NHK『ゲゲゲの女房』第153回

 電車すごろくからちょうど1年、そろそろ第2弾に出かけようかなと思っている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第153回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 北村(加治将樹)の頼みとは、週刊誌で鬼太郎を連載したいというものだった。現在の月刊連載に加えて、週刊連載を受け持って欲しいというのだ。茂(向井理)はその願いを受けた。
 しかし、現在のアシスタント2人体制では作業が追いつかないと茂は心配する。それを見越していた北村は、若手実力派の漫画家を何人か見繕って来ており、アシスタントに採用するよう薦めた。若くて元気のよいアシスタントが来ることに、茂は目を輝かして喜ぶのだった。

 その様子を見ていた最古参のアシスタント・菅井(柄本佑)はしょげ返ってしまった。自分にはロクな才能がないと思っている菅井は、若くて優秀なアシスタントと入れ替わりに、自分がお払い箱になるのではないかと心配だからだ。

 菅井がひとりで仕事部屋に佇んでいると、アシスタント人選をしている茂と北村から声がかかった。いよいよ解雇を告げられるのだと思い、覚悟を決めて応接室に顔を出す菅井。
 ところが、彼を待っていたのは吉報だった。菅井が漫画賞に応募していた作品が、大賞は逃したものの、審査員特別賞に選ばれたという。次回作を雑誌に掲載する機会も与えられたという。菅井は、どうせ箸にも棒にもかからないと思っていたので、みんなには秘密で応募していた。はじめて話を聞いた茂も大喜びしている。プロダクション設立から20年、唯一残った設立メンバーの躍進である。布美枝(松下奈緒)ら、茂の家族も大喜びした。

 ただし、誰も気づいていなかったが、菅井は少しも嬉しそうな顔をしなかった。
 周囲では、菅井の次回作に期待する声が高まる。そして、菅井が独立するものと決めてかかっている。彼の抜けた穴を埋める人選や、送別会の計画がどんどんと進んでいる。
 菅井は、自分の居場所がなくなりつつあることに落胆した。

 ある日、菅井から仕事を休みたいと電話連絡があった。茂は、次回作の構想を練るために集中が必要なのだろうと思い、それを許可した。思えば、菅井が欠勤するのはこれが初めてのことであった。
 その翌日、ついに菅井は無断欠勤した。電話をかけても連絡が付かなくなった。作業工程が滞りはじめ、茂らは迷惑を感じるようになった。

 その夜、行きつけの喫茶店から村井家に電話が入った。泥酔した菅井が店にやって来て、そのまま眠り込んでしまったという。迎えに行った布美枝とアシスタントの相沢(中林大樹)が介抱しようとするが、菅井はふたりを払いのけ、大きな声で騒ぎ始める。自分よりも実力のあるアシスタント候補はいくらでもいる、自分はプロダクションに不要な人間だ、奉公した20年は無駄だった、などとわめくのだった。

 落ち着いたところをプロダクションに連れ戻され、菅井は茂の説教を受けた。デビュー直前の大事な時期に、仕事を放棄して酔いつぶれるなど言語道断だと叱った。
 菅井は、自分は処女作に持てる力の全てをつぎ込んだ、あれ以上のものを描く実力が備わっていないことが自分でもわかると悲しそうに告げた。それに、自分はこれっぽっちも独立などしたくない、アシスタントとしてずっとプロダクションに勤めたいという。しかし、能力の低い自分が足手まといになっているのだとしたら、新しいアシスタントと入れ替わりに出ていくしかないと思っていると述べた。
 菅井の弱音を聞いて、茂はついに激怒した。菅井が足手まといなどというのは自己卑下的誤解であり、菅井が根気よく描く点描画が水木作品の大黒柱であると説く。茂もできることなら菅井には一生手伝って欲しいが、デビューや独立の機会を潰すわけにもいかない。ゆえに、断腸の思いで菅井を送り出すつもりだったと胸の内を明かした。
 菅井は、再度プロダクションに残る希望を述べた。その願いを受け、茂は菅井に留まってもらうことにした。

 一息ついた茂に、布美枝はコーヒーを勧めた。夫婦で、菅井と共に過ごした苦楽の20年を思い返した。布美枝は、菅井はもちろん、他のアシスタントや編集者など、多くの人々の手を借りてきた年月だったと感慨にふける。
 その言葉がヒントになって、茂はプロダクションの設立20周年謝恩パーティーを開催することを思いついた。家に入れる人数はたかが知れていると心配する布美枝を尻目に、茂はホテルの宴会場を借り切り、大勢を招待して大々的に挙行しようと張り切るのであった。

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NHK『ゲゲゲの女房』第152回

 近所のスーパーでビールとトイレットペーパーのみという情けない買い物をしていたところ、以前職場で一緒だった通称「白いスバルの女」(ちょっとベビーフェイス系美人さん。ただし既婚)に遭遇し、嬉し恥ずかしだった当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第152回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 実家に滞在する布美枝(松下奈緒)の所へ、幼なじみのチヨ子(平岩紙)が訪ねてきてくれた。久しぶりに会うふたりの間で話が弾む。
 チヨ子によれば、布美枝は小さな時から目立たない所で頑張って大きな成果をあげる人物だった。茂(向井理)の活躍を陰で支えているのは布美枝に違いないと、チヨ子は布美枝の努力を称えるのであった。

 布美枝の兄嫁の邦子(桂亜沙美)は、ふたりに茶を出すとさりげなく席をはずした。その様子を見て、チヨ子は邦子の細やかな心遣いに舌を巻いた。
 夕方、布美枝は邦子と一緒に夕飯の支度をしていた。布美枝の嫁入り前、一緒に台所仕事をしたことをふたりで懐かしむのだった。そして布美枝は、自分に代わってよく一家を守ってくれたと感謝をした。邦子は遠慮がちに答えながらも、最近あった嬉しいことを話してくれた。
 脳梗塞で倒れた源兵衛(大杉漣)の看病をしていると、彼は邦子のことを自分の娘だと言ったのだという。昔は源兵衛に叱られてばかりで泣くことも稀ではなかったが、今では「嫁」ではなく「娘」と呼んでくれる。邦子はそれが何より嬉しいのだ。

 いよいよ、布美枝が東京に帰る日となった。再度見舞いに来ると言う布美枝に対して、源兵衛は、一家の妻が軽々しく家を空けるべきではないとたしなめるのであった。その代わり、自分が元気になって調布へ遊びに行くと約束した。茂とは碁の勝負をするから、腕を磨いておくようにと言付けた。

 布美枝が帰った後、源兵衛は不自由な身体をおして、仏壇の前に座った。布美枝を心配させないよう、すぐに元気になって遊びに行くと言ったものの、それは無理であると自覚している源兵衛。母(野際陽子)と息子・貴司(星野源)の遺影を前に、自分に代わって布美枝のことを守って欲しいと麻痺した右手を一生懸命合わせて祈るのだった。

 調布に戻った布美枝は、茂に報告をした。碁の挑戦を受けた茂はやる気をかき立てるが、布美枝は父の味方をする。源兵衛は碁の有段者であり、茂に負けるはずはない、と。一度対戦しただけで、そんなことを知る由もなかった茂は、慌てるのだった。
 おどけながら源兵衛と茂の対戦について話し合うふたり。ふたりとも口には出さなかったが、もう二度と生きて源兵衛に会えないであろうことは悟っていた。

 翌年の春を迎えた。源兵衛が孫たちと一緒に見ると言っていた桜の季節がやって来た。源兵衛の状態は変わらず、もちろん約束は果たされなかった。

 幽玄社の北村(加治将樹)が水木プロダクションを訪問した。以前は茂の担当編集者だったのだが、現在は文芸誌に配属になり疎遠になっていた。ところが、鬼太郎の連載されている「漫画タンク」の編集長として漫画雑誌に復帰することとなったという。
 編集長就任の挨拶のために来たのだが、実は茂にたいへんなお願いがあるという。北村の緊張した様子に、一同は不安をかきたてられる。

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NHK『ゲゲゲの女房』第151回

 朝から日本心理学会第74回大会(会期は22日まで)に出かけていて、フサオマキザルに独裁者ゲームをやらせる研究(瀧本・藤田, 2010)が面白かったやら(血縁個体相手への行動は現在行っている途中だという)、知り合い男性には目礼するだけだけれど、女性の知り合いには必ず手を振るという行動を励行したりしている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第151回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 布美枝(松下奈緒)の父・源兵衛(大杉漣)が脳梗塞で倒れた。布美枝は急遽、安来に里帰りして見舞うことにした。

 源兵衛は入院を拒み、自宅で療養している。右半身の麻痺が残っているが、意識や言葉ははっきりしている。危篤ではないので、余計な心配をかけないよう、源兵衛は布美枝には連絡しないよう伝えていた。しかし、実際に布美枝の顔を見せると、とれも嬉しそうにした。孫たち(青谷優衣荒井萌)の成長ぶり、茂(向井理)の仕事の成功の話を聞いて喜ぶ。

 源兵衛は、あらためて布美枝が幸せになってくれて良かったという。茂は長く不遇の時代を過ごしたので、彼と結婚させたことは失敗だったのではないかと後悔することもあったのだと打ち明けた。布美枝は、源兵衛ははじめから茂のことを見込んでいたし、自分も父の見立てに間違いはないと信じていたと答えた。しかし、源兵衛は、口でどんなに良いことを言っても、心で子供のことを心配するのは当たり前であると言う。ずっと心配をしていたという。
 布美枝を茂に預けて大丈夫だと確信したのは、貸本屋で布美枝が声を荒らげて茂をかばった時だという(第48回放送)。その瞬間に、自分の娘から茂の女房に変わったと知ったという。その姿を見て、嬉しくもあったが、少々寂しくもあったと打ち明けるのだった。

 布美枝は、源兵衛の十八番の安来節について話はじめる。結婚式で源兵衛が歌ってくれたのが心に残っているという。結婚式当日は気付かなかったけれど、後にして思えば、門出の祝歌として何よりのものであったという。
 なぜなら、源兵衛が歌った一節は布美枝と茂の名前を含み、ふたりの末広がりの幸せを願ったものだったからだ。
も栄えて、葉もる」

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NHK『ゲゲゲの女房』第150回

 今日はスケジュール的に朝がキツキツで相当焦っている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第150回めの放送を見ましたよ。

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「独立宣言」

 藍子(青谷優衣)は教員生活に行き詰り、泣きながら寝込んでいる。
 茂(向井理)は、学校を辞めさせてプロダクションを手伝わせると言い出す。泣くほど嫌なら、辞めれば良いとまで言う。そんな茂の態度に、布美枝(松下奈緒)は腹を立てた。

 日曜日。藍子は布美枝に学校を辞めたいと相談した。自分に子供の気持ちがわかると考えていたのは思い上がりだと自覚し、教師をやる資格はないというのが理由だ。教師をやめて、茂のプロダクションを手伝うと言い出した。それが茂の希望に沿う道であると。
 布美枝は好きにすればいいと言い、藍子を突き放す。布美枝自身も、藍子が教師になることにはあまり賛成ではなく、早く結婚してプロダクションを手伝ってくれれば良いと思っていたと打ち明けた。
 ただし、布美枝は、藍子が茂を言い訳に自分の努力を放棄することには感心しないという。自分の進むべき道を、もう少しじっくり考えろと告げた。

 その頃、喜子(荒井萌)は茂の仕事場に顔を出した。好きなことを仕事にする意義を茂に尋ねた。茂の回答を聞いた喜子は、その言葉をそっくり藍子に聞かせてやって欲しいと頼んだ。茂に励まされることが、何よりのクスリになることを喜子は知っているのだ(自分がプロダクションを手伝って大失敗したときの経験)。

 少し考えた末、茂は藍子の部屋を訪れた。ゲーテを引用し、うまくいかないときは好機の到来を待て、努力に迷いは付き物だ、などと書かれた張り紙を渡した。
 人は好きなことをやるのが一番だか、それが必ずうまく行くという保証はない。茂も漫画の人気が出ないときには苦労した。しかし、諦めなかった結果、今の自分がある。好きなことと楽なことは違う。どんなに苦しめられても、やりたくて仕方ないと思うことが、自分にとって本当に好きなことだ。それを見つけるまでは、逃げるべきではないと話してやった。

 翌月曜日。茂に励まされた藍子は、自分を奮い立たせ、前向きに学校へと出かけていった。肩の力を抜いて子供たちと向き合い、もう一度頑張ってみると布美枝に話して出かけていった。

 喜子は、短大卒業後の進路として、プロダクションの手伝いをしたいと布美枝に相談した。家族への配慮などではなく、茂の漫画が大好きだから、心の底から手伝いたいのだという。

 昭和60年10月。鬼太郎の3度目のテレビアニメが始まった。鬼太郎の連載も始まり、プロダクションは往年の活気を取り戻した。

 アニメの初回放送日、源兵衛(大杉漣)が脳梗塞であるという電話連絡が入った。

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NHK『ゲゲゲの女房』第149回

 昨日、平宗の柿の葉寿司の海老を食べたせいか、ものすごく元気なアレで目の覚めた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第149回めの放送を見ましたよ。

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「独立宣言」

 プロダクションのマネージメントを一手に引き受けている光男(永岡佑)がぎっくり腰で出社できなくなった。締め切り直前で、編集者との打ち合わせや取材など、その日は忙しく茂(向井理)らは困ってしまった。布美枝(松下奈緒)も町内会の清掃活動に出かけなければならず、手伝うことができない。
 そこで、喜子(荒井萌)が短大を休んで手伝いをすると言い出した。

 しかし、喜子は失敗ばかりだった。電話の応対の言葉遣いが幼稚、茶をこぼして打ち合わせ資料を台無しにする、菅井(柄本佑)に急に声をかけて手元を狂わせる、画材の購入数を間違える、など。
 簡単な仕事もできず、自分には一つもいいところがないと喜子は激しく落ち込んでしまった。

 そんな喜子を、布美枝と絹代(竹下景子)は慰めてやった。絹代は喜子の良い所として、人を押しのけない優しさのある点と、自分を飾らない自然体である点とをあげた。半分は方便であることを見抜きつつも、喜子は随分と気分が晴れた。
 その時、茂がやって来た。茂は古い怪奇短編を再版する予定なのだが、そのリストを見た喜子が勝手に収録作品案を作った。それがよくできていたと言って、茂は喜子を褒めた。茂がすっかり忘れていた作品を喜子が追加したのだ。茂の作品を知り尽くした喜子のことを、茂は心の底から頼もしいと思っているのだ。
 茂が人を褒めることは珍しく、喜子はそのおかげで持ち前の明るさをすっかり取り戻した。

 藍子(青谷優衣)は夜遅くまでかかって、学級通信を準備していた。教員生活が楽しく、家での残業もまったく苦ではなかった。学級通信には「エースくん」というコーナーがあり、勉強やスポーツで目立たない子の良い点を取り上げて紹介している。取り上げられた子供はクラスの中で友達ができるなど、うまくいっていると言う。
 早く教員を辞めてくれれば良いと思っている茂は少々面白くない様子を示したが、布美枝は仕事に一生懸命取り組む藍子のことを頼もしく思い、娘の成長を嬉しく思うのだった。

 しかし、5月の終り頃から藍子の様子がおかしくなった。元気なく出勤する姿を布美枝は何度か見かけるようになった。
 そして、6月半ばの雨の日。藍子は傘もささずにびしょ濡れで帰って来た。玄関で出迎える布美枝の前で、藍子は泣き崩れてしまった。

 話を聞いてみると、学級通信の「エースくん」が問題になっているという。子供たちは紹介されるように頑張るのだが、誰を載せるかは藍子の一存である。それが子供たちに不公平感を抱かせてしまった。もっとひどいことには、「エースくん」に取り上げられた子供が藍子からえこ贔屓されているという理由で仲間はずれになってしまった。

 藍子が良かれと思ってやったことが、仇となったかたちである。子供たちばかりではなく、親たちからも新米教師の軽率な行動だと槍玉に挙げられているという。同僚の教員たちからも冷ややかに応じられてしまい、孤立無援になってしまっているという。
 布美枝は、藍子のトラブルを茂に全て報告した。

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NHK『ゲゲゲの女房』第148回

 NHKオンデマンドで『ちりとてちん』の配信が始まり、同ドラマで取り上げられた落語を一流の噺家がやっている映像も一緒にリストされていると知った当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第148回めの放送を見ましたよ。

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「独立宣言」

 夕食後、怒りの収まらない藍子(青谷優衣)は部屋に閉じこもってしまった。
 喜子(荒井萌)によれば、藍子の頑固なところや物事に一生懸命打ち込むところは、茂(向井理)にそっくりだという。特に、夜遅くまで机に向かう背中の様子が父の生き写しだという。藍子が陰ながら努力していることは、布美枝(松下奈緒)もきちんと把握していなかった。どうして彼女に目を向けて、頑張りを褒めてやれなかったのだろうと、反省するのだった。

 布美枝の母・ミヤコ(古手川祐子)は、絹代(竹下景子)の部屋で茶を飲んでいた。絹代は、修平(風間杜夫)が居なくなった寂しさをとつとつと話した。心臓の悪い自分の方が先に死ぬと思い、修平に口うるさく家事を仕込んだ。好きな芝居や映画の時間を制限してやらせたのに、皮肉な結果になったことを後悔している。
 そして何よりも絹代に取って予想外だったことは、親が勝手に決めた結婚相手であり、赤の他人であったはずの修平への愛着だという。血を分けた息子や孫でさえ、自分の空虚さを埋めることはできないと言って、涙を流すのだった。

 藍子を怒らせた張本人である茂(向井理)と源兵衛(大杉漣)は、居間で碁を打っていた。古いふたりの約束が、ついに果たされたのだ。
 楽しく興じながらも、ふたりは藍子への対処を碁の戦術になぞらえている。たとえば、良いと思って打った手が裏目に出ることもあるのだ、といった具合に。

 碁のルールは何もわからないミヤコがそばにやってきて、碁に口出しをした。源兵衛が悪手を打って待ったをかけた瞬間に、無理に押すととうまく行くはずのものも失敗してしまう、と告げるのだった。茂と源兵衛はその一言にはっとさせられるのだった。藍子のことは無理強いするのではなく、もう少し様子をみるということになった。

 翌日、源兵衛らが安来に帰る直前、茂以外の家族とともに深大寺へ出かけた。
 ミヤコは、藍子に虎の話をした。言い伝えによると、虎は自分の子供の為に1日に千里の道を往復するという。源兵衛もその虎のように、娘たちのことを心配していると説明した。布美枝や長女・暁子(飯沼千恵子)に会いたいと思っても、虎のようには長い道を行き来することができない。だから、遠くはなれていても安心できるように、立派な夫を見つけてやったのだ。そして、その目論見はうまくいって、布美枝も暁子も不自由なく幸せに暮らしている。
 きっと茂も同じ気持なのだろう、とミヤコは付け足した。意地を張って謝ることのできない源兵衛に代わって、ミヤコが藍子に謝った。

 藍子は、前夜のミヤコの一言のことも喜子から聞いていた。さらに今日のミヤコの言葉もあって、完全に元の明るさを取り戻した。源兵衛に対する怒りもすっかり消え、また遊びに来て欲しいと言って、安来に送り出すのだった。
 藍子と喜子は、ミヤコの控えめな人心掌握術にすっかり感心してしまった。そして、その性格は布美枝にも引き継がれていると言って、ふたりで母のことを褒めたり、からかったりするのだった。

 昭和60年4月。
 藍子は念願の教師になることができた。3年生のクラス担任で、熱意を持って楽しく仕事に打ち込んでいる。幸いにして、赴任校は実家から通える場所であり、全てが丸く収まっていた。
 喜子は短大1年生になった。彼女は短大に進学したものの、自分が本当にやりたいことをまだ見つけられずにいた。

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NHK『ゲゲゲの女房』第147回

 女の子をデート(デート?デートなのか!?)に誘ったところ、その日は用事が入っていると言われ、よく聞けば1週間ほど前にデート(デート?デートなのか!?)に誘った張本人がまさしく僕であると指摘された当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第147回めの放送を見ましたよ。

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「独立宣言」

 布美枝の父・源兵衛(大杉漣)は、藍子(青谷優衣)が教師になると聞いて大喜びする。しかし、布美枝(松下奈緒)から、茂(向井理)が反対している様子を聞くと心配になった。さらに、藍子が遠方に赴任し家を出る可能性があると聞いて、困惑するのだった。

 夜、源兵衛は茂の仕事場を訪れた。源兵衛は家父長権の重要さを茂に確認する。そして、藍子の将来も茂が導いてやらねばならないと念押しした。
 源兵衛は、藍子が教師になることには大賛成だが、親の目の届かない赴任地で勝手に結婚相手を見つけるのは容認できないと言う。そこで、赴任前に見合いをして婚約者だけは決めておくのが良いという。村井家と近いところに住む、次男か三男を相手とし、結婚後は自家に取り込むという展望まで入れ知恵した。
 茂はすぐにその意見に従うことを決めてしまった。

 翌日、茂は早速にも兄嫁(愛華みれ)を呼び出し、彼女の顔の広さを見込んで、見合いの世話をしてくれるよう頼んだ。はじめて話を聞いた布美枝は慌てて止めようとする。しかし、茂と兄嫁はすっかりその気になっており、布美枝も渋々ながら巻き込まれてしまった。もちろん、藍子には秘密裏に進められた。

 ところが2日後、あっさりと藍子の知るところとなった。まさか本人が知らないとは思わなかった茂の兄(大倉孝二)が、うっかりと秘密を漏らしてしまったのだ。
 藍子は、布美枝や茂に激しく抗議し、家族の雰囲気は最悪になってしまった。

 そのまま夕食になり、源兵衛と喜子(荒井萌)が場を明るくしようと試みるがうまくいかない。
 ついに、藍子はみんなの前で、勝手に見合いを進められていたことへの不快感を顕にした。それを聞いた源兵衛は、茂に計画を持ちかけたのは自分であると白状した。藍子は、源兵衛に対しても敵意を剥き出すこととなった。

 ちょうどそこへ、三男・光男(永岡佑)のところへ身を寄せていた絹代(竹下景子)が帰ってきた。

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NHK『ゲゲゲの女房』第146回

 本日のゲゲ絵: Togetterの数々を見て、スゴイなぁ、エライなぁ、と心から感激した当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第146回めの放送を見ましたよ。

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「独立宣言」

 戌井(梶原善)の出版社から漫画文庫がすでに40冊出た。もちろん、他の会社からの出版点数も増えている。茂(向井理)の仕事は順調だ。一方で、プロダクションとして著作権の管理を強化していかねばならないと思うのだった。

 茂の兄(大倉孝二)の家に身を寄せていた絹代(竹下景子)が予定より早く帰って来た。一家とそりが合わなかったのだという。子供たちが大きな音で音楽を聞いているのを近所迷惑だと言っていきなり電源を抜いたり、態度の悪い飲食店店員に対して大騒ぎしたりしたという。絹代の怒りはスジが通っているものの、兄一家では持て余してしまったのだ。
 義姉(愛華みれ)は、絹代と20年近くも一緒に暮らしている布美枝(松下奈緒)は立派だと褒めた。家のことはうまくいって当たり前で、褒められることのほとんどない布美枝は嬉しくなった。最近は、茂と藍子(青谷優衣)の対立で頭を痛めていることもあり、ますます嬉しいことだった。

 絹代は、老いてますます盛んだ。国内旅行はもう飽きたので、ヨーロッパに行きたいと言い出した。無理難題に頭を抱える息子たちだったが、父・修平(風間杜夫)にはろくなことをしてやれなかったので、その分も加えて絹代を孝行してやろうと話し合うのだった。
 その矢先、絹代は突然、三男・光男(永岡佑)の家に行くと言い出して、みんなは呆れてしまうも、従うしかなかった。

 その頃、藍子は街の喫茶店で幼なじみの智美(水崎綾女)に進路のことを相談していた。智美によれば、学校嫌いだった藍子が教師になることが意外だという。藍子は成績が悪かったし、茂のことで同級生からからかわれていたからだ。
 藍子は、自分がそういう境遇だったからこそ、学校に馴染めない子供の立場に立てる教師になれるのだと、自分の目論見を話す。それに、家を出て教師になりたい理由は、水木しげるの娘だと言われない生活をしたいのだということを打ち明ける。

 なんと、その喫茶店には浦木(杉浦太陽)がいて、ふたりの話をすっかり聞いていた。
 浦木によれば、茂は昔からガキ大将気質であったという。今でも自分がガキ大将で、家族やアシスタントたちを子分だとみなしているフシがある。自分がみんなを従わせて率いることが、みんなの幸せであると信じているのだと説明した。周りは押し付けがましいと思うが、本人はそのことが分かっていないのだ、と。
 それまで浦木のことを胡散臭い男だと思っていた藍子だが、今日の話はもっともで、心から納得出来るものだと思った。

 浦木が修平の弔問に行くというので、藍子と一緒に家へ向かった。
 その途中、布美枝の両親

家に向かう途中、布美枝の両親(大杉漣古手川祐子)に出くわした。母・ミヤコはリウマチで膝が痛み、うずくまっていた。初対面にも関わらず、浦木は源兵衛に命じられて、彼女を家まで背負って行くことになった。自分勝手な源兵衛の態度に、浦木は辟易しながらも、逆らうことはできなかった。

 布美枝は、予定よりも早い両親の到着に驚く。源兵衛は一刻も早く修平を弔いたくて、居ても立ってもいられなくなり、急遽予定を早めたという。
 突然の来訪に驚く布美枝であったが、どこか嬉しそうでもあった。

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NHK『ゲゲゲの女房』第145回

 喜子役の荒井萌駿台予備校の今年のキャンペーンガールだと知って、劇中の喜子も無事に高校卒業後の進路が決まればいいのにと思った当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第145回めの放送を見ましたよ。

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「独立宣言」

 修平(風間杜夫)が死んでから一月が経った。直後はしょんぼりしていた絹代(竹下景子)だが、最近は元気を取り戻し、長男夫婦の所へ身を寄せ彼らを振り回しているようだ。
 布美枝(松下奈緒)の両親からハガキが届いた。弔問のために調布へ出てくるつもりだという。布美枝の母(古手川祐子)は古風な女性で、生涯で安来を離れたことがほとんど無い。そんな彼女が旅行に出て、会いに来てくれるということで、布美枝も嬉しくなった。

 藍子(青谷優衣)の元へ教員採用の合格通知が届いた。
 有頂天で両親に報告する藍子であったが、茂(向井理)は目の前で心底がっかりと残念がるのだった。茂は、藍子を水木プロの職員にしたいと考えており、藍子が教員になることには猛反対なのだ。どうせ合格するはずがないとタカをくくっていたのだが、アテがはずれてしまった。
 茂の気持ちがわかる布美枝も、思わず藍子の合格に困ったような顔をした。それが決め手となって、藍子は完全にいじけてしまった。後から帰宅した喜子(荒井萌)も意外だという声をあげた。家族の誰からも祝福してもらえず、藍子の怒りには拍車がかかった。

 茂は、藍子を水木プロの跡取りにしたいのだ。現在のマネージャーの光男(永岡佑)は茂と2つしか年が変わらない。若い人材として藍子を活用したいと考えていた。
 表向きはそういうことになっていたが、布美枝には茂の本音も分かっていた。茂は娘が離れていくのを寂しがっているのだ。いつまでも娘を手元に置いておきたいという男親の心境もあるのだ。

 茂は、藍子に合格辞退させることを思いついた。そのことを布美枝に話しているところを藍子に聞かれてしまった。自分の人生を父に勝手に左右されそうになっていることに、藍子は猛反発した。茂は、常々「好きなことをして生きるのが一番」と言っているのに、どうして藍子がそうすることを許してくれないのだと、くってかかるのだった。

 布美枝は、藍子が一人になったところを見計らい、取り成しに行った。茂の本心は藍子と離れたくないという事だと教え、時間をかけてゆっくりと平和に話し合うよう勧める。
 しかし、藍子は聞く耳を持たない。昔から茂に夢を潰されてばかりだという。漫画家になりたいと言えば、地味な点描ばかりイジメのようにやらされた。アニメーターになりたいと言えば、アニメ会社が倒産した話を聞かされた。父に進路の相談はしたくないという。

 それに、自分は父の元を離れたいのだと訴える。地元にいては、自分は常に「水木しげるの娘」と見られる。周りから特別視されるような生活は送りたくないのだという。「村井藍子」という独立した個人として生きてみたいのだという。それが、家を離れて教師として自立したい理由なのだ。

 布美枝は、茂の気持ちも藍子の気持ちもよくわかった。それだけに、ますますどうしていいかわからなくなってしまった。

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