NHK『あまちゃん』第70回

アリスのベスト盤を借りてきて、近くで「チャンピオン」を聞きながら~の当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第70回めの放送を見ましたよ。
2013-06-20 07.45.44

* * *

第12週「おら、東京さ行くだ!」

上京してアイドルになりたいと言うアキ(能年玲奈)に対して、春子(小泉今日子)はそれを絶対に認める気になれなかった。自宅2階の部屋でふたりっきりで話し合った。

その部屋は、春子がアイドルに憧れていた頃のまま残されており、春子がその思い出をアキに語った部屋でもある。アキはそこで春子から話を聞いたのが楽しかったと話した。一方の春子は、自分がおかしなことを話したせいでアキがおかしくなったのではないかと後悔していた。

春子は、アイドルを目指すといつか必ず後悔する時がくると話した。春子はアキの上京に反対しているわけではない。韓流スターの追っかけやガールズバーの店員として東京に行ってもいい。しかし、アイドルになるのだけは絶対にいけないと言うのだ。女の子の純粋な気持ちは欲にまみれた大人たちによって弄ばれ、消費されるだけだからだ。本人が不幸になり、心が折れても、手のひらを返したように誰も助けてくれなくなる。アキがそうなるのを見ていられないというのが春子の意見だった。

アキは、それでも挑戦してみたいと強く訴えた。そして、アイドルになりたいと思ったきっかけは、春子の歌を聞いた時だという。オリジナルの「潮騒のメモリー」を聞き、映画も見て、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)にも憧れた。しかし、アキにとっては春子の歌の方がかっこ良く思うし、そちらの方を気に入っているのだと言う。

それに加えて、自分はまだ春子のように上手には歌えないが、歌うことが楽しいと話した。お座敷列車や海女カフェで歌った時、客の心を動かしたという手応えを感じた。今後は、もっと多くの人に感動を届けたいと言うのだ。自分一人ではなく、ユイ(橋本愛)と一緒ならば上手くいくだろうという自信を語った。

アキの話を聞いているうちに、春子は混乱してきた。若かった頃の自分(有村架純)がオーデション番組に出演し、楽しく歌っていた時のことを思い出した。アキになんと話をすればいいのかわからなくなってしまった。アキを部屋に残し、夏(宮本信子)と相談することにした。

春子は、布団に入っている夏に話しかけた。しかし、夏は寝たふりをしていて答えなかった。春子は腹を立てた。25年前の家出前夜も、夏は同じように寝たふりをして春子の話を聞こうとしなかった。その時とまったく同じ様子に晴子は腹を立てた。春子が立ち去ろうとすると、夏はやっと体を起こした。そして、真剣な表情で春子に話し始めた。

夏は、アキのしたいようにさせてやればいいという意見だった。それに対して、春子はますます腹を立てた。春子が上京してアイドルになりたいと言った時には頭ごなしに否定されたのに、アキに対しては甘く、彼女を守ろうとするからだ。

夏は春子に深く謝罪した。夏は春子を突き放してしまったことをずっと後悔していたのだという。母親として、春子の希望を叶えさせてやりたいと思ってはいた。しかし同時に、海女クラブの会長として、地域の活性化に貢献しなくてはならないという義務感も抱えていた。だから、春子を高校生海女として観光の目玉にしたいという地域の希望を受け入れざるを得なかったのだという。あの時、欲深い大人たちから春子を守ってやるべきだったと、ずっと後悔しているのだと言って、夏は謝った。

初めて夏の本心を聞き、春子は心を打たれた。晴子は、25年間のわだかまりの原因は夏が一度も謝らなかったことだと気づいた。それが今実現し、春子と夏はすっきりと和解した。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第69回

ちょうど20年前、僕が通っていた予備校でバレーボール大会が開かれ、生徒は好きな仲間とチームを作り、それぞれがチーム紹介ビラを作ったわけだが、予備校の中でもみんなの注目を集めるカワイコちゃん6人が集まって一つのチームを作ったというだけで大きな話題だったのだが、彼女らのチーム名がアメフトの49ersをもじって “69ers” だったことでたいへんな衝撃が走ったことを思い出す当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第69回めの放送を見ましたよ。

* * *

第12週「おら、東京さ行くだ!」

アキ(能年玲奈)の決意に心を動かされた海女クラブの面々は、彼女の上京を応援するために観光協会に乗り込んだ。しかし、町の大人たちは、自分たちの利益ばかり追って、アキやユイ(橋本愛)を手放そうとしない。

ユイの父・功(平泉成)は多少の理解はあるものの、ユイに高校だけは卒業させたいと考えている。プロデューサーの荒巻(古田新太)からは夏休みの間に上京するように言われており、ユイはそれでは間に合わないと考えている。

春子は、頑なにアキの上京を拒んでいる。アキを利用して食い物にしようとしている大人は北三陸だけではなく、芸能界にもたくさんいる。アキがアイドルを目指せば、そういう大人たちに利用され、彼女が傷つくのが目に見えているからだ。

夏(宮本信子)は、大人たちが揃って自分の都合を押し付けていることで怒りを露わにした。アキとユイのおかげで町が盛り上がったのだから、このあたりでふたりに恩返しするのが筋であると主張した。強欲な大人たちの犠牲にせず、若者たちの夢を応援すべきだと訴えた。

夏の主張に、食ってかかったのは春子だ。高校時代の春子がアイドルになりたいと言った時には少しも応援せず、春子を観光海女として利用しようとする大人たちから守ってくれなかった。その事件を引き合いに出し、夏をやり込めようとした。春子と夏の対立は解消されず、話し合いはそこで終わった。

最後に、アキは自分を応援してくれる海女クラブに礼を言った。北三陸市に移り住んでよかったこと、地元の人々に出会えてよかったこと、みんなから叱られたり可愛がられたりしたことの感謝を述べた。そして、自分は大きく成長したと話した。今では心強い仲間であるユイもいる。だから東京に行っても心配はいらないと話すのだった。

その日の夜、スナック梨明日に集まった大人たちは、たくましくなったアキに感心していた。春子でさえ、アキの成長についてみんなに感謝した。しかし、春子はアキの上京を認める気にはなっていなかった。スナックの仕事を途中で切り上げ、家でアキを説得するつもりでいた。

春子がスナックを出て帰ろうとした時、いつのまにか水口(松田龍平)が店にいることに気づいた。水口は、オーディション無しでアキとユイを正式に事務所の所属アイドルにしたいと申し出た。事務所社長の荒巻が「海女~ソニック」の映像を見て、ふたりのパフォーマンスと観客の盛り上がりに感銘を受けたのだという。荒巻は、地元アイドルを集めたユニットGMT47を作ることを計画しており、すでに全国に16の地元アイドルグループを公認している。その一員にアキとユイの潮騒のメモリーズを加えたいというのだ。すぐにでも上京させてレッスンを受けさせたいというのだ。

春子は水口のことを一切信頼しておらず、怒りを露わにした。これから家に帰ってアキを説得するつもりであり、絶対に東京には行かせないと啖呵を切るのだった。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第68回

昨日の昼は、社内の某おっさんと2人で車に乗ってラーメンを食べに行ったのだが、道中ではエロ話ばっかりしており(主に、某おっさんが)、このままでは邪淫の罪で地獄に堕ちるだろう(主に、某おっさんが)と思っていたところ、さらに悪いことに、どこに潜んでいたのか車内に大きな蜘蛛が現れ、虫が苦手なふたりなのでたいそうパニックになったわけだが、車を路肩に停め、なんとか蜘蛛を殺さずに外へ追い立てることに成功したわけで(主に、某おっさんが)、主に某おっさんが地獄に落ちた場合にはお釈迦様がこの日の善行を思い出して彼を救ってくれるといいなあ、たとえエロ話しかしないおっさんでも、などと願う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第68回めの放送を見ましたよ。

* * *

第12週「おら、東京さ行くだ!」

アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)の家出は、誤ってローカルバスに乗ってしまったことで失敗に終わった。ふたりは個別に大人たちに呼ばれ、事情を聞かれた。

ユイは観光協会に呼ばれ、大人たちに説教された。大吉(杉本哲太)によれば、今では北三陸鉄道の乗客の7割が観光客だという。彼らが来なくなると大きな損失となるのだ。長内(でんでん)が代表の漁協は、海女カフェ開業のために銀行から2,000万円の融資を受けた。その返済が滞ることをひどく心配している。観光協会長の菅原(吹越満)も観光収入の激減を見逃すことができない。大人たちはみな金に目が眩み、アキとユイに依存しているのだ。

しかし、ユイも負けてはいなかった。自分たちがいなくなれば一時的に観光客は減るかもしれないが、その分以上を東京で北三陸市をPRして取り戻すと言うのだ。方言を話すアイドルとなり、名物のまめぶ汁とウニ丼を売り込み、「じぇじぇ(‘ j ’)/」を流行語大賞にする意気込みだという。東京で宣伝をすれば、全国に北三陸の名が知れ渡り、むしろ効果的だと主張した。大人たちは、その計画に圧倒され、反論できなくなった。

春子(小泉今日子)は率先してユイの計画を評価し、ユイの東京行きを応援することとした。ただし、アキを巻き込まないようにと釘を差した。東京では暗かったアキは、やっと北三陸で明るい子になった。東京に戻って元の木阿弥になることを心配しているのだ。

その頃、アキは海女クラブの面々に事情を聞かれていた。アキと春子を一緒にすると喧嘩になることを考慮し、海女たちが敢えてふたりを引き離したのだ。

夏(宮本信子)はアキを叱った。第一に、観光海女業の要であるアキが上京することによる損失を指摘した。続いて、海女同士の信頼関係について諭した。海では危険と隣り合わせであり、海女は互いの信頼によって成り立っている。アキがその信頼を一方的に裏切ったと言うのだ。

アキは自分がアイドルになりたいのだということを説明した。敏腕プロデューサー荒巻(古田新太)に直接声をかけられ、大きなチャンスが目の前にあるのだと話した。海女はいつでもなることができるが、アイドルになるには若い今しかチャンスが無いのだと訴えた。また、祖父・忠兵衛(蟹江敬三)の言葉を引用した。いろいろな土地を見ても、北三陸が一番いい場所だとわかる。そのことを確認し、地元の人々に伝えるために故郷を出て行くのだ(第32回)。自分もそれに倣って、東京に行きたいと訴えた。

その訴えに、海女の面々は態度を軟化させた。夏もアキの考えを認め、東京行きを後押しすることに決めた。その決定を伝えるため、アキと海女たちは観光協会へ向かった。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第67回

昨日午後から今朝にかけて、『サヨナライツカ』→『八重の桜』→『純情きらり』と連続して西島秀俊を見てしまい、お腹いっぱい気味の当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第67回めの放送を見ましたよ。

* * *

第12週「おら、東京さ行くだ!」

敏腕プロデューサー荒巻(古田新太)から誘われたこと、そして春子(小泉今日子)への反発から、アキ(能年玲奈)は家出してユイ(橋本愛)と一緒に東京へ行くことにした。北三陸駅前を21時に出発する深夜バスに乗ることにした。

しかし、大人たちはふたりの家出を警戒していた。特に、ヒロシ(小池徹平)は観光協会の事務所の窓から、オペラグラスで駅前広場をずっと見張っていた。その姿に気づいたふたりは、駅舎の物陰に潜んでバスの時刻を待った。

待っている間、アキとユイは東京について話をした。実は、アキが転校してくる前、高校の修学旅行は東京だったという。しかし、ユイは風呂で骨折したせいで行くことができなかった。けれども、ユイはかえってそれでよかったのだという。東京はユイにとって特別な場所であり、田舎者集団の一員となって行くべきところではないからだと説明した。

一方、アキは東京に行けば自分は別人になってしまうと話した。方言も使わないどころか口数も少なくなり、食が細くなる。ネガティブな詩を書いたり、木や草花に話しかける変な子になると説明した。

そんな話をしていると、スナック梨明日からトイレに向かう途中の勉(塩見三省)に見つかってしまった。ユイは慌てず、みんなには黙っているようにジェスチャーで伝えた。すると勉は動転しつつも、黙って店に戻った。

アキとユイは、駅舎に隠れているのも潮時だと思った。しかも、20時55分となり、バス出発の5分前だ。ふたりはバス停に向かうことにした。しかし、観光協会の窓からは相変わらずヒロシが見張っている。彼がいる限り、ふたりはバスにのることができない。

アキは機転を利かせて、ヒロシに電話をかけた。自分は家にいると嘘をついた上、東京などには行かず、ずっと北三陸市に居続けたいと感情的に訴えた。アキが激しく悩んでいると思い込んだヒロシは、アキの家に急行しようと窓から離れた。それで監視が解けたのだ。

梨明日にいた大吉(杉本哲太)は、どうも勉の様子がおかしいことに気づき、駅舎の中を点検した。ほぼ同時に、夏(宮本信子)から電話があり、アキの姿が見えないという。ふたりが家出を決行したらしいことが知れ渡り、騒ぎになった。

アキとユイは間一髪、駅舎を脱出することに成功していた。そして、出発間際のバスにうまく乗り込むことができた。自分たちの首尾に大喜びするふたりであった。

しかし、慌てていたアキとユイはバスを乗り間違えてしまった。ふたりが乗り込んだのは、袖が浜行きのローカルバスだった。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第66回

昨夜は横浜駅西口で飲んでいて、帰宅したのが1:30過ぎだったため、めちゃめちゃ眠いし、全身が怠くてクラクラしているのだけれど、「鳥良の名物・手羽先唐揚は甘口/中辛/大辛が選べるけれど、中辛ですでにかなりしょっぱいので気をつけろ」と忠告する当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第66回めの放送を見ましたよ。

* * *

第11週「おら、アイドルになりてぇ!」

約束を破ってアイドル活動をしたことを春子(小泉今日子)に頭ごなしに叱られた。アキ(能年玲奈)は生まれて初めて春子に反発し、激しい口論の末、家を飛び出した。

アキがユイ(橋本愛)と一緒にいるところへ、有名プロデューサーの荒巻(古田新太)から電話がかかってきた。ふたりの映像を見た荒巻は、アキとユイに東京へ来るよう誘ったのだ。

アキは迷った。大親友であるユイの夢を実現するためには、アキも一緒にアイドルとなって協力することが近道である。そして、アキ自身もアイドル活動から得られる高揚感に魅せられていた。しかし、大嫌いな東京に行くことは避けたかった。東京に行くと、ダサくて暗かった昔の自分を思い出してしまうからだ。一方で、いつまでも過去から目を背け続けるわけにもいかず、克服する必要もあると思うのだった。それは、一度は故郷や過去を捨てた春子が、北三陸市に帰ってきて過去を克服したのと同じことである。

アキは返事を保留し、家へ帰った。翌日も春子との対立は続き、一緒に朝食を摂りながらも互いに罵り合う程だった。東京行きやアイドルになることについて、アキは春子やユイに相談することを避けた。より中立的な立場にあるヒロシ(小池徹平)に相談を持ちかけた。ヒロシも大学卒業後に2ヶ月だけ東京で働き、挫折して帰ってきた過去がある。東京に対するコンプレックスを共有しているため、話やすかったのだ。アキは東京で過去の自分と決別したいと話したが、そこでは結論は出なかった。

ヒロシは親身にアキの話を聞いてやったが、裏では大吉(東出昌大)らに情報を漏らした。アキとユイが東京へ家出するかもしれないと伝え、大人たちは警戒することとした。ただし、ヒロシの見立てでは、まだ具体的な家出計画は固まっていないようだった。まさかその日の夜に家出することはないだろうと気を緩めた。

ところが、ユイはその日の夜に家出することを決めていた。今夜21時に、北三陸駅前から東京へ向かう深夜バスで旅立つというのだ。大人たちの目を欺くため、現金以外の荷物は一切持たず、かなりの軽装だった。北鉄の最終列車が出る19:30以降は駅前の人出も激減する。21時のバス時刻まで身を潜めて見つからなければ脱出成功だという。ユイはすでにチケットを2枚準備しており、そのうち1枚をアキに手渡した。

心の準備のできていなかったアキはひどく驚いた。しかし、それで踏ん切りが付き、ユイと一緒に東京へ行くことを決めた。ただし、アキは夏(宮本信子)にだけは一目会ってから旅立ちたいと思った。一度ユイと別れ、帰宅した。

アキが帰宅すると、夏は居間で居眠りをしていた。アキの物音で目を覚ました夏は、夕食の準備をしようとした。しかし、アキはそれを止め、あまりのウニ丼で済ませることにした。夏は再び横になり、アキが発案した海女カフェのおかげで客が殺到し、大繁盛だと嬉しそうに話した。

アキは北三陸に来てからの1年1ヶ月のことを思い出していた。そして今夜、いよいよこの地を去る。アキは夏に背を向け、半べそを書きながらウニ丼をかっこんだ。夏はいつの間にか再び眠っていた。アキは静かに家を出た。北三陸駅に向かう最終列車の中で、ウニ丼をもう一つ食べた。今度は涙を流し、嗚咽を漏らしながら食べるのだった。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第65回

毎朝通っているコンビニのカワイコちゃん店員さんとは事務的な会話以外は交わしたことがないのだが、最近「いつもありがとうございます(にこっ)」と言われるようになり、自分の顔を覚えてくれて特別な挨拶をしてくれるようになったのだと喜んでいたのだけれど、先日同じチェーンの他店舗に行ったところ、初対面の店員さんにも「いつもありがとうございます(にこっ)」と言われてしまい、どうやらTポイントカードを提示した時のマニュアル対応らしいと判明し、軽い傷心状態にある当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第65回めの放送を見ましたよ。


* * *

第11週「おら、アイドルになりてぇ!」

アキ(能年玲奈)はステージで歌うことを春子(小泉今日子)に秘密にしていた。しかし、予想外にも春子が海女カフェにやって来た。

アキとユイ(橋本愛)の歌が終わると、春子はステージに上がってきた。春子は、大勢の観客が見ているにも関わらず、アキの顔に張り手した。お座敷列車を最後にアイドル活動は辞めるという約束を破ったことを責めたのだ。さらに、客席に向かって啖呵を切った。自分の大事な娘が、男たちの好奇の目に晒されることに耐えられないと言うのだ。アキには普通の高校生活を送らせるつもりだから、ちやほやしないで欲しいと告げた。

公衆の面前で一方的に責められたことで、アキは生まれて初めて春子に反発した。アキと春子の言い争いはエスカレートしそうになったが、夏(宮本信子)が仲裁し、家に戻って話し合いをすることになった。

ところが、家に戻ってもアキと春子の対立は少しも収まらなかった。ユイは、自分を引きこもり生活から抜けださせるために、アキがステージを企画してくれたのだと弁護した。しかし、それは春子に一蹴された。その理由ならば、ユイだけがステージに上がればよく、アキは必要ないからだ。

ついにアキは本心を話し始めた。アキは、人を喜ばせることが気持ちいいと話した。お座敷列車で経験した、客の笑顔と声援が忘れられないという。考えてみれば、海女の仕事も同じだという。海に潜ってウニを獲り、それをその場で客に食べさせると喜んでもらえる。客が元気になって帰っていく姿を見ることが何よりの喜びなのだ。アキにとって、海女もアイドルもサービス業であるという点では同じだと言うのだ。だから、その2つを併せた、歌って潜れるアイドル海女になりたいと希望を述べた。

その話に春子はますます腹を立てた。アキの頬を再び殴り、汚い言葉で罵った。アキは泣きながらも、激しい言葉で口答えした。そして、家を飛び出してしまった。

春子や夏は、アキがアイドルになりたいと言っていたことに心当たりがあった。このところ、映画『潮騒のメモリー』ばかり見ており、印象的なシーンを何度も見返し、台詞の練習もしている姿を見ていたからだ。夏に向かって、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)のような女優になりたいとも言っていた(第63回)。

ユイは家を飛び出したアキを慰めていた。人を元気にしたいというアキの考えを受け、ユイは一緒にアイドルになることを誘った。一緒に東京でアイドルになろうと言うのだ。しかし、アキは東京にだけは行きたくないと答えた。東京にはいい思い出がないし、友だちもいない。「東京」という言葉を聞いただけも足が震えるほど、東京のことが嫌いだと話した。

その時、アキのケータイに水口(松田龍平)から電話がかかってきた。今日のステージの模様がすでに動画共有サイトにアップされており、プロデューサーの荒巻(古田新太)と一緒に見ているのだという。すぐに荒巻が電話口で話し始めた。今は夏休みだから東京に出てこないかという誘いだった。

アキが生まれて初めて春子に反発した夜、東京から誘いの電話がかかって来た。アキの心は乱れるのだった。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第64回

flumpoolというバンドの名前は見聞きしたことはあるものの曲は一つも聞いたことがないのだが、ギター担当メンバーで立ち位置が右側の阪井一生が太り過ぎでダイエットに専念することとなり、これまたコンビ名を見聞きしたことがあるという程度の知識しか持っていない漫才コンビNON STYLEの井上裕介の顔がそっくりだという理由で代役を務めることになったという話(flumpool阪井一生はギタリストに復帰できるのか!?)を知り、そのアホらしいまでの話題作りに笑いの止まらくなった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第64回めの放送を見ましたよ。

* * *

第11週「おら、アイドルになりてぇ!」

海女カフェでのイベント「海女~ソニック」まで1週間と迫った。ユイ(橋本愛)もやる気を取り戻し、熱心にリハーサルへ参加した。

一方、ユイと一緒にステージに上るアキ(能年玲奈)はそのことを春子(小泉今日子)に知らせないままでいた。話すと反対されるに決まっているからだ。

ところが、そうとは知らない大吉(杉本哲太)らがうっかり春子に漏らしてしまった。春子は逆上した。

いよいよ本番当日となった。アキとユイの潮騒のメモリーズが1日限りの復活ということで、大勢のファンたちが集まった。大盛り上がりでイベントが始まった。会場からのテレビ生中継も行われ、その様子は春子も見ていた。

アキとユイは楽屋で話をしていた。ふたりは本番前の緊張感と高揚感でいっぱいだった。アキはその感情を心地よく感じ、やみつきになりそうだった。アイドルになれば毎日のように高揚感を得ることができる。アキは、アイドルになるユイを羨ましく思うのだった。

アキとユイのステージが始まった。3月のお座敷列車以来の歌と踊りだったが、ふたりは息もぴったりに演じることができた。

歌い終え、最後の決めポーズの時に、アキは春子が会場に来ているのを見つけた。それを見たアキは驚きのあまり凍りついてしまった。春子は人垣をかき分け、ステージへと歩み寄った。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第63回

9月27日に本作のBlu-ray/DVDボックス第1セットが発売されることを知った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第63回めの放送を見ましたよ。

* * *

第11週「おら、アイドルになりてぇ!」

アキ(能年玲奈)は、部屋に閉じこもってばかりのユイ(橋本愛)を外に連れ出し、元気を出させるために、イベント「海女~ソニック」を企画した。海女たちのフェスティバルを行い、その中でアキとユイが海女カフェのステージで歌と踊りを披露するというものだ。アキと一緒なら、ユイも楽しくステージに上るだろうと考えたからだ。

アキの芸能活動は春子(小泉今日子)によって禁じられている。アキは春子に許可を取ろうとしたが、なんとなく言いそびれてしまった。春子の許しを得ないまま、「海女~ソニック」の準備は着々と進められていった。

アキはユイの説得にあたった。彼女を海女カフェのステージに連れてきて、一緒に歌おうと誘った。しかし、やる気を無くしてしまったユイは一度はそれを断る。夏(宮本信子)やかつ枝(木野花)、ヒロシ(小池徹平)も現れ、それぞれがユイに話しかけた。アキは、みんなを元気にするのがアイドルの仕事なのに、ユイはその使命を投げ出していると指摘した。夏は、自分自身を元気づけるため、自分のために歌えと励ました。かつ枝は、地元で絶大な人気が出るように努力し、自ら東京へ行かなくても、向こうから頭を下げて来るのを待てと発破をかけた。ヒロシは、ユイが元気を取り戻すためにみんなが協力していることを無駄にするなと叱った。

彼らの話を聞きながら、ユイは水口(松田龍平)の言葉も思い出していた。ユイが本気でアイドルになりたがっているという覚悟を見せなければ、夢は実現しないと言われたのだ。ユイはここで逃げていては、アイドルになれないと思った。それで、「海女~ソニック」に出演することを承諾した。

同じ頃、アキは春子が吉田(荒川良々)から借りてきた『潮騒のメモリー』のビデオを見た。アキは主演・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の演技に感動し、自分も映画女優になりたいと思うのだった。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第62回

昨夜は『鶴瓶の家族に乾杯』の小泉今日子が岩手県久慈市に行くやつ(再放送は来週月曜10:05-)を見た当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第62回めの放送を見ましたよ。

* * *

第11週「おら、アイドルになりてぇ!」

8月2日、ユイ(橋本愛)はローカル情報番組のレギュラーも休演し、部屋に閉じこもってばかりいた。アキ(能年玲奈)が会いに行っても、ユイは顔を見せようとはしなかった。

ユイの母・よしえ(八木亜希子)は、今はユイのやりたいようにさせているのだとアキに話した。ユイは田舎を毛嫌いしているが、東京の厳しさもわかっていない。ユイが東京に行けば、多かれ少なかれ挫折を味わうだろうと予想している。よしえは、そうして傷ついて帰ってきたユイを暖かく迎え入れている用意はできていると話した。アキは、よしえの優しさに感じ入った。

ユイは、アキとよしえのやり取りを盗み聞きしていた。話の途中で割って入り、アキを自分の部屋に招き入れた。そして、よしえの言っていることは全て嘘だと切り捨てるのだった。

ユイの部屋には、自分やアキの新聞記事の他、他地域の御当地アイドルの紹介記事が多数張られていた。ユイは部屋に閉じこもって、ライバルたちの情報を集めてばかりいたのだ。ユイは、新たにできたGMT47のホームページをアキに見せた。47都道府県からそれぞれアイドルを発掘し、すでに枠が埋まったところは地図が赤く塗られる。すでに宮城県、埼玉県、徳島県、福岡県は枠が埋まっていた。ユイはそれを見て焦っているのだった。本来なら、水口(松田龍平)と一緒に東京へ行ってオーディションを受け、今頃は岩手県に自分の名前が記載されているはずだった。それができなかったため、いつ岩手県が他の少女に奪われるかと気が気じゃないのだ。

アキは観光協会でユイの現状を相談した。彼女を家から誘い出し、何か気晴らしをさせる必要があるというのだ。たまたま居合わせたテレビ局ディレクターの池田(野間口徹)は、ユイの代役でアキにテレビに出て欲しいと願い出た。もしくは、海女カフェのステージでユイと一緒に歌うイベントを企画してはどうかと提案した。アキも、自分が楽しくやっている姿をユイに見せることができれば彼女の気も晴れるだろうと考えた。しかし、自分が芸能活動をすることは春子(小泉今日子)が絶対に許さないだろうと想像された。

そこでアキは、海女クラブに協力を求めることにした。海女たちの祭りを新たに立ち上げ、海女たちの元気な様子を見せればユイも勇気づけられ、元気を取り戻すだろうという算段だ。海女たちは賛同し、花巻(伊勢志摩)が「海女ソニック」というタイトルを考え、企画が動き始めた。

* * *

続きを読む

NHK『あまちゃん』第61回

明日(11日)23:45よりBSプレミアムで放送される『洋楽倶楽部』はマイケル・ジャクソン特集であることを知った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第61回めの放送を見ましたよ。

* * *

第11週「おら、アイドルになりてぇ!」

ユイ(橋本愛)と水口(松田龍平)は夜中に家出を企てたが露見し、町の人々に見つかり、計画は失敗に終わった。皆に問い詰められ、水口は自分が芸能プロダクションのスカウトマンであることやユイを東京に連れて行くつもりだったことを白状した。

水口の開き直った態度を目の当たりにし、春子(小泉今日子)や大吉(杉本哲太)は怒りにかられた。田舎の人々なら御しやすいだろうと騙し続けてきたことや、町興しの救世主であるユイを勝手に連れだそうとしたことを口汚く罵った。水口は黙ってそれを聞いているだけだった。

その時、ユイが初めて口を開いた。町の人々は誰も自分の気持ちを考えてくれないというのだ。自分は東京に行き、アイドルになりたいのに、大人たちは自分たちの都合を優先してばかりだ。これ以上、町のために犠牲になりたくないと吐き捨てて、飛び出してしまった。それからというもの、ユイは自宅の部屋に閉じこもって外に出ようとしなくなってしまった。

町の人々は、これまでのユイに対する態度を反省した。大吉と春子には、25年前に春子(有村架純)がアイドルを目指して家出した時の様子とユイが重なって見え、特に深く心を痛めた。ただし、だからといって、すぐにユイの希望を叶えてやろうとする者はいなかった。

翌日、アキ(能年玲奈)と水口はユイの家を訪れた。部屋から出てこないユイに対して、ドアの外から呼びかけた。水口は、ユイが両親とよく話し合い、高校だけは卒業することを話しかけた。自分は東京に帰り、ユイが上京する準備を整えておくと約束した。

いよいよ水口が北三陸鉄道で東京へ出発する段となった。一度は喫茶リアスで町の人々と仲良くなった水口であったが、彼を見送る者はいなかった。唯一、琥珀堀りの勉(塩見三省)だけが駅に来ていた。水口はスカウトマンであることを白状した時、琥珀には全く興味がないと話した。勉の弟子になったのも、単に町の人々に近づく手段に過ぎなかった。自分が利用されていただけにも関わらず、勉は水口に餞別として琥珀片を渡した。琥珀は単に樹液が固まったものだ。その原石を磨くことで、やっと宝石としての価値がでる。スカウトマンとしての水口の仕事も同じで、アイドルの原石をしっかりと磨いて宝石に仕立てることこそが使命だと言葉を送った。

発車時間が迫ると、美寿々(美保純)が駅舎に飛び込んできた。水口に惚れていて、人一倍傷ついた美須々なので見送りには来ないはずだった。水口は騙したことに復讐されるのではないかと後ずさった。けれども美須々は間合いを詰め、水口に抱きついた。美須々は、若い頃ならこのまま水口に付いていって駆け落ちするところだが、もう振り切れたという。

水口は美須々の気風の良さに惚れ惚れした。そして、列車で旅立っていった。ただし、勉から貰った琥珀片は置き忘れていった。勉はひどくがっかりした。

* * *

続きを読む