NHK『あまちゃん』第127回

前回の記事のマクラで「某あまちゃんファンの先生と一緒に当然のごとく『太巻ポーズ』で写真に収まった」と書いたのだが、送られてきた写真を見たところ、彼は「太巻ポーズ」をとっていなかったことが判明し(彼と僕は離れたところに立っていて、撮影時には僕からは彼のポーズが見えなかった)、軽くショックを受けた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第127回めの放送を見ましたよ。

荒巻ポーズをとっていない某先生(左)と、荒巻ポーズの俺(右)

荒巻ポーズをとっていない某先生(左)と、荒巻ポーズの俺(右)


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第22週「おらとママの潮騒のメモリー」

2010年10月、映画『潮騒のメモリー: 母娘の島』の撮影が始まった。初日はオープニングの撮影が予定されていた。日の出のシーンを撮影するため、夜明け前から漁港でスタンバイしていた。クランクインにあたって、母役の鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)が挨拶を述べた。しかし、鈴鹿のスピーチは20分以上も続き、その間に太陽が昇ってしまった。結局、そのシーンの撮影はできなかった。波乱のクランクインとなった。

映画は物語の順序通りに撮影されるわけではなく、翌日はスタジオでクライマックス・シーンの撮影が行われることになった。娘役のアキ(能年玲奈)が病気で臥せる母を心配しながらも、島を出て行くという複雑な心情表現が重要視される場面だ。「親孝行できなくて、ごめんなさい」というセリフを離す場面であり、ヒロイン・オーディションで何度も演じたシーンである。その時のアキの演技が荒巻(古田新太)の心を打ち、アキを抜擢する決め手となったシーンである。

ところが、撮影本番のアキはどうしても上手く演じることができなかった。オーディション1次審査の日は、夏(宮本信子)が北三陸で倒れたという報せを受けた日だった。その日のアキは、夏のことを心配していたおかげで、素直に役に入り込むことができた。しかし、今では夏の容態はすっかり良くなったと聞いており、オーディションの日のように気持ちを込めることができなくなってしまったのだ。結局、その日の撮影は全てNGとなってしまった。

その日の夜、無頼鮨で食事をしながら、アキは鈴鹿ひろ美からみっちりと叱られた。撮影現場でのアキには表情に硬さがあり、普段の様子と全く違うのだと指摘された。鈴鹿ひろ美との間にも目に見えない壁のようなものがあるという。そこで鈴鹿は、アキと一緒に暮らすことを決めた。映画と同様、私生活でも母娘になることで見えない壁を取り除こうと言うのだ。

アキはその提案を受け入れた。アキは自分が鈴鹿ひろ美の家に住み込むものだと思い込んでいたのに、逆に鈴鹿がアキの家で暮らし始めることとなった。アキはそれを拒絶するわけにもいかず、正宗(尾美としのり)と3人の奇妙な共同生活が始まった。鈴鹿ひろ美は天野家でもマイペースだった。誰よりも早く朝5時前には起床し、ウォーキングと風呂に入り、本人特製の野菜ミックスジュースを飲むのが日課だった。鈴鹿の物音で目を覚ましたアキは、起き抜けに特製ジュースを飲まされた。あまりの不味さに、アキは衝撃を受けるのだった。

その頃、春子(小泉今日子)はいつ東京に戻るか思案していた。夏の容態はすっかり良くなったし、地元の人々も手伝いに来てくれるので、春子は必ずしも必要ではなくなった。夏に「ありがとう」と言わせるという密かな目標も達成された(第126回)。その上、元気になった夏と小さな衝突も起こすようになってきたのだ。しかし、東京の自宅に鈴鹿ひろ美が住み込み始めたと聞いて自分の居場所が無いように感じられた。その上、自分の性格上、やめようと思っていてもアキの撮影に余計な口を挟むだろうことが予想された。今回の映画ヒロインはアキが自分自身の実力で掴みとった大役であり、自分はしゃしゃり出るべきではないと考えている。それで、もうしばらく北三陸に滞在することにした。

夏も、春子に頼る気はなかった。昔から、夫・忠兵衛(蟹江敬三)や娘の春子は家にいないものと思って一人で生きてきた。だから、今さら春子に頼る気にもなれないという。気心の知れた地元の人々が毎日顔を出してくれるので、そちらと付き合っている方が気楽でもあるのだった。

映画の撮影3日目は、初日に撮影できなかった日の出のオープング・シーンの撮影が行われることとなった。朝日をバックに、漁船に乗って島へ帰ってくる母・ひろ美を迎えるシーンだ。舳先に立つ鈴鹿ひろ美からは大女優のオーラが強烈に漂い、本番中であるにも関わらず、アキは見とれてしまってセリフを間違えた。

そのせいで太陽が昇りきってしまい、その日のロケも失敗に終わった。クランクインから3日、まだ1シーンも撮影出来ていなかった。

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NHK『あまちゃん』第126回

昨日は某研究集会に参加し、懇親会会場で記念撮影するという機会があったのだが、某あまちゃんファンの先生と一緒に当然のごとく「太巻ポーズ」で写真に収まった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第126回めの放送を見ましたよ。

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第21週「おらたちの大逆転」

アキ(能年玲奈)が映画『潮騒のメモリー: 母娘の島』のヒロインを勝ち取った。

報せを受けて駆けつけた水口(松田龍平)は、東京EDOシアター楽屋口前の往来で、人目もはばからずアキを抱きしめて祝福した。落ち着いているアキとは裏腹に、水口は感極まっていた。アキを抱きしめたまま男泣きするのだった。

その時、アキはミサンガが1本切れていることに気がついた。ミサンガが願いを叶えてくれたと思うのだった。

正宗(尾美としのり)も合流し、無頼鮨でささやかな祝賀会が行われた。アキは誰よりも先にユイ(橋本愛)に電話で報告した。ユイはまるで自分のことのように大喜びした。
ユイは小田勉(塩見三省)に電話を代わり、水口と話をさせた。過去の水口は芸能事務所のスカウトである身分を隠し、琥珀掘り・勉に弟子入りするという計略で北三陸の人々に近づいた。それが明るみになった時、勉は裏切られた気持ちでいっぱいになった。その一方で、勉は水口のことを応援してもいた。琥珀の原石は磨かなければ光らない。それと同じように、アイドルの卵も磨かなければ光らないという言葉を送ったのも勉だ。その経緯を思い出し、ついに努力が報われたと言って、水口と勉は電話を介して共に泣くのだった。

その日、夏(宮本信子)は2週間ぶりに退院した。春子(小泉今日子)はもちろん、町のみんなに付き添われて夏は帰宅した。家には夏の介護用ベッドが準備され、夏はそこに横たわった。

その時、アキから春子に電話がかかってきた。アキの映画主演決定のニュースを受け、集まった人々は一斉に大喜びするのだった。夏の退院と合わせて、みんなにとってとても明るい話題だった。

ほどなく、映画の台本が完成した。ダブル・ヒロインの映画となっており、母役の鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の役名は「鈴鹿ひろ美」、娘役のアキの役名は「鈴鹿あき」と決まった。アキは自分が鈴鹿ひろ美の本当の娘になったような気分になり、嬉しくもあり恥ずかしくもあった。

予備の台本は、北三陸に送られた。それを読んだ夏は、面白いと言って機嫌を良くするのだった。
一方で夏は、今年の本気獲り(シーズン最後の海女漁)に参加できないことを残念に思った。夏によれば、何十年も海女をやってきて、本気獲りに参加しないのは初めてのことであると言う。それを聞いた春子は、2年前にアキに本気獲りの権利を譲った(一家で一人しか参加できない決まり)ことがあると指摘した。ふたりは、アキがその時の本気獲りで初めてウニを獲ったことを思い出し、温かい気持ちになった。

話が一段落したところで、春子は麦茶の準備をした。それに対して、夏は「ありがとう」と礼を言った。夏に「ありがとう」と言わせることを目標としていた春子は、あっけない幕切れに拍子抜けした。しかし、春子はそれをおくびにも出さず、普通に話を続けた。春子は夏に「ありがとう」と言われるまで北三陸に滞在するつもりでいた。その目標は達成されたのだが、春子はもうしばらく残ることを決めた。

その年の本気獲りで、ユイは4つのウニを獲った。ユイの人気は相変わらずで、ユイファンの男たちが大勢北三陸に集まった。ユイが獲ったウニを競売にかけたところヒビキ一郎(村杉蝉之介)が4万円で落札するなど、北三陸は賑やかだった。

アキは映画の撮影開始に向けて、準備に忙殺された。撮影中は他の仕事ができないので、人気幼児向け番組『見つけてこわそう』を20回分溜めどりした。それ以外の時間は、東京EDOシアターのリハーサル室で連日の稽古が行われた。監督の荒巻(古田新太)も母役の鈴鹿ひろ美も、アキの演技を厳しく指導した。それでもアキはめげることなく懸命に食らいついた。稽古のない時は、ボイストレーニングや発声練習を初め、膨大な資料の読み込み、素潜り、和服の所作、日舞、ペン字、生花、料理などの習い事もやらされた。そのまま嫁に行けるのではないかというほど様々なことを叩きこまれ、アキは目が回るほどの忙しさだった。

10月になり、いよいよクランクインとなった。最初の撮影は夜の漁港だった。

鈴鹿ひろ美は、アキが懸命に勉強をしたことを褒めた。そして、それが女優の影の努力だと話すのだった。それと同時に、今を限りに覚えたことを全て忘れろと命じた。リセットして0から再び始めるのが芝居や映画の極意だというのだ。

鈴鹿はアキの手を引っ張り、セットへ向かった。

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NHK『あまちゃん』第125回

39年生きてきた中で、女の子の実家の寝室でその子が風呂から出てくるのを待つというシチュエーションが一度だけあったわけだが、そもそも出かけた理由というのが焼き増しした写真を自宅まで届けるという健全な用事であり、出かけたタイミングがたまたま入浴中だったから部屋で待つよう彼女の家族から正式に言われたのであり、要するに「家に誰もいない」という状況ではなく、ナニをするわけにもいかなかったわけだが、風呂あがりで上気した彼女の頬と髪から漂ってくるシャンプーの香りは、当時若くて健康な男子だった我が身にはかなり刺激的なものであり、しかもさっきまで世間話をしていたはずなのに、いつの間にか彼女の性体験を聞かされるという欲情的な雰囲気になっていたわけであり、これは彼女が俺を誘ってるってことか?階下に彼女の家族がいることも構わずにアレしちゃっていい場面なわけ?と思って僕の心のカウントダウンは残り5秒となったわけだが、彼女の当時の彼氏というのが近辺で有名なヤンキー高校の生徒であることが思い出され、バレた時に半殺しにされるかもとビビってしまい、スゴスゴと帰ってきたという20年以上前の出来事を回想している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第125回めの放送を見ましたよ。

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第21週「おらたちの大逆転」

自宅に種市(福士蒼汰)を招き、シャワーを終えたアキ(能年玲奈)は彼の待つ寝室へ向かった。ふたりは初めてキスをしようとするが、なかなかうまく行かなかった。種市が緊張のあまり怖気づいてしまったり、空腹のアキの腹の虫が鳴ったりするのだ。

春子(小泉今日子)から様子を見に行くよう命令された水口(松田龍平)は、正宗(尾美としのり)と合流し天野家へ到着した。ふたりは一目散にアキの寝室へ踏み込んだ。しかし、部屋は無人だった。

空腹を満たすため、アキと種市はキッチンで玉子焼きを作っていたのだった。ふたりが一線を超えなかったことに水口と正宗は少々安堵し、アキがオーディションの最終選考へ向けて種市と一緒にセリフ合わせをしていたと口裏を合わせ、春子に報告した。水口は、人目につかないところで逢引していた点については評価したが、アイドルにあるまじき行為だと言ってアキを非難した。

アキは水口に反論した。自分は女優やアイドルである前に、18歳の少女なのだという。恋愛をし、好きな人を励みに仕事に撃ちこむのは至極当然のことだと主張するのだった。けれども水口の怒りは収まらなかった。種市が他の人を好きになったらアキが悲しくなるのと同じように、アキが恋愛しているのを知ると100万人のファンたちは失恋したのと同じ気持ちになると言うのだ。だからアイドルとしてのアキの恋愛は決して認められないという。種市は、ファン100万人分と同じだけアキを幸せにしてみせると豪語した。冷静な水口は、種市がどんなにアキを大切にしても、それはファンの気持ちとは無関係だと否定した。

そこで助け舟を出したのは正宗だった。若い時、タクシーで春子(有村架純)と偶然知り合い、彼女のファン1号になった。春子の歌声に励まされて仕事を頑張ることができた。それと同じように、アキと種市も互いに励まし合い、いい関係が作れるだろうというのだ。正宗は種市のことを認め、種市も正宗に心酔した。

正宗までがアキと種市の味方についたことで、水口はふたりの交際を認めざるを得なくなった。ただし、ふたりがメールのやりとりと無頼鮨での面会以外は行わないという条件をつけた。それで一件落着した。

いよいよオーディションの最終審査となった。候補はアキと小野寺薫子(優希美青)の2名だけに絞られていた。最終選考では台本を持たず、母親役の鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)を相手に本番さながらの演技を行った。鈴鹿ひろ美は、2名の候補者に対して公平に対応した。迫真の演技を見せ、2人には逐一指導を行った。厳しい雰囲気であったが、アキも小野寺薫子も全力を尽くした。

その様子を荒巻(古田新太)は黙って見ていた。彼の心は大きく揺れていたのだ。事務所の社長であり、商売人としての立場からは小野寺薫子を主演にして映画を撮る以外に選択肢はない。しかし、荒巻の人情がアキを推すのだ。春子やアキに対する後ろめたさがあり、アキを見捨てることができないでいた。

最終審査の選考会で、荒巻は正直な心情を他の審査員に語った。小野寺薫子を主演にし、カナヅチの彼女の影武者としてアキを起用するのが当初の予定だった。しかし、荒巻はアキを切り捨てられないという。前夜、荒巻はアキのネット動画を見つけたと言ってみんなに見せた。それは、アキが初めてウニを獲った時の映像だった。それを見ていたら切なくなり、アキを代役に留めておくことができなくなったのだという。そうして荒巻は、アキを主演にすることを決断した。

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NHK『あまちゃん』第124回

39年生きてきた中で女の子から「家に誰もいない」と言われて誘われたことはたったの1回しかなく、たいへん貴重な機会だったにも関わらず、たらこスパゲティをご馳走になっただけで何もしないで帰ってきたことを20年以上経った今でも後悔している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第124回めの放送を見ましたよ。

ロマンチックな思い出は何もないのに、昨夜たらこスパゲティを自作して食べた当方である。

ロマンチックな思い出は何もないのに、無性に食べたくなって昨夜自作した当方である。


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第21週「おらたちの大逆転」

オーディション2次審査を終えて緊張感から開放されたせいで、アキ(能年玲奈)は大胆にも種市(福士蒼汰)を家に誘った。春子(小泉今日子)は夏(宮本信子)の看病で帰省、正宗(尾美としのり)はタクシー営業、水口(松田龍平)はオーディション参加の挨拶として東京EDOシアターに残るなどしており、その夜は家に誰もいないからだ。アキは半分無意識に大胆なことを言ってしまったことに驚き動揺したが、流れに身を任せることにした。

アキの家に着くや否や、種市はシャワーを浴びたいと言い出した。無頼鮨で修行中の種市は、卵焼きを任されるようになったのだという。炭火でじっくりと45分かけて焼きあげるため、汗だくになってしまい気持ち悪いのだという。仕事が終わるとすぐにシャワーを浴びるのが習慣になっているのだ。種市は単に習慣に従ったつもりだったが、現在のふたりの状況においては意味深な発言だった。それに気付いた種市もアキも、動揺してしまった。

アキが種市を浴室に案内した直後、自宅兼事務所の電話が鳴った。アキが電話にでると相手は春子だった。春子は留守番電話のメッセージを聞くために電話をかけたのだという。アキはごく簡単にオーディションの出来栄えを報告した。

電話の最中、種市が浴室から出てきた。天野家のシャンプーとリンスのボトルにはラベルがついていないので、どっちがどっちかわからないというのだ。アキは受話器を持ったまま種市に説明した。そのやりとりの詳細まではわからなかったが、春子には誰かの気配が伝わった。尋ねられたアキは、水口が来ていると嘘をついて誤魔化した。それでその場は収まり、春子は電話を切った。

シャワーを出たふたりは、ソファーに座って話を始めた。種市は今の仕事が面白くなってきたのだという。無頼鮨で修行を終えたら、北三陸市に帰って店を開きたいと夢を語った。そうしているうちにいい雰囲気になってきた。ふたりは以前にも来た三陸鉄道の倉庫で並んで座りながら話をしたことを思い出した(第46回)。その時、種市はユイ(橋本愛)が好きだったこと、吉田(荒川良々)の忘れていった携帯電話が突然鳴り出したことなどを懐かしく話した。

そうしているうちに、種市の感情が高ぶった。種市はアキに顔を寄せ、キスしようとした。

しかしその時、またしても家の電話が鳴った。すんでのところでアキは顔を離し、電話に出た。再び春子からの電話だった。春子は留守番電話を聞きたいのだと言う。アキに電話に出ないよう指示すると電話を切った。

せっかくの雰囲気をぶち壊されたアキだったが、そのことが却ってアキを大胆にさせた。自分もシャワーを浴びてくると言い、種市には寝室で待っているよう告げた。

その頃、東京EDOシアターではオーディションの2次審査会議が行われていた。荒巻(古田新太)はアキを無条件に落選させるつもりでいたが、荒巻の思惑を知らない2人のプロデューサー(諏訪太朗望月章男)は公平な立場からアキを評価し、最終選考へ残すべきだと主張した。鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)もアキを残すことに異存はない。

しかし、荒巻はその意見を却下しようとした。山口百恵の『伊豆の踊子』や松田聖子の『野菊の墓』、鈴鹿ひろ美の『潮騒のメモリー』など、アイドルのデビュー映画にはインパクトが重要だという。その点、「天野春子」にはインパクトが無いため、主演するには力不足なのだという。荒巻は演技テストのアキの迫真の演技が、若かりし頃の春子(有村架純)に重なって見えた。春子ををデビューさせてやれなかった負い目もあり、頭がすっかり春子に占領されていたのだ。本人も無自覚のまま、アキのことを「春子」と呼んでしまっていた。鈴鹿らに指摘され、荒巻は黙りこんでしまった。それでアキの審査通過が認められる形となり、GMTの小野寺薫子(優希美青)と共に最終選考へ進むこととなった。

劇場に残っていた水口は、すぐさま審査結果を聞くことができた。嬉しさのあまり気の大きくなった水口は、無頼鮨で腹いっぱい食べることにした。ただし、店に入る前に、事務所の留守番電話にアキのオーディション通貨の報告だけは吹き込んでいた。

アキがシャワーを浴びている間、春子は三度留守電を聞こうと電話をかけた。今度はアキが電話に出なかったので、遠隔操作でメッセージを再生することができた。するとそこには、水口からのオーディション通過報告と共に、彼が事務所によらずに直帰するという連絡が入っていた。春子は矛盾に気付いた。先ほどの電話で、アキは水口が事務所に来ていると話していた。しかし、水口本人の留守録メッセージでは直帰すると言っているのだ。

春子はすぐさま水口のケータイに電話をかけ、事務所へ行くよう命令した。

シャワーを出たアキは、今まさに種市の待つ寝室のドアを開けようとしていた。

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NHK『あまちゃん』第123回

昨日、自宅にある大量の野菜について調理法を募集したところ、Kayoさんからは「キュウリと塩昆布の和え物」、あさりんからは「キュウリとおろしニンニクの和え物」、mimozaっちからは「ラタトゥイユ」というアドバイスをいただき、それらを全部作って食って、大変美味しい思いをした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第123回めの放送を見ましたよ。
2013-08-20 19.51.14

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第21週「おらたちの大逆転」

心臓の手術が無事に終わり、夏(宮本信子)は目を覚ました。アキ(能年玲奈)もヒロイン・オーディションの1次審査を通過したと聞き、春子(小泉今日子)は安堵感と喜びでいっぱいになった。

春子は当分の間北三陸に留まるという。やれるうちに親孝行をしたいと言うのだ。それに、夏は今まで春子に「ありがとう」と言ったことが一度もない。お茶を淹れるなどちょっとした事でも「ありがとう」とは言わず、「ああ」などと素っ気ない返事をするのだという。春子が家出してからの24年間、夏との関係は冷えきっていた。そして、春子が帰郷したことでふたりは和解した。夏から「おかえり」と「すまなかった」という言葉を聞けたことには満足している。しかし、「ありがとう」とは未だ言われていないので、それを言わせることが春子の目標となったのだ。

そんな話をスナック梨明日でしていると、功(平泉成)とよしえ(八木亜希子)が来店した。カウンターには他に人手がなく、ユイ(橋本愛)が一人で忙しく働いていた。その様子を見たよしえが手伝いを買って出た。よしえに対してわだかまりの残るユイであるが、春子の話もあり、複雑な思いを抱くのだった。

映画『潮騒のメモリー: 母娘の島』ヒロインの2次審査が始まった。アキを落選させる気でいる荒巻(古田新太)は意地悪な質問を次々に投げつけた。しゃべり方に訛りがあることを否定したり、アキがいじめられっ子だったという噂を持ちだして攻撃したりした。アキは気圧されてしまった。

そこに助け舟を出したのは鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)だった。いじめられっ子だったアキがどうして変わることができたのかと優しく尋ねた。するとアキは、水を得た魚のように、多くの人びとと出会うことで変わることができたと話した。北三陸の人々や東京での仲間たちのお陰で変わることができたと活き活きと話した。

続いて、演技審査が始まった。今回は長めのセリフをしゃべったり、体を動かしたりしなくてはならない。元から演技の苦手なアキはなかなかうまくこなすことができない。ここで再び鈴鹿がアキを助けた。鈴鹿は審査をそっちのけで、アキに演技指導を始めた。自分が手本を見せてアキに真似させるなどした。

常識はずれなオーディションであったが、鈴鹿に頭の上がらない荒巻は口を挟むことができなかった。それどころか、真にせまったアキの演技に見入ってしまった。目の前にいるアキの姿が、若い頃の春子(有村架純)に重なって見えた。演技テストは母と喧嘩した娘が飛び出していくシーンであったが、荒巻には春子が実際に家出する様子に錯覚して見えたのだった。

そうして2次審査は終わった。世間では給料日なので正宗(尾美としのり)は書き入れ時だと言ってタクシー業務に出かけたままだ。水口(松田龍平)は古巣・ハートフルの関係者に挨拶をしていくという。それでアキは一人で家に帰る事になった。

水口と別れた直後、アキはこっそりと無頼鮨へ向かった。種市(福士蒼汰)を呼び出し、今夜は家に誰も居ないと誘うのだった。

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NHK『あまちゃん』第122回

昨日、キュウリ、オクラ、ピーマン、青じそ、トマト、ナス、ニンジン、トウモロコシなどが大量に送られてきたのだが、どう調理していいものやら見当がつかず、作るべき料理について皆さんのお知恵を拝借(全ての食材を一度に使う必要はないし、足りない材料は買ってくればよい)したい当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第122回めの放送を見ましたよ。
送られてきた野菜

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第21週「おらたちの大逆転」

長時間に渡る夏(宮本信子)の心臓バイパス手術が終わった。医師(田中要次)の説明によれば手術は成功したという。春子(小泉今日子)は、まだ目を覚まさない夏に付き添って病院で一夜を明かすことにした。

手術成功の報せをユイ(橋本愛)から電話で聞いたアキ(能年玲奈)も安堵した。その日は映画『潮騒のメモリー: 母娘の島』のヒロイン・オーディション一次審査だったのだが、アキは夏のことが心配で気が気じゃなかったのだ。そのせいでオーディションにあまり自信がないことをユイに話した。

一方でアキは、オーディションでGMTメンバーと再会したのを契機に無頼鮨で一緒に食事をしていた。一緒にオーディションを受けた入間しおり(松岡茉優)と遠藤真奈(大野いと)、そして別の仕事で沖縄に行っていた喜屋武エレン(蔵下穂波)が駆けつけた。けれども、荒巻(古田新太)が密かにヒロインにしようとしている小野寺薫子(優希美青)は来ていなかった。

GMTの仲間たちは、アキが誰かに恋をしているのではないかと冗談でからかった。一度仕事で東京に来たヒロシ(小池徹平)、もしくは種市(福士蒼汰)と付き合っているのではないかと囃し立てるのだった。特に、無頼鮨で目の前で働いている種市については、より一層話のタネになった。アキと種市は実際に交際しているのだが、ふたりとも反論もできず黙りこんでしまった。

同席していた水口(松田龍平)は、アキと種市のことに勘付いているが、アキは恋愛禁止だと言ってふたりの関係を否定した。するとGMTのメンバーたちは、水口の方こそアキに惚れているのではないかと冷やかし始めるのだった。酒に酔っているせいもあってイライラしはじめた水口は、種市を店の外に連れ出した。GMTのメンバーたちは、アキを巡る水口と種市の直接対決だと言ってますます囃し立てるのだった。

店の外に出た水口は、種市にアキとの関係を尋ねた。すると種市は、あっさりと交際を認めた。すると水口は激昂した。アキの恋愛が発覚し記事になると大騒ぎになるというのだ。清純派というアキのイメージが損なわれる。予備校のCM契約は打ち切りになり違約金が発生する。映画のヒロインも立ち消えになる。だからアキには手を出すなと言って水口は恫喝した。種市はその勢いに圧倒されてしまった。

そこへ、アキが呼びに来て帰る準備ができたという。水口はいったん店に引き返し、アキと種市だけが残された。種市は落ち込んでいたが、アキは仕事と同じくらい種市のことが大切だと話した。それを聞いて種市は平常心を取り戻すどころか、アキを抱きしめようとした。しかしその時、店の中からタクシーの準備ができたと梅頭(ピエール瀧)から声をかけられた。それでアキは帰っていった。

店に残ったGMTメンバーたちは、恋愛噂話を続けていた。その中で、荒巻と鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)が元恋人同士であるという話になった。荒巻が鈴鹿ひろ美の独立の際に作ったのが現在のハートフルであり、肝心の鈴鹿ひろ美が事務所を辞めてしまったので荒巻は一からやり直すために努力して今の地位を作ったのだという。その話をカウンターから聞いていた梅頭は、荒巻と鈴鹿ひろ美は今でも交際していると言い出した。しかも、ふたりは一緒に住んでいるのだという。一同はひどく驚くのだった。

その頃、東京EDOシアターではオーディションの審査が行われていた。荒巻はGMTはそれぞれ別に売り出すということで、小野寺薫子以外のメンバーは落選させた。スタッフもそれに異存はなかった。そんな中、アキも落とされようとしていた。アキについては、鈴鹿ひろ美が猛反対した。アキは泳ぎも得意だし絶対に残すべきだと主張したのだ。荒巻は鈴鹿にそう言われると反論することもなく、とりあえず二次審査に進ませることに同意した。

翌朝、北三陸の病院では夏が目を覚ました。春子は喜んだ。

スリーJプロダクションには、アキが一次審査を通過した旨のFAXが届いた。

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NHK『あまちゃん』第121回

やまと屋本店昨日は、大阪・新世界にある「一人で生ビール(中; 400円)を2杯飲めば3杯目が無料(日本酒の場合は2合飲めば1合サービス)」という伝説の店、やまと屋本店(地図ここらへん)でせんべろを堪能した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第121回めの放送を見ましたよ。

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第21週「おらたちの大逆転」

映画『潮騒のメモリー: 母娘の島』が制作されることとなった。大ヒットした前作の15年後を描く物語で、ヒロイン・ひろみのその後を描くものだ。母親役を前作ヒロインの鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)が演じ、新作のヒロインはオーディションで決定することとなった。オーディションに応募したアキ(能年玲奈)は無事に書類審査を通過した。

1次面接審査の朝、夏(宮本信子)が倒れたという知らせが入った。すぐにでも北三陸市へ駆けつけようとしたアキであったが、春子(小泉今日子)はアキにオーディションへ参加するよう説得し、自分一人で帰郷することにした。

春子が北三陸市の病院に着くと、まだ手術は続いていた。現役で海女を続ける夏であるが、すでに66歳であり、心臓が弱っていたのだという。心臓バイパスの大手術であった。

待合室には縁の人々が集まっていた。みんなは、まるで夏の最期であるかのように思い出を語っていた。夏が東京で橋幸夫と会ったことは春子にだけは秘密にするよう言われていたのだが、ユイ(橋本愛)がうっかりと春子に話してしまった。ユイは、若い頃の夏(徳永えり)が橋幸夫(清水良太郎)とステージで並んだ写真も持っていたので、それを見せた。

春子はショックを受けた。夏が橋幸夫の大ファンだったという話はおろか、自分が夏のことを何も知らないと自覚したからだ。いつも夏のことを口うるさい母親だと思っており、一個人としての夏について何も知らなかった。夏の好きなものや嫌いなものについて一切知らないのだ。もしこのまま夏が死んでしまったとしても、まるで赤の他人のようにしか思えないかもしれないと話すのだった。

春子は『いつでも夢を』が嫌いだったという。袖が浜の海開きでは、毎年スピーカーからこの曲が流れてくる。その度にうんざりしながら聞いていたのだという。海女たちはいつもこの歌を口ずさんでいたが、それも忌々しく思っていたという。しかし、夏が橋幸夫の大ファンだからこの歌を好いていたのだと知ったので、これからは違う気持ちで聞けるようになるだろうと話した。

それを聞いた人々は、病院の待合室であるにも関わらず『いつでも夢を』を合唱した。

その頃、アキはオーディション会場である東京EDOシアターにいた。荒巻(古田新太)の事務所をクビになって以来、初めて足を踏み入れる。アキは、荒巻との確執や夏の病気のことを思って一瞬怖気づいた。しかし、故郷を出る時に夏から餞別にもらった「北の海女」の手ぬぐいを握りしめて自分を奮い立たせるのだった。

オーディション会場には、GMTの仲間たちもいた。彼女たちも一般応募者と同様の審査プロセスを受けるのだという。当初荒巻がヒロインにしようと考えていた小野寺薫子(優希美青)についても扱いは同じだった。小野寺薫子はアキに声をかけ、一緒に頑張ろうと励ますのだった。

一次審査では、自己紹介とセリフテストが課せられた。アキは海女の経験があり、素潜りに自身があることをアピールした。さらに、鈴鹿ひろ美が憧れの女優であることを話した。しかし、審査委員の鈴鹿ひろ美はあきれた顔で、持ち時間が切れたので話を切り上げるように告げるのだった。

セリフテストの課題は「母ちゃん、親孝行できなくて、ごめんなさい」というものだった。アキはこのセリフを読んで、春子と夏のことを思い出してしまった。ふたりのことを考えると、アキの目が自然と潤んだ。その感情のまま、アキは迫真の演技を行った。

北三陸の病院では手術が終わり、医師(田中要次)が手術室から出てきた。

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NHK『あまちゃん』第120回

田中将大田中将大がプロ野球新記録である21連勝を達成した(Yomiuri Online の記事)ことを記念して、2005年の駒大苫小牧時代の甲子園での彼の写真(当時高校2年生、対京都外大西戦、僕は球場で観戦した)を掲載するが当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第120回めの放送を見ましたよ。

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第20週「おらのばっぱ、恋の珍道中」

荒巻(古田新太)は自らが監督として、映画『潮騒のメモリー』のリメイクを行うことを決めた。オリジナルの主演だった鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)を無頼鮨に呼び出し、母親役として出演して欲しいと依頼した。荒巻は所属タレントの小野寺薫子(優希美青)をヒロインにするつもりであったが、鈴鹿はオーディションでヒロインを決めることを主張した。荒巻はその条件を飲んだ。

一部始終を盗み聞きしていた種市(福士蒼汰)は、アキ(能年玲奈)に電話で知らせた。種市はアキが『潮騒のメモリー』が大好きだったことを覚えており、一刻も早く知らせてやることが恋人の使命だと思ったからだ。

種市から電話がかかってきた時、アキは春子(小泉今日子)や水口(松田龍平)と一緒だった。予備校のイメージキャラクターの仕事を受ける時、アキは契約終了時まで恋愛を禁じられた。その約束を破って種市と交際していることを水口に勘付かれた矢先だった。アキは躊躇しながら電話に出た。

アキの電話の様子がおかしいと気付いた春子は、アキから電話を奪った。相手が種市だったためますます不審に思う春子だったが、種市からもたらされたニュースにすっかり気を取られ、アキと種市の関係については聞かなかった。『潮騒のメモリー』の映画化やヒロイン・オーディションが行われると聞いて驚くのだった。

『潮騒のメモリー』の映画化とヒロイン公募については、芸能ニュースでも大きく取りあげられた。早速、アキも応募書類を送った。

ヒロイン募集が始まってしばらくした頃、水口は芸能事務所ハートフルのチーフマネージャー河島(マギー)から喫茶アイドルに呼び出された。河島は、すでに2000通近い応募が集まっているが、実は出来レースなのだと打ち明けた。主演は小野寺薫子にきまっているのだが、彼女はカナヅチなのだという。『潮騒のメモリー』の主人公は海女であり、当然泳ぎのシーンがある。そこで、海女経験のあるアキに吹き替えをして欲しいというのが河島の話だった。

水口は怒り、即座に断った。アキはハートフルではアメ横女学園の代役として、出番もなく辛酸を嘗めた。事務所を独立したのに、再度代役をやらされるなど我慢ならないからだ。

そこへ、荒巻本人が現れた。荒巻によれば、今回の企画は事務所のタレントたちの人気回復のために行うものであり、小野寺薫子の主演は絶対であるという。一方で、映画のヒットのためには元ヒロインの鈴鹿ひろ美の出演も必須である。鈴鹿がヒロイン公募を主張する限り、形だけでもオーディションは開催しなくてはならないのだ。荒巻はその微妙な状況への理解を求めた。

しかも荒巻によれば、鈴鹿は何も言わないが春子に引け目を感じており、アキにチャンスを与えようとしているらしいと言うのだ。荒巻の見立てによれば、鈴鹿はデビュー曲『潮騒のメモリー』は春子(有村架純)が歌っていたことにすでに気付いているらしいというのだ。知っていて騙された振りをすると共に、春子とアキに対して罪滅ぼししようとしているらしいのだ。

荒巻によれば、春子を鈴鹿の代役としたのは自分が勝手に仕組んだことであり、鈴鹿が気に病む必要のないことだ。そんな鈴鹿に対する負い目もあるので、荒巻は鈴鹿に頭が上がらない。もちろん、春子やアキに対しても何らかの見返りを与えたいのだという。悪いようにはしないから、映画作りに協力して欲しいと水口に告げると、荒巻は帰っていった。

喫茶アイドルのマスター甲斐(松尾スズキ)によれば、荒巻の「悪いようにはしない」という言葉は、若い頃の春子に対しても使われたのだという。結局、春子はアイドル歌手として表舞台に出ることはできなかった。甲斐は荒巻の言葉を信用しなかった。水口も荒巻の言葉を半信半疑だった。しかし、春子やアキに話すわけにもいかず、自分だけの秘密として流れに任せることにした。

しばらくして、アキの元へオーディション書類審査通過通知が届いた。アキは素直に喜ぶのだった。

オーディション当日の朝、アキはやる気満々で出かけようとしていた。

そこへ、大吉(杉本哲太)から春子へメールが届いた。夏(宮本信子)が倒れて意識がないと言うのだ。春子は冗談だと思って無視しようとしたが、家に電話もかかってきた。電話を受けた春子は、何もしゃべらなかったが、にわかに表情が曇った。

その様子を見ただけで、アキは一大事が起きつつあることを察するのだった。

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NHK『あまちゃん』第119回

寝室がなまら暑くて寝苦しかったのに、ゴミ投げのために外に出たら寝室よりも涼しくて、とても悔しくなった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第119回めの放送を見ましたよ。

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第20週「おらのばっぱ、恋の珍道中」

2010年9月。
荒巻(古田新太)のプロデュースするアメ横女学園やGMTの人気に陰りが見え始めた。GMTのセカンドシングル『地元サンバ』は1位を獲得することができなくなった。危機感を感じた荒巻は、「荒巻映画祭」を開催することを決めた。所属タレントを主演にた映画を10本ほど公開し、テコ入れをしようというのだ。グループでの売り出しに限界も感じており、これからは個人単位でプロデュースしようという目論見もあった。

「荒巻映画祭」に参加する気鋭の映画監督9人の起用が決まった。残る1本は、荒巻が自ら監督を務めるという。荒巻は映画『潮騒のメモリー』のリメイクを撮ることに決めた。映画の舞台は宮城県であることから、主演は宮城出身の小野寺薫子(優希美青)と決めた。

荒巻はこの企画を鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)に説明した。そして、オリジナルの主演であった鈴鹿にも出演してほしいと依頼した。鈴鹿は出演を渋ったが、主演女優をオーディションで決めるのならば協力しても良いという条件を出した。もちろん、鈴鹿も審査員として参加するつもりだ。荒巻はその条件を飲んだ。

その頃、アキ(能年玲奈)の人気に火が付き始めていた。北三陸での海女時代やGMT時代、子供向け番組『見つけてこわそう』などの動画がネット上にアップされた。それらの動画がきっかけとなり、仕事のオファーも増えてきたのだ。テレビ出演や雑誌のグラビアへの露出が増えた。

ところが、水口(松田龍平)はアキのグラビア写真に異変を感じた。アキの表情が、恋する女の子の顔になっていたからだ。トーク番組『パークスタジオ』(『スタジオパクからこんにちは』のパロディ))の本番直前、水口はアキに彼氏ができたのかと尋ねた。予備校のイメージキャラクター契約のため恋愛が禁止されているが、アキは内緒で(福士蒼汰)と交際していたのだ。アキは何も答えなかったが、水口に秘密がバレてしまったかもしれないと思い、激しく動揺した。

トーク番組の本番中も、自分の恋愛のことばかり気になって集中できなかった。司会者(中田有紀)の質問にも上の空で、「恋人が仕事です」などとトンチンカンな受け答えをしてしまった。生放送だったため、それはそのまま流れてしまった。もちろん春子(小泉今日子)も事務所でそれを見ていた。春子は不審に思いつつも、ネット上での評判が上々だったので気を良くした。アキのひょうきんなキャラクターが受けたのだ。

本番終了後、水口は改めてアキを問いただした。水口は、所属タレントに恋人ができた時の見抜き方を荒巻に教えてもらったことがあるという。グラビア写真で口元が開いたり、目の焦点が合わなくなったりするのだという。それでアキにも恋人ができたと勘付いたというのだ。種市のことを隠しておきたいアキは黙秘した。しかし、水口から「板前(種市)か?」と聞かれると、図星を付かれた動揺が顔に出てしまった。それで水口は全てを悟った。

アキは春子に白状すべきかどうか悩んだ。しかし、黙っているのが一番だという結論に達した。ところが、自宅兼事務所で春子や水口と一緒にいる時、種市から電話がかかってきた。発信者通知でそれを知ったアキは、ふたりの見ている前で電話を出る気になれなかった。隠れて電話に出ようと右往左往していると、春子から早く電話に出るよう促された。

開き直ったアキは、春子と水口の前で種市からの電話に出ることにした。

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NHK『あまちゃん』第118回

NHKウイークリーステラ臨時増刊として『あまちゃんメモリアルブック』が発刊されることになったそうだが、放送終了前(9月16日)に発売されるとのことなので、最終話までの情報が載っているのかどうかが気になる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第118回めの放送を見ましたよ。

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第20週「おらのばっぱ、恋の珍道中」

よしえ(八木亜希子)が北三陸に帰還し、スナック梨明日に姿を現した。母を受け入れることのできないユイ(橋本愛)は店を飛び出した。

ユイが動揺することを予期したアキ(能年玲奈)と種市(福士蒼汰)は、彼女を励ますために自分たちの変な表情の写真をメールで送った。すると、ユイからも同じように変な顔を作った写真が送られてきた。アキと種市は、ユイに元気が残っていることに安堵するのだった。

よしえは梨明日に集まった人々の前で自分の思いを話していた。北三陸で暮らしていた時、よしえは自分自身をさらけ出すことができないことを思い悩んでいたという。自分が北三陸出身ではないことを引け目に感じ、いつまで経っても地元に馴染めない思いを抱いていた。表面上は良妻賢母を演じていたが、夫・功(平泉成)が倒れた時に全てが恐ろしくなって逃げ出してしまったという。ユイが不良になったという話を聞いた時には、悔しい思いをしたという。よしえは弱い自分をさらけ出すことができなかったのに、ユイは弱さをそのまま表出できたということだからだ。そして、ユイが更生できたのは地元の人々のおかげだと言って感謝した。

よしえはもう一度北三陸で暮らしたいという希望を述べた。家族や地元の人々に許してもらえないとしても、もう一度家族と共に暮らしたいのだという。たとえ元通りにならなくても、家においてほしいと言って頭を下げた。それを聞いた功はよしえを受け入れることにした。功によれば、全てが1年前とは変わってしまったという。功は病気で倒れ、ユイはアイドルの夢を捨て、ヒロシは一家の中心として成長した。あらゆるものが変わってしまったが、功は今の状態を良い状態だと思っていると話した。1年前の家族とはすっかり変わってしまったのだから、よしえも以前のような良妻賢母である必要もないのだ。それに、功は自分の面倒を看るのはヒロシよりもよしえの方がいいと言って笑わせた。こうしてよしえは赦された。

よしえと功の話の途中で、夏(宮本信子)はいつの間にか姿を消していた。長旅で疲れたと言って帰宅したのだ。夏は、駅の待合室に佇んでいたユイに荷物を運ぶのを手伝わせた。家に着くと、夏はユイによしえのことをどう思うか尋ねた。ユイは、複雑な思いであったが、思わず抱きつきたいと思ったと答えた。自制心が働いて抱きつくことはしなかったが、自分が所詮子どもであり母を恋しく思っていたのだと自覚したという。

話しているうちに夏は眠ってしまった。夏はいつもの癖で、目を開けたまま眠っていた。その姿を初めて見るユイは、夏に異変が起きたのかと思って驚いた。慌ててアキに電話をかけた。アキから説明を受けて、ユイは安心した。

その電話で、アキは足立家の再結成を祝福した。それと同じように、アキとユイの潮騒のメモリーズも再結成したいと話した。ユイはもうすぐ二十歳になるのだから年齢的に無理だと答えた。しかし、アキは自分も同い年であることを指摘すると共に、ユイはみんなのアイドルだからいくつになっても大丈夫だと励ますのだった。

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