NHK『おひさま』第5回

昨日のまとめ記事で次兄の将来について得意げに予想を書いたのだが、公式サイトの登場人物にしっかりと記載済みであることを知って少々赤面していた矢先に、なんと本まとめ記事シリーズの初回から昨日までのマクラの中で、作品名を誤って『ひまわり』と記載していたことをtwitterで指摘され(すでに修正しました)、顔から火が出るほど赤面した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第5回目の放送を見ましたよ。

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第1週「母のナミダ」

陽子(八木優希)は学校行事である常念岳(標高2,857m)への一泊登山を楽しみにしていた。けれども、母のことが心配で取りやめようとしていた。
しかし、母・紘子(原田知世)の「太陽をすぐ近くで見ておいで」という強い勧めに従って、参加することに決めた。

山腹の山小屋に宿泊し、翌朝頂上を目指した。
陽子は、雲海の中から浮かび上がる朝日を見た。
自分に太陽と同じ名前を付けた母のことを思いながら、不思議と母の命が切れたことを悟った。
そして、母の教え通り、世界を照らす人になろうと決意した。

その頃自宅では、同じ太陽を見つめていた紘子が静かに息を引き取った。

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NHK『おひさま』第4回

7:30からの放送(BSプレミアム)を視聴し、8:00放送の回(NHK総合)が始まる前にまとめ記事を載せてやろうと決意するも、未だ果たせずにいる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第4回目の放送を見ましたよ。

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第1週「母のナミダ」

名古屋へ奉公に行くユキ(荒川ちか)は、どこで働きながらも、自分の努力次第でいくらでも勉強はできると言った。そして、勉強をすることができる幸せを忘れないで欲しいと陽子(八木優希)に告げるのだった。
陽子には、毅然とした態度で去っていくユキのことが大人に見えた。

後に、ユキは素敵な女性となって陽子を助けてくれることになった。
そしてまた、今にして思えば、陽子が先生になりたいと思ったのはその時が初めてだった。ユキの夢を自分が叶えるべきだと思ったのだ。

昭和8年4月、陽子は5年生になった。
新しい教科書を貰った陽子は少しずつ書写した。そしてユキに手紙で送り、彼女が勉強できるよう手配した。陽子が女学校を卒業するまでそれは続いた。ユキも仕事の合間に嬉しそうにそれを読んだ。

一方、陽子の母・紘子(原田知世)の体調は悪化するばかりだった。今では一日のほとんどを床で過ごすまでになった。

ある日、次兄の茂樹(渡邉甚平)や陽子が家に帰ってくると母の姿がなかった。これまで、母の容態がそこまで悪いとは考えもしなかったふたりは酷くうろたえた。母の死を初めてはっきりと意識した。

病院に担ぎ込まれた紘子はどうしても家に帰りたいと懇願し、父・良一(寺脇康文)が牽くリヤカーに乗せられて翌朝帰ってきた。子供たちは母の帰宅をとても喜んだ。

しかし、家族に残された時間はもう少なかった。

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NHK『おひさま』第3回

歳のせいか、最近、朝早く自然に目が覚めるようになり、何の苦も無く7:30からNHK BSプレミアムを見ることのできる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第3回目の放送を見ましたよ。

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第1週「母のナミダ」

10月、運動会の日。
陽子(八木優希)はいつものように早起きし、弁当を作るために台所へ向かった。しかし、そこではすでに母・紘子(原田知世)が運動会の弁当を作っていた。身体の弱い紘子であったが、この特別な日だけは自分一人で弁当を作りたいと言うのだ。献立は、どれも陽子の大好物であった。

いよいよ陽子の出場する徒競走の番になった。
直前、陽子の親友のユキ(荒川ちか)は何かを言い出したい様子を見せていたが、すぐにそれを打ち消した。

陽子の順位は2位だった。直後に走ったユキは1位だった。ユキは一等賞として、真新しいノートと鉛筆をもらい、心の底から喜んだ。陽子も、自分の成績などそっちのけで、まるで自分のことのように大喜びした。
それを見ていた母・紘子は、自分の娘が人のことを思いやることのできる、いい子に育っていると喜んだ。そして、自分の命が長くないことを悟っているせいか、自分がいなくなっても陽子のことは何も心配はいらないと、涙を流すのだった。

ところが、その翌日、ユキは学校に姿を見せなかった。
沈痛な表情を浮かべる夏子先生(伊藤歩)が、ユキは名古屋へ奉公に出ることになったと発表した。別れが辛くなるから誰にも言わないで欲しい、最後の思い出に運動会にだけは出場したい、と頼まれていたという。

陽子はすぐに学校を飛び出した。一心不乱に走り、リヤカーに載せられているユキにやっと追いついた。

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NHK『おひさま』第2回

東京電力の計画停電に関しては「なぁに、かえって国民の省エネ意識が高まる。こんなに効果的な啓発活動はないだろう」などと気軽に考えていたのだが、停電のタイミングによっては朝ドラを見ることができず、いまさらながら事の重大さに気づいた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第2回目の放送を見ましたよ。

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第1週「母のナミダ」

昭和7年10月。陽子(八木優希)ら、須藤一家が安曇野に移住して1ヶ月が過ぎた。
須藤家は村人たちとすっかり打ち解けたが、洗練された都会的な暮らし向きは彼らと一線を画していた。

陽子と母・紘子(原田知世)は、近所の水神碑へ散歩に出かけた。アルプスの雪解け水が地下水となって流れてきている。石に耳を当てると、水の音が聞こえるのだ。紘子は水こそが命の源であり、全ての生物がここに繋がっていると話し、命の尊さを語りかけるのだった。
一方で、紘子の体調は悪化していった。家事も満足にできなくなりつつあり、家族全員の弁当を陽子が作るようになった。

陽子の小学校の担任は高橋夏子(伊藤歩)だ。自由で気さくな雰囲気を漂わせていて、陽子をはじめ、同級生全員が彼女のことを慕っていた。

小学校で、陽子と特に仲が良かったのは田中ユキ(荒川ちか)だ。可愛くて、賢い女の子で、陽子は彼女に憧れもいだいていた。
しかし、ユキの置かれた境遇は陽子と正反対だった。彼女の家は貧しく、学校に弁当を持ってくることができなかった。それでも、陽子が自作の弁当を分けてやると、ユキはとても美味しそうに食べてくれた。その様子を見て、陽子はとても嬉しく思うのだった。

また、ユキは高橋先生へのあこがれもあり、できれば学校の先生になりたいという。陽子も、勉強が得意なユキはそうなるべきだと思った。しかし、ユキは自分の境遇を考えれば、先生にはなれっこないという。家では「女に学問は必要ない」と言われている上、小学校を出たら家族を助けるために奉公に出されるという。

陽子は、たまたま生まれた家の違いによって、熱心に勉強をしたがっているユキが進学できず、何も目標の無い自分が女学校に進学できることに胸を痛めた。陽子は生まれて初めて、社会の理不尽さを知ったのだ。

その後、実際にユキは学校の先生にはなれなかった。

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NHK『おひさま』第1回

奥田民生(ユニコーン)の『大迷惑』の一節「枕が変わっても やっぱり するこた同じ」を口ずさんでいる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第1回目の放送を見ましたよ。

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第1週「母のナミダ」

主婦・房子(斉藤由貴)は日常の雑事に追われて余裕を無くしている。気分転換のつもりで見物に出かけた長野県安曇野市の蕎麦畑で、房子は車を立ち往生させてしまった。助けを探すつもりで歩いて行くと、感じの良い蕎麦屋を見つけた。

その蕎麦屋は、上品な老婆(若尾文子)が主人であった。老婆は、房子の求めに応じて、自分の半生を話し始めるのだった。

老婆の名前は陽子。東京で生まれた彼女は、昭和7年に安曇野へと越してきた。当時まだ10歳だった陽子(八木優希)は事情を知らなかったのだが、母・紘子(原田知世)は心臓がとても悪かった。最期を家族でゆったりと過ごすために、父・良一(寺脇康文)は仕事を辞めてまで、一家で移ってきたのだ。

母は幼い陽子に、これからの女性の生き方を話して聞かせた。「女だから仕方がない」を言い訳にしない、強く自立した女性になるよう言いつけた。そしてまた、陽子は太陽を意味すると説明し、どんなに辛い時にも笑うように、自分が輝いて周囲の人々を明るく照らす人物になれと言うのだった。

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俺の「『ゲゲゲの女房』この1本!」

 NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』を全部見て、毎日まとめ記事を書いていた当方が、一番好きな話を振り返りますよ。

『ゲゲゲの女房』「私、働きます」第52回 2010年5月27日放送

 漫画が売れずに貧乏のどん底にあった茂と布美枝。

 生活のため、茂はプライドを捨てた仕事を請け負う。別名で少女漫画を描いていたのだ。ただし、そのことは布美枝には隠していた。
 原稿を届けに行った出版社で、布美枝はついに真相を知ってしまった。そして、嫌味な出版社社長から侮辱を受ける。その上、原稿料まで値切られた。収入が少ないことではなく、茂の仕事が正当に評価されないと感じたことが悔しくてたまらない。しかし、布美枝はそれを受け入れざるを得なかった。

 布美枝は悔しくてたまらない。しかし、茂を心配させないように気持ちを落ち着けてから家に帰る。苦しい家計の中から、無理をしてコーヒーを買って帰った。

 チビチビとコーヒーをすすりながら、ここ数日の夫婦のわだかまりを吐き出すふたり。特に布美枝は、自分ではなく、見ず知らずの若い女性(はるこ)に仕事を手伝わせていたことが気に入らなかった。茂の言い分としては、苦手な少女漫画を描くにあたって経験者が必要だったことがあった。そして、不本意な仕事を隠しておきたくて、布美枝を仕事部屋に近づけたくなかったという理由もあった。

 ふたりは話に熱中するあまり、無意識に砂糖を入れすぎてしまい、貴重なコーヒーを台無しにした。しかし布美枝は、何より美味しいコーヒーだと感じた。

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NHK『ゲゲゲの女房』第156回 [終]

 全156回完走できたことを感謝したい当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の最終回を見ましたよ。

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「ありがとう」

 源兵衛(大杉漣)の葬儀のため、一家は安来へ向かった。

 葬儀は布美枝(松下奈緒)の実家で執り行なわれた。遺族たちは落ち込むのではなく、明るい笑顔で源兵衛を見送った。彼岸花の咲く季節に死んだものは、先祖に守られてあの世に行けると言われている。源兵衛は実の母・登志(野際陽子)や、若くして亡くした息子・貴司(星野源)らと一緒になれるのだから良かった。ミヤコ(古手川祐子)は気丈に言うのだった。

 布美枝のおば・輝子(有森也実)は、布美枝と茂(向井理)の結婚に猛反対していたことを謝った。漫画家という職業がなんなのか分かっておらず、5日間で結婚を決めたことが気に入らなかったのだ。しかし、今にして思えば、ふたりは幸せになっており、源兵衛の見る目に間違いはなかったと思い知ったという。
 源兵衛の婿探しの的確さは、布美枝の姉妹たち全員が同意するところだった。彼女らは全員、源兵衛の決めた相手と結婚し、それぞれ自他共に認める幸福な家庭を築いているのだ。

 鬼太郎の作者として、茂は親戚の子供達に囲まれた。葬式の場で漫画ばかり描いている茂のことを申し訳なく思う布美枝であったが、ミヤコはむしろその方が良いと言う。家族が笑っていられることが、源兵衛への何よりの手向けだからだ。源兵衛は特徴のない普通の人生を過ごしたが、笑いの絶えない幸せな家族を残した。それが立派だと、ミヤコは言うのだった。

 葬儀が一通り終わった。茂と布美枝は、珍しくふたりっきりで散歩に出かけた。ふたりは神社の参道の階段に腰をかけていた。そこは、幼い布美枝が「しげ」と呼ばれる少年と妖怪について話した場所であった(参考: 第2回)。

 布美枝は、戯れに、結婚相手が自分で良かったのかと聞いてみた。別の人と結婚していたら、自分はどうなっていたと思うか、と茂に尋ねた。
 照れくさい茂は、横を見たらいつも布美枝がぼんやりとした顔で立っていた、と軽口で答えるのが精一杯だった。
 しかし、急に真剣な顔になり
「良かったんじゃないか、お前で」
とうつむきながら、ぼそぼそと付け足した。

 林の中を歩いた。その時、何かに追いかけられている妖気を感じた。
 ふたりは無言で手を繋ぎ、道の脇によけた。そして、打ち合わせたわけでもないのに、同時に
べとべとさん、御先にお越し」
と唱えた。その呪文で、ふたりは妖怪をやり過ごすことができた。

 茂は、布美枝が呪文を知っていたことに驚いた。それは、彼女が子供の頃に「しげ」から教えてもらった呪文であり、よく覚えていたのだ。「見えんけど、おる」そう話すと、再び歩き出した。

 歩くふたりに、再び誰かが声をかけた。振り返ると、鬼太郎とその仲間たちが立っていた。それだけではなく、これまでに茂が生み出した漫画の登場人物たちが、林のあちらこちらから茂と布美枝を見守っていた。
 今まで姿は見えなかったけれど、いつも彼らはふたりのそばにいたのだ。

「まだまだ、これからだ。」
「はい。」

 彼岸花の咲く道を、ふたりは並んで歩いていった。

(完)

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NHK『ゲゲゲの女房』第155回

 急に気温が下がったせいか、我が家の寒がり猫ちゃんが暖を取ろうと膝の上に乗ってくるせいで、テレビが見にくいやらキーボードが打ちにくいやらの当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第155回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 謝恩パーティーが終わり、一家は帰宅した。ふたりの娘(青谷優衣荒井萌)が、祝いと労いの花束を茂(向井理)に贈った。
 受け取るやいなや、茂はそれを布美枝(松下奈緒)に手渡してしまった。布美枝の助けがなければ自分はここまでやってこれなかった。ゆえに、この栄誉は布美枝が受け取るべきだと考えたのだ。つい口から出た自分の言葉に照れてしまった茂は、休む間もなく仕事部屋へ向かった。
 机に向かう茂の後ろ姿は不遇の時代から少しも変わらない。そして、はっきりと口にすることは少ないが、布美枝の助けを頼りにし、感謝してくれていたこと。布美枝は胸がいっぱいになった。

 パーティーの翌日、商店街の面々が家に祝いに来てくれた。
 茂は、貧乏時代に世話になった質屋の主人(徳井優)に感謝を述べる。主人はとぼけているが、どうやら本来なら流れてしまう質草を、主人は茂に同情して留めておいてくれたようなのだ。茂はそのことに気づいていたが言い出せず、今になってやっと礼を言うことができた。
 現在は福島で工場長をやっている太一(鈴木裕樹)も来ていた。彼は、貸本時代からの茂の大ファンである。昔から自分の作品を熱心に読んでくれていたことを感謝する茂であったが、太一は自分だけではなく、応援してくれる全ての読者へその気持を向けるべきだとやんわりと答えた。彼の言葉に、茂も布美枝も、あらためて多くの人々に支えられていることを悟るのだった。
 太一は、上京する道中、千葉の美智子(松坂慶子)の所へ立ち寄り、手紙を預かってきた。手紙には貸本屋の張り紙が同封されており、茂の作品を宣伝する懐かしい文句が書かれていた。布美枝に宛てた手紙には、布美枝の陰の助力を褒め称える内容であった。

 それからしばらく経った9月末、布美枝の父・源兵衛(大杉漣)が死んだと連絡が入った。悲しみにくれる布美枝。茂は仕事は放り投げて、一緒に安来に行こうと言うのだった。

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NHK『ゲゲゲの女房』第154回

 「今日は雨。でもどうしても○○で出かけたかった」とひとりごちている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第154回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 水木プロ設立20周年記念謝恩パーティーの計画は着々と練上がっていった。7月12日土曜日の大安に開催されることが決まった。
 布美枝(松下奈緒)は、立案の打ち合わせには参加していない。そんな彼女に、茂(向井理)が声をかけた。パーティーでは、水木プロ名物の「緑の餃子」を出したいという。貧乏時代に布美枝がよく作ったもので、野菜のみでパンパンに太らせた餃子である。招待客は100人以上にもなるというのに、布美枝は喜んで作ると約束した。

 茂は照れくさかったのだろうか。それと引き換えかのように装って、布美枝に着物を新調するように言った。ケチケチしないで、高価で立派なものを誂えるてよいという。茂がそのようなことを言うのは特に珍しかっったので、布美枝は驚きつつも、とても嬉しくなった。

 しかし、布美枝は着物を作ることを断った。自分は素晴らしい着物を持っており、是非ともそれを着たいと言うのだ。

 パーティー当日。布美枝の支度が整った。
 初めて袖を通した着物は、嫁入り道具として母(古手川祐子)が徹夜で作ってくれた桃色の着物で、青海波の模様が入っている。青海波は静かに波立つ海を模したもので、平穏な暮らしが永久に続くという願いの込められているものだ(参考: 第17回)。極貧時代に質入れされてしまったこともある(参考: 第59回)。
 頭に挿した簪は、祖母(野際陽子)の形見の品だ。紅色のサンゴの簪で、これは良縁のお守りだという。実際、茂との見合いでも使用した(参考: 第15回)。

 2人の娘(青谷優衣荒井萌)は、母の晴れ姿に見とれた。着物と簪にまつわる逸話にも感激した。布美枝は、それらの品物を娘たちに伝えていきたいという。どちらか一人に祖母からもらった簪を、もう一方に母からもらった着物を分けてやりたいと願っていると話した。
 そこに茂も現れ、かつてない妻の美しさに目を奪われた。しかし、いつまでも準備に手間取っている女性たちを急かすと、すぐに立ち去ってしまった。本心では照れくさかったのだ。

 パーティー会場には、人々が続々と集まった。
 戌井夫妻(梶原善、馬渕英俚可)とは、プロダクション設立前から25年もの付き合いになる。布美枝と戌井の妻は、漫画バカに振り回された25年の苦労と喜びを互いに目配せして笑うのだった。
 トラブルメイカーの浦木(杉浦太陽)が現れ、布美枝は顔をしかめる。茂は、良い人間が良いことをするだけでは、漫画も人生もつまらない。浦木のような人間が必要だと説く。自分の存在を褒められたのか、けなされたのか、浦木は判断に迷うのであった。
 布美枝の姉・暁子夫婦(飯沼千恵子、塚本晋也)は、布美枝の娘たちに付き添われた。
 幽玄社の元編集長・豊川(眞島秀和)やアニメプロデューサー・船山(風間トオル)らとは、設立パーティーの思い出話を語った。ボロ屋にみんなが集まったことが忘れられないという。
 プロダクション設立時のアシスタント、倉田(窪田正孝)と小峰(斎藤工)は、現在も茂を支えている菅井(柄本佑)の献身と漫画賞受賞作を讃えた。

 『ゼタ』編集長の深沢(村上弘明)は病気療養中のため欠席した。彼の元秘書でありながら、袂を分かつ結果となった加納(桜田聖子)と布美枝は話をした。彼女は今でも深沢のことを編集者として尊敬しているという。判断に迷ったときには、彼の決断を想像して、その通りにやってみるという。
 ふたりで会場を見渡しながら、多くの人々に支えられて仕事をやってきているのだということを再認識する。

 布美枝の所へ、みんなが挨拶に来た。布美枝は、みんなのおかげで楽しいことばかりだったと、本心から述べるのであった。
 会場は、苦労を吹き飛ばす笑顔でいっぱいとなった。

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NHK『ゲゲゲの女房』第153回

 電車すごろくからちょうど1年、そろそろ第2弾に出かけようかなと思っている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第153回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 北村(加治将樹)の頼みとは、週刊誌で鬼太郎を連載したいというものだった。現在の月刊連載に加えて、週刊連載を受け持って欲しいというのだ。茂(向井理)はその願いを受けた。
 しかし、現在のアシスタント2人体制では作業が追いつかないと茂は心配する。それを見越していた北村は、若手実力派の漫画家を何人か見繕って来ており、アシスタントに採用するよう薦めた。若くて元気のよいアシスタントが来ることに、茂は目を輝かして喜ぶのだった。

 その様子を見ていた最古参のアシスタント・菅井(柄本佑)はしょげ返ってしまった。自分にはロクな才能がないと思っている菅井は、若くて優秀なアシスタントと入れ替わりに、自分がお払い箱になるのではないかと心配だからだ。

 菅井がひとりで仕事部屋に佇んでいると、アシスタント人選をしている茂と北村から声がかかった。いよいよ解雇を告げられるのだと思い、覚悟を決めて応接室に顔を出す菅井。
 ところが、彼を待っていたのは吉報だった。菅井が漫画賞に応募していた作品が、大賞は逃したものの、審査員特別賞に選ばれたという。次回作を雑誌に掲載する機会も与えられたという。菅井は、どうせ箸にも棒にもかからないと思っていたので、みんなには秘密で応募していた。はじめて話を聞いた茂も大喜びしている。プロダクション設立から20年、唯一残った設立メンバーの躍進である。布美枝(松下奈緒)ら、茂の家族も大喜びした。

 ただし、誰も気づいていなかったが、菅井は少しも嬉しそうな顔をしなかった。
 周囲では、菅井の次回作に期待する声が高まる。そして、菅井が独立するものと決めてかかっている。彼の抜けた穴を埋める人選や、送別会の計画がどんどんと進んでいる。
 菅井は、自分の居場所がなくなりつつあることに落胆した。

 ある日、菅井から仕事を休みたいと電話連絡があった。茂は、次回作の構想を練るために集中が必要なのだろうと思い、それを許可した。思えば、菅井が欠勤するのはこれが初めてのことであった。
 その翌日、ついに菅井は無断欠勤した。電話をかけても連絡が付かなくなった。作業工程が滞りはじめ、茂らは迷惑を感じるようになった。

 その夜、行きつけの喫茶店から村井家に電話が入った。泥酔した菅井が店にやって来て、そのまま眠り込んでしまったという。迎えに行った布美枝とアシスタントの相沢(中林大樹)が介抱しようとするが、菅井はふたりを払いのけ、大きな声で騒ぎ始める。自分よりも実力のあるアシスタント候補はいくらでもいる、自分はプロダクションに不要な人間だ、奉公した20年は無駄だった、などとわめくのだった。

 落ち着いたところをプロダクションに連れ戻され、菅井は茂の説教を受けた。デビュー直前の大事な時期に、仕事を放棄して酔いつぶれるなど言語道断だと叱った。
 菅井は、自分は処女作に持てる力の全てをつぎ込んだ、あれ以上のものを描く実力が備わっていないことが自分でもわかると悲しそうに告げた。それに、自分はこれっぽっちも独立などしたくない、アシスタントとしてずっとプロダクションに勤めたいという。しかし、能力の低い自分が足手まといになっているのだとしたら、新しいアシスタントと入れ替わりに出ていくしかないと思っていると述べた。
 菅井の弱音を聞いて、茂はついに激怒した。菅井が足手まといなどというのは自己卑下的誤解であり、菅井が根気よく描く点描画が水木作品の大黒柱であると説く。茂もできることなら菅井には一生手伝って欲しいが、デビューや独立の機会を潰すわけにもいかない。ゆえに、断腸の思いで菅井を送り出すつもりだったと胸の内を明かした。
 菅井は、再度プロダクションに残る希望を述べた。その願いを受け、茂は菅井に留まってもらうことにした。

 一息ついた茂に、布美枝はコーヒーを勧めた。夫婦で、菅井と共に過ごした苦楽の20年を思い返した。布美枝は、菅井はもちろん、他のアシスタントや編集者など、多くの人々の手を借りてきた年月だったと感慨にふける。
 その言葉がヒントになって、茂はプロダクションの設立20周年謝恩パーティーを開催することを思いついた。家に入れる人数はたかが知れていると心配する布美枝を尻目に、茂はホテルの宴会場を借り切り、大勢を招待して大々的に挙行しようと張り切るのであった。

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