い合わせを始めた。

家に残った雪子は、純に何か知っていることはないかと尋ねた。しかし純は黙ってばかりいた。
そこへ草太がやってきた。本当は雪子に接近することが目的であったが、蛍が行方不明だと聞いて、すぐに純を伴ってバイクで捜索に出た。騒ぎはどんどん大きくなっていった。

雪子が留守番をしていると、分校の涼子がやって来た。彼女は子供たちの転校について話し合うつもりで来たのだ。しばし雪子とふたりで話し合った。涼子の意見は、この家で子供たちが暮らすことは不可能だということだった。五郎の子どもの頃と現代とは事情が全く異なるし、ましてや純と蛍は東京で生まれ育った子供たちなのだから絶対に無理だというのだ。そしてそれは子供だけではなく、雪子や五郎ら大人にとっても過酷な生活だと告げた。

21時半をまわり、五郎が中畑木材に一度引き上げた。そこには、草太に連れてこられた純もいた。事務所で五郎と純がふたりっきりになった。
純はついに自分から白状した。東京に帰りたいと母に頼む手紙を書いたこと、そして蛍に手紙を出しに行かせたことを告白した。蛍に万が一のことがあったら、責任は全て自分にあると述べた。加えて、自己弁護もした。自分は北海道では生きていけない、東京が性に合っている、それが根本原因だといって泣くのだった。
五郎は何も言わずに外へ出た。

その時、やっと蛍が見つかった。清吉が見つけて、車で中畑木材まで連れてきた。
蛍は「ごめんなさい」と行ったきり、街へ出かけた理由も、道に迷った原因も一切話さなかった。泣きながら五郎に抱きつくだけだった。五郎は何も言わず、優しく蛍を撫でてやった。

家に帰ると、涼子は2つのことを五郎に告げた。五郎の家と分校は大人が歩いて40分かかるという。今夜、彼女が実際に歩いて計測したのだ。もう一つは、子供たちを学校で引き受けるという事だった。
そうして、涼子と雪子は清吉に送られて帰って行った。雪子は富良野のホテルに泊まるという。

純と蛍はすでに寝床に入っていた。
蛍は手紙を紛失してしまったことを純に詫びた。そして、手紙のことは一切他言していないと説明した。
純は何も答えられなかった。

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フジ『北の国から』第1回

このドラマを一言で表すなら「クズばかり出てくるドラマ」とあちこちで吹聴している当方が、BSフジ『北の国から』の第1回を見ましたよ。

* * *

1980年(昭和55年)秋。
黒板五郎(田中邦衛)は、小学4年生の長男・純(吉岡秀隆)と小学2年生の長女・蛍(中嶋朋子)を連れ、北海道富良野市の布部駅に降り立った。

それまで五郎は、東京で妻・令子(いしだあゆみ)と家庭を持っていた。しかし、令子は別の男と不倫関係になり、半年前からその男と一緒に暮らしている。五郎と令子は別れることになったが、五郎は2人の子供を決して手放そうとはしなかった。そして、子供たちを連れて、自分の生まれ故郷に帰ってきたのだ。

五郎の生家は、富良野市街から20kmほど離れた山の中にある麓郷にあった。現在その家には誰も住んでおらず、何年も打ち捨てられたままになっている。五郎が上京した直後、貧しかった五郎の両親は夜逃げしてしまったのだ。その両親も夜逃げから3年後に次々に死んでしまった。

五郎の故郷とはいえ、ほとんど身寄りはなかった。唯一、従兄の清吉(大滝秀治)が富良野で酪農を営んでおり、妻の正子(今井和子)と共に五郎の両親の墓を守ってくれていた。駅に到着した五郎たちを車で迎えに来てくれたのも、清吉の息子の草太(岩城滉一)だった。草太はひょうきんで人懐っこい性格だった。初対面で緊張する純や蛍たちとすぐに打ち解けた。その晩は清吉の家に泊まった。

翌朝、五郎は幼馴染みの中畑(地井武男)、および中畑の部下のクマ(南雲佑介/現・南雲勇助)の助けを借りて、生家の修繕と掃除を行った。そこに一家で住むつもりなのだ。その家は、そもそもが粗末な小屋であった上に、屋根や壁が破れてボロボロだった。しかも、隣家が一軒もなかった。それどころか、水道も電気も引かれていなかった。水は家の裏の森を抜けた沢まで汲みに行かねばならないし、炊事や暖房は薪でまかなわなければならない。

蛍は、北海道の大自然をたいそう喜び、環境をひどく気に入った。沢に水を汲みに行く途中に見かける動物には目を輝かせて見入り、ランプの下での素朴な食事も楽しくて仕方がなかった。

一方の純は、気分が滅入って仕方なかった。テレビも冷蔵庫もない生活は、純には到底信じられなかった。このような所に住むと自分の人生が台無しになると思った。一刻も早く東京に帰りたいと願った。
しかし、純は自分が東京には帰れないだろうことも知っていた。純は両親が別れたこと、母に好きな人ができたことを知っている。母がどんなに頼み込んでも父が子供たちを手放さなかったことも知っている。母のいる東京に帰りたいと言ったところで、父が承諾しないだろうことは簡単に予想できた。純は、妹にだけは東京に帰りたいと本音を漏らしたが、言っても無駄だと思い父の前では何も言わなかった。
その上、純は父と母が夫婦として釣り合っていなかったと思っている。母・令子は美人で頭もよく、美容師として忙しく働いている。それに比べて、父・五郎は愚鈍で学もない。とても相性が良いとは思えなかった。

その頃、東京の喫茶店では、令子と雪子(竹下景子)が喫茶店で会っていた。雪子は令子の実の妹であるが、令子を責めていた。雪子ですら五郎らを見送るために上野駅に行ったのに、令子が全く姿を見せなかったことが気に喰わないのだ。別れの原因は令子にあるにも関わらず反省の色を見せないことが不満で堪らないのだ。
令子は子供がかわいくないわけではない。実際、令子も上野駅まで行ったのだが、姿を見せることを躊躇していたのだ。そのように言い訳するが、雪子の腹の虫は収まらなかった。

手伝いを終えた中畑は、清吉の家に顔を出した。五郎の家の現状を説明し、これからやって来る冬を越すのは難しいだろうと話した。五郎はよくても、子供たちに越冬は無理だというのだ。清吉の妻・正子も納得し、五郎を翻意させることに同意した。
しかし、清吉だけは、五郎には五郎の考えがあるのだろうと言って、彼らのしたいようにさせて見守るべきだと主張した。

一夜が明けた。
蛍はご機嫌で朝を迎えた。すでに起きて作業をしていた五郎と連れ立って、沢へ洗顔に行った。
そこで五郎は、蛍の本音を聞こうとした。六郷へ連れてきたことを恨んでいないか、率直に聞いた。すると蛍は、心の底からの笑顔を見せ、恨んでいないと元気よく答えた。

続いて五郎は、純はどう思っているか蛍に尋ねた。蛍はよくわからないと断りつつ、きっと大丈夫だろうと答えた。本当は純に愚痴を聞かされていた蛍であったが、父に対しては善意の嘘をついた。

逆の蛍が質問した。自分たちがいなくても五郎はここに住むつもりか尋ねた。五郎は即答できなかった。しかし、寂しくてもきっと一人で暮らすだろうと答えた。人は誰だって最期は一人になる、だから一人でも構わないというのだ。
その答えを聞いて、蛍は自分がずっと一緒に居るから心配はいらないと勇気づけた。五郎は慌てて川の水をすくって顔を洗った。

その時、一人小屋に残っていた純は、東京に逃げ出す作戦を考えぬいていた。

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黒板純が1/60ガンダムを手に入れるところ

 ドラマ『北の国から』第13回にて。

純がガンプラをもらった

 うろ覚えだけれど、このボックスアートは 1/60 ガンダムだよね。定価は2,500円だったか。
 ドラマの舞台は1981年5月。当時、僕は2,500円もするプラモデルなんて買ってもらえなかった。つーか、ガンプラは人気で品薄だった。一番小さなガンダム(1/144 300円)すら在庫がなかった。
 そんなわけで、僕が初めて買ってもらったプラモデルは、クリスマスプレゼントとして 1/144ボール(300円)。その次が 1/144 コア・ブースター(300円)。
 純(吉岡秀隆)くんが羨ましい。
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北海道雑学百科: ぷっちがいど

ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや

室生犀星「小景異情」

冒頭のフレーズが超有名なこの詩。
新・坊主日記のところに全文(なのかな?)掲載されているのを発見して、初めて全部読んだ。

郷愁を詠った詩だとばっかり思っていたのだけれど、よく読んだら
故郷に帰ってはきたけど、なんかしっくりこねぇなぁ。早く都会に帰ろう
ってな内容じゃん。
いや、「都会にいるときにこそ、郷愁は高まるものだ」と詠った点が、まさしく人々の心を打つんだろうけれど。

ぷっちがいどさて、今日、会社でちょっと調べ物で web の海を泳いでいたら、北海道雑学百科- ぷっちがいどなるサイトを発見した。
生活/文化のコーナーを眺めつつ、懐かしくなるやら、爆笑するやら。
やれ、「赤飯には甘納豆が入っている」だの、「絆創膏を”サビオ”と呼ぶ」だの、「北海道限定で”キリンメッツ・ガラナ”や”カツゲン”なる飲料がある」とか。

なお、大学生の頃、隣の講座の女の子(かわいい)がカツゲンについて
甘くて、白くて、クリーミィ
と評しているのを盗み聞きして、ちょっとエロい妄想をしたことも遠い思い出。
#あっちのほうは、苦くて、白くて、ドロドロなんだろうけどね。

そんなわけで、北海道雑学百科- ぷっちがいどを読んで故郷を思い出した当方でした。
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今夜の宮沢りえ (「北の国から ’95 -秘密-」)

今日は、「北の国から ’95 -秘密-」を見ました。
ヒロイン役の宮沢りえがとてもきれいでした。

宮沢りえ

純の恋人という役柄で、いつも明るく朗らかで、純の父・五郎ともとても親しく付き合います。
グチグチした登場人物の多いこのドラマの中で、キラリと輝いちゃってます。
#でも、この後の作品で、純とわかれちゃうんだよね。純、見る目ねぇ。
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今夜の感銘 (「北の国から ’92 巣立ち」-後編)

【失ったことの大きさ】

タマコの堕胎に対する慰謝料として100万円を用意した五郎。
この金は、五郎が自宅として丸太小屋を作るための木材を売り払って工面したもの。
自宅を建築することを生きがいにしていた五郎が、その夢と引き換えに、純の尻拭いをしたのである。

ところが、そうまでして作った金を先方から付き返される。
付き返されるいきさつの行間を読めば、「金で解決できる問題ではないし、金でない形で解決されたので、金はいらん」という、ちょっと心温まってもよいエピソードであるわけだ。
ただ、このいきさつはこのエントリーの本筋ではないので、とりあえず忘れていただく。

とにかく、なけなしの金100万円が付き返され、純を経由して富良野の五郎に届けられた。
なんとなく腑に落ちない純は、恐る恐る五郎に金を差し出す。
しかし、五郎は頑なに金を受け取ろうとはしない。
「見得の問題」で受け取れない、と。

そうツッパテおいて、最後に本音と説法を垂れる。
そんなシーン。

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今朝の萌え所 (「北の国から ’92 巣立ち」-前編)

【タマコとの出会い】

東京のガソリンスタンドで働く純。
ピザ屋の配達員タマコは、いつも純のガソリンスタンドのそばにスクーターを停めては駐車違反で捕まっている。
ガソリンスタンドの従業員たちからは「トロい、トロコ」と勝手に渾名を付けられてしまったり。

いつも姿を見かけているせいか、話したこともないのに、純は彼女がなんとなく気になるような、ならないような。

そんなシーンに萌えておいた。

この頃の裕木奈江はメチャメチャかわゆい。
その後、嫌感度ナンバーワン女優になってしまうのが、なんだか解せない当方がいます。

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