「こっちが本物ですよ」と言っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第2回めをNHK+で見ましたよ。
屋村(阿部サダヲ)は大量のパンを焼いて、子どもたちに配った。その美味しさに、子どもたちは大はしゃぎだった。
その様子を見ていた大人たちも食べたくなった。しかし、屋村は、子どもには無料で食べさせるが、大人からは金を取るという。しかも、その1個10銭だという。それは、大人たちが想像していた値段の10倍だった。屋村は、本場のパンを土佐で食べられるのだから当然の価格だと言ってまったく負けようとしなかった。
渋る大人たちをかき分けて、柳井千代子(戸田菜穂)がやってきた。彼女は残ったパンを全て言い値で買うという。彼女の夫であり医者の寛(竹野内豊)はパンに目がないのだ。
柳井家には、嵩(木村優来)とその母・登美子(松嶋菜々子)が居候している。父・清(二宮和也)を亡くして身を寄せているのだ。
嵩には血の繋がった弟・千尋(中沢元紀)がいた。彼は早い時期に土佐の柳井家の養子になっていた。今回身を寄せるにあたって久しぶりの再開であったが、千尋は崇のことをあまり覚えていなかったようだ。それは嵩にとってさみしいことだった。しかも千尋はすっかりと家に溶け込んでいた。柳井家では何もかもが洋風で、その日の夕食はチキンソテーだった。嵩はナイフとフォークの扱いに苦戦したが、彼より幼い千尋は難なくこなしていた。嵩はさらに疎外感を感じるのだった。
同じ頃、のぶ(永瀬ゆずな)の家でも夕食の時間だった。のぶは昼間食べたパンがどんなに美味しいかったか家族に嬉しそうに話した。時折、手を止めてぼんやりするので、家族はのぶがパンのことで頭がいっぱいだと言って笑った。
確かにのぶはパンを食べたことで幸せな気分だった。しかし、頭の半分では崇のことが気になっていた。父を亡くして仕方なく高知へやってきた彼に向かって、東京へさっさと帰れなどと酷いことを言ってしまったことを悔いていたのだ。
翌日、嵩はやはり校舎の裏で一人で弁当を広げていた。すると、また学校の悪ガキたちが嵩を取り囲み、弁当を取り上げようとした。それを見つけたのぶは、またしても悪ガキたちを追い払った。
ただし、嵩は、その悪ガキの一人に弁当箱を持たせてやった。その子は授業中に腹を鳴らしていた。朝ご飯を食べずにひもじい思いをシていることだろうと思って譲ったのだ。
のぶは、ちょうどいい機会だと思い、東京に帰れと言ったことを取り消して謝った。それを聞いた嵩は、のぶのことを乱暴だけれど優しい人だと評した。照れたのぶは、もう助けてやらないと言い捨てて逃げていった。
屋村は町の人々から鼻つまみ者になりかけていた。うどん屋の厨房を勝手に借りてパンを焼き、柳井夫人を相手に大稼ぎしたのに、厨房の拝借料をビタ一文払わなかったという。それ以後も、特に仕事をするでもなく、昼間から釣り竿を担いで町中をぶらぶらしている。イカサマ師かならず者だというのが町の大人たちの評価だった。
屋村が人気のない川に出てみると、そこには嵩がいた。ふたりは居場所のないもの同士として意気投合した。
しばらくすると、学校帰りののぶもやってきた。
のぶは屋村のパンが美味しかったと感想を述べ、パンを焼く方法を教えてほしいと願った。しかし、屋村はきっぱりと断った。自分はあちこちを旅して、気が向いたらパンを焼くだけで、その秘訣は教えないという。
嵩は、屋村のパンと同じかそれ以上に美味しいパンを以前に食べたことがあると話した。銀座のパン屋で父が買ってきてくれたものだという。銀座がどこにあるのかわからないが、のぶはいつかそこへ行ってパンを食べたいと思った。
家に帰ると、のぶは父・結太郎(加瀬亮)に、いつか銀座で美味しいパンを腹いっぱい食べたいと同じ話をした。結太郎は、のぶは面白い子だと言って褒めた。そして、女の子も大志を抱き、夢を持つことが必要だと話して聞かせた。
結太郎自信も土佐の偉人・坂本龍馬に憧れ、彼ですら果たせなかった大きな貿易会社を作ることが夢だと話した。
その頃、嵩は、父が買ってきてくれたパンを思い出し、その時の幸せだった家族の風景を絵に描いていた。