NHK『おかえりモネ』第103回

暑いのか寒いのかよくわかんなくてしんどいなーと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第103回めの放送を見ましたよ。

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第21週『胸に秘めた思い』

百音(清原果耶)は未知(蒔田彩珠)を迎えに行き、ふたりで帰宅した。未知は亮(永瀬廉)との関係が進展せず、心のバランスを失っていた。家族を心配させないよう、百音が話を聞き落ち着かせてから帰ってきた。それでも未知は元気がなかった。

ふたりが帰宅すると、亜哉子(鈴木京香)は民宿のなじみ客だった男声からの手紙を読んでいた。民宿を再開しようと考え始めた亜哉子は、昔の客たちに手紙を送った。そうしたところ返事が届いたのだ。
この地域の民宿では「島の里親制度」と呼ばれるものを行っていた。学校や家庭に馴染めない子を夏休み等に迎え入れて支援しようという制度である。それを利用してよく来ていた男の子からの返事だった。彼は当時のことを懐かしみ、民宿が再開されたらぜひ訪問したいと書いていた。亜哉子はそれをとても嬉しく思った。
亜哉子の気を未知から逸らすためにも、百音は一緒に喜んでみせた。

そこへ、地区の漁協長から電話がかかってきた。亜哉子が出たところ、龍己(藤竜也)がカキ棚の復旧を諦めたことを知らされた。亜哉子や娘たちには寝耳に水だった。すぐさま龍己を問いただした。

龍己はいずれ話すつもりだったと謝りつつ、自分の代でカキ養殖は終わりにするとあらためて話した。

未知は自分が後を継ぐと食って掛かった。彼女はそれを前提に水産高校に進学し、水産試験場で働くのも修行のためと思っているのだ。しかし、龍己は未知に継がせる気もないと言う。養殖技術の研究と、実際の養殖産業とは似ているようで実は違うものである。未知はいつしか研究に強い興味を抱くようになった。そのような未知に養殖産業を継がせるわけにはいかないというのだ。
未知は聞く耳を持たなかった。強情に自分が跡継ぎになると言いはった。

龍己と未知の言い合いが平行線になり、亜哉子が割って入った。当面は亜哉子が継ぐというのだ。細々とでも継続することが重要で、その間によりよい方法を見つければいいというのだ。
しかし、龍己はそれも否定した。龍己の見立てでは、亜哉子が本当にやりたいことは子どもと関わる仕事である。民宿を再開したいというのも「島の里親制度」を復活させたいからであると龍己は予想している。加えて、亜哉子が雅代(竹下景子)の介護のために教師を辞めざるを得なくなったことを今でも申し訳なく思っている。亜哉子にはこれ以上犠牲になってほしくないというのが龍己の考えだった。
亜哉子は、雅代の介護のせいで教師を辞めたわけではないと反論した。続けて、本当の理由を話そうとしたが、そこで口ごもってしまった。

そこで龍己は話を打ち切った。もうしばらくそれぞれが考える時間が必要だと判断したのだ。
その少し前に帰宅した耕治(内野聖陽)であったが、深刻な雰囲気に口を出せるでもなく、陰からじっと聞き耳を立てるだけだった。

その話し合いの後、百音は未知の部屋で話を聞いてやることにした。
未知は龍己の考えに不満だった。自分が跡継ぎになることは以前から自他共に認めていたはずなのに、急に反故にされたことに困惑しているのだ。

百音は、未知が研究をやりたがっていることを酌んでくれたのだろうと龍己を弁護した。しかし、その一言は未知の怒りの火に油を注ぐ事となった。
未知は、百音に嫉妬した。百音は自分のやりたいことを見つけ、それを地元で仕事にすることができた。好きな人とも気持ちが通じ合い、結婚の約束もしている。何もかもが順調である。
それに比べて、未知は何もかもが上手くいかないと言うのだ。研究と家業の跡継ぎのどちらを選べば良いのか自分でもわからず混乱しているという。さらに、亮の態度もはっきりしない。もうどうしていいかわからないと言って涙を流した。
百音は、未知の手を握ること以外何もできなくなってしまった。

翌早朝、百音が海に気嵐の様子を見に出かけようとしていたところ、耕治がトランペットを取り出して眺めていた。慌てて隠した耕治であったが、百音にしっかり見られてしまった。

耕治は、トランペット奏者を諦めて銀行員になったり、家業を継がなかった決断は正しかったのかと問うた。百音は、銀行で立派に出世したのだから間違っていなかったと話した。それを聞いて、耕治は自分で自分を言い聞かせようとした。

家族は、それぞれに家族のことを思い迷っていた。苦しい状況だった。

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NHK『おかえりモネ』第102回

ドラマ『僕の姉ちゃん』の中で黒木華さんがホワイトロリータをバクバク食べていたので慌てて買いに行った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第102回めの放送を見ましたよ。

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第21週『胸に秘めた思い』

百音(清原果耶)は、平日の午前中なのに学校にも行かず制服姿でコミュニティセンターに来ていた中学生・石井あかり(伊東蒼)に声をかけた。

あかりは口数は少ないが、思ったことを正直に言う少女だった。
百音が人の役に立ちたいから気象予報士になったと説明すると、きれい事だと言い切った。それは以前に亮(永瀬廉)に言われたのとまったく同じだった。百音は怒るわけでもなく、異口同音だったことに苦笑いし、あかりの評価は正しいと述べた。

あかりは気仙沼を6年間離れていたという。百音も5年半地元を離れていたので、互いの境遇は似ていると話した。しかし、あかりはそれだけで似ているとは言えないと反応した。百音はふたたび苦笑いし、不思議な雰囲気を醸し出すあかりのことがますます気になった。
もっと話をしたかったが、ラジオ放送の打ち合わせの時間になり、打ち切られてしまった。そのままあかりは帰っていった。

百音は、幼なじみで市職員になった早坂悠人(高田彪我)に地域防災について相談した。高齢者のいる世帯を把握し、早期避難のマニュアルを作成することで防災に役立てたいと話した。悠人によれば、それは役場でも取り組みたい課題だという。しかし、世帯構成の調査などは個人情報に関わる問題であり、百音が努めているような民間企業とは連携しにくいと難色を示した。

同じく幼なじみで、そのやりとりをそばで聞いていた後藤三生(前田航基)は、自分たちの住む亀島ならば住民が家族ぐるみの付き合いがあり情報共有することにも抵抗が少ないが、本土の市街地ではそうもいかない事情があるなどと話した。
それを聞いた百音は、まずは亀島をモデルケースとしてやってみるのが良いと思いついた。早速、百音は島の各家庭をまわり、高齢者のいる世帯の聞き取り調査を始めた。島民たちは協力的であり、百音に信頼を寄せているようだった。おかげで調査は順調に進んだ。地域防災マニュアルの作成にはずみが付き、百音は安堵した。

夜、百音は未知(蒔田彩珠)を街まで迎えに行った。未知は亮と飲んだあとで、したたかに酔っていた。
未知は、亮が漁から帰ってくるたびに飲みに誘うのだという。亮に断られたことは一度もないが、いつも早めの時間に帰らされてしまうという。自分は何年も亮のそばにいて助けになりたいと思っていたけれど、亮はそれを望んでいないかもしれないと思わされると話した。むしろ、亮はあえて人を好きにならないようにしているように見えると言う。そう思っても、未知は関係が壊れるのが怖くて亮に聞くことができないのだ。これまでの自分はいったい何をしてきたのだろうかと話した。

百音は、以前に亮が人を好きにならないと言ったことを思い出した。何よりも大切で好きな人が自分の目の前から消えてしまったら、自分自身が壊れてしまう。彼の父・新次(浅野忠信)は最愛の妻・美波(坂井真紀)を津波で亡くしてから自暴自棄になってしまった。亮は自分も同じようになるのを恐れているのだ。
亮の本心を知っている百音だったが、それを未知に言うわけにはいかなかった。

ふたりは誰もいなくなった夜間のコミュニティセンターで話をしていた。家族を心配させないように、未知の酔いを覚ましてから帰ろうとしていたからだ。
未知は、百音のオフィスに飾られている宇田川の絵に目を留めた。百音が東京から持ち帰ったその絵を見て、未知は東京のことを考えるのだった。

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NHK『おかえりモネ』第101回

尾野真千子さんの『カーネーション』から10年かと遠い目になった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第101回めの放送を見ましたよ。

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第21週『胸に秘めた思い』

亜哉子(鈴木京香)が民宿を再開したがっているということは近所でも噂になり始めた。何人かが手伝いを申し出たが、亜哉子はもう少し考えてみると曖昧に答えた。

銀行員である耕治(内野聖陽)は、壊れてしまったカキ棚の復旧資金の借り入れ資料を作成し、龍己(藤竜也)に提案した。しかし、龍己はそれに見向きもしなかった。残った設備だけで細々と続け、自分の代で養殖業をたたむつもりだという。龍己は、家族にはまだ秘密にしておくよう耕治に釘を差した。

未知(蒔田彩珠)は水産試験場で働きながら、研究を続けていた。近年、海水温の上昇が顕著であるが、そのような環境に強いワカメの品種を発見した。その成果は、東京国際海洋大学の金子教授(遠山俊也)に注目され、大学で一緒に研究するよう何度も誘われた。未知は後ろ髪を引かれつつも地元に残りたいと思い、それを断り続けている。

耕治は本店営業部の部長への就任を打診されている。それは栄誉あるポストであり、定年の近い耕治にとってこれ以上ない花道である。しかし、来年の4月から仙台へ単身赴任しなくてはならない。家族と離れることを寂しく思っているのである。

耕治は、百音(清原果耶)が急に帰ってきたことについて、菅波(坂口健太郎)との間になにかあったのではないかと勘ぐった。むしろ、そうなったことを期待する節もあった。しかし、百音はきっぱりと否定した。いずれきちんと結婚するつもりだと堂々と答えた。家族はそれを頼もしく、嬉しく思った。

コミュニティFMラジオにおける百音の天気予報は、地元の人々の生活の一部になり始めていた。しかし、百音自身はまだ地元の人々の役に立っているとは思えず、これからが正念場だと気を引き締めていた。

このように、百音たち家族のそれぞれに転機が訪れていた。少しずつ前に進みたいと思いつつも、そのための勇気も出ないことが問題だった。

ある日、朝の天気予報を放送していた百音は、女子中学生(伊東蒼)がスタジオのあるコミュニティセンターをうろついていることに気付いた。制服姿なのに学校に行っていないことが気になった。ラジオ放送に興味があるのかもしれないと思い、放送後のスタジオを案内してやった。それには応じたものの、その少女はほとんど口もきかず黙ってばかりいた。

百音は、なにか聞きたいことがあれば自由に聞いてよいと告げて、仕事に戻ろうとした。
すると少女は、百音はなぜ気象予報士になろうと思ったのかと尋ねた。

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NHK『おかえりモネ』第100回

本日ついに、我が最愛の山瀬まみの誕生日の前日を迎え、少々舞い上がっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第100回めの放送を見ましたよ。

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第20週『気象予報士に何ができる?』

子どもたちがコミュニティFMの放送スタジオにやって来た。次の日曜に子ども会の秋祭りを開催するという告知である。子どもたちはたどたどしくも元気いっぱいに宣伝をした。百音(清原果耶)もたくさんの元気をもらった。

彼らが帰った後、百音は当日の天気予報を調べた。すると、朝は風のない良い天気だが、10時ころから風が吹き始め、午後にはひじょうに強い風が吹くと予想されていた。祭り会場となる公園を下見したところ、風を遮るような構造物がなく、屋台のテントなどが強風で倒壊するおそれのあることがわかった。

百音は保護者たちに祭りの延期を提案した。しかし、彼らは簡単には従わなかった。天気予報が必ず当たるとは限らない、風が吹き始めたら撤収すればよいなどと楽観的に考えているのだ。さらには、予報がはずれた時に百音は責任をとれるのかと詰め寄った。

説得に難儀した百音は、切り札となる情報を持ち出した。
その日の朝だけは風が吹かないので、海が穏やかで澄んでいる。このことから、今年初のアワビ漁の日になるかもしれないと話した。彼らにとって、アワビ漁は一家総出の大きなイベントであり収入源である。アワビ漁とも慣れば子ども会の祭りどころではない。
保護者たちは祭りの延期を決めた。

けれども、アワビ漁の許可はなかなか出なかった。百音は自分の予想がはずれ、保護者たちに吊るし上げられるのではないかとヤキモキしていた。
秋祭りが予定されていた日の前日、14時ころになってやっとアワビ漁解禁が発表された。百音の予想通り、秋祭りをやるはずだった日の朝、2時間だけ許可するというのだ。

コミュニティFMで告知した漁協長・太田(菅原大吉)は帰り際に百音に声をかけた。アワビ漁解禁日について情報提供した百音のことを邪険に扱っていたが、百音が勝手に置いていった資料を少しは参考にしたというのだ。太田の口調はぶっきらぼうであったが、百音への感謝がにじみ出ていた。それだけで百音は嬉しかった。

こうして、17日は朝からアワビ漁が行われ、予報通り風もなく海は澄み渡っていた。そして、午後にもやはり予報通り強い風が吹いた。全ては百音の予想通りだった。

子ども会保護者の中心人物である高橋(山口紗弥加)が百音にお礼を言いにきた。彼女は現在のコミュニティFMの前身となる災害FM放送にボランティアとして参加していた。そのため現在も思い入れがあり、百音が参加してくれたことを嬉しく思っているという。
そして、百音が人々のことを助けたいと思っていることに共感を示した。高橋が災害FMに参加した動機も同じだったからだ。高橋からの応援を受け、百音は嬉しかった。

一方で、自分の行く先を考えさせられることもあった。
大学を休学して復興や街づくりを手伝いつつ学びに来ていた水野一花(茅島みずき)が東京に戻ることにしたという。彼女は外から来た人間にはできることがないと思い知ったという。しばらく離れていたとはいえ、地元出身の百音とは立場が違うというのだ。
百音は、外から来た人だからこそより一生懸命考えるし、それによって良いこともあるかもしれないと話した。それは水野を励ます言葉であるとともに、自分を正当化するための発言だと自覚していた。
それでも気仙沼を去るという水野の意思は変わらなかった。

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NHK『おかえりモネ』第99回

先週行ったDrop’sのライブの模様が公開されたのはいいんだけれど、僕の大好きなギタリストである荒谷ちゃんさんだけ逆光だったり後ろ姿だったりで、一切ご尊顔がお映りになっていないことに釈然としない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第99回めの放送を見ましたよ。

https://twitter.com/drops_araya/status/1443163199105208326?s=20

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第20週『気象予報士に何ができる?』

百音(清原果耶)の家に幼なじみたちが集まって飲んでいたところ、亮(永瀬廉)が百音をなじった。5年半も離れていた百音が、みんなの役に立ちたいと言って急に帰ってきたのは綺麗事に過ぎないと言うのだ。

隣の部屋で聞き耳を立てていた亜哉子(鈴木京香)が不穏な雰囲気を察し、解散させた。おかげでそれ以上悪いことにはならなかった。しかし、百音は亮の指摘は図星だと思い、少々落ち込んでしまった。

ある日、百音は菅波と電話で話した。
2年半ぶりに東京の大学病院に戻った菅波は、みなからガミガミ言われて落ち込み気味だという。ただし、それは以前の菅波に比べて、話しやすい人物に変わったと好評を得ていることだと考えていた。自分がいなかった時間を取り戻すには苦労するが、それは同時に面白いことであると述べた。
百音は、亮から言われたことは黙っていた。しかし、菅波の言っていることは自分にも当てはまるような気がした。

コミュニティFMラジオのスタジオに漁協の組合長・太田(菅原大吉)がやって来た。百音の気象情報番組の中で話がしたいのだという。百音は彼の要望を受け入れた。
太田はアワビ漁について話した。アワビはこの時期に、漁協が許可した日だけ獲る事ができる。ルール遵守を呼びかける内容だった。

放送後、百音はアワビ漁について調べた。アワビ漁が許可されるのは月に数日だけ、しかも朝の2時間だけと決められていた。その日ばかりは、漁師の家は家族総出で漁に出るのだという。解禁日の決定は、漁協の組合長・太田などが天気を読んで行っているという。アワビは目視で獲るため、海の透明度が重視されるという。
百音は、海の透明度には風が関与すると考えた。南風が吹くと海が濁るのだ。

百音は風の予報からアワビ漁に最適な日を予測することにした。早速、組合長・太田に売り込んだ。
しかし、太田は自分たちで解禁日を決めるので、百音の助けは必要ないときっぱり断った。百音がどんなに食い下がっても取り付く島がなかった。

ある日、高橋(山口紗弥加)という女性が子どもたちを引き連れてラジオスタジオにやってきた。漁協長・太田と同じように、子どもたちの秋祭りの宣伝をさせてほしいのだという。百音の気象番組は、以前は市民が出演して何でも話せるコーナーだったという。それがなくなってしまって、情報発信をする場もないというのだ。

高橋は、過去にここでパーソナリティをしていたこともあるという。複数の子どもたちのために追加マイクを準備するなど、百音よりもよほど手慣れていた。この場を預かる遠藤課長(山寺宏一)などとも古くからの馴染みで、ツーカーの仲だった。

こうして、子どもたちの祭りの宣伝が放送された。

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NHK『おかえりモネ』第98回

柄にもなく「実るほど頭を垂れる稲穂かな」なんて格言を思い出している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第98回めの放送を見ましたよ。
実るほど頭を垂れる稲穂かな

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第20週『気象予報士に何ができる?』

百音(清原果耶)は気仙沼のコミュニティFMで気象情報を担当することになった。天気予報を中心に、市民に役立つ情報を伝えるという抱負を放送で語った。
しかし、開始当初は空回り気味だった。漁業、農業、復興、防災、観光、健康など、各テーマごとに事細かに気象に関する対応策を話しすぎ、聴取者からクレームがついた。明るい話題も必要だと注意された。

それでも百音の気象情報はレギュラー化され、日に3回、7時、12時、17時に放送されることになった。
また、放送スタジオと同じコミュニティセンターに部屋を借り、そこに所属会社ウェザーエキスパーツの気仙沼営業所を立ち上げた。

ある日、百音の幼なじみたちが家に集まった。

仕事で遅れた亮(永瀬廉)を未知(蒔田彩珠)が車で迎えに行った。亮は中古の漁船を購入するために貯金しており、車を買わずに節約しているのだ。必要な場合、幼なじみの悠人(高田彪我)や未知に車で送り迎えしてもらっている。本人は申し訳なく思っているが、未知はそれが嬉しそうだった。

百音は、未知と亮の関係の進展が気になっていた。
傍目にはとても仲がよさそうだった。しばしばふたりだけで飲みに行くこともあるようだった。亮によれば、未知は亮以上に酒に強いという。ただし、酔うと絡んだり、怒りっぽくなるのが玉に瑕だという。今日も酒を飲んでいる未知は、言われたことを証明するかのように、怒りながら亮の発言を否定した。
確かにふたりは息があっているように見えたが、百音らにはどうもそれ以上に深い関係になっているようには見えなかった。

亮は、百音が地元に返ってきた理由を尋ねた。東京で仕事も順調だったし、結婚の予定もあった。それらを反故にした理由がわからないというのだ。
加えて、「地元のために働きたい」という百音の言葉が綺麗事にしか思えないと言い捨てた。

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NHK『おかえりモネ』第97回

今朝は寒いなと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第97回めの放送を見ましたよ。

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第20週『気象予報士に何ができる?』

2019年11月、百音(清原果耶)は生まれ故郷の気仙沼市亀島に帰ってきた。
早速、市役所の水産課や農林課など、気象に関する仕事を受注できないか相談に回ったが色よい返事が得られなかった。

最後に、「海のまち市民プラザ」を訪れた。ここは観光案内、図書室、カフェ、ミーティングルームなどを備えた施設で、今年の4月に市が解説したコミュニティセンターである。市民と役所が一緒にやりたいことをなんでもやることを目的にとしている。
百音の幼なじみであり、市職員となった早坂悠人(高田彪我)の勤め先でもある。彼を頼ってやってきた。

そこで百音は、悠人の上司である遠藤課長(山寺宏一)に面会し、「気嵐観光ツアー」の提案を行った。気嵐は海の上に低く霧の立ち込める幻想的な気象現象であり、人気が出るに違いない。しかし、毎日必ず発生するものではなく、気温や海水温などの条件が揃わないと見ることができない。そこで、気象予報士である百音が予測をして、気嵐を見ることができそうな日のみツアー参加者を募集するというアイディアである。
しかし、遠藤のいい顔をしなかった。予想がはずれることもあり得、自治体が主導して行うべきものではないというのだ。

百音が話の接穂を探していると、コミュニティFMラジオ「はまらいん気仙沼」の放送が聞こえてきた。これは遠藤課長らが中心となって、東日本大震災の直後、2011年3月22日に立ち上げたものだという。市民密着の地域情報を伝えることを使命としている。

このラジオ放送でも気象情報が伝えられていた。しかし、それは気象台の提供する情報をAIが自動的に取得し、合成音声で機械的に放送するというものだった。
百音は、気象情報を担当させて欲しいと願い出た。自分なら気象台の発表する情報をそのまま垂れ流すのではく、地域に特化した詳しい情報として伝えることができると力説した。遠藤はそれを採用した。彼は百音のテレビ放送を見ていてファンだったのだ。

翌日(11月5日)の正午から早速百音の気象情報コーナーが始まった。
あくまでボランティアとして出演ではあるが、吹奏楽の軽快な曲にのせて百音は張り切って話し始めた。

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NHK『おかえりモネ』第96回

新型コロナウィルスのワクチンのせいなのか、昨日の夕方からずっと眠くて、昨夜は早く寝たのにまだ眠い当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第96回めの放送を見ましたよ。

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第20週『気象予報士に何ができる?』

百音(清原果耶)は故郷の島に戻って気象の仕事をすることを決めた。突風で破壊されたカキ棚の片付けを島民が総出で手伝っていることに心を動かされたからだ。自然を前に成すすべがなくとも、前向きに明るく生きている人々の姿を見て、自分も彼らと一緒に生きていきたいと思ったのだ。
会社に願い出て、地方営業所という名目で社員のまま派遣してもらえる算段もつけた。百音には最低限の基本給のみの支給であり、事業予算も30万円、2年以内に結果を出すことがノルマとなった。

朝の情報番組『あさキラッ』も降板し、オフィスの片付けも行った。百音はみんなに激励され、東京での最後の1日を過ごした。

住んでいたシェアハウスの片付けも一通り終え、明日美(恒松祐里)と酒を飲み交わした。

明日美は、百音をはじめ、幼なじみのほとんどが故郷に戻っていくことが不思議でならないと話した。多くの人は故郷を離れて何年か経てば地元のことなど忘れてしまうはずである。それなのに自分の親しい人は故郷に帰っていく。地元が大変な状況にあるから戻って貢献するのが当然だという雰囲気になっているのも気に食わないと話した。

また、明日美にとっては恋人と一緒にいることが何よりも大事なことである。彼女自身、ちょっとした喧嘩はあるものの、百音の同僚・内田(清水尋也)との交際は順調である。
百音にも菅波(坂口健太郎)という恋人がいて、彼は近々東京に戻ってくることになっていた。入れ違いになり、結婚を延期してまで百音が地元に帰ることが理解できないと話した。

一方で明日美は、百音が故郷に戻ることを心底喜んでいるという。百音は東日本大震災の時に何もできなかったことを気に病み、地元にいられないと思うようになってしまった。そんな百音が自ら里帰りを決めたことはとても喜ばしいことだと満面の笑みで話した。
百音は、明日美の笑顔に救われた思いがした。いつも明るい明日見には救われたと、百音は感謝を述べた。

そのままふたりは雑魚寝した。
夜中に宇田川が風呂を掃除する音が聞こえてきた。初めて聞いた時は不気味だったが、今ではむしろ心が休まる音である。

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NHK『おかえりモネ』第95回

今日は、僕の大好きなバンドであるところDrop’sの活動休止前の最後の大阪公演であり、あくまで「活動休止」とは言っていて再開への含みをもたせてはいるけれど二度と一緒にやることはないんじゃないかと思っていて、昨夜寝るときからずっとソワソワしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第95回めの放送を見ましたよ。
(なお、サムネイルはボーカルでベビーフェイスな中野さんですが、僕はギターの荒谷ちゃんさん推しです)

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第19週『島へ』

宮田(石井正則)は病気のせいで肺活量が落ち、プロの演奏家を引退して6年が経っていた。その間、一度もホルンを演奏したことがなく上手に吹けないと断りながらも、宮田は百音(清原果耶)と菅波(坂口健太郎)のためにホルンを演奏してくれた。

百音は中学生時代にサックスに打ち込み、高校も音楽コースを目指すほどだった。受験に失敗したことと東日本大震災によってサックスは完全にやめてしまった。しかし、宮田の演奏を聞いて、当時の楽しかった思い出が去来した。同時に、弱々しくも懸命に吹く宮田の音色に心が動かされた。

宮田が帰った後、百音と菅沼はふたりきりで話をした。

百音は、ずっと誰かの役に立ちたいと思っており、そのためには自分が強くなければならないと考えていた。しかし、宮田の姿を見ていて考えを改めたと話した。宮田ばかりか、突風でカキ棚が破壊された実家の家族、それを手伝いに来た地元の人々の様子にも感じ入るものがあったと話を続けた。彼らはみな同様に強くはない人々である。それなのに明るく元気で、何よりも楽しそうにしていた。
百音が彼らを元気づけるのではなく、反対に自分が彼らから元気をもらったと語った。

そして百音は、故郷の島に戻ると打ち明けた。東京に戻ることを決めた菅波とは入れ違いになってしまう。
菅波は静かに頷き、百音の決断を受け入れた。ただし、結婚は先延ばしにすることにした。それぞれが新天地での仕事に落ち着いてから再考しようということになった。

菅波に打ち明けた後、百音は仕事関係者にも故郷へのUターンを告げて回った。テレビ局の仕事を降りることはすんなりと受け入れられた。

問題は、会社に籍を残したままにできるかどうかだった。会社を辞めてしまうと、気象データにアクセスできなくなったり、肩書がなくなるなど仕事がやりにくくなる。そこで、全国各地に気象予報士を派遣するという新規事業を認めてもらえるよう、安西社長(井上順)らの前で再度提案を行った。

しかし、百音の提案はどう見ても会社にとって収益の上がる内容ではなかった。安西社長は新規事業としては認められないと考えた。一方で、故郷に貢献したいという百音の熱意にはほだされてしまった。

そこで、地方営業所を開設するという名目で百音を気仙沼に派遣することに決まった。初期費用として30万円だけの予算もついた。ただし、3年以内に結果が出なければ廃止だという。
こうして百音は故郷に帰ることになった。

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NHK『おかえりモネ』第94回

昨夜のバン活が楽しかったので機嫌の良い当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第94回めの放送を見ましたよ。

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第19週『島へ』

百音(清原果耶)は、島に戻ってきてよいか未知(蒔田彩珠)に相談した。

他の誰でもない未知にだけ相談したのは、未知こそが実家や故郷を守ってきた張本人だと思うからだ。実家のカキ養殖だけではなく、地域に普及させるための養殖技術の研究にも携わっている。そのことについて一目置いているのだ。
また、未知との間に無言のわだかまりもあった。東日本大震災の時に不在だったことを未知になじられたことがあった。未知は未知で酷いことを言ってしまったと後悔していたが、当時の百音も未知の心情を受け止めてやることができなかった。それが引き金となって、百音は家を出たのだ。実家に戻るには、未知とのわだかまりの解消が必要だと考えているのだ。二人の関係を修復するためにも戻ってきたいと話した。

初めは冷ややかに聞いていた未知であったが、百音の言葉に心が動かされた。半べそをかきながら百音が帰ってくることに同意した。ふたりで地元を盛り上げようと約束するのだった。

そして、その日のうちに百音は東京にトンボ返りした。
夕方、シェアハウスに戻ると菅波(坂口健太郎)が待っていた。彼は、この後すぐに登米に戻らなくてはならないという。

ただし、その前にボイラー技士の宮田(石井正則)を百音に引き合わせた。彼は菅波が研修医時代に担当した患者であり、渋る指導医を押し切ってガンの手術を行った。そして、いざ開腹してみると手術には適さない病状であったことがあらためてわかった。宮田は著名な楽団のホルン奏者であったが、復帰が叶わなくなってしまった。以後、このことは菅波に暗い影を落とした。

ホルン奏者を諦めた宮田は、ボイラー技士として第二の人生を歩んでいる。部品交換による修理で同じボイラーを使い続けることは、人の体を治療して生きながらえさせるのに似ているというのが宮田の持論だった。自分の病気と治療に重ね合わせ、宮田はボイラー技士であることに生きがいを感じていた。
偶然、菜津(マイコ)のシェアハウスのボイラー修理に来ていて菅波と再会したのだ。

宮田は百音に身の上話を続けた。
小学生になった宮田の息子は音楽に興味を持ち始めた。学校の音楽クラブにも入会し、家でも四六時中楽器を演奏している。ある日、息子は家の中で宮田のホルンを見つけたという。病気の後5年間一度も吹いていなかったが、息子にせがまれておそるおそるホルンを吹いてみたという。往年のように演奏することはできなかったが、息子は大喜びした。
宮田にとっても最高の気分だったという。

前日、同じ話を菅波にしたところ、ホルンを持ってきて欲しいと頼まれたという。そして、宮田に引き合わせたい人がいると言ったという。
会わせたい相手というのはもちろん百音のことであった。

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