NHK『花子とアン』第1回

妹・かよ役の黒木華だけを楽しみにしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』の第1回めの放送を見ましたよ。

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第1週『花子と呼んでくりょう!』

1945年(昭和20年)4月15日。
村岡花子(吉高由里子)は文机で原稿用紙に向かっていた。黙々と洋書の翻訳をしていたのだ。

その時、けたたましい空襲警報が鳴った。東京にアメリカの爆撃機が多数飛来したのだ。
花子は娘の美里(三木理沙子)や近所の子どもたちを連れて防空壕へ避難することにした。恐れのあまりすくみあがっている子どもたちには空を見上げるように話した。多数の焼夷弾が光りながら落ちてくる。花子はそれを花火だと思えと言うのだ。花火の中を走るのだから何も怖くないと言って励ますのだった。

そして花子は、胸に1冊の洋書を抱えていた。それは花子が日本で初めて翻訳し、後に出版されることとなる『赤毛のアン』の原書であった。

時はさかのぼり、1900年(明治33年)。
甲府の貧しい小作農の娘として安東はな(山田望叶)は生まれた。

父・吉平(伊原剛志)は行商人をやっており、1年の半分は家にいない。代わりに、祖父・周造(石橋蓮司)や母・ふじ(室井滋)らが畑仕事を担っている。

はなは小学1年生であったが学校に行くことはできず、一家の貴重な労働力として働いていた。母たちが野良仕事で留守の間、妹や弟たちの子守をしたり、飯炊きや水汲みなどをしなくてはならない。

特に水汲みは重労働だった。川の水はまだ冷たく、桶いっぱいに溜めた水は子どもの身にとっては大変重かった。それでもはなは前向きに仕事をすることができた。それというのも、はなには空想の力があったからだ。辛い現実に直面すると、楽しい空想が頭に思い浮かんだ。まるで自分が白鳥になったかのように、大空から自分の住む村の風景を見ることができたのだ。

同時にはなは負けん気の強い子だった。同年代の子どもたちから小作人の子どもだとからかわれても、それにめげずに食ってかかるのだ。特に、自分のことをはなではなく「花子」と呼べと言うのが常套句だった。花子という名前は小作人らしからぬ名で、周りの子どもたちはますますはなのことを馬鹿にするのだが、はなは全く意に介さなかった。

ある日、父・吉平が行商から帰ってきた。彼は甲府の生糸を東京で売り、代わりに東京で仕入れた日用品を甲府で売ることを生業としている。一家の中で多少学があり、字が読めるのも彼だけだった。吉平は子どもたちへの土産として『おやゆび姫』の絵本を買ってきた。けれども、貧しく字も読めない一家はそれを冷淡に迎えた。そのようなものよりも食料の方がありがたいからだ。

そんな中、はなだけは目を輝かせて喜んだ。はなも字は読めないが、生まれて初めて見る本というものに憧れがあったのだ。そんなはなを見て、父・吉平も喜んだ。はなに対する期待も大きくなった。

さっそく吉平は、はなを小学校へ行かせることにした。家事への責任感を持っていたはなは初めこそ躊躇していたが、いざ学校へ来てみると嬉しくて仕方がなくなった。周りの子どもたちからは小作人の子として相変わらず冷淡にされていたが、はなは意に介さず勉学に励んだ。まだたどたどしくはあったが、たったの1週間でずいぶんと多くの字を読めるようになった。先生(マキタスポーツ)にもおおいに褒められたが、それがまた同級生たちのやっかみを買った。それでもはなは挫けることがなく、むしろいじめに対して断固としてやり返すのだった。

その頃、父・吉平は別の学校を訪れていた。

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NHK紅白歌合戦『あまちゃん』特別編6

いつ『あまちゃん』ネタが出てくるかと警戒し全く気の抜けなかった当方が、NHK第64回紅白歌合戦あまちゃん』特別編の6回めを見ましたよ。

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特別編(23:41)

紅白歌合戦の最終審査コーナーにアキ(能年玲奈)が登場することとなった。しかし、段取りがわからずにキョロキョロしてしまった。

番組エンディングの「蛍の光」では、指揮の平尾昌晃の隣で合唱を行った。

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NHK紅白歌合戦『あまちゃん』157回 (特別編5)

話数がちゃんと繋がっていることに感激した当方が、NHK『あまちゃん』の第157回めの放送を見ましたよ。

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「おら、紅白出るど」特別編(21:35)

アキ(能年玲奈)は、「GMTスペシャルユニット feat. アメ横女学園」として紅白歌合戦のステージで『暦の上ではディセンバー』を歌った。

歌い終えたアキは、個人的な話があるといって語り始めた。
自分には大親友がいるというのだ。その親友は可愛くて素敵な人だという。アキと一緒に東京へ来るはずだったが、様々な困難でかなわなかったというのだ。

それをスナックリアスで聞いていたユイ(橋本愛)は、北三陸に設置された中継カメラ越しに今すぐ東京へ行くと約束した。周囲の大人たちは今から行っても放送には間に合わないと止めたが、ユイの決意は固かった。

ユイはすぐに北鉄に乗った。列車はあっという間に宮古に着いた。そこからは正宗(尾美としのり)の運転する空飛ぶタクシーに乗り換え、瞬く間にNHKホールにたどり着いた。

こうしてユイは初めて東京へやって来た。

そして、アキとユイは一緒にステージに立ち、「潮騒のメモリーズ」だと自己紹介して「潮騒のメモリー」を歌い始めた。
曲が2番に差し掛かると、春子(小泉今日子)がステージに現れ、歌を引き継いだ。
いったん曲が終ったにもかかわらず、再び「潮騒のメモリー」の前奏が流れ始めた。すると鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)がステージに登場し、同じ曲を歌い上げた。

その後、いつの間にか東京に来ていた北三陸の人々もステージに立ち、GMTやアメ横女学園のメンバーらと一緒になって「地元に帰ろう」を合唱した。

歌を終えたアキは、応援してくれた全国のファンに感謝の言葉を述べるのだった。

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NHK紅白歌合戦『あまちゃん』特別編4

いつも大晦日は夕方から酒を飲み始めるんだけれど、今年ばかりは特別編のためストイックに素面を保っている当方が、NHK第64回紅白歌合戦あまちゃん』特別編の4回めを見ましたよ。

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特別編(20:54)

紅白歌合戦前半の中間審査結果が発表され、白組がリードしていることが伝えられた。
NHKアナウンサー有働由美子に促され、アキ(能年玲奈)はリードを示す球を白組の籠に入れる役を行った。

アキと共に鉄拳がステージに登場し、「こんな紅白はいやだ」というネタを披露しようとした。しかし、進行が遅れており、鉄拳のネタ披露の時間はほとんど残されていなかった。20:55からはニュースを伝えることになっているのだ。
鉄拳は、時間が無いにもかかわらず、強引にネタ披露を行った。そこには「ネタをやろうと思ったカットになった」と描かれており、まさに今の状態を切り取ったものだった。

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NHK紅白歌合戦『あまちゃん』特別編3

もう紅白の本編はそっちのけで、テキストエディタと首っ引きになってしまった当方が、NHK第64回紅白歌合戦あまちゃん』特別編の3回めを見ましたよ。

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特別編(20:09)

アキ(能年玲奈)はサカナクションの曲紹介に登場した。司会の嵐から問いかけられ、自分は海が好きだから「さかな」とつくものが好きなのだという。だから、サカナクションのことも応援しているというのだ。

サカナクションが「ミュージック」の演奏を終えると、アキは「たいしたもんだ」とコメントした。

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NHK紅白歌合戦『あまちゃん』特別編2

出演者は豪華だったけれど、内容はちょっとスベったんじゃないかと思う当方が、NHK第64回紅白歌合戦あまちゃん』特別編の2回めを見ましたよ。

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特別編(19:54)

NHKホールの会場からアキ(能年玲奈)が呼びかけると、北三陸駅からの中継が始まった。

駅前では副駅長の吉田(荒川良々)がリポーター役を務めた。しかし、極度の緊張のため吉田はとちってばかりだった。

中継では安部(片桐はいり)と共に、北三陸名物のまめぶが紹介された。2013年、まめぶはB-1グランプリで5位に入賞したという。

続いて、中継カメラはスナックリアスに突入した。するとそこでは、町の人々が集まっての忘年会の真っ最中だった。生中継されていると気づかない大吉(杉本哲太)は、いつもの様にカラオケで「ゴーストバスターズ」を歌おうとした。しかし、そのマイクは弥生(渡辺えり)に奪われ、彼女が「ヨイトマケの歌」を歌い出すのだった。

そして、集まった人々はやっと生中継されていることに気付いた。慌てて取り繕うが、無様な姿が全国に流れてしまった。

騒ぐ人々の中にあって、ユイ(橋本愛)だけはいつもの通り落ち着いていた。カメラ越しに、東京で活躍するアキのことを応援するのだった。

そこへ鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)までリアスに現れた。アキが紅白歌合戦に出演しているとは知らずに、北三陸へ来てしまったのだ。アキはそんな鈴鹿にツッコミを入れた。

それまでカメラを避けるようにしていた春子(小泉今日子)が突然カメラの前に登場した。そして、アキに紅白という晴れ舞台で失敗をしないように発破をかけるのだった。

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NHK紅白歌合戦『あまちゃん』特別編1

あの物語の続きのあることが嬉しいのはもちろん、こうして再びまとめ記事を書けることも喜ばしく思う当方が、NHK第64回紅白歌合戦あまちゃん』特別編を見ましたよ。

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特別編 (19:15)

2013年12月31日19時15分。
天野アキ(能年玲奈)はNHKホールにいた。あまちゃんビッグスペシャルバンドを率い、NHK紅白歌合戦のオープニング曲の演奏に参加した。
アキが鳴らす銅鑼を合図に第64回紅白歌合戦が始まった。

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NHK『ちゅらさん』第6回

突然のことではございますが、昨日まで続けていた「15年前の俺の恋の思い出マクラ」はこれ以上掲載しませんし、本ドラマのまとめ記事も今日を限りに終了させていただくことを申し上げる次第でございまして、まとめ記事を終了させる理由は決してこのドラマが面白くないからということではなく、『あまちゃん』連載を半年間続けてきたことによる体力と気力の枯渇というごく個人的な問題であり、今さら言うのもなんだけれど、初めからこの連載は1週間で終わらせることを決めていたことを公表し、みなさまのお赦しを乞うとともに、近いうちにボーナストラックのあることを予告する当方が、2001年度上期NHK朝の連続テレビ小説『ちゅらさん』の第6回めをBSプレミアム19:00の再放送で見ましたよ。

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第1週「美ら海の約束」

和也(遠藤雄弥)が亡くなって数日後。上村一家は東京へ帰ることになった。

その前日、恵里(浦野未来)と文也(山内秀一)は海のよく見える丘の上に、和也を偲んで植樹をした。
文也はこの島に来て良かったと話した。東京にいた頃、兄の和也は入院してばかりで、思い出らしい思い出がなかった。ところが、島での和也は快活で、たくさんの思い出を作ることができたからだ。しかし、和也が亡くなったことや、東京へ帰ることを考えると文也の気持ちは沈んだ。

それを見て取った恵里は、変な顔を作って文也を笑わせようとした。文也はつられて笑ってしまうが、照れ隠しで「ブス。結婚してやらない」と憎まれ口を叩いた。恵里はそれは嫌だとさみしそうに答えた。

その夜、母・勝子(田中好子)は恵里に話をした。文也が東京に帰ることは仕方ないことだから納得しなくてはならないというのだ。そして、悲しい別れはしないように注意した。決して泣いたりせず、笑顔で送り出すよう命じた。その代わり、今夜のうちに泣けというのだ。恵里は勝子の胸で思いっきり泣いた。

翌朝、恵里は文也に餞別を渡した。それは、自分の使っている巾着袋を裂いて作ったお守り袋だった。前夜遅くまで、恵里が自分で作ったものだ。一方の文也は、キラキラと輝くきれいなスーパーボールを恵里に贈った。恵里はそれを大切にすることを約束した。

恵里の作ったお守り袋は、ミンサー織りの生地でできていた。藍色の地に、小さな白い四角形が織り込まれている。その四角形は、表に5つ、裏に4つ付いていた。恵里はその模様には意味が秘められていると告げたが、どういう意味かは教えようとしなかった。文也は聞きたがったが、恵里は絶対に答えようとしなかった。

いよいよ、上村一家を乗せた船が港を出ることになった。恵里は、終始笑顔で文也を見送った。

しかし、船影が小さくなるにつれ、恵里は気持ちを抑えることができなくなった。目に涙を浮かべ、船を追って突堤を疾走した。
船上の文也に向かって、ミンサー織りの意味を叫んだ。それは「いつまでも一緒に」という意味だと説明した。そして、大人になったら必ず結婚しようと念を押すのだった。それが和也との約束だからだ。

それから7年が経過し、1990年7月となった。
古波蔵一家は、勝子のかねてからの希望通り、那覇に移住していた。勝子は親戚の紹介で、市場で野菜を売る仕事をしていた。父・恵文(堺正章)はタクシー会社に就職し、運転手として働いていた。勝子が働き者で、恵文が怠け者だということは昔から少しも変わっていなかった。祖母・ハナ(平良とみ)は那覇でもマイペースで、悠々自適な生活をしていた。

宮古の高校に通っていた長男・恵尚(ゴリ)は、定職にも就かず、風来坊となっているようだ。あまり連絡もなく、何をやっているかわからなかった。
弟・恵達(山田孝之)は県立高校に入学し、現在は高校1年生だ。特に目立つタイプの生徒でもないが、校内ですれ違った女子生徒・金城ゆかり(ベッキー)に一目で心が奪われた。

恵里(国仲涼子)は、恵達と同じ高校の3年生だった。野球部のマネージャーをやっている。いささか男勝りな性格で、エラーをした部員に檄を飛ばすなどしている。野球部のマネージャーは恵里の他にもう1人いる。前原琉美子(前原絵理)は部員たちのマドンナであり、みんなからチヤホヤされている。一方の恵里は、部員たちから女子とは思われていないかのようだった。

そんな中、キャプテンの与那原誠(宮良忍)だけは恵里に心を寄せていた。「ライバルがいないから獲得が容易だ」などと軽口を叩きつつ、冗談めかした口調で恵里に結婚しようと迫った。
恵里も、それを軽く流した。自分には結婚を決めた人がいるので、与那原とは結婚できないと言って、きっぱりと断るのだった。

下校途中、恵里はスーパーボールを取り出して陽に透かした。恵里は今でも文也との約束を守っているのだ。

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NHK『ちゅらさん』第5回

昨日のマクラでは、手すら握ったことのない某かわいこちゃんからメアドを書いたメモを渡され、それが当時付き合っていた僕の恋人に見つかってしまい修羅場になったという話を報告させていただいたわけだが、なんでそんなに簡単に見つかってしまったかというと、そのメモがポケットに入っていたジャンパーは当時の恋人が僕から借りてよく着ていたものだったからであり、その時も「じゃ、ちょっと出かけてくるね」と言ってそれを羽織った時に見つかったという何のヒネリもない顛末だったわけなのだが、それはそれとして、その男物のジャンパーを無造作に着た時の彼女はとても可愛かったのも事実で、ある時など、彼女が実家に帰省する時にそのジャンパーを着て行くことになり、札幌駅のホームまで見送りに行ったのだけれど、列車に乗り込むジャンパー姿の彼女の様子は今でも脳裏に焼き付いているほど可愛かったなぁとほんわかした気持ちになっている当方が、2001年度上期NHK朝の連続テレビ小説『ちゅらさん』の第5回めをBSプレミアム19:00の再放送で見ましたよ。

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第1週「美ら海の約束」

和也(遠藤雄弥)の強い希望で、一同は無人島へ遊びに行った。和也はかつて見せたことがないほどのはしゃぎようだった。着衣のまま海に入り、恵里(浦野未来)や文也(山内秀一)と水をかけ合って大騒ぎした。静子(真野響子)は初めて見る和也の元気な姿を写真に収めようとするが、涙で霞んでカメラのファインダーが満足に見えなかった。

恵里は、恵文(堺正章)の三線に合わせて小浜節を舞った。文也はうっとりとそれを眺めた。そんな文也の様子を見て、和也は文也の恵里に対する気持ちに確信を持った。

和也は、恵里と文也が将来結婚するよう勧めた。文也は照れてモジモジしたが、恵里はふたつ返事で承諾した。和也が説得すると、文也もそれを受け入れた。文也が約束をしたことで和也はとても喜んだ。親たちも、子どもの言うことだと思いつつも、ふたりを祝福した。

和也はその一日に満足した。再度無人島に遊びに来たいという希望を述べた。一同は無事に家に帰った。

しかし、それからほどなく和也の容態が急変した。その日は和也の父・伸生(勝野洋)が東京から遊びに来ることになっていた。それを家で待っていると、和也は高熱を出して倒れた。伸生が到着したのを見届けると、和也は意識を失い、そのまま事切れてしまった。

学校に行っていた恵里と文也に連絡が入り、急いで家に帰ったが最期は見とれなかった。

恵里は、沖縄の神は和也を見捨てたと言って憤慨した。
しかし、祖母・ハナ(平良とみ)の意見は違った。和也は神の使命を果たすために選ばれた子どもだというのだ。この世で子どもが死ぬことほど悲しいことはない。和也が亡くなることで、みんなは命の大切さを再認識することができた。そのきっかけとなるために和也は神様に選ばれたと言うのだった。

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NHK『ちゅらさん』第4回

昨日のマクラでは、某かわいこちゃんの家に「ツナグくん」として出かけたことがあることを報告させていただいたが、もちろん「ツナグくん」の定義通り、その日はパソコンの配線以外は何も繋がなかったわけだけれど、彼女から「これ、私のメールアドレスです」とメモを渡されるという幸福な出来事だけはあったわけで、幸福だったにも関わらず、そのメモをジャンパーのポケットに無造作に入れたまま数日間放置するという失態を犯してしまい、しかも不幸なことに、当時付き合っていた恋人にその紙片を見つけられてしまい「ちょっと!女の字で書かれた女の名前っぽいメアドが、なんでアナタのポケットから出てくるわけ!?」と詰め寄られて大変な目に遭ったという経験を持つ当方が、2001年度上期NHK朝の連続テレビ小説『ちゅらさん』の第4回めをBSプレミアム19:00の再放送で見ましたよ。

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第1週「美ら海の約束」

夕食の席で、恵里(浦野未来)は沖縄で暮らせば和也(遠藤雄弥)の病気はきっと良くなると話した。恵里は、和也が手の施しようのない重病であることを知らず、明るく励まそうと思ってそう言ったのだ。

しかし、和也の母・静子(真野響子)の機嫌が急に悪くなった。沖縄に来ただけで病気が治るなどといったバカなことはないなどと、子供相手に激しい剣幕で喚き立てた。静子は泣きながらその場を去った。食卓は重い雰囲気に包まれた。

その夜、恵里は寝付けなかった。恵里の母・勝子(田中好子)は恵里に和也が重い病気であることを話した。本当は黙っている約束だったのだが、恵里に話さずにはいられなくなったのだ。恵里の目からは元気に見える和也なのに、近い将来死ぬ人間だとは到底信じられなかった。

翌朝、和也はキジムナー(沖縄に住むという子どもの姿をした妖精)の扮装をして朝食の場に現れた。みんなを驚かせようという算段だ。恵里がひどく驚き、和也のイタズラは大成功だった。一同はそれで大笑いし、前夜のわだかまりはすっかり消えた。

しかし、恵里が和也を心配する気持ちは消えなかった。それと同時に、自分にはどうすることもできないという無力感も感じるのだった。

そして2日後、和也の父・伸生(勝野洋)は東京での仕事のため単身帰っていった。

ある日、和也と文也、そして恵里は祖母・ハナ(平良とみ)に連れられて墓参りへ行った。ハナの説明によれば、沖縄の墓はとても大きく、生きている人の住処よりも良い場所に作られるのだという。

和也は、みんなの前でハナに死ぬのが怖いかと聞いた。ハナは怖くないという。死んだ人の魂は生きている人のすぐそばにある。だから怖くないと答えた。その答えを聞き、和也も死ぬのが怖くないと同意した。

和也の返事を聞いたハナは、恵里と文也に花を摘んでくるよう命じ、遠くに行かせた。そして、和也とふたりきりになると、墓の前で嘘をついてはいけないとたしなめた。死ぬのが怖くないと言っていいのは年寄りだけであり、和也のような若い者が言ってはいけないと言うのだ。
和也は、ハナにだけは正直な気持ちを打ち明けた。本当はとても死ぬのが怖いのだ。それを聞いたハナは、素直で良いと笑った。

恵里と文也は、ハナが自分たちを体よく追い払ったことに気付いていた。花を摘みながら和也とハナの方を伺い、ふたりが深刻な話をしている雰囲気を感じ取っていた。特に心配そうな文也に対して、恵里はおかしな表情を作って笑わせようとした。それを見てつい吹き出してしまった文也は、恵里に対して「ブス。この島にはかわいい女の子はいない」などと口喧嘩をふっかけた。恵里も自分は島内でも器量よしで評判だと、負けずに応じた。
恵里が東京には自分よりも可愛い子がたくさんいるのかと聞くと、文也は照れながら、それほど多くないと答えた。そのやりとりでふたりは大笑いした。

ある日、和也が近くの無人島・嘉弥真島に行きたいと言い出した。小型船をチャーターし、みんなで一緒に出かける事になった。恵里はみんなを笑わせようと、船の上でおどけてみせた。みんなが笑った。

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