今日の朝ごはんは、アピタ精華台店の「肉のげんさん」(三元フード株式会社)で買ったビーフコロッケ(5コ入り150円)であり、「チョーうまい、冷えてもうまい、よそでコロッケもう買うまい」と朝からラップ風につぶやいている・・・などと、3日前と同じことを書くことで読む人をデジャブに誘い込むため、本当にコロッケを食べた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第59回めの放送を見ましたよ。
「こんにちは赤ちゃん」
倒産した富田書房に債権者が集まり、資産整理の話し合いが行われた。茂(向井理)は、人々を嘲笑うかのように眺めている貧乏神(片桐仁)の姿を見つけた。貧乏神は、集まった人々を一通り見回した後、茂に目をつけてニヤリと笑うのだった。
村井家では、米と味噌がいよいよ底を付きそうである。金が無いので、日々やってくる集金人の影にも怯える日々だ。ハコベなど、道端の雑草を集めては食料にしているありさまである。
茂は自分の力で何とかしようとし、他の出版社から仕事をもらい猛烈に働くが、原稿料は安くなる一方で、ますます生活は苦しくなっていく。
ついに布美枝(松下奈緒)は、嫁入り直前に母(古手川祐子)から贈られた着物を質入するよう差し出した。この着物は、母が布美枝の結婚生活の幸せを願い、リウマチに痛む体で夜なべして縫ったものである(第17回参照。そんな事情は知らないものの、ただならぬ雰囲気を感じ、考えなおすよう勧める茂である。しかし布美枝は、自分は身重だからしばらく着ることはできない、茂は質草を一つも流したことが無い、将来きっと取り戻してくれると信じている、一時的に預かってもらうだけであり心配ない、と言い張るのだった。
そう言われて、茂も着物を質入することを決めた。品をあらためていると、和歌をしたためた髪が挟んであった。
立ち別れ 因幡の山の峰に生うる まつとし聞かば 今帰り来む
茂によれば、それは迷い猫が帰ってくるという俗信だが、布美枝はいろいろな物が早く戻ってくるおまじないだと思い込んでいたのだ。布美枝の勘違いに笑い出すふたり。雰囲気が一挙に明るくなった。
しかし茂は、布美枝からの信頼に応えるため、必ず取り戻すと、その和歌に思いを込めて決意するのだった。
布美枝の手元には、祖母(野際陽子)の形見の簪だけが残った(第8回参照)。それは、彼女の女系親族に代々伝わる、縁結びのお守りである。自分の赤ん坊の性別はまだわからないが、女の子が生まれたら引き継がなければならないと思い、手放すわけにはいかないのだった。
村井家に、税務署の職員(水橋研二、山本浩司)が調査のためにやって来た。申告所得額があまりに少ないため、申告漏れ、もしくは帳簿外の収入があるのではないかと目をつけられたのだ。初めは、自分達の貧乏な暮らしを自嘲しヘラヘラと笑っていた茂であるが、職員らの高飛車で頭ごなしの態度に腹を立た。ついに質屋の引換証の束を投げつけ、自分の貧乏暮らしを証明し、職員を追い返すのだった。
騒動が収まり、やっと落ち着いた時、茂と布美枝は家の中のただならぬ雰囲気に気づいた。貧乏神が取り憑いて、ニヤニヤと笑っているのだった。