最近、体質が変わったらしく、エビよりも鶏もも肉の方がビンっと来るようになった気のする当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の第23回めの放送を見ましたよ。
百音(清原果耶)は森林組合で新規事業を立ち上げることを命じられた。現在ほとんど活用されていない広葉樹の木材で利益を生むことが使命である。
小学校に出かけた時、机が壊れてしまって子どもたちが騒いでいた。それを見た百音は広葉樹で学校向けに学習机を制作することを思いついた。
組合の職員たちに相談したところ、良い手応えを得た。
広葉樹は硬い木材であり、机に向いている。それに加えて、現在の机は30年ほど使われており、そろそろ更改時期である。タイミングが良い。さらに、行政は地元の材料で学習用品を作ることを推進しており、それに対して補助金も出る。大手メーカーにも対抗できる製品ができるかもしれない。
みんなの賛成を得て、学習机プロジェクトを進めることとなった。
百音は、課長・佐々木(浜野謙太)と共に木材サンプルの確認のために山に入った。そこで伐採の棟梁・熊谷(山本亨)に会った。彼は寡黙な男であり、百音は面食らった。しかし、彼は山のことを知り尽くしており、どこにどんな樹木が生えているか全て頭に入っていた。
熊谷は、学習机に向いた広葉樹の生えている方向を指差して説明した。そして、今日の下見は中止にすると言い出した。その付近は谷が深く、この後雨が降ると予想されると言うのだ。
百音は空に雲はないのに、なぜ雨が降ると言えるのか尋ねた。すると熊谷は、山の雲は下から来るからだとぶっきらぼうに答えるのみだった。百音にはよくわからなかった。
その夜、百音は本屋で絵本を買ってきた。小学校で見かけた『てんきのふしぎ』という子供向けの絵本である。菅波(坂口健太郎)から絵本や漫画で勉強するべきだと言われていたことが頭に残っていたのだ。子供向けの絵本を読んでいるところを人に見られると恥ずかしいので、百音は組合併設のカフェでこっそりと読むことにした。夜で従業員も帰宅し、無人になっていたからだ。
その絵本には、太陽の熱などで空気は温められて登っていき、上空で冷やされた空気から水滴や氷の粒が発生し雲になり、やがて雨を降らせるなどと書いてあった。百音は気象予報士のテキストブックで同じ箇所を確認した。しかし、まったくチンプンカンプンだった。
そこへ、菅波がカフェに忘れ物を取りに現れた。百音はとっさに絵本を隠そうとしたが、すぐに見つかってしまった。観念して、菅波に言われたとおりに絵本で勉強を始めたと打ち明けた。そして、やはり空気が上空に行くと雨粒になる仕組みがわからないと正直に話した。
菅波は、ノートに図を書いて飽和水蒸気量の説明をしてくれた。目に見えなくても空気には水蒸気が含まれているが、気温によって取り込める水蒸気の量が異なる。気温が高いとたくさん水蒸気を取り込めるが、気温が低いとその量は少なくなる。取り込めなくなった水蒸気は水滴として出てくるのだと説明した。
まだ不可解な顔をしている百音の目の前に、菅波は氷を入れたコップを置いてデモンストレーションした。しばらく待っていると、コップの外側に水滴が発生した。先の説明と同じように、コップの周辺の空気が氷によって冷やされ、取り込めなくなった水蒸気が水滴として出てきたのだと説明した。
百音は少し理解が進んだような気がした。
そこまで説明すると、菅波は立ち去った。去り際、次回は雲のできる仕組みについて勉強しようと言った。
そんな話はしていないのに、いつの間にか定期的に勉強を教えてくれることになっていた。百音は驚いた。