NHK『あまちゃん』第6回

ドラマの舞台は北三陸市という架空の街なのだが、岩手県久慈市がモデルであるということは判明しており、劇中の北三陸鉄道というのは三陸鉄道であり、第1話で主人公らが降り立ったのも同鉄道北リアス線の久慈駅を模した北三陸駅であり、地図で見るとずいぶん北にあるんだなあと驚くわけだが(‘ j ’)/、同じように久慈市の海人センターの辺りを地図で見ると駅から9kmほどの距離があることがわかり、駅長の大向(杉本哲太)が春子(小泉今日子)や夏(宮本信子)を車で送迎するのも納得なのだけれど、そのわりには春子が時折一人で駅と実家を簡単に往復したり、サイレンが鳴った途端に大向が家に現れたりするのでどうにも腑に落ちないなあと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第6回目の放送を見ましたよ。

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第1週「おら、この海が好きだ!」
アキ(能年玲奈)は自ら海に飛び込んだ。誰かに背中を押されるのではなく、自分の意思で海に飛び込んだ。そうすることで、アキは自分で自分の殻を破ろうとしたのだ。

海に沈みながら、アキはこれまでの学校生活を思った。クラスメイトたちから、アキは何を考えているかわからず地味でつまらない少女だと思われていた。それどころか、目の前でまるで本人がいないかのように、アキの悪口を言うのだ。東京には忌まわしい思いしかないのだ。

しかし、自ら飛び込むことでアキは変わった。海面に浮上したアキの表情は晴れ晴れとしていた。その時を境にアキは生まれ変わった。地味で暗くてパッとしない自分自身を海の底に捨ててきたのだ。

サイレンを聞きつけて海へ駆けつけた春子(小泉今日子)と夏(宮本信子)に向かって、アキは「海女になる」と満面の笑みで宣言した。

漁協の海女クラブには、話を聞きつけた人々が早速集まってきた。24年ぶりの海女の誕生に大いに盛り上がった。しかし、春子だけは面白くなかった。アキが海女になることをまだ認めたわけではないと言い、ふたりで話し合いたいと言うのだ。

アキと春子は、実家の縁側で話し合った。夏は向こうで居眠りをしていた。春子はそれがタヌキ寝入りであって、ふたりの話を盗み聞きしているだろうことは分かっていたが、放っておいた。

春子は、海女がどんなに厳しい仕事かを説明してアキを翻意させようとした。水が冷たいことや、場合によっては海難事故に遭うことなどを説明した。過酷である証拠に、もう24年間もなり手がいないのだと言った。

けれどもアキは珍しく強情だった。実際にやってみなければ、本当に良いことがあるのかないのか、悪いことばかりなのかわからないと言うのだ。

春子は自分の生涯について話し始めた。

初めての記憶は、仕事をする夏に連れられて海へ行ったことだ。幼い春子(豊嶋花)は、その時から海を見ると不安になるようになった。夏が海に潜ると、二度と浮かんでこないのではないかと、流されて死んでしまったのではないかと恐ろしくなるのだ。やっと海から顔を出すと春子はほっとした。しかし、またすぐに潜るので不安になる。その繰り返しだったのだという。

小学校高学年になると、春子(田附未衣愛)は強制的に潜りの練習をさせられた。当時の夏は今よりもずっと厳しく恐ろしかったので、春子は逆らうことができなかった。

1984年6月30日、高校3年生の春子(有村架純)のところへ、市長(北見敏之)らが訪ねてきた。翌日の北三陸鉄道開通、および、海女漁の解禁に合わせて春子を海女としてデビューさせたいというのだ。観光客やマスコミが大勢集まるので、高校生海女を話題にさせて、街を盛り上げようという目論見なのだ。夏をはじめ、周囲の人々はすでに承知済みのようだった。すでに春子の海女用絣半纏まで準備されていた。

それが嫌で、ついに春子は家出したのだ。開通した鉄道の始発列車に飛び乗って東京へ出た。それから24年間、一度も帰省することはなかったのだ。

アキは、初めて聞く母の生い立ちに興味をいだいた。祖父・忠兵衛(蟹江敬三)や、父・正宗(尾美としのり)のことも聞いてみた。

春子の父・忠兵衛は遠洋漁業の船乗りで、年に10日ほどしか家にいない。この辺りではどの家でも同じ境遇なので、そういうものだと納得はしていた。けれども、やはり寂しさを感じずにいられなかったのだという。両親共に仕事ばかりだったからだ。

そういう思いがあったので、春子は家庭を大切にしてくれる人と結婚したいと思った。漁師や船乗りではなく、陸にいて、毎日家へ帰ってきてくれる夫であり父が理想だと思った。それで正宗と結婚した。しかし、実際に正宗が毎日帰ってくると、それはそれで疲れると本音を言った。こんなはずじゃなかったのにと自嘲した。

そこまで話すと、春子は何かが吹っ切れた。結婚はやってみなければわからない。海女も同じだ。アキが海女になることを許可した。ただし、夏休みだけの期間限定とした。2学期が始まったら東京の学校へ戻り、勉学に励んできちんと卒業することを条件とした。アキは喜んで約束した。

アキは、すぐに夏に報告しようとした。しかし、そこで寝ていたはずの夏は、翌日のウニ丼の仕込みのために台所に入っていた。その代わり、床の上に海女の衣装が置いてあった。見ると、春子の名前が縫いつけてあった。24年前、春子が着るはずだった絣半纏だ。アキはそれを愛でた。

翌日、アキはその衣装を身につけ、先輩海女たち(渡辺えり、木野花、美保純、片桐はいり)と共に磯へ向かった。最初の仕事は、観光宣伝ポスターの撮影だった。

こうして、晴れて24年ぶりに新人海女が誕生した。

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NHK『あまちゃん』第5回

これまで橋本愛という人については、オムニバス映画『BUNGO ~ささやかな欲望~』の中の「鮨」(原作: 岡本かの子)においてリリー・フランキーと共演しているのを一度見たきりであり、その洗練され過ぎた美少女っぷりに「俺の趣味じゃねーな。やっぱ谷村美月とか黒木華とか(いずれも同映画に出演)のような、ちょっと溶けかかったソフトクリームみたいな路線の方が好みだな」などと思ったわけだが、本ドラマに出演する彼女を見ているうちにその見方も変わってくるだろうかと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第5回目の放送を見ましたよ。

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第1週「おら、この海が好きだ!」
アキ(能年玲奈)が夏(宮本信子)と共にウニ丼の車内販売をしていると、畑野駅からユイ(橋本愛)が乗り込んできた。

夏とは知り合いであり、紹介してもらった。簡単な自己紹介を行い、お互いが高校2年生だということがわかった。一言話しただけだが、ユイは他の地元民とは違って、とてもきれいな標準語を使うことがわかった。一方のユイは、アキの喋り方が訛っていると言うのだった。

車内販売を終えると、夏は昼寝のために家に帰った。アキは駅の喫茶店リアスに向かった。そこでユイの家族について話を聞いた。駅長の大向(杉本哲太)によれば、ユイの父・足立功(平泉成)は岩手県議員であり、地元の名士である。しかも、元高校教師で、春子(小泉今日子)や大向などの担任だったという。この街では彼に頭の上がらない者が多い。

ユイの兄・ヒロシ(小池徹平)は今春大学を卒業し、東京のホテルに就職した。しかし、すぐに退職して地元に帰ってきたのだという。ブラブラしていて、パチンコ屋に入り浸っていると噂になっている。最近、やっと新しいバイトを始めた。漁港の監視員の仕事で、小屋に篭って密漁などの見張りをしている。しかし、やる気がなくてサボりがちであった。

話題は海女の後継者問題に移った。春子に海女をさせることについては、大向が説得係だった。大向の説得はすでに失敗していたが、そのことを言うタイミングを失ってしまった。というのも、大向は昨日春子への恋心を告白した。色よい返事はもらえなかったが、自分の気持ちを伝えたることには成功したと思っていた。弥生(渡辺えり)から「(海女の説得は)うまくいっているのかい?」と聞かれたものを「(愛の告白は)うまくいっているのかい?」と受け取ってしまったのだ。それで首尾は上々だと答えてしまった。すぐに自分の勘違いに気づいたが、周囲が喜んだので訂正するわけには行かなくなってしまったのだ。

みんなが春子の海女就任を期待するほど、北三陸の状況は悪かった。現在、海女は5人しかおらず、一番若い42歳の安部(片桐はいり)は地味で見た目が良くないので人気がない。しかも、漁協の事務員と二足のわらじであり負担もかけられない。次に若いの美寿々(美保純)は50歳だ。彼女は比較的見た目がかわいらしく、若い頃は東京から大勢の追っかけが来たものだった。しかし、今や見る影もない。結果として、観光客もほとんどおらず、尻すぼみになるばかりなのだ。そこで美人の春子を海女にすれば、それを目当てに観光客が増えるだろうというのだ。

大人たちの話を聞いて、アキは過疎の街の実態を改めて思い知らされた。春子にすら頼らなければ立ち行かない街の現状に驚いた。北三陸にはきれいな海、美味しい海産物、かわいい鉄道がある。しかし、それだけでは人は生きていけず、必死になってもがき苦しまなければならないのだと知った。

それでもアキは北三陸が心の底から好きになっていた。そして、ここは自分に合っていると思った。ここにいる自分のことが好きになっていた。

その頃、春子が実家に帰ってきた。夏に対して、アキのことを相談した。今日こそ、アキが東京に帰るか、ここに残るか決めさせるというのだ。春子によれば、アキは変わったという。東京にいる時は感情を表に出さず、家族や友達にも心を開かなかった。それが、北三陸に来てからは「うめー!」「かっけー!」「じぇじぇじぇ!」などと感情を素直に表現するようになった。アキは夏にも懐いているし、せめて夏休みが終わるまでは滞在させてやりたいと言うのだった。

夏はアキの受け入れを承諾した。アキが自分から変わろうとしていることは、夏にも分かっていた。そんな彼女を受け入れてやるというのだ。

その一方で、夏は春子自身へ水を向けた。春子に、東京と故郷のどちらが好きかと訪ねた。春子は東京に決まっていると即答した。しかし、夏はそれを信じようとはしなかった。今変わるべきなのは、アキではなく春子ではないかと指摘するのだった。

アキは家へ直行せず、漁港へ向かった。堤防の先端に立つと、春子から「地味で暗くて向上心も協調性も個性も華もないパッとしない娘」と言われたことが思い出された。アキはそれを打ち消したかった。自分が変わるには今しかないと思った。恐怖心に打ち克ち、アキは思いっきり海へ飛び込んだ。

監視小屋のヒロシは一部始終を見ていた。監視員に就任して初めての事件であり、ヒロシは慌てふためいてしまった。状況をよく確認する前に非常ボタンを押した。すると辺り一帯に非常サイレンが鳴り響き、大騒ぎになった。

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NHK『あまちゃん』第4回

故・伊丹十三は宮本信子にベタ惚れだったようだけれど、彼女はそんなに美人でもないしどこがそんなに良かったんだろうかと常々思っていたわけだが、よく考えたら僕も死後に「木公は山瀬まみにベタ惚れだったようだけれど、彼女はそんなに美人でもない」などと言われてはかなわないので、この話はほどほどにしておこうと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第4回目の放送を見ましたよ。

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第1週「おら、この海が好きだ!」
東京に帰ると言いつつ、グズグズと北三陸市に残っていた春子(小泉今日子)は行くあてもなく実家の方へ来てしまった。袖ヶ浜の漁港に足を向けると、停泊した船の上で娘・アキ(能年玲奈)と母・夏(宮本信子)が話しているのを見つけた。

その瞬間、春子の脳裏に忌まわしい記憶が蘇った。昔、夏は幼い春子(田附未衣愛)を船に乗せ、無理やり海に落として潜りの特訓をさせたのだ。

その時と全く同じように、夏はアキを海に突き落とした。春子は悲鳴を上げた。

しかし、当のアキは海の意外な気持ちよさを知った。海に浮かびながら満面の笑みを浮かべた。

夏も一緒に笑っている。夏によれば、海に入るときにはあれこれ考えてもどうせ思い通りにならない。それならば、何も考えずに飛び込むのが一番だと話した。水が冷たいことや、足がつかないことを心配しても始まらない。先のことを案じても仕方ないのだ。アキはやはり自分の孫だと言って高笑いした。

春子が駆けつけてきた。夏に対して、アキに変なことを教えないでほしいと食ってかかった。海が好きになったアキに対しても、自分が嫌いなものばかり好きにならないでほしいと吐き捨てた。そして、春子は怒って立ち去った。

アキは体を乾かすために漁協事務所へ行った。そこには海女たち(渡辺えり、木野花、美保純、片桐はいり)が集まっていた。

アキは、春子は海が嫌いなのではないか、だから海女にならずに東京に行ったのではないかと疑問をぶつけた。しかし、古くから春子を知る海女たちの意見は必ずしもそうではなかった。もっと複雑な事情があるが、一言で言えば反抗期だったと言うのだ。髪にパーマをあてるなど、当時の春子はグレていたと言うのだ。

では、そうまでして故郷を捨てた春子なのに、今回はなかなか東京へ帰らないのはなぜなのかという疑問が持ち上がった。夏は、春子の夫婦仲がうまくいってないのではないかと、ズケズケと言った。一方、アキは自分のせいではないかと打ち明けた。アキは春子から、地味で暗くて向上心も協調性も個性も華もないパッとしない娘だと言われている。そのような子のいる家庭に帰りたくないのではないかと言うのだった。

春子は東京に帰るでもなく、まだ街中をぶらぶらしていた。パチンコ店に入り、隣に座った見ず知らずの男・ヒロシ(小池徹平)に「居場所がない」などと脈絡もなく愚痴る程だった。ついに行き場所がなくなり、幼馴染で駅長の大向(杉本哲太)に家まで送ってもらうことにした。

車中でふたりは昔の話をした。大向は街の活性化をライフワークにしている。市民の足である北三陸鉄道の運営に尽力しているし、観光客を誘致することに躍起になっている。

春子は、過去に大向が言っていた言葉を思い出した。1984年の北三陸鉄道リアス線の開業日、家出する春子(有村架純)に向かって大向(東出昌大)は、これからは地方の時代だと豪語した。鉄道によって人々の移動が活発化し、北三陸市も活性化すると予言したのだ。しかし、その目論見は失敗に終わり、未だに街はくすぶったままである。

春子は、大向には東京や仙台など活気のある街へ出て働くことも可能だったと指摘した。そうせずに、なぜ寂れた田舎にとどまり続けるのか、皮肉交じりに訪ねた。すると大向は真剣な表情を浮かべて、春子が帰ってくるのを待っていたのだと、告白まがいのセリフを吐いた。しかし、その時、列車車庫の横に車を停めて話していたふたりのそばへ、列車が迫ってきた。ぶつかることはないけれど、巨大な列車が迫ってくる様子に春子は驚いてしまった。それで話は有耶無耶になった。

その夜、結局春子は実家に泊まることになった。夏は東京に帰れない理由でもあるのかなどと皮肉を言うのだった。また、春子が大きな荷物を持って街中をウロウロし、パチンコ店に入り浸っているなどと噂になっていて恥ずかしい思いをしているなどときつく言うのだった。

それを口火に、春子と夏の口げんかが始まった。夏は、春子が結婚や出産を一切知らせなかったことを指摘し、もう娘でもなんでもないと言うのだった。対する春子は、父・忠兵衛(蟹江敬三)が死んだことについて何も言わないし、帰ってきても歓迎もされない。親ではないと罵った。

アキは喧嘩するふたりをオロオロと見ることしかできなかった。ついには、春子は家を飛び出した。春子は港の灯台へ向かった。そこは、昔から隠れ家にしていたところだ。少女時代、パーマをあて聖子ちゃんカットにしたことを夏に叱られた。その時も逃げてきた。当時書いた落書きが今でも残っていた。「海死ね 東京 原宿 表参道」などと、東京へ憧れを抱いていた10代の自分を思い出すのだった。その日は夜中にこっそりと家に帰って眠った。

翌日。今日は夏は海に潜らない。その代わり、大量にウニを仕入れ、それをウニ丼にして売ることにした。アキに手伝わせ、いつもよりも多く売ろうという魂胆だ。売り子にしては声の小さいアキは夏に注意された。それで頑張って大声を張った。

車内販売をしていると、列車は畑野駅に着いた。そこから一人の美少女・ユイ(橋本愛)が乗り込んできた。アキは彼女の雰囲気にただならぬものを感じた。

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NHK『あまちゃん』第3回

アイドル時代の小泉今日子は僕の頭では処理しきれないほど美人だったのでむしろ嫌いだったのだけれど、彼女が結婚→離婚していい感じに枯れてきてからはとても好ましく思うようになり、これが「わびさびってことか」などと勝手に納得している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第3回目の放送を見ましたよ。

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第1週「おら、この海が好きだ!」
春子(小泉今日子)は、自分が騙されて帰省させられたことや母・夏(宮本信子)とのわだかまりが残っていることに腹を立て、東京へ帰ることにした。

しかし、アキ(能年玲奈)は帰りたくないと言って座り込んでしまった。一刻も早く立ち去りたい春子は、アキを残して一人で駅へ向かった。夏は、春子の気性が昔を変わってないことに呆れるのだった。

その場にいた大向(杉本哲太)がすぐに春子を追いかけた。高速バスで帰ろうとしている春子を捕まえ、鉄道に乗るべきだと強引に荷物を掴み去った。そして列車の時間まで駅の喫茶店で時間を潰した。

春子は大向にアキのことを話した。アキは中学から私立の進学校に入ったが、勉強に付いて行くのがやっとなのだという。それで学校が嫌いになり、東京に帰りたくないと言っているのに違いないのだ。その上、アキは性格が暗い。家族と一緒に居間にいても、一言も喋らずケータイでゲームばかりしている。春子の夫・正宗(尾美としのり)も読書ばかりしていて喋らない、暗い性格だ。アキは彼の性格を受け継いだというのが春子の意見だ。

その喫茶店リアスにいた海女の弥生(渡辺えり)や美寿々(美保純)は春子の話がにわかには信じられなかった。彼女らが会ったアキは美味しそうにうにを食べ、よく笑う快活な少女だったからだ。

喫茶店リアスは小さな店で、カウンターが数席あるのみだ。地元の常連客でいっぱいである。経営も緩やかで、手の空いているものが交代で店番をしている。今日は海女の美寿々と副駅長の吉田(荒川良々)が担当している。

するとそこへ、夏がカウンターに姿を現した。そもそもここは、夏の店だったのだ。家での仕事を終えた夏がやって来たのだ。

春子が話に夢中になっている間に最終列車が出発してしまった。今日はもう東京へ帰る手段がない。しかも、夏が喫茶店にやって来たものだから、居心地が悪くなった。夏の家に世話になる気はこれっぽっちもない春子は、ビジネスホテルに泊まると言って店を出た。

そんな春子を大向が慌てて追いかけてきた。そして、ビジネスホテルにチェックインする前に、春子をスナックに案内した。ところが、確かにさっきとは違うドアをくぐったのに、そのスナックはさっきの喫茶店と同じ店だった。なんと、その店には入口が2つあり、内部が可動式パーティションで区切られていたのだ。昼はカウンターのみの喫茶店なのだが、19時半からはパーティションを開放してスナック営業を始めるのだった。春子は頭を抱えた。

夜が明けて7月1日となった。袖が浜海岸の海女漁解禁である。アキが目を覚ますと、夏はすでに準備万端整えていた。アキは伝統的な絣半纏の海女装を身につけた夏の格好の良さにますます惚れ込んだ。見物客も集まり、盛大に海開きが行われた。アキは夏が潜る姿を夢中で見ていた。

その日の漁が終わった。アキは夏に海女漁を行う理由を聞いた。夏の第一の理由は、面白いからというものだった。しかも、海に沈むウニが金に見えてくるという。他人に拾われる前に自分が拾わなくてはならないと思い、夢中になるのだという。アキは笑顔で楽しそうに話を聞いていた。

夏はアキにも海に潜ることを勧めた。しかし、引っ込み思案なアキは、自分には無理だと言って強く否定した。
その時、夏がアキの背中を強く押した。海に突き落とされたのである。アキは落ちながら
「なにすんだ、このババア」
と思っていた。

その一部始終は、どういうわけかまだ東京に帰る気にならず、辺りをぶらぶらしていた春子が目撃していた。

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NHK『あまちゃん』第2回

どこかで「能年玲奈には『機動警察パトレイバー』の主人公・泉野明を演じて欲しい(参考: PATLABOR実写版プロジェクト)」というコメントを見て「それいいね!」と思ったりした、泉野明と同郷(北海道苫小牧市)の当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第2回目の放送を見ましたよ。

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第1週「おら、この海が好きだ!」
初めて海女・夏(宮本信子)を見たアキ(能年玲奈)は、彼女がとてもかっこよく見え、大感激した。獲りたてのウニをその場で割って食べさせてくれた。その美味さにも感激した。

そこへ海女(渡辺えり、木野花、美保純)たちが集まってきた。さっき、漁協で会った女たちだった。彼女たちの紹介で、アキと夏は互いに孫と祖母だということを知った。初めての対面ではあったが、アキはウニを食べるのに夢中で感動の出会いという様子ではなかった。矢継早に8個ものウニを平らげてしまった。夏の孫であるという事実を抜きにして、その食べっぷりでアキは海女たちにすっかり気に入られてしまった。

その頃、夏の家では、春子(小泉今日子)が、駅長・大向(杉本哲太)と漁協職員・安部(片桐はいり)から経緯の説明を受けていた。

北三陸市の主な産業は遠洋漁業だ。男たちは1年の大半を船に乗ったままで過ごす。留守を守るのは女たちであり、素潜りで海産物の採集を行なっている。特に、北三陸の海女は世界的に見てもっとも北方の海女であり「北の海女」として観光資源にもなっている。その中のリーダー格が夏である。夏は獲りたてのウニで丼を作り、それを北三陸鉄道の車内で販売もしている。海女漁の見学、鉄道から見る風景、そして夏のうに丼が観光の目玉なのだ。

しかし、海女は深刻な後継者不足に陥っており、夏を含めて5人しかいない。その上、高齢化問題も切実だ。夏は64歳、一番若い海女の安部ですら42歳である。最近、夏は高齢を理由に引退をほのめかしているという。さらに悪いことには、夏を慕う海女たちは、安倍を除いて、全員それに同調して引退しようとしているのだという。

このままでは重要な観光資源が失われてしまう。そこで大向と安倍は、夏の娘であり、街でも評判の美人だった春子を呼び戻して海女にしようとしている。夏が危篤だと嘘をついてまで、春子を北三陸に来させたのだ。ふたりは土間に土下座をして海女になってくれるよう頼み込んだ。

もちろん、そのような頼みに応じる春子ではなかった。そもそも24年前に家出したのも、田舎で海女になるのが嫌だったからだ。それから実家とは絶縁状態である。仏壇に飾られた父・忠兵衛(蟹江敬三)の遺影を見て、今日初めて父が亡くなったらしいことを知ったほどである。北三陸に帰って来て、母・夏の跡を継ぐなど、春子には考えられないことだった。

そこへ、夏とアキが帰ってきた。24年ぶりの母子の再会であるが、ふたりは睨み合うだけで言葉を交わそうとはしなかった。夏に付いて来た海女たちは、その険悪な雰囲気に恐れをなして逃げていってしまった。アキは事情がわからずきょとんとしていた。大向がふたりを仲裁したが無駄だった。

大向は、引退する夏の代わりに春子に海女になってもらうという計画を話した。それを聞いた夏は、自分は引退しないと言い切った。自分の食い扶持は自分で稼ぐつもりであるし、ましてや絶対に春子の世話にはなるつもりはないと言うのだった。

売り言葉に買い言葉で、春子も腹を立てて東京へ帰ると言い出した。荷物を持って家を出ようとするが、アキが付いてこない。

アキは座り込んで
「帰りたくない」
と動かなくなった。

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NHK『あまちゃん』第1回

エイプリールフールネタは明らかに失敗であり、妙に早朝に目が覚めてしまい、その恥ずかしさと情けなさを思い出してベッドの中でのたうち回ってしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第1回目の放送を見ましたよ。

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第1週「おら、この海が好きだ!」

1984年(昭和59年)7月1日、松田聖子やチェッカーズの歌と並んで、吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」が流行していた。

その日、北三陸鉄道リアス線の開通式が行われていた。ここ岩手県北三陸市にはこれまで鉄道がなかった。地元の悲願がついに成就したのだ。市民が大勢集まって大賑わいだった。

ごった返す人々をかき分け、18歳の天野春子(有村架純)は始発電車に飛び乗った。ひとりで故郷を捨て、東京へ旅立つためだ。それから24年、春子は一度も北三陸市に帰ってくることがなかった。

2008年(平成20年)夏。
42歳となった春子(小泉今日子)に、母・夏(宮本信子)が危篤であるという連絡が入った。意識がなく、最悪の事態だという。その報せを受けて、春子は一人娘のアキ(能年玲奈)を連れて帰郷した。アキにとっては、母の故郷を尋ねるのも、親族に会うのも初めてのことであった。

母子が北三陸駅に到着すると、駅長の大向大吉(杉本哲太)が出迎えてくれた。春子に危篤の報せをしたのも大向である。

ところが、大向は病院に直行しようとはしなかった。待合室で列車を待つ地元市民に春子を見せたり、観光協会へ案内したり、海沿いの漁業組合に案内したりするばかりだ。春子は大向の行動に不信感を抱きつつも、他の交通手段がないので彼の運転する車で連れ回されるのに任せた。

漁業組合では、特に人々の言動がおかしかった。そこに集まる人々は夏と親しい者ばかりなのに、危篤であるはずの夏を心配する者は一人もいないのだ。むしろ、夏は風邪すらひくことのない健康体だと言って笑い飛ばすほどだった。

大向はやっとふたりを春子の実家に連れて行った。
家は無人だった。しかし、ついさっきまで誰かがいた様子が見て取れた。しかも、鍋を火にかけたままであった。住人が昼食の準備中に何かを思いついて、ちょっとだけ家を出たという感じであった。

それを見て、春子は全てを悟った。夏が危篤だというのは大向の狂言であると確信した。夏は病気などしていない。今だって、味噌汁に入れるワカメが切れているのに気づいて、海へ取りに行ったのだろうと予想した。春子はアキに海を見に行くよう命じた。

アキは道もわからないまま、海が見える方へ歩いて行った。春子の実家は漁業集落の中にあり、軒先で干されている魚や東北独特のリアス式海岸など、東京育ちのアキにとっては見るもの全てが物珍しかった。

やっと海にたどり着くと、アキは初めて本物の海女を見た。その海女は浮上するとアキの姿を見つけた。海女は採ってきたばかりのウニを食べろと言って放り投げてきた。
それがアキと夏の初めての出会いだった。

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『あまちゃん』の公式サイトを見た俺の独り言

連続テレビ小説『あまちゃん』のサイトはこちら

【第一印象】
ピンクでキラキラ

【第二印象】
いいコスプレ

【第三印象】
「アニメーション: 鉄拳」って!

【まとめ】
『純と愛』よりははるかに面白そう。

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映画『草原の椅子』

雨にも負けず、『草原の椅子』を観てきた。佐藤浩市が主演だが、その娘を黒木華が演じているからだ。
アニメでおおかみこどもの声をやっていると知れば有楽町の映画館へ行って耳を澄まし、大物俳優ふたりの助演をしたと知ればそのDVDを購入し、演劇で学生運動の活動家として主演すると知れば下北沢の劇場へ行ってじっと目を凝らし、深夜ドラマにゲスト出演すると知ればHDDレコーダーを新調して万全の録画体制を構築する、そういうものである私は当然『草原の椅子』を映画館に観に行ったわけである。
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DVD『たぶらかし ~代行女優業・マキ~』

実力派ブサカワ女優ナンバーワン、谷村美月主演で、2012年4月から6月に放送されたytv制作のドラマ『たぶらかし ~代行女優業・マキ~』のDVD vol.1を見た。販売されているのはBOXセットのみのようだが、僕はレンタルで1巻めを借りて見た次第。

先日、某所での飲み会において、某オッサンから「去年、深夜に放送していた谷村美月のドラマ見た?え、見てないの!?谷村美月好きを自称するならあれ見なきゃ。すごく面白かったよ。」などと挑発されたので、悔しくなって見たのである。

初めは、そんなドラマ聞いたことがなかったし、深夜枠ドラマなのだからクソつまらないドラマだろうと高をくくっていたのだが、実際に見てみると、なかなか。軽いミステリー風のドラマで、テンポの良い明快なストーリーで、気軽に見て楽しめた。1話30分くらい。
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フジ『北の国から』第24回(最終回)

毎日1時間のまとめ記事苦行が終わるのかと思うとほっとする反面、やはりこのドラマが終わるのは寂しいなと思う当方が、BSフジ『北の国から』の最終回を見ましたよ。

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令子(いしだあゆみ)が亡くなってから1週間が過ぎた。葬儀はひと通り終わった。雪子(竹下景子)は葬儀の礼状の準備に追われた。螢(中嶋朋子)は雪子を手伝った。

子供たちが寝ると、雪子は草太(岩城滉一)のことを思い出していた。清吉(大滝秀治)は、ふたりはボクシングの試合後は一度も会っていないと思っていた。しかし、本当は一度だけ会っていたのだ。
それは、試合の翌日、草太が富良野に帰ってきた時だった。人に会わないよう、夜遅くに隠れるように帰ってきた草太であったが、雪子が富良野駅で待っていた。草太は乗り気ではなかったが、雪子が喫茶店に誘った。雪子は、草太の試合に感動したと心からの気持ちを話した。

けれども、草太は元気の無いままだった。
草太は、つらら(熊谷美由紀/現・松田美由紀)が札幌のソープランドで働いていることを知ったのだという。そして、試合が終わった日の真夜中に彼女から電話がかかって来た。つららは二度と富良野に帰らないと告げ、自分のことはすっかり忘れるよう頼んだという。そして、草太には雪子と幸せになってほしいと言ったのだという。
つららの言葉で、草太は雪子に会わないことを決めたと話した。少なくとも、今から2年8ヶ月の間は雪子に会うつもりはないという。それは、草太とつららが交際していた時間に相当するのだ。その時、雪子が富良野にいれば交際したいと告げた。
雪子は明確な返事をしなかった。雪子は令子に、なぜ富良野にいるのかと聞かれ、答えに窮した経験を話した。続いて、過去に草太に投げかけられた言葉を引用した。東京の女は北海道に憧れるが、結婚の話が持ち上がるとよそよそしくなって逃げていくという話だ。当時の雪子は、そのような女達を軽蔑していたし、自分は違う種類の女だと思っていた。しかし、今になって考えると、そういう女達と同じかもしれないと思うのだ。

雪子は草太に手紙を書いた。純(吉岡秀隆)や螢は移住して1年で、すっかりと富良野の住人になった。それに比べると、自分は一時的な旅人に過ぎなかったと反省し、恥じた。次に富良野へ行くことがあれば、その時は住人になるつもりだと書いた。2年8ヶ月後、草太に会えれば良いのだが、と締めた。

純は内心がっかりしていることとがあった。東京で仲の良かった恵子(永浜三千子)に会えないからだ。恵子は令子の病院に見舞いに来てくれたこともあるし、家も近所だ。きっと弔問に来てくれると期待していたのに、一度も現れなかった。そこで、彼女の家へ様子を見に行くことにした。しかし、すでに恵子の家は取り壊されてなかった。
純がますますがっかりして歩いていると、以前の小学校の先生に出くわした。彼によれば、恵子は親の仕事の都合でアメリカへ引っ越したのだという。現地からしっかりした英語で書かれた手紙が届いたという。その他、純の元同級生たちは中学受験に向けて、予備校へ通ったり睡眠時間を削ったりして勉強しているという。純があまり勉強に打ち込んでいないと聞けば、もっとしっかりしろと発破をかけるのだった。令子が亡くなったことを聞くと、教育熱心でしっかりした母親だったのにと悔やんだ。
純は様々なことにショックを受けた。令子のことを言われたことや、恵子が突然いなくなったことも辛かったが、先生の態度が気に入らなかった。昔は大好きな先生だったのに、今は正反対の気持ちになっていた。彼が勉強のことばかり口にするからだ。しかし、純が考えるに、変わったのは先生の方ではなく、自分の方だった。
純は凉子先生(原田美枝子)に会いたいと思った。はじめの頃こそ、まともに勉強を教えない涼子のことを馬鹿にしていた。しかし、今は涼子のいる分校での経験が何ものにも変え難かったと思うのだ。涼子は子供たちと一緒に自然を不思議がり、共に学び、遊んだ。それが純にはとても楽しかったのだ。涼子が懐かしくて仕方なかった。

螢は令子の本棚の中から、彼女の書きかけの手紙を見つけた。それは、令子が富良野で子供たちに会った(第17回)直後に書かれたものだった。そこには主に2つのことが書かれていた。一つは、純や螢とゆっくり話をする時間がなかったので、富良野での経験について手紙で詳しく知らせて欲しいということだった。もう一つは、富良野で見た雲がとてもきれいだったということだった。令子は雲についてもっと書きたいことがあったようだが、手紙は途中で切れていた。

そして、純と螢は1週間ぶりに富良野に帰ることになった。雪子は東京に残る。五郎が富良野駅まで車で迎えに行った。

五郎がロータリーに車を停めて待っていると、ひょっこりとこごみ(児島美ゆき)が現れた。彼女は知人を見送りに行く途中であり、五郎の車を見つけたので立ち寄ったのだ。ふたりが会うのは、令子が死んだ日()第22回)以来だった。五郎は東京から帰ってきても駒草には一度も顔を出していなかったのだ。
こごみは明るく振舞うが、どことなく態度に陰があった。こごみは、釧路に支店長で栄転する知人を見送りに来たのだと説明した。その知人は、大きな街に行くことではしゃいでいたのだという。こごみは、ウキウキと富良野を出て行こうとしている様子に頭が来ているという。見送りの時間になったと言って、こごみは駅に向かった。途中で引き返し、五郎に店に来るよう甘えた。五郎は会いに行くことを約束した。
こごみが去った後、五郎はこっそりと駅の様子を見に行った。改札の前では、真面目そうな中年の男が、同じように堅物な人々に囲まれていた。そして、その輪にこごみの姿はなかった。構内を見回すと、こごみは物陰からその男を盗み見ていた。目には涙を浮かべていた。五郎は複雑な思いだった。

それから、純と螢が汽車で帰ってきた。改札を抜けると親子は抱き合った。純と螢が東京にいる間に、新しい丸太小屋は完成していた。すでに五郎は住み始めており、ふたりを新しい家に連れて行った。見事な出来栄えに、子供たちは大喜びした。
一方で、寂しいニュースもあった。何年かぶりに富良野に台風が直撃し、この前まで住んでいた古い家の屋根が吹き飛ばされてしまったという。夜になり、3人は月明かりを手がかりに古い家を見に行った。自分たちが1年暮らした家が半壊した様子を見て、3人は寂しい思いがした。

螢が裏の畑の様子を見に言っている間、五郎と純は家の中を見て回った。
その時、五郎が純に話し始めた。五郎は参ってしまっているという。男は弱音を吐くべきではないと言いつつ、今の自分は打ちのめされていると告白した。とても辛いと言って涙を拭った。今だけは愚痴を言うのを許してくれと純に乞うのだった。純は弱った父親に何も声をかけることができなかった。

その時、家の裏で螢が叫んだ。以前に餌付けしたキタキツネが来ているというのだ。トラバサミのせいで(第11回)足が1本なくなっており、いつかのキツネに間違がなかった。そして、純が石を投げつけて寄り付かなくなったキツネ(第5回)でもあった。五郎に促され、純は手から餌を与えた。キツネがそれを食べた。純はとても嬉しかった。

その晩、純は初めて丸太小屋で寝た。夢を見た。令子が生きていて、彼女に手紙を書く夢だった。令子の注文どおり、この1年の経験を全て手紙に書いた。自分や螢がどれだけ成長したか、誇るように書いた。そして、富良野は洒落たものは何もないが、素晴らしい人々のいる町だと紹介した。自分たちはいつでもいるから、令子にも遊びに来て欲しいと書いた。
富良野は空がきれいだと書いた。令子が見た時のように、今日も雲がきれいだと書いた。いつも螢と一緒に、令子が見た雲を探していると記した。

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