NHK『あんぱん』第5回

日付が変わる前に片付いて良かったと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第5回めをNHK+で見ましたよ。

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第1週『人間なんてさみしいね』

父・結太郎(加瀬亮)が出張中に心臓発作で亡くなった。
突然のことで朝田家は暗く沈み込んだ。彼を産んだくら(浅田美代子)は眠れなくなり、ものも食べることができなくなって憔悴してしまった。

父のことが大好きだったのぶ(永瀬ゆずな)も塞ぎ込んでしまった。しかし、のぶはどんなに悲しくても泣くことができず、一粒の涙も流さなかった。
いつも町中を走り回っているのぶであるが、学校の行き帰りも力なくよろよろと歩くばかりだった。何も知らない屋村(阿部サダヲ)が明るく声をかけても返事をしなかった。

屋村は嵩(木村優来)から話を聞いて、やっと事情を知った。
そして屋村は嵩と一緒に、偶然のぶと結太郎の最期の別れを目撃していたことを思い出した。乗車料が足りなくて乗ることはできなかったのだが、屋村は新しい町へ行くつもりで駅に向かったことがあり、嵩も見送りのつもりで付いてきた。そのときに、のぶが出張に出かける結太郎を見送りに来ているのを見ているのだ。
親子仲の良い様子で、結太郎は自分の被っていた帽子を置き土産代わりにのぶに被せていた。そのふたりの姿をよく覚えている屋村はのぶに同情した。

話の行きがかりで、屋村は崇の父のことを尋ねた。そしてそこで初めて屋村は、嵩の父も中国滞在中に病気で死んだと知った。
屋村は、人間は誰しも一人で生まれて、一人で死んでいくものだと話した。嵩やのぶの父もそうだし、こうして話している屋村自身もそうだし、当然に嵩やのぶも同じだと寂しそうに語った。

家に帰った後も、嵩はじっと一人で考え込んでいた。のぶの父のことから連想して自分の父寛(竹野内豊)を思い出して塞ぎ込んでいるのではないかと心配した養父・寛(竹野内豊)が話を聞いてみた。すると嵩は、のぶを元気づける方法を考えているのだと打ち明けた。なにか自分にできることはないかと寛に相談した。
寛は、自分は医者だがそればかりは治療法がないと告げた。時間が経って立ち直るのを待つ以外に方法はないと話した。ただし、生きているからこそ悲しみや苦しみを感じるのだと付け加えた。そして、生きてさえいればいつか元気になって笑える日が来るものだと諭した。

家で塞ぎ込んでいたのぶは、父の形見の帽子を見るとはなしに見ていた。そして、何かを思いついて駅へ向かった。
父と最期に別れた場所に行けば、ひょっこりと父が帰ってくるのではないかと思ったのだ。改札から出てくる乗客をひとりひとり確かめるように「お父ちゃん」と声をかけた。しかし、当然ながらそこに父・結太郎はいなかった。

降車客たちが全員いなくなると、嵩が近寄ってきた。彼はのぶより先に駅に来て、待合ベンチでスケッチをしていたのだ。
彼は出来上がったばかりの絵をのぶに見せた。そこには、結太郎がのぶに帽子を被せている様子が活き活きと描かれていた。

それを見たのぶは、父のことで初めて涙を流した。笑いながら涙を流した。その絵の中で今でも父が生きているように思えたからだ。

ふたりは町を歩いて帰った。ふたりを見つけた屋村は、カゴいっぱいのパンを持ってのぶの家まで付いてきた。屋村はできたばかりのアンパンを振る舞った。
それまで暗く沈み込んでいた朝田家の面々だったが、屋村のアンパンの美味しさに思わず顔がほころんだ。結太郎の死後何も食べていなかったくらもアンパンをかじって顔をほころばせた。のぶの祖父であり結太郎の父である釜次(吉田剛太郎)は、こんなうまいものを食わずに死ぬとは結太郎は馬鹿なやつだなどと軽口を言うほどだった。
結太郎の妻・羽多子(江口のりこ)は、このアンパンを食べると胸がホカホカすると感想を述べた。のぶはその意見に大いに賛成した。
もちろん、のぶにも笑顔が戻った。

朝田家の人々はホカホカのアンパンに生きる力をもらったのだった。

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NHK『あんぱん』第4回

♪ニンニキニキニキな当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第4回めを1日遅れてNHK+で見ましたよ。

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第1週『人間なんてさみしいね』

心の通じ合ったのぶ(永瀬ゆずな)と嵩(木村優来)は一緒に登校し、嵩が大好きだという校舎の物陰で一緒に弁当を食べるようになった。

ふたりが弁当を食べていると、いつものように悪ガキたちが崇の弁当をたかりに来た。嵩を守ると誓ったのぶは悪ガキたちと喧嘩をはじめ、その中の一人を突き飛ばして怪我をさせてしまった。
のぶは周囲の大人たちから「女の子は大人しくしていろ」と言われたが、納得がいかなかった。怪我をさせたのはやりすぎだとしても、弱い者いじめをする悪ガキたちがそもそも悪いと思っているからだ。
のぶは、これからも嵩を守り続けるつもりだった。

しかしその翌日、嵩本人からもう守ってほしくないと言われた。のぶから守られることは、自分が弱虫だと認めることになる上、女の子に守られているという状況が余計に惨めさを掻き立てるのだと話した。のぶは何も言えなかった。

そんな中、のぶの父・結太郎(加瀬亮)が朝鮮の平壌へ出張することになった。今度は1ヶ月程度留守にするという。名残惜しいのぶは、家族で唯一、父を駅まで見送りに行った。
父・結太郎は、子どもたちに対して「女の子も大志を抱き、夢を持て」と常々言っている。しかし、のぶはまだ明確な夢を持ってはいなかった。そのことを打ち明けると、父・結太郎は、なにも焦る必要はないと話した。ゆっくり見つけていき、見つかったら全力で追えばよいのだと助言した。のぶは納得した。

こうして、父・結太郎は汽車で旅立っていった。

それからしばらくして、結太郎の帰りが近づいた頃、医者の柳井寛(竹野内豊)が朝田家にやって来た。
帰りの船の中で結太郎が心臓発作を起こして亡くなったという。

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