『愛にこんがらがって』みうらじゅん

昨夜から今日の昼にかけて、「みうらじゅんはいろいろとキツイ」的なことを書き捨てた。
夕方に至った現在、今さらながらみうらじゅんを激しく気に入ってしまった。

メイド喫茶で、「お帰りなさいませ、ご主人様」という声が飛び交う中、M子の「ご主人様・・・」というセリフに重い目眩を感じながら読み始めた『愛にこんがらがって』であるが、読み進めたら、やめられない、とまらない。
午後は、某会議に出席していたわけだが、「早く終われよなぁ。こちとら、乾とM子の性愛の行方が気になってんだよ!」と心の中でブツブツほざいていたことは言うまでも無い。

『愛にこんがらがって』は、主人公のバンドマン乾が、街中で見ず知らずの女M子に「ご主人様になってください」と懇願されるところから始まる。
最初は勝手がわからず、見よう見まねでSMプレイをやってみる乾であるが、次第にM子の淫靡な肉体に魅了され、自らが行うサディスティックな行為に快感を覚えていく。
しかし、読者の予想通り、その関係に溺れることによって、主人公の生活は破滅しかかり、M子との別れを決意する。けれども、彼女との愛欲生活が忘れられずに・・・→ ループ って感じ。

もうね、文章の65%以上は、エロ描写。
「オマエ、ちょっと朗読してみろ」
と言われたら、赤面しつつ、土下座して勘弁してもらうつもりである。
露骨な性描写を好まない人にもお薦めしない。

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評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡

本文、読む価値なし。
当方、2章の途中でギブアップ。
わざわざ上下巻セットで買ったのだが、パラパラとめくって終了。

救いは、豊富な注(イラスト付き)。
ガンダムの登場人物やモビルスーツを始め、細かい技術(例えば、ミノフスキー粒子とか)の説明が完結にまとめられていて、そこだけ読んだら面白い。

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キンチョウスタイル―素晴らしき金鳥CMの世界

キンチョウこと大日本除虫菊株式会社のCMを紹介する本。

本書の前半では、昭和41年に放映された桜井センリの「ルーチョンキ」でおなじみ(らしい、往年の人々には)のCMから、現在放送中の我らが山瀬まみ様のカッパのCMまで、名物CMが写真とイラスト、および文章で説明されている。
#山瀬まみ様はカッパCMに関するインタビュー記事も掲載

後半は、大滝秀治と岸部一徳でおなじみのCMの番外編小説が掲載されている。

正直、当方には山瀬まみ様の記事と小説くらいしか楽しむところは無かった。

山瀬まみ様の記事はいい、しかし問題は、小説「父子水おやこみず」だ。
キンチョウのサイト(KINCHO CM情報)に全部載ってるし。

がっくり。

斎藤由香 「窓際OL: トホホな朝 ウフフの夜」

プチモテ期継続中。
また、読者(♀)からラヴいメールが届く。

80年代ポニーテールにしてみた

写真つき。
休日の朝寝坊でボンヤリした頭が急に冴え出す。

冴え出すとはいえ、思い出すのは「スケバン刑事」のポニーテールの斉藤由貴。
貧相な想像力。
でも、ポニーテールの斉藤由貴に萌える少年時代を過ごしたというエピソードは、多くの読者(♂)の共感を得るはず。

「てめぇら、許せねぇ」
そんなセリフと、桜の大門のヨーヨーを頭に浮かべつつ、近所の本屋へ。
平積みされていた文庫本に目が留まった。

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最近読んだ硬い本

「ヤバい経済学」

気鋭の経済学者 Steven D. Levitt(優しそうでハンサムな顔立ち)が、社会調査データを分析し、世の中の人々が思い込んでいる一般常識(本書の中では「通念」と訳されている。原著では “the prior beliefs” らしい)を痛快に覆してくれる。

例えば、「日本の大相撲の八百長を暴く」(カド番の時とそうでないときについて、同じ対戦相手との勝敗成績を手がかりにして実証)とか、「麻薬の密売人は儲かっていそうなのに、なんで母親と同居しているのか?」(理由は、麻薬の”末端”密売人は全然儲からないから)とか、「子供の年間の死因を見れば、銃よりもプールで溺れ死ぬ方が多い。銃じゃなくて、プールを規制すべきでは?」(ウケ狙いだと思うけれど、まぁ、データはその通り)とか書いてある。

この本、世の中を煽るような内容と文体なので、単発の話題づくりの本にも見えてしまう。
しかし、詳細までよく読めば、現代のミクロ経済学の常識的な考え方の「インセンティブ」の問題とか「情報の非対称性」とか出てくるし、背景は硬派。

ただ、「経済学の王道」的な世界では本書の内容はセンセーショナルなのかもしれないけれど、いわゆる「まっとうな」社会学の世界とか、某北大の社会心理学の世界とかだと、まぁ当たり前の分析法だったり考え方だったりするかもしれない。

いずれにせよ、社会に対する面白い見方を提供してくれる本です。


「眼の誕生」

熱中して読んだ。

主張は「カンブリア時代に生物の多様性が高まったのは、生物が眼を獲得したから」の一言。
明快。

ちょっと説明すると、地球は今から46億年前にできたとされる。
それから数億年経た、39億年前に地球上に初めて生命が誕生。
その後30億年近く、ごく少数の種しか地球にいなかったとのこと。

しかし、5億4300万年前に、爆発的に種が増える。
そしてそれ以後は、あまり種が増えていない。
その理由に踏み込む本。
(なんだか、数字が大きすぎてピンとこないな。1日後の自分のあり方だって想像できない(俺だけかも)のに、億の単位で語られても、ねぇ。)

約5億年前に何が起きたかってーと、眼が誕生したって話。
聴覚でも嗅覚でもなくて、視覚が重要と主張されている。
聴覚や嗅覚は、生物自身から発生する(動くときの音とか、生体の分泌物とか)。
しかし、光は全ての生物に等しく降り注ぐ。動こうが、じっとしていようが、「見えちゃう」。
つまり、受動的に影響を受けてしまう点で、視覚が非常にクリティカル。

視覚の獲得は、「見る方」だけではなく「見られる方」にも淘汰圧をかける。
そのせいで、いっせいに種の多様化がなされたと主張している。

エッセンスはこれだけ。
最初の章を読めば答えは出てるので、すぐわかる。
すぐわかるから、ここにも書いた。

じゃあ、この本の残りに何が書いてあるかというと、「古生物学の基礎」(化石の話)とか、光の性質とか、視神経の説明とか。
門外漢の僕には、これらの枝葉がとても面白かった。
生物学から地質学、物理学などの知識が縦横無尽に説明されるのは、すごく勉強になった。
高校とか大学の一般教養とかで、なんとなく習ったはずの知識だけれど、目的もなく聞いただけだとチンプンカンプンだった。
しかし、この本のように「眼の誕生を解き明かす」というストーリーに沿って説明されると、水を吸うスポンジのようにどんどん話がわかってきた。

著者自身も認めているように、この本のメインテーマは、素人でもお酒を飲みながら語れるような内容。
しかし、そのワキをつめる議論は、酔った素人には無理な話であり、そこが著者のスゲェとこだと思った。
シャーロック・ホームズや古畑任三郎が、1つずつ証拠を集めて犯人に迫るような書き方。
知的ミステリー風科学啓発書として、すげぇ。

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「痴人の愛」谷崎潤一郎

ロリコンで、足の裏フェチで、マゾヒスト必読。
って、俺じゃん!

大正末期、主人公はカフェで給仕係をしていたみすぼらしい15歳の少女を引き取って、立派なレディに育てるべく教育を施す。彼女の境遇を思いやってきちんと教育してやろうという志が半分、あわよくば自分の女にしてしまおうという思惑が半分。
スケベ心をなんとか抑えて共同生活をし、暑い夏には行水させてやって、思わず彼女の白い肌にクラクラしちゃったり、その体の成熟具合を日記にしたためたり。
ついには結婚することになって、彼女の若い肉体に発情しちゃったり、特に足の指とか踵とか足の甲とか足の裏とかに思いっきり萌えちゃったり。
ところがところが、このナオミちゃんってば「私、アナタのおかげで立派な生活を送っていられるのね。ありがとう。(はーと)」なんてしおらしいことを言う一方で、夫の留守中に若い男をとっかえひっかえヤリまくっちゃったり。

しまいには、さすがの主人公も堪忍袋の緒が切れて家から追い出すんだけれど、ナオミの魔性の魅力が忘れられず、その上、彼女の策に再びどっかりと使ってしまって、帰ってくることを懇願してしまったり。
自ら四つんばいになって馬乗りになってくれとお願いして、その背中の上に乗ったナオミから彼女にのみ有利な復縁の条件を突きつけられ、それを全てのんでしまったり。

嗚呼、ロリコンで、足の裏フェチで、マゾヒスト。

ジャスコ登美ヶ丘に行ってみた

きっかけは昨日の夜である。
家に帰ると家電量販店のジョーシンからハガキが来ていた。押熊にあった店舗が移転し、オープン特売をするとのこと。ハガキを持参すると、ポイントを300点(300円分)プレゼントとのこと。

移転先は、本日プレオープンのジャスコ登美ヶ丘
「あーきっと混んでるんだろうなぁ」と思ったし、出勤途中に同店舗のそばを通過するdadaa君が「今朝、シャレにならないくらい道が混んでいた」と言っていたし、とりあえず様子見をしようと思った。

様子見をしようと思っていたところ、ヤクザのような風貌なのに子煩悩な某オジサン(とは言え、僕と5歳くらいしか歳が違わない)から、「子どもとNゲージで遊んでる」みたいな話を聞かされ、僕もちょっと興味があると言えば、いきなりTOMIXという鉄道模型メーカーの分厚い(5cmくらいある)のカタログを渡されてしまった。
つらつら眺めた。
う~ん、入門セットが15,000円くらいで買えてしまう。量販店に行けば、2割引くらいだから12,000円くらいで買えちゃうだろう。

仕事をしつつ、カタログを眺めつつ、ちょっと心が揺らいできた。

「ちょっと、様子を見て、価格を実物を確認するだけ」
と自分を言い聞かせてジョーシン登美ヶ丘店、すなわち、新規開店のジャスコ登美ヶ丘店に行ってみた。

ジャスコ登美ヶ丘店

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寝ずの番 / 中島らも

最近映画化されたらしいですが、中島らもの「寝ずの番」の原作を読んでみました。

性的で下品なネタのオンパレードだけれど、笑える。
中学生が英和辞典で “sex” に蛍光ペンで印をつけて、友達どうして回し見してこっそりクスクス笑い合うようなしょーもない下ネタに終始しているけれど、ケタケタ笑える。
そして、最後の2ページで、ちゃんとホロリとさせてくれる。
文庫で95ページくらいでサラッと読める。
僕が買った講談社版には、表題作のほかに6編の短編が収録されている。
本屋で角川版と見比べたけれど、講談社版の方が作品数が多かったのでこっちにしてみた。
あと、角川版は、表紙がモロに映画の登場人物になっていて、なんか気に入らなかった。
#本屋でカバーをかけてもらわない主義なので、外で読むとき恥ずかしい。

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事例に学ぶ心理学者のための研究倫理 / 安藤寿康・安藤典明(編)

ご存知の方はご存知だと思うのですが、当方は心理学系研究者なわけで。

現在、ヒト(もしくは動物)を用いた実験を行う際に倫理審査を受けなければならない組織に所属しているわけで。
研究倫理審査委員会が設置されていること自体は、政治的に正しい。ものすごく。

しかし、個人的に困っていることは、必ずしも実験研究を行ってきた経験のある人々が委員を務めているわけでは無いということ。
ある特定の役職に付いた人が、それまでの経験とは無関係に、自動的に倫理委員に就任することになっている。
一方で、素人的な素朴な見解の下に審査を行うので、より実験参加者の立場に立って吟味できるという利点がある。
他方で、素人であるが故に、(我々の業界にとっては)ごく当たり前の実験手続きについても、いちいち質問や意見が寄せられてしまって、なかなか審理が終了しなくなってしまう。それどころか、実施不可という判断に至りかねなくなったりして、かなり綱渡り。ちょっとトホホ。

ただ、愚痴ってばかりいるだけでは、事態の好転は望めないので、「泣かぬなら、泣かせてみせようホトトギス」の精神で、いろいろ啓発活動をしていたり。

そのための”理論武装用”として、まずは「事例に学ぶ心理学者のための研究倫理」をパラパラと眺めた。
本書は、架空のケーススタディの羅列という印象で、散漫な感じがぬぐえなかった。
一つ一つの事例は、いかにもありそうな感じで、倫理問題について考え直すいい例題になっていると思う。
個人が研究倫理問題について考えるのには、いい教材。

しかし、第三者を説得する道具に使うにはつらそう。
#なんかいい本があったらおせーてください。「APA論文マニュアル」はチェック済みです。