NHK『ゲゲゲの女房』第156回 [終]

 全156回完走できたことを感謝したい当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の最終回を見ましたよ。

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「ありがとう」

 源兵衛(大杉漣)の葬儀のため、一家は安来へ向かった。

 葬儀は布美枝(松下奈緒)の実家で執り行なわれた。遺族たちは落ち込むのではなく、明るい笑顔で源兵衛を見送った。彼岸花の咲く季節に死んだものは、先祖に守られてあの世に行けると言われている。源兵衛は実の母・登志(野際陽子)や、若くして亡くした息子・貴司(星野源)らと一緒になれるのだから良かった。ミヤコ(古手川祐子)は気丈に言うのだった。

 布美枝のおば・輝子(有森也実)は、布美枝と茂(向井理)の結婚に猛反対していたことを謝った。漫画家という職業がなんなのか分かっておらず、5日間で結婚を決めたことが気に入らなかったのだ。しかし、今にして思えば、ふたりは幸せになっており、源兵衛の見る目に間違いはなかったと思い知ったという。
 源兵衛の婿探しの的確さは、布美枝の姉妹たち全員が同意するところだった。彼女らは全員、源兵衛の決めた相手と結婚し、それぞれ自他共に認める幸福な家庭を築いているのだ。

 鬼太郎の作者として、茂は親戚の子供達に囲まれた。葬式の場で漫画ばかり描いている茂のことを申し訳なく思う布美枝であったが、ミヤコはむしろその方が良いと言う。家族が笑っていられることが、源兵衛への何よりの手向けだからだ。源兵衛は特徴のない普通の人生を過ごしたが、笑いの絶えない幸せな家族を残した。それが立派だと、ミヤコは言うのだった。

 葬儀が一通り終わった。茂と布美枝は、珍しくふたりっきりで散歩に出かけた。ふたりは神社の参道の階段に腰をかけていた。そこは、幼い布美枝が「しげ」と呼ばれる少年と妖怪について話した場所であった(参考: 第2回)。

 布美枝は、戯れに、結婚相手が自分で良かったのかと聞いてみた。別の人と結婚していたら、自分はどうなっていたと思うか、と茂に尋ねた。
 照れくさい茂は、横を見たらいつも布美枝がぼんやりとした顔で立っていた、と軽口で答えるのが精一杯だった。
 しかし、急に真剣な顔になり
「良かったんじゃないか、お前で」
とうつむきながら、ぼそぼそと付け足した。

 林の中を歩いた。その時、何かに追いかけられている妖気を感じた。
 ふたりは無言で手を繋ぎ、道の脇によけた。そして、打ち合わせたわけでもないのに、同時に
べとべとさん、御先にお越し」
と唱えた。その呪文で、ふたりは妖怪をやり過ごすことができた。

 茂は、布美枝が呪文を知っていたことに驚いた。それは、彼女が子供の頃に「しげ」から教えてもらった呪文であり、よく覚えていたのだ。「見えんけど、おる」そう話すと、再び歩き出した。

 歩くふたりに、再び誰かが声をかけた。振り返ると、鬼太郎とその仲間たちが立っていた。それだけではなく、これまでに茂が生み出した漫画の登場人物たちが、林のあちらこちらから茂と布美枝を見守っていた。
 今まで姿は見えなかったけれど、いつも彼らはふたりのそばにいたのだ。

「まだまだ、これからだ。」
「はい。」

 彼岸花の咲く道を、ふたりは並んで歩いていった。

(完)

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NHK『ゲゲゲの女房』第155回

 急に気温が下がったせいか、我が家の寒がり猫ちゃんが暖を取ろうと膝の上に乗ってくるせいで、テレビが見にくいやらキーボードが打ちにくいやらの当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第155回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 謝恩パーティーが終わり、一家は帰宅した。ふたりの娘(青谷優衣荒井萌)が、祝いと労いの花束を茂(向井理)に贈った。
 受け取るやいなや、茂はそれを布美枝(松下奈緒)に手渡してしまった。布美枝の助けがなければ自分はここまでやってこれなかった。ゆえに、この栄誉は布美枝が受け取るべきだと考えたのだ。つい口から出た自分の言葉に照れてしまった茂は、休む間もなく仕事部屋へ向かった。
 机に向かう茂の後ろ姿は不遇の時代から少しも変わらない。そして、はっきりと口にすることは少ないが、布美枝の助けを頼りにし、感謝してくれていたこと。布美枝は胸がいっぱいになった。

 パーティーの翌日、商店街の面々が家に祝いに来てくれた。
 茂は、貧乏時代に世話になった質屋の主人(徳井優)に感謝を述べる。主人はとぼけているが、どうやら本来なら流れてしまう質草を、主人は茂に同情して留めておいてくれたようなのだ。茂はそのことに気づいていたが言い出せず、今になってやっと礼を言うことができた。
 現在は福島で工場長をやっている太一(鈴木裕樹)も来ていた。彼は、貸本時代からの茂の大ファンである。昔から自分の作品を熱心に読んでくれていたことを感謝する茂であったが、太一は自分だけではなく、応援してくれる全ての読者へその気持を向けるべきだとやんわりと答えた。彼の言葉に、茂も布美枝も、あらためて多くの人々に支えられていることを悟るのだった。
 太一は、上京する道中、千葉の美智子(松坂慶子)の所へ立ち寄り、手紙を預かってきた。手紙には貸本屋の張り紙が同封されており、茂の作品を宣伝する懐かしい文句が書かれていた。布美枝に宛てた手紙には、布美枝の陰の助力を褒め称える内容であった。

 それからしばらく経った9月末、布美枝の父・源兵衛(大杉漣)が死んだと連絡が入った。悲しみにくれる布美枝。茂は仕事は放り投げて、一緒に安来に行こうと言うのだった。

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NHK『ゲゲゲの女房』第154回

 「今日は雨。でもどうしても○○で出かけたかった」とひとりごちている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第154回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 水木プロ設立20周年記念謝恩パーティーの計画は着々と練上がっていった。7月12日土曜日の大安に開催されることが決まった。
 布美枝(松下奈緒)は、立案の打ち合わせには参加していない。そんな彼女に、茂(向井理)が声をかけた。パーティーでは、水木プロ名物の「緑の餃子」を出したいという。貧乏時代に布美枝がよく作ったもので、野菜のみでパンパンに太らせた餃子である。招待客は100人以上にもなるというのに、布美枝は喜んで作ると約束した。

 茂は照れくさかったのだろうか。それと引き換えかのように装って、布美枝に着物を新調するように言った。ケチケチしないで、高価で立派なものを誂えるてよいという。茂がそのようなことを言うのは特に珍しかっったので、布美枝は驚きつつも、とても嬉しくなった。

 しかし、布美枝は着物を作ることを断った。自分は素晴らしい着物を持っており、是非ともそれを着たいと言うのだ。

 パーティー当日。布美枝の支度が整った。
 初めて袖を通した着物は、嫁入り道具として母(古手川祐子)が徹夜で作ってくれた桃色の着物で、青海波の模様が入っている。青海波は静かに波立つ海を模したもので、平穏な暮らしが永久に続くという願いの込められているものだ(参考: 第17回)。極貧時代に質入れされてしまったこともある(参考: 第59回)。
 頭に挿した簪は、祖母(野際陽子)の形見の品だ。紅色のサンゴの簪で、これは良縁のお守りだという。実際、茂との見合いでも使用した(参考: 第15回)。

 2人の娘(青谷優衣荒井萌)は、母の晴れ姿に見とれた。着物と簪にまつわる逸話にも感激した。布美枝は、それらの品物を娘たちに伝えていきたいという。どちらか一人に祖母からもらった簪を、もう一方に母からもらった着物を分けてやりたいと願っていると話した。
 そこに茂も現れ、かつてない妻の美しさに目を奪われた。しかし、いつまでも準備に手間取っている女性たちを急かすと、すぐに立ち去ってしまった。本心では照れくさかったのだ。

 パーティー会場には、人々が続々と集まった。
 戌井夫妻(梶原善、馬渕英俚可)とは、プロダクション設立前から25年もの付き合いになる。布美枝と戌井の妻は、漫画バカに振り回された25年の苦労と喜びを互いに目配せして笑うのだった。
 トラブルメイカーの浦木(杉浦太陽)が現れ、布美枝は顔をしかめる。茂は、良い人間が良いことをするだけでは、漫画も人生もつまらない。浦木のような人間が必要だと説く。自分の存在を褒められたのか、けなされたのか、浦木は判断に迷うのであった。
 布美枝の姉・暁子夫婦(飯沼千恵子、塚本晋也)は、布美枝の娘たちに付き添われた。
 幽玄社の元編集長・豊川(眞島秀和)やアニメプロデューサー・船山(風間トオル)らとは、設立パーティーの思い出話を語った。ボロ屋にみんなが集まったことが忘れられないという。
 プロダクション設立時のアシスタント、倉田(窪田正孝)と小峰(斎藤工)は、現在も茂を支えている菅井(柄本佑)の献身と漫画賞受賞作を讃えた。

 『ゼタ』編集長の深沢(村上弘明)は病気療養中のため欠席した。彼の元秘書でありながら、袂を分かつ結果となった加納(桜田聖子)と布美枝は話をした。彼女は今でも深沢のことを編集者として尊敬しているという。判断に迷ったときには、彼の決断を想像して、その通りにやってみるという。
 ふたりで会場を見渡しながら、多くの人々に支えられて仕事をやってきているのだということを再認識する。

 布美枝の所へ、みんなが挨拶に来た。布美枝は、みんなのおかげで楽しいことばかりだったと、本心から述べるのであった。
 会場は、苦労を吹き飛ばす笑顔でいっぱいとなった。

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NHK『ゲゲゲの女房』第153回

 電車すごろくからちょうど1年、そろそろ第2弾に出かけようかなと思っている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第153回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 北村(加治将樹)の頼みとは、週刊誌で鬼太郎を連載したいというものだった。現在の月刊連載に加えて、週刊連載を受け持って欲しいというのだ。茂(向井理)はその願いを受けた。
 しかし、現在のアシスタント2人体制では作業が追いつかないと茂は心配する。それを見越していた北村は、若手実力派の漫画家を何人か見繕って来ており、アシスタントに採用するよう薦めた。若くて元気のよいアシスタントが来ることに、茂は目を輝かして喜ぶのだった。

 その様子を見ていた最古参のアシスタント・菅井(柄本佑)はしょげ返ってしまった。自分にはロクな才能がないと思っている菅井は、若くて優秀なアシスタントと入れ替わりに、自分がお払い箱になるのではないかと心配だからだ。

 菅井がひとりで仕事部屋に佇んでいると、アシスタント人選をしている茂と北村から声がかかった。いよいよ解雇を告げられるのだと思い、覚悟を決めて応接室に顔を出す菅井。
 ところが、彼を待っていたのは吉報だった。菅井が漫画賞に応募していた作品が、大賞は逃したものの、審査員特別賞に選ばれたという。次回作を雑誌に掲載する機会も与えられたという。菅井は、どうせ箸にも棒にもかからないと思っていたので、みんなには秘密で応募していた。はじめて話を聞いた茂も大喜びしている。プロダクション設立から20年、唯一残った設立メンバーの躍進である。布美枝(松下奈緒)ら、茂の家族も大喜びした。

 ただし、誰も気づいていなかったが、菅井は少しも嬉しそうな顔をしなかった。
 周囲では、菅井の次回作に期待する声が高まる。そして、菅井が独立するものと決めてかかっている。彼の抜けた穴を埋める人選や、送別会の計画がどんどんと進んでいる。
 菅井は、自分の居場所がなくなりつつあることに落胆した。

 ある日、菅井から仕事を休みたいと電話連絡があった。茂は、次回作の構想を練るために集中が必要なのだろうと思い、それを許可した。思えば、菅井が欠勤するのはこれが初めてのことであった。
 その翌日、ついに菅井は無断欠勤した。電話をかけても連絡が付かなくなった。作業工程が滞りはじめ、茂らは迷惑を感じるようになった。

 その夜、行きつけの喫茶店から村井家に電話が入った。泥酔した菅井が店にやって来て、そのまま眠り込んでしまったという。迎えに行った布美枝とアシスタントの相沢(中林大樹)が介抱しようとするが、菅井はふたりを払いのけ、大きな声で騒ぎ始める。自分よりも実力のあるアシスタント候補はいくらでもいる、自分はプロダクションに不要な人間だ、奉公した20年は無駄だった、などとわめくのだった。

 落ち着いたところをプロダクションに連れ戻され、菅井は茂の説教を受けた。デビュー直前の大事な時期に、仕事を放棄して酔いつぶれるなど言語道断だと叱った。
 菅井は、自分は処女作に持てる力の全てをつぎ込んだ、あれ以上のものを描く実力が備わっていないことが自分でもわかると悲しそうに告げた。それに、自分はこれっぽっちも独立などしたくない、アシスタントとしてずっとプロダクションに勤めたいという。しかし、能力の低い自分が足手まといになっているのだとしたら、新しいアシスタントと入れ替わりに出ていくしかないと思っていると述べた。
 菅井の弱音を聞いて、茂はついに激怒した。菅井が足手まといなどというのは自己卑下的誤解であり、菅井が根気よく描く点描画が水木作品の大黒柱であると説く。茂もできることなら菅井には一生手伝って欲しいが、デビューや独立の機会を潰すわけにもいかない。ゆえに、断腸の思いで菅井を送り出すつもりだったと胸の内を明かした。
 菅井は、再度プロダクションに残る希望を述べた。その願いを受け、茂は菅井に留まってもらうことにした。

 一息ついた茂に、布美枝はコーヒーを勧めた。夫婦で、菅井と共に過ごした苦楽の20年を思い返した。布美枝は、菅井はもちろん、他のアシスタントや編集者など、多くの人々の手を借りてきた年月だったと感慨にふける。
 その言葉がヒントになって、茂はプロダクションの設立20周年謝恩パーティーを開催することを思いついた。家に入れる人数はたかが知れていると心配する布美枝を尻目に、茂はホテルの宴会場を借り切り、大勢を招待して大々的に挙行しようと張り切るのであった。

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ワーカホリックなアサガオ

アサガオはまだ咲いている

 もう9月も下旬だというのに、うちのアサガオは花を咲かせるのをやめるつもりがないようだ。

 もう飽きてしまって、ここ3日ほどは水すらやらないという虐待をしたにも関わらず、むしろたくさん花が付いている様子。
(今朝は水をやった)

 いったいいつまで咲くんですか?いったいどれだけ種ができるんですか?いったいどれだけ種を取りこぼして、来年勝手に生えてきちゃうんですか?

『大奥』(よしながふみ)を6巻まで読みました

 当blogで開催した夏の読書感想文大会において自由図書部門の最優秀賞を受賞したのは、 @myuuko さんが『大奥』(よしながふみ)について書いたものでした。

いくら男を集めたってたくさん子どもができるわけでないし、無駄じゃん。そんな読者の不満は、物語中で徐々に解消されていきます。うーん、これなら将軍職に女がいても仕方ないのかもしれない・・・、あっそうか、この場合には男を集めた大奥は確かに必要だな――

 この一節が、僕に最優秀賞の授与を決めさせました。
 男女が逆転した大奥の存在がどのように正当化されるのか。そのカラクリを知りたい一心で『大奥』を手に取りました。

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NHK『ゲゲゲの女房』第152回

 近所のスーパーでビールとトイレットペーパーのみという情けない買い物をしていたところ、以前職場で一緒だった通称「白いスバルの女」(ちょっとベビーフェイス系美人さん。ただし既婚)に遭遇し、嬉し恥ずかしだった当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第152回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 実家に滞在する布美枝(松下奈緒)の所へ、幼なじみのチヨ子(平岩紙)が訪ねてきてくれた。久しぶりに会うふたりの間で話が弾む。
 チヨ子によれば、布美枝は小さな時から目立たない所で頑張って大きな成果をあげる人物だった。茂(向井理)の活躍を陰で支えているのは布美枝に違いないと、チヨ子は布美枝の努力を称えるのであった。

 布美枝の兄嫁の邦子(桂亜沙美)は、ふたりに茶を出すとさりげなく席をはずした。その様子を見て、チヨ子は邦子の細やかな心遣いに舌を巻いた。
 夕方、布美枝は邦子と一緒に夕飯の支度をしていた。布美枝の嫁入り前、一緒に台所仕事をしたことをふたりで懐かしむのだった。そして布美枝は、自分に代わってよく一家を守ってくれたと感謝をした。邦子は遠慮がちに答えながらも、最近あった嬉しいことを話してくれた。
 脳梗塞で倒れた源兵衛(大杉漣)の看病をしていると、彼は邦子のことを自分の娘だと言ったのだという。昔は源兵衛に叱られてばかりで泣くことも稀ではなかったが、今では「嫁」ではなく「娘」と呼んでくれる。邦子はそれが何より嬉しいのだ。

 いよいよ、布美枝が東京に帰る日となった。再度見舞いに来ると言う布美枝に対して、源兵衛は、一家の妻が軽々しく家を空けるべきではないとたしなめるのであった。その代わり、自分が元気になって調布へ遊びに行くと約束した。茂とは碁の勝負をするから、腕を磨いておくようにと言付けた。

 布美枝が帰った後、源兵衛は不自由な身体をおして、仏壇の前に座った。布美枝を心配させないよう、すぐに元気になって遊びに行くと言ったものの、それは無理であると自覚している源兵衛。母(野際陽子)と息子・貴司(星野源)の遺影を前に、自分に代わって布美枝のことを守って欲しいと麻痺した右手を一生懸命合わせて祈るのだった。

 調布に戻った布美枝は、茂に報告をした。碁の挑戦を受けた茂はやる気をかき立てるが、布美枝は父の味方をする。源兵衛は碁の有段者であり、茂に負けるはずはない、と。一度対戦しただけで、そんなことを知る由もなかった茂は、慌てるのだった。
 おどけながら源兵衛と茂の対戦について話し合うふたり。ふたりとも口には出さなかったが、もう二度と生きて源兵衛に会えないであろうことは悟っていた。

 翌年の春を迎えた。源兵衛が孫たちと一緒に見ると言っていた桜の季節がやって来た。源兵衛の状態は変わらず、もちろん約束は果たされなかった。

 幽玄社の北村(加治将樹)が水木プロダクションを訪問した。以前は茂の担当編集者だったのだが、現在は文芸誌に配属になり疎遠になっていた。ところが、鬼太郎の連載されている「漫画タンク」の編集長として漫画雑誌に復帰することとなったという。
 編集長就任の挨拶のために来たのだが、実は茂にたいへんなお願いがあるという。北村の緊張した様子に、一同は不安をかきたてられる。

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NHK『ゲゲゲの女房』第151回

 朝から日本心理学会第74回大会(会期は22日まで)に出かけていて、フサオマキザルに独裁者ゲームをやらせる研究(瀧本・藤田, 2010)が面白かったやら(血縁個体相手への行動は現在行っている途中だという)、知り合い男性には目礼するだけだけれど、女性の知り合いには必ず手を振るという行動を励行したりしている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第151回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 布美枝(松下奈緒)の父・源兵衛(大杉漣)が脳梗塞で倒れた。布美枝は急遽、安来に里帰りして見舞うことにした。

 源兵衛は入院を拒み、自宅で療養している。右半身の麻痺が残っているが、意識や言葉ははっきりしている。危篤ではないので、余計な心配をかけないよう、源兵衛は布美枝には連絡しないよう伝えていた。しかし、実際に布美枝の顔を見せると、とれも嬉しそうにした。孫たち(青谷優衣荒井萌)の成長ぶり、茂(向井理)の仕事の成功の話を聞いて喜ぶ。

 源兵衛は、あらためて布美枝が幸せになってくれて良かったという。茂は長く不遇の時代を過ごしたので、彼と結婚させたことは失敗だったのではないかと後悔することもあったのだと打ち明けた。布美枝は、源兵衛ははじめから茂のことを見込んでいたし、自分も父の見立てに間違いはないと信じていたと答えた。しかし、源兵衛は、口でどんなに良いことを言っても、心で子供のことを心配するのは当たり前であると言う。ずっと心配をしていたという。
 布美枝を茂に預けて大丈夫だと確信したのは、貸本屋で布美枝が声を荒らげて茂をかばった時だという(第48回放送)。その瞬間に、自分の娘から茂の女房に変わったと知ったという。その姿を見て、嬉しくもあったが、少々寂しくもあったと打ち明けるのだった。

 布美枝は、源兵衛の十八番の安来節について話はじめる。結婚式で源兵衛が歌ってくれたのが心に残っているという。結婚式当日は気付かなかったけれど、後にして思えば、門出の祝歌として何よりのものであったという。
 なぜなら、源兵衛が歌った一節は布美枝と茂の名前を含み、ふたりの末広がりの幸せを願ったものだったからだ。
も栄えて、葉もる」

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NHK『ゲゲゲの女房』第150回

 今日はスケジュール的に朝がキツキツで相当焦っている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第150回めの放送を見ましたよ。

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「独立宣言」

 藍子(青谷優衣)は教員生活に行き詰り、泣きながら寝込んでいる。
 茂(向井理)は、学校を辞めさせてプロダクションを手伝わせると言い出す。泣くほど嫌なら、辞めれば良いとまで言う。そんな茂の態度に、布美枝(松下奈緒)は腹を立てた。

 日曜日。藍子は布美枝に学校を辞めたいと相談した。自分に子供の気持ちがわかると考えていたのは思い上がりだと自覚し、教師をやる資格はないというのが理由だ。教師をやめて、茂のプロダクションを手伝うと言い出した。それが茂の希望に沿う道であると。
 布美枝は好きにすればいいと言い、藍子を突き放す。布美枝自身も、藍子が教師になることにはあまり賛成ではなく、早く結婚してプロダクションを手伝ってくれれば良いと思っていたと打ち明けた。
 ただし、布美枝は、藍子が茂を言い訳に自分の努力を放棄することには感心しないという。自分の進むべき道を、もう少しじっくり考えろと告げた。

 その頃、喜子(荒井萌)は茂の仕事場に顔を出した。好きなことを仕事にする意義を茂に尋ねた。茂の回答を聞いた喜子は、その言葉をそっくり藍子に聞かせてやって欲しいと頼んだ。茂に励まされることが、何よりのクスリになることを喜子は知っているのだ(自分がプロダクションを手伝って大失敗したときの経験)。

 少し考えた末、茂は藍子の部屋を訪れた。ゲーテを引用し、うまくいかないときは好機の到来を待て、努力に迷いは付き物だ、などと書かれた張り紙を渡した。
 人は好きなことをやるのが一番だか、それが必ずうまく行くという保証はない。茂も漫画の人気が出ないときには苦労した。しかし、諦めなかった結果、今の自分がある。好きなことと楽なことは違う。どんなに苦しめられても、やりたくて仕方ないと思うことが、自分にとって本当に好きなことだ。それを見つけるまでは、逃げるべきではないと話してやった。

 翌月曜日。茂に励まされた藍子は、自分を奮い立たせ、前向きに学校へと出かけていった。肩の力を抜いて子供たちと向き合い、もう一度頑張ってみると布美枝に話して出かけていった。

 喜子は、短大卒業後の進路として、プロダクションの手伝いをしたいと布美枝に相談した。家族への配慮などではなく、茂の漫画が大好きだから、心の底から手伝いたいのだという。

 昭和60年10月。鬼太郎の3度目のテレビアニメが始まった。鬼太郎の連載も始まり、プロダクションは往年の活気を取り戻した。

 アニメの初回放送日、源兵衛(大杉漣)が脳梗塞であるという電話連絡が入った。

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NHK『ゲゲゲの女房』第149回

 昨日、平宗の柿の葉寿司の海老を食べたせいか、ものすごく元気なアレで目の覚めた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第149回めの放送を見ましたよ。

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「独立宣言」

 プロダクションのマネージメントを一手に引き受けている光男(永岡佑)がぎっくり腰で出社できなくなった。締め切り直前で、編集者との打ち合わせや取材など、その日は忙しく茂(向井理)らは困ってしまった。布美枝(松下奈緒)も町内会の清掃活動に出かけなければならず、手伝うことができない。
 そこで、喜子(荒井萌)が短大を休んで手伝いをすると言い出した。

 しかし、喜子は失敗ばかりだった。電話の応対の言葉遣いが幼稚、茶をこぼして打ち合わせ資料を台無しにする、菅井(柄本佑)に急に声をかけて手元を狂わせる、画材の購入数を間違える、など。
 簡単な仕事もできず、自分には一つもいいところがないと喜子は激しく落ち込んでしまった。

 そんな喜子を、布美枝と絹代(竹下景子)は慰めてやった。絹代は喜子の良い所として、人を押しのけない優しさのある点と、自分を飾らない自然体である点とをあげた。半分は方便であることを見抜きつつも、喜子は随分と気分が晴れた。
 その時、茂がやって来た。茂は古い怪奇短編を再版する予定なのだが、そのリストを見た喜子が勝手に収録作品案を作った。それがよくできていたと言って、茂は喜子を褒めた。茂がすっかり忘れていた作品を喜子が追加したのだ。茂の作品を知り尽くした喜子のことを、茂は心の底から頼もしいと思っているのだ。
 茂が人を褒めることは珍しく、喜子はそのおかげで持ち前の明るさをすっかり取り戻した。

 藍子(青谷優衣)は夜遅くまでかかって、学級通信を準備していた。教員生活が楽しく、家での残業もまったく苦ではなかった。学級通信には「エースくん」というコーナーがあり、勉強やスポーツで目立たない子の良い点を取り上げて紹介している。取り上げられた子供はクラスの中で友達ができるなど、うまくいっていると言う。
 早く教員を辞めてくれれば良いと思っている茂は少々面白くない様子を示したが、布美枝は仕事に一生懸命取り組む藍子のことを頼もしく思い、娘の成長を嬉しく思うのだった。

 しかし、5月の終り頃から藍子の様子がおかしくなった。元気なく出勤する姿を布美枝は何度か見かけるようになった。
 そして、6月半ばの雨の日。藍子は傘もささずにびしょ濡れで帰って来た。玄関で出迎える布美枝の前で、藍子は泣き崩れてしまった。

 話を聞いてみると、学級通信の「エースくん」が問題になっているという。子供たちは紹介されるように頑張るのだが、誰を載せるかは藍子の一存である。それが子供たちに不公平感を抱かせてしまった。もっとひどいことには、「エースくん」に取り上げられた子供が藍子からえこ贔屓されているという理由で仲間はずれになってしまった。

 藍子が良かれと思ってやったことが、仇となったかたちである。子供たちばかりではなく、親たちからも新米教師の軽率な行動だと槍玉に挙げられているという。同僚の教員たちからも冷ややかに応じられてしまい、孤立無援になってしまっているという。
 布美枝は、藍子のトラブルを茂に全て報告した。

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