NHK『おひさま』第19回

昨夜の日テレ『おしゃれイズム』では永作博美が足裏マッサージを受ける様子が放送されており、永作ファンかつ足裏フェチのため、とても興奮した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第19回目の放送を見ましたよ。

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第4週「母の秘密」

初対面の祖母・富士子(渡辺美佐子)から、陽子(井上真央)がはじめてかけられた言葉は、陽子が母・紘子(原田知世)にあまり似ていないという冷たい一言だった。

茶を淹れるために下がった陽子は、祖母の靴が気になって玄関へ見に行った。祖母の靴は映画の中に出てくるような立派なものだった。それに比べて、自分や家族の靴はとてもみすぼらしかった。恥ずかしくて隠してしまいたい反面、そうすることは卑しい行為に思われた。にわかに靴を磨き始め、自分たちの靴を堂々と玄関に並べるのだった。

次男・茂樹(永山絢斗)も帰宅した。自分の祖母が来ているとは知らず、近所にとても豪華な乗用車が停まっていると玄関で大騒ぎしてしまう。その声の聞こえた祖母は、自分の孫が田舎者になってしまっていることを嫌悪するのだった。
陽子や茂樹に会うのは初めてであったが、長男・春樹(田中圭)の事だけは知っているかのようだった。

富士子の夫は、紘子が家を捨てた事を今でも許していないという。そのため、夫が仕事で海外に行っている隙に目を盗んで安曇野にやって来たという。夫の許しが出ず、紘子の葬儀にすら来ることができなかったと富士子はこぼした。

紘子の墓に案内するという良一(寺脇康文)であったが、富士子は山の中の墓になど行きたくない、自分の一族の墓はこのような場所にはない、と言って帰ってしまう。
ただし、帰り際に、明日まで穂高に逗留すると告げた。遠まわしに、孫たちが会いに来るようにと指図したのだ。

その夜、父・良一は、紘子が最期に「安曇野に来て良かった」と言ってくれたことが自分の唯一の誇りだと、子どもたちの前で話した。そして、もし母の若い頃の話を聞きたかったら、祖母を尋ねるようにと言った。
しかし、茂樹は自分の知っている母の思い出だけで十分だと言い捨てた。陽子も、思わずそれに同意したが、本心では知りたくて仕方がなかった。悩みを抱える自分に照らし、同じ年の頃の母が何を考えていたのか知りたかったのだ。

けれども、陽子は祖母に対して反感を持っていた。だから、素直に祖母に会いに行くことができなかった。
すると、翌日の下校途中、祖母が車で追いかけてきた。そして、なぜ訪ねてこないのかと詰問されたのだった。

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NHK『おひさま』第18回

昨日の朝、家の前でゴミ出しをしていたら、近所に住む88歳だというおじいさんに声をかけられ、本作のヒロインと同じ時代を生きた人なんだなぁと思うとなんだか感激してしまった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第18回目の放送を見ましたよ。

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第3週「初恋」

陽子(井上真央)が食べ過ぎで倒れたことに関して、迎えに行った次兄・茂樹(永山絢斗)は何か言いにくい事情があるのだろうと悟った。茂樹は、今回の事を父(寺脇康文)に内緒にする代わりに、陽子には何があっても自分の味方になって欲しいと頼む。近いうちに父の前で重大発表をするから、その時は何も言わずに応援して欲しいと言うのだった。
陽子は知らない振りをしたが、茂樹が航空隊に入隊したがっていることに違いはなさそうだった。茂樹の決意が固いことを知り、陽子は少々驚くのだった。

陽子(若尾文子)からその辺りまでの話を聞き、房子(斉藤由貴)は当時の少女たちの天真爛漫さをかわいらしく思った。自分の娘(山谷花純)も同じ年ころなのに、素直じゃなくて困っているとこぼす。しかし陽子は、今も昔も、少女の根本はまったく同じだと思うと優しく話すのだった。
それから連想して、房子は陽子の両親のことをもっと知りたいと思った。

当時の陽子も、実は自分の母のことを詳しくは知らないことに気づいた。しかし、父から根掘り葉掘り聞くのも筋違いな気がして、尋ねることができないでいた。

ある日、陽子が帰宅すると、今までに見たこともないような立派な婦人靴が玄関にあった。その来客は、仏壇の前で手を合わせていた。
見ず知らずの老婆であったが、父からは母方の祖母(渡辺美佐子)だと紹介された。

祖母は紘子(原田知世)に向けて、このようなところで死ぬとはバカな子だと冷たく言うのだった。

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NHK『おひさま』第17回

女学生トリオといえば、どうしても南野陽子、相楽晴子、吉沢秋絵(『スケバン刑事II: 少女鉄仮面麺伝説』)を思い出し、南野陽子はそのまま陽子だし、相楽晴子は不良少女の育子、吉沢秋絵はお嬢様の真知子に当てはめればピッタリだと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第17回目の放送を見ましたよ。

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第3週「初恋」

苦しい初恋を告白した真知子(マイコ)は、翌日珍しく学校を休んだ。心配した陽子(井上真央)と育子(満島ひかり)は、放課後に真知子の家を訪ねた。
しかし真知子はピンピンしていた。その上、大量の白米を平らげようとしていた。たくさん食べて太り、醜くなれば許婚から嫌われる。そうすれば春樹(田中圭)との恋の障害がなくなるという打算であった。親友たちからは、醜くなれば春樹からも嫌われるだろうと笑われるが、他に打つ手もなく食べ続けるのだった。
陽子と育子は、その行為を無意味だと思いつつも、友情の証として一緒に食べるのだった。

その時、留守にしていた真知子の母(中村久美)が帰宅し騒ぎを嗅ぎつけた。陽子と育子は腹いっぱいご飯を食べたいと頼んだと訴え、真知子をかばった。
しかし、突然の緊張と食べ過ぎで、陽子は気分が悪くなり、その場で倒れてしまった。真知子の母からは、陽子が片親だから他人の家で身勝手なことをするのだと嫌味を言われてしまう。真知子は本当のことを言おうとするが、陽子がそれを止め、あくまで自分が全ての罪を負った。

次兄の茂樹(永山絢斗)がリヤカーで迎えに来てくれた。リヤカーを牽く兄の背中を見て、普段は子供っぽくて喧嘩ばかりしている兄のことを、とても頼もしい一人前の男だと思った。
また、そのリヤカーは、一家が安曇野に引っ越してくるときに陽子(八木優希)と生前の母(原田知世)が乗ってきたものだ。その連想から、もう一度母に会いたいと強く思った。母に、学校のこと、友達のこと、初恋のことなど、いろいろな話を聞いて欲しいと思った。

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NHK『おひさま』第16回

昨日のまとめ記事では、春樹(田中圭)が真知子(マイコ)に恋したかのような意味深な眼差し向けたという重要なシーンへの言及を失念してしまい、この場に追記しておくことにした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第16回目の放送を見ましたよ。

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第3週「初恋」

陽子(井上真央)は、川原(金子ノブアキ)に触れた手をそのまま残しておくため、手袋をはめ、絶対に洗わないようにしようとした。次兄の茂樹(永山絢斗)は理由をしつこく聞き出そうとするが、父・良一(寺脇康文)は陽子の気持ちを慮って何も言わなかった。

夜、布団の中で、陽子の目から急に涙がこぼれでた。松本訪問は心の底から楽しかったのだが、逆に、このような日はもう二度とないのかもしれないと思うと悲しくて仕方なかったのだ。

明け方、寝苦しかった陽子は、無意識に手袋をはずしてしまった。起床後、いつもどおりに庭の井戸で洗顔を行った。ふと、手を洗ってしまったことに気づいて、陽子は落ち込んでしまった。
学校では、育子(満島ひかり)と真知子(マイコ)が笑いながら慰めてくれた。洗わないでいると臭くて痒くなっただろうし、何よりも、また川原に手を握ってもらえばいいと言うのだ。川原の事を考えると、陽子は嬉しくなって小さな悩みは忘れてしまった。

放課後、真知子がふたりを家に誘った。フランスの珍しいケーキを食べながら、話に花が咲いた。その真知子の部屋で、陽子は彼女の許婚の見合い写真を見つけた。
自分は与えられた運命に従って生きる女だと気丈に振舞っていた真知子が、突然泣き崩れてしまった。真知子は松本で出会った、陽子の兄・春樹(田中圭)に恋をしてしまったと告白した。これまで男性に対しては心を閉ざし、親の決めた許婚と素直に結婚するつもりでいたのに、それが簡単なことではなくなったと訴えた。そして、自分を春樹に引きあわせた陽子のことを逆恨みした。

陽子は、自分の行動が真知子を苦しめる結果になったと思い、同様に泣き出した。それは明らかに不幸な偶然であり誰のせいでもない、と育子は仲裁するが、親友たちの苦しみに同情して、自分も泣き出してしまった。

家に帰り、ひとりきりになると、陽子はますます落ち込むのだった。曇りガラスに、川原姓に続けて自分の名前を書いた。そして、それを一気に消して、川原との決別を決意するのだった。真知子が初恋を諦めなければならないのなら、自分も同じように諦めることに決めたのだ。

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NHK『おひさま』第15回

7:30からNHK BSプレミアムを見て8:00過ぎまで本まとめ記事を書いている時間帯は、ちょうどテレビ神奈川でsaku sakuが放送されていることに気づき、そっちを見ようかと少し心の揺れている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第15回目の放送を見ましたよ。

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第3週「初恋」

松本で川原(金子ノブアキ)に再会した陽子(井上真央)は舞い上がってしまい、完全に平常心を失っていた。川原を見てはいけないと思えば思うほど、彼ばかりを盗み見してしまう有様だった。
松本城の見学に出かけ、急な階段で川原が手を貸してくれた。戸惑いつつも彼の手に捕まった。それは陽子にとって幸福な触れ合いだった。

喫茶店では、それぞれの将来の夢を語り合った。
育子(満島ひかり)は、東京の大学に進学したいと言い出した。天守閣からの風景を見ていて、郷愁よりもまだ見ぬ世界に飛び出したいという気持ちが高まったのだという。
真知子(マイコ)は、逆に、どこにも行かずに安曇野で一生を過ごすのだという。親に決められた許婚もいる。

ふたりの話を聞いた陽子の兄・春樹(田中圭)は、人には常に新しいことに向かうタイプ(育子)と、自分に与えられた運命に向き合うタイプ(真知子)がおり、どちらもそれぞれに正しいとまとめた。そして、自分自身は運命に従うタイプで、川原は新しい世界に飛び込むタイプだと付け足した。

さらに春樹は、陽子は太陽であり、どちらのタイプにも属さないと評した。
そして、母(原田知世)が亡くなった直後の陽子(八木優希)のエピソードを披露した。家の中が暗く沈んでいた時、陽子が突然酒に酔ったふりをして踊りだしたという。それをきっかけに一家は明るさを取り戻したという。
その話を聞いた川原は、陽子はきっといいお嫁さんになるだろうとコメントした。陽子は照れくさくも、川原にそう言われたことが嬉しかった。

3人娘は安曇野に帰ってきた。陽子は二人からからかわれっぱなしだったが、まんざらでもなかった。
川原と手が触れ合った余韻に浸り、その手を絶対に洗わないでおこうと決意するのだった。

その頃、本人以外は誰も気づいていなかったが、真知子には恋心が芽生えていた。

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NHK『おひさま』第14回

1988年放送のNHK大河ドラマ『武田信玄』では若尾文子がナレーション(兼、信玄の母役)を担当し、「今宵はここまでに致しとうござりまする」という決まり文句が流行語大賞にもなったと知り、どっかでパロディは出てくるんだろうかと期待している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第14回目の放送を見ましたよ。

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第3週「初恋」

長兄・春樹(田中圭)(中川大志)からのハガキには、川原(金子ノブアキ)が陽子(井上真央)に会いたがっていると書いてあった。それを見た陽子は嬉しさのあまり、部屋で踊り呆けた。
その時、父・良一(寺脇康文)が部屋に入ってきた。恥ずかしさのあまり、陽子は父に対して声を荒らげてしまった。父に反抗的な言動をするのは生まれて初めてのことで、陽子は困惑してしまった。
良一も、年頃の娘の気持ちを理解することができず、戸惑うばかりであった。

ふたりはどこかよそよそしくなってしまった。
陽子は、自分の初恋のことを父に話すのが恥ずかしいと思っているのだ。母(原田知世)が生きていてくれたら、きっと相談できたのにと、一人溜息をつくのだった。
家父長権の強かった時代にあって、良一は例外的に家族に優しい父親だった。そのことが逆に、娘との距離のつかみ方を悩ませる結果になっていた。

学校で、陽子は自分の鉛筆が全てきれいに削られているのに気づいた。どうやら、父が密かに整えておいてくれたようだった。父のさりげない優しさに、陽子は授業中にもかかわらず涙がこぼれて、留めることができなかった。
しかし、それをきっかけに、父のと関係が修復された。陽子は食卓でも明るく振舞うようになり、素直に父に鉛筆の礼を言うのだった。

ある日、陽子は育子(満島ひかり)、真知子(マイコ)と連れ立って、松本の兄のもとへ向かった。
いよいよ、兄と川原の通う旧制松本高校に到着した。しかし、陽子は川原に会うことに怖気付いてしまった。手を引っ張る親友たちに抵抗して、その場から動かなくなってしまった。

後者の窓から、兄と川原が顔を出していた。押し問答の様子が全て見られていたと知り、陽子は絶望してしまった。

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NHK『おひさま』第13回

村下孝蔵の「初恋」(YouTubeで見る)は年代的にちょっとはずれている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第13回目の放送を見ましたよ。

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第3週「初恋」

安曇野から上機嫌で東京に帰った房子(斉藤由貴)であったが、家では相変わらず雑事に追われて徒労感にさいなまれる。ある日、家族全員の帰りが遅いというので、思い切って陽子(若尾文子)の所へ遊びに行くことにした。

陽子が自分のことを少女のように扱ってくれることが、房子には何よりも嬉しかった。そして実際に、房子自身も少女に戻ったような気分になることができた。
陽子の店に、老人が採れたての野菜を持ってやって来た。その老人こそ、現在のタケオ(犬塚弘)だという。本物のタケオに会い、怯える彼の迷惑も省みずに房子は大興奮してしまった。

タケオは去り、陽子の思い出話が再開された。

昭和13年秋。中国で連戦連勝する日本軍に、国中が喜びに沸いた。
陽子(井上真央)も熱に浮かされたように大喜びだった。戦地への慰問袋の作成や、男手のなくなった農家への勤労奉仕など、嫌がらずに喜んで行なった。まだまだ国内は平和で楽しい時代だった。

陽子の唯一の悩みといえば、スカートの寝押しの成否くらいのものだった。失敗すると1日じゅう憂鬱だった。元気のない様子を心配されるも、「男の人にはわからないわ」と意味深な返答をしてしまい、父(寺脇康文)をうろたえさせることもあった。

そんなある日、松本の兄・春樹(田中圭)(中川大志)からハガキが届いた。冬になる前に松本に遊びに来るよう誘う内容だった。特に、川原(金子ノブアキ)も会いたがっていると書き添えてあったことに、陽子は有頂天になってしまった。

嬉しさのあまり踊り呆けている姿を父に見られてしまった。

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NHK『おひさま』第12回

斉藤由貴の「初戀」(YouTubeで見る)を名曲だと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第12回目の放送を見ましたよ。

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第2週「乙女の祈り」

翌朝、おならをしたという濡れ衣をかけられたことを忘れたかのように、陽子(井上真央)はいつもの明るさを取り戻していた。
次兄の茂樹(永山絢斗)が下手人だと白状した。頭に来た陽子は、茂樹の弁当からおかずを減らしてしまう。しかし、彼が飛行隊に入りたがっているという秘密を知ってしまったことに引け目を感じ、そっと元に戻すのだった。

長男の春樹(田中圭)と川原(金子ノブアキ)が松本に帰るという。登校する陽子をふたりが見送ってくれた。陽子は名残り惜しく思いつつも、川原に出会えたことをとても嬉しく思い、彼のことを思い出しては自然と顔がほころぶのだった。

学校の帰り、育子(満島ひかり)、真知子(マイコ)と村上堂に立ち寄り、いつものように買い食いした。新発売のレモン飴のコピー「甘酸っぱい初戀の味はひ」にひかれ、3人でなめてみた。初めて経験する飴の味と、自分の初めての恋の経験を重ねあわせ、えらく興奮するのだった。

陽子は、もう一つ気になることとして、海軍飛行予科練のことを、茂樹のことは伏せたまま、それとなく聞いてみた。友人たちの話によれば、試験に合格するのはかなり難しいという。それを聞いて、あまり優秀とは言えない茂樹なら不合格になるだろうと、安心する陽子だった。

戦争の陰は国中を覆いつつあった。それでもなお、陽子の周辺は、戦争自体を明るく希望に満ちたものだと捉える風潮があった。店を出ると、出征する男達の壮行会が開かれていた。陽子らは、行きずりにも関わらず、その雰囲気にのまれて輪に加わるのだった。

ふと見ると、出征する男達の中に、映画館で陽子に痴漢を働いたタマネギ男(千原せいじ)がいた。目があった男は、気まずそうな顔になり、背を丸めてトボトボと歩き始めた。彼のしょぼくれた姿を見て、陽子は大声でエールを贈った。その声におされて、男は元気を取り戻し、再び堂々とした行進をするのだった。
太陽の陽子である自分は、彼を勇気づける立場にあると思い、彼の罪を許したのだった。

そのあたりまで話を聞くと、房子(斉藤由貴)は夕飯の支度があると言って慌てて帰って行った。また話を聞きに来るから、勝手に一人で話を進めないで欲しいと陽子(若尾文子)に釘を刺して行った。

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NHK『おひさま』第11回

本作のヒロインは1922年(大正11)生まれという設定であり、瀬戸内寂聴と同い年なのだと気づいた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第11回目の放送を見ましたよ。

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第2週「乙女の祈り」

川原(金子ノブアキ)がハーモニカで吹いていたのは「月の砂漠」だった。その曲は、生前の母(原田知世)がよく歌っていたもので、陽子(井上真央)も大好きだった。
長兄の春樹(田中圭)もお気に入りの曲のようで、よく川原に吹いてくれと頼むらしい。そこから寮での春樹の様子についての話になった。川原が言うには、春樹は誰にも言えない悲しみを秘めており、そのせいかとても厳しく自分を律して勉学に励んでいるという。陽子は、一家が安曇野に越してきた夜に春樹がこっそりと泣いていたことを思い出した。

川原に請われ、陽子は伴奏に合わせて歌った。それは楽しい出来事だった。
ただし、後にこの初恋は、他の多くの初恋と同じ運命をたどることになる。

陽子は学校でもそわそわしたり、ぼーっとしたりしている。学校帰りに水飴屋・村上堂に立ち寄り、親友たちに自分の初恋を打ち明けた。みんなは陽子と一緒になって興奮してきた。
つられて、育子(満島ひかり)も自分の恋の遍歴を告白した。初恋は2年前で、これまで3人の男性と交際したという。育子の先進性に驚く一同であったが、後になって全て嘘だと判明した。自分を新しい時代の女性に見せたいと思っている育子は、恋も人並み以上にしていると言わざるを得なかったのだ。
一方、真知子(マイコ)は、恋はしないと決めていると宣言した。許婚がおり、別の男性と恋をしても辛いだけだと言い、そういう家に生まれたのだから仕方がないと納得していた。しかし、真知子も間もなく、つらい恋を経験する事となる。

陽子の家の夕食は、今日も楽しいものだった。春樹や川原の寮のそばで勤務する若い巡査が話題の中心だった。その巡査は年は変わらないが、すでに働いている。彼に比べれば、春樹らが学校に通えることは幸福である。父・良一(寺脇康文)は、世の中には学びたくても学べない人も大勢いる。そういう人々のためにも自分たちがしっかりと勉強し、世の役に立つ人物になるようにと諭すのだった。
話を聞いていた次兄の茂樹(永山絢斗)は、戦地に赴いて国のために戦っている軍人たちのことを思うのだった。

その時、誰かがおならをした。茂樹がからかって陽子のせいにした。川原の前で恥をかかされた陽子は部屋に閉じこもってしまった。茂樹を呪い殺して、自分も後を追って死ぬことを決意した。まだまだ幼稚な恋だったのだ。

呪殺を実行するため、陽子は夜中に茂樹の部屋へ忍んで行った。そこで陽子は、海軍飛行隊の募集広告と教則本を見つけた。陽子は初めて戦争を身近に感じた。そして、兄がこっそりと計画していることを知って、空恐ろしくなった。どうしていいか解らず、陽子は何も見なかったことにした。

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NHK『おひさま』第10回

通勤路に桜のトンネルがあって、舞い散る花びらの中を車で走るのが楽しい当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第10回目の放送を見ましたよ。

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第2週「乙女の祈り」

国家総動員法が施行され、世相が変わりつつあった。しかし、まだ安曇野には大きな影響もなく、陽子(井上真央)らは平穏な生活を続けていた。特に、大好きな長兄・春樹(田中圭)が帰省するというので、陽子は朝から浮かれているのだった。

帰宅途中、タケオ(柄本時生)の母(角替和枝)に呼び止められた。煮物を分けてくれるという。兄をもてなす料理が増えて、陽子は喜んだ。
タケオの陽子に対する片思いを知っている母は、料理を教えてやるから嫁に来いとカマをかける。等のタケオはその様子を物陰から固唾を飲んで見守っていた。しかし、陽子はそれを単なる冗談だと思い、笑い飛ばしてしまった。陽子は、結婚だとか恋愛といったことを真剣に考えたことは一度もないのだ。

家中を掃除し、夕食の支度もすっかり整った頃、春樹が親友の川原(金子ノブアキ)を連れて帰ってきた。

陽子はハンサムな川原に一目惚れしてしまった。それが陽子の初恋だった。

川原の実家は医者だが、自分は医者になるつもりはないという。旧制高校卒業後は満州に渡り、親戚のいる新聞社で働く予定だという。アメリカと同じように、満州はアジアの諸民族が共存する理想的国家であると考え、その行く末を現地で見届けたいのだという。

夜遅く、陽子は興奮したのかなかなか寝付けなかった。すると、どこからかハーモニカの音が聞こえてくる。音をたどっていくと、家の近所で川原を見つけた。

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