ビッグイシュー・クエスト

ビッグイシュー日本版 146号 ホームレスの自立支援を目的とした雑誌に「ビッグイシュー日本版」がある。大都市にお住まいの人なら、街角にポツンと立った人が有名人の顔写真が表紙になった雑誌を売っているのを見たことがあると思う。
 ホームレス販売員は、1冊 140円で雑誌を仕入れる。それを定価300円で販売し、利ざやの160円を全て自分のものにすることができる。ホームレスの人に対して一方的な施しをするのではなく、彼ら自身が働いて利益を得ることで自立を助けようという目的のもとに発行されている。

 この雑誌は書店では売られていない。書店で売ると、ホームレスが得るはずの利益が失われてしまうからだ。編集部は、定期購読をきっぱりと断るほどスジを通している。全国主要都市の路上販売所でしか手に入らない。僕も定期的に読みたいと思っているのだが、近所(奈良市内)では販売されていないので叶わない。たまに京都や大阪に出かけ、気づいたときに買うという程度である。そんな感じで、細々と応援していた。

 先日、ビッグイシュー日本代表・佐野章二の回顧録「ビッグイシューの挑戦」が出版されたと知った。講談社から出版され、通常の本屋や amazon.co.jp でも買える。しかし、雑誌と同様にホームレスの路上販売員から買うことも可能だと知った(朝日の書評)。利益はちゃんと販売員の取り分になるという。ならば、彼らから買おうと思い、大阪市内に出かけてきた。

続きを読む

カミカラとペンギン・ハイウェイ

紀伊國屋書店での実演販売 阪急梅田の紀伊國屋書店で面白いものが実演販売されていた。

 ぺっちゃんこの紙細工を机に向かって放り投げる。それが机にぶつかると、ぶわんとペンギンのペーパークラフトに変化するのだ。
 思わず童心に返って、しばし眺めてしまった。

 「カミカラ」という商品とのこと。

 言葉では伝わりにくいので、動画でご覧ください。

続きを読む

木公は、おたふく風邪の抗体を手に入れた

 めんどくさくて当blogには書いていなかったが、僕は5月中旬ころにおたふく風邪にかかっていた。当blogには書かなかったけれど、twitterではつぶやきまくったので、当方の知人の間ではわりと知れた話(その時のログの一部)。

 それから2ヶ月経った現在、おたふく風邪だと判明したが、当時は原因不明であった。耳の下が腫れて、高熱が出ていたが、おたふく風邪かどうかは判定不能だった。

 その経緯について、ちょっと書いておこう。

続きを読む

アサガオを秩序づける

伸び放題のアサガオ

 うちのアサガオはこんな感じになってきた。地面付近は相変わらずワサワサと葉が茂っているが、ツルが順調に上方にも伸び始めた。目論見通り、庭の柵に絡みつき始めた。

 しかし、無様だ。あまりに無様だ。
 もうそれ以上柵はないのに、さらに上に伸びようとしているヤツ。つたう先が無いのに、地面に野放図に伸びているヤツ。

 これまで、「Que sera sera」、「Let it be」、「そのうちなんとかなるだろう」と自然に任せていたのだが、それも限界のようだ。少し剪定することにした。

BEFORE   AFTER
BEFORE AFTER

 写真で見ると違いは微妙かもしれない。しかし、現場は明らかにシンプルになり、そして当家のアサガオに秩序が生み出された。

続きを読む

NHK『ゲゲゲの女房』第90回

 明日はちゃんと参院選挙の投票に行く予定である当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第90回めの放送を見ましたよ。

* * *

「チャンス到来!?」

 大手出版社の編集者・豊川(眞島秀和)からの原稿依頼の内容は以下の通りあった。5月発売の雑誌に32ページの読み切り漫画。ただし、編集長からの命令で、子供たちに大人気の宇宙SF物を描いてもらわなければならない。

 喜んで引き受けようとした瞬間、茂(向井理)は仕事部屋の中のある物に気づいた。そして、仕事をきっぱりと断ってしまった。自分は宇宙SF物は得意ではないというのが理由であった。

 話が終わると、茂は溜まっていた仕事を再開した。豊川が帰るのに気づかないほどの没頭ぶりだった。仕事を断った上、見送りもしようとしない茂の態度に、布美枝(松下奈緒)はひどく恐縮して謝る。しかし、豊川はそれほど意に介するでもなく、茂の仕事姿に何かを感じ取っていた。

 一部始終を見ていた浦木(杉浦太陽)には、テレビも無い生活をしているから人類の初宇宙遊泳などの大ニュースを知らないのだ、そのせいで宇宙物を描くことができないのだろう、となじられる。頭に来た茂は、彼を家から追い出してしまった。
 布美枝も、茂が仕事を断った原因は、宇宙のことを何も知らないからだろうと想像している。そこで、金のことは心配せずに資料を買えば良いと提案した。しかし、茂はかなり虫の居所が悪く、仕事に口出しするなと怒鳴りつけるのだった。

 社に戻った豊川は、茂に断られたことを報告した。編集者たちには、たかが貸本漫画家が大手出版社の仕事を断るとは信じられないことだった。茂は、大舞台で勝負する度胸のない弱虫なのだろうと、編集者たちに嘲笑される。豊川だけは、茂の真意は何か別のところにあると思い、それを知りたいと強く思うのだった。

 夜になったが、布美枝も茂の真意がわからずいたが、やはり世の中の情報に対する知識不足がコンプレックスになっているのだろうと考える。嫁入り道具の一つとして、大切にしていたミシンを金に変え、テレビを買うことを決意する。仕事場を覗き、そのことを相談した。
 しかし、茂は相変わらず不機嫌で、その案を頭ごなしに否定した。すぐに話を打ち切り、夜食を用意するように冷たく言い放つのだった。しかし、茂もさすがに言い過ぎたことを反省し、夜食のカステラをつまみながら本当のことを話し始めた。

 漫画雑誌に移籍した貸本漫画家が、作風を変えて失敗し、消えていった例をたくさん見てきた。自分はその轍を踏まないよう、得意な分野で勝負したい。だから断った、と言うのだ。チャンスだからこそ、失敗しないように万全の備えをしたいというのが茂の意見である。
 それに加えて、豊川の背後で貧乏神(片桐仁)がニタニタ笑っているのが見えたという。貧乏神の罠だと思った茂は、とっさのところで仕事を断ったのだ。

 茂は、豊川の熱意をひしひしと感じたという。彼はきっと再びやってくるという確信を持っていた。
 その予言は的中した。数カ月経った梅雨入りの頃、豊川が訪ねてきた。

* * *

続きを読む

NHK『ゲゲゲの女房』第89回

 昨夜、ものすごく久しぶりに恒例のアレを送ってもらったのに、悪夢の中で四苦八九した・・・などとオヤジ・ギャグを放つ当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第89回めの放送を見ましたよ。

* * *

「チャンス到来!?」

 布美枝(松下奈緒)とはるこ(南明奈)は、深大寺の茶屋で休憩していた。話題は茂(向井理)のことばかりであった。茂の食いしん坊は父(風間杜夫)譲りであること(父は同じ店で団子、まんじゅうを大食いした)、そばにある墓地は茂のお気に入りの場所であることなどを布美枝が話して聞かせていた。
 はるこは、先日、布美枝に対して漫画家の気持ちなど分からないと暴言を吐いたことを改めて謝った。そして、茂の作品に対する布美枝の見えない貢献を高く評価した。茂自身も自覚していないだろうが、妻として支えているから茂は漫画だけに打ち込むことができ、立派な作品が作れるのであると。野に咲くナズナのうに、目立たないがいつもそばにいて、可憐でありながらたくましいところが布美枝のいいところだと、はるこは言うのだった。

 そして、はるこは勢いのあまり、茂のことが好きだと口走ってしまった。失敗したと思ったはるこは、作家として尊敬している、夫婦として自分の憧れという意味であると、慌ててごまかす。しかし、布美枝は彼女が男女の恋愛感情として茂に惚れていると見抜いた。けれども、彼女の気持ちを慮って、気づかぬふりを突き通すのだった。

 はるこは、これまでの生活とはきっぱり決別して山梨へ帰っていった。上京のきっかけとなった深沢(村上弘明)にはハガキではっきりと断筆を知らせた。彼女の才能を評価していた深沢は残念がるが、漫画家の新陳代謝も仕方のないことだと冷静に受け止める。
 そして、はるこが去った下宿には、茂たちと一緒に写った写真だけが残されていた。

 浦木(杉浦太陽)が茂の家にやって来た。はるこが帰郷することを引き止めたり、自分に知らせたりしなかったのはどういうことかと、泣き崩れながらなじるのであった。

 そんな騒ぎの中、人気漫画雑誌の編集者・豊川(眞島秀和)が訪ねて来た。『別冊・少年ランド』への原稿依頼である。貸本漫画の依頼とは違うスマートで羽振りの良い依頼の仕方、そして何よりも、大手出版社からの依頼ということで、布美枝や浦木は茂以上に緊張してしまう。せっかくのチャンスを無駄にしてほしくないと、布美枝は身を縮こませるのだった。

* * *

続きを読む

NHK『ゲゲゲの女房』第88回

 ドラマの中で茂が自分の趣味を押し付けて布美枝を連れて行った映画『ナバロンの要塞』を僕も見たのだが、予想をはるかに上回る面白さで、いやいや見始めた布美枝が茂以上に熱中した気持ちもよくわかった当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第88回めの放送を見ましたよ。

* * *

「チャンス到来!?」

 茂(向井理)の両親(風間杜夫、竹下景子)が急に泊まっていくと言い出した。迷惑に思うが、強引に押し切られてしまった。女は女同士、男は男同士、一緒に寝ることになった。

 義母は布美枝(松下奈緒)に、茂は朴念仁で昔から女にモテなかった。だから、はるこ(南明奈)と抱き合っていたのも、色恋沙汰であるはずがないと断言した。また、病気を克服し、40歳を過ぎてから大ヒットした三浦綾子を引き合いに出し、茂にもチャンスはあるかもしれないと言って聞かせる。一方、このまま芽が出なくても、茂のことを見捨てないでくれと頭を下げるのだった。

 父は茂に、小説出版が破談になったことを愚痴る。母は芸術を理解しないのに、余計な口出しばかりするのだと文句を言っている。母の言い分が正しいと思う茂は、仕事をしながら適当に聞き流していた。しかし茂は、昔から小説や劇、映画などを愛好した父の姿に共感する部分もあった。また、金だけを追いかける人生はつまらない、好きなことを追いかけていればあとはなんとかなる、という父の「なんとかなる主義」には特に強く共感するのだった。

 翌日、両親は境港に帰っていった。

 それから数日経ち、はるこが村井家に謝罪と近況報告に来た。
 最後の原稿を描き直し、自信満々で出版社に持っていったが、採用されなかった。ついに漫画家の道は断念し、翌日田舎に帰るのだという。

 はるこは、昔から漫画家になることしか頭になかったので、これからどうやって生きていけばいいか分からない、修行をした3年間も全くの無駄になったと話す。それに対して茂は、人生経験はどこでどのように役に立つか分からない、だからそんなに落ち込む必要もないと言い聞かせる。小さい頃、父は周りから馬鹿にされながらも、小説や劇の話を自分に教えてくれた。それが、今になって漫画を描くタネになっている。父から授かった「なんとかなる主義」で生きているのだと話してやった。

 それを聞いて、はるこは持ち前の明るさを取り戻すことができた。
 東京を離れる前に、一度深大寺に行ってみたいと言い、布美枝を強引に連れて出かけていくのだった。

* * *

続きを読む

アニメ『四畳半神話大系』最終回のエンディングテロップ

スロー再生で読んで、書き起こしてみた。

おやすみ
ごきげんよう
ありがとう
いかかがでした
おしまい
またいつか
ごきげんよう
おつかれさま
おやすみ
またね
またいつか
ごくろうさま
さよなら
ありがとう
おしあわせに
おせわさま
かたじけない
さよなら / またね / ごきげんよう
おせわさま / ごくろうさま / いかがでした
ごきげんよう / さよなら / おしあわせに
おつかれさま / ありがとう / またね
おやすみ / おしまい / ごくろうさま
ありがとう / またいつか / おしまい

分かる人にだけ分かっていただければ。
最終回を見たはずなのに分からないと言う人は、エンディングテロップの黄色い文字を目を凝らして見ること。

続きを読む

NHK『ゲゲゲの女房』第87回

 先日出かけた郵便局で、火の用心かなにかのポスターに南明奈が起用されているのを見て、「お、なかなかかわいいじゃん」と思った当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第87回めの放送を見ましたよ。

* * *

「チャンス到来!?」

 今日は、布美枝(松下奈緒)が義理の父母(風間杜夫、竹下景子)を深大寺へ案内することになっていた。名物そばも食べさせようと思うのだが金が心配だ。出かけてみると、義理の父は無類の食いしん坊で、そばの後に数人前の団子まで食う始末。呆れる布美枝だが、天気の良い3月を満喫する一同だった。

 その頃、漫画雑誌『少年ランド』の編集部では、新機軸を打ち出そうと会議を続けていたが、どうも決め手がない。売れっ子発掘に定評のある豊川(眞島秀和)に意見が求められ、彼は茂(向井理)を推薦した。今までに何度か提案したのだが、その度に貸本漫画は胡散臭く、古臭い、内容も子供向けではないと却下されていたのだ。ところが今回、編集長(長谷川公彦)は、宇宙物のSF漫画を描くという条件で茂の採用を決めた。

 豊川が会議を終えて出てくると、少女漫画誌の編集者(山本圭祐)に呼び止められた。ちょうど、はるこ(南明奈)が原稿を持ってきていて、それを見て欲しいというのだ。豊川の評価は、絵が上手で無難な作品だが、個性がないというものだった。その言葉を好意的に引きとり、少女漫画の編集者は手直ししてもう一度持ってくるように励ました。
 俄然やる気の出てきたはるこであったが、編集者の目論見が別のところにあるのを立ち聞きしてしまい、絶望する。少女誌の編集者は、はるこの絵の上手さにだけ着目し、売れっ子作家のアシスタントに送り込もうと考えていたのだ。はるこにはデビューの見込みがないのである。

 家族が観光にでかけ、一人で仕事をしている茂。そこへ、落ち込んだはるこが訪ねて来た。普段は他人にほとんど関心のない茂であったが、はるこの様子があまりにおかしいのできちんと話を聞くことにした。
 はるこは、3年以内に漫画家として成功するという約束で、親の反対を押し切って状況した。今月がそのタイムリミットであり、がむしゃらに作品作りと持ち込みに取り組んだ。貸本漫画では軌道に乗りかけていたが、今では業界自体が尻すぼみでうまく行っているとは言えない。漫画雑誌に移籍しようとしているが、もうほとんど見込みがない。そこまで言うと、ついにはるこの感情は臨界に達した。

 茂が妻帯者だとわかっていながら、好きだったことを打ち明けた。ただしそれは、プラトニックな恋であり、そばにいれるだけで良かったのだと付け足した。しかし、突然そんな告白をしたことを自分でも驚き、慌てて家を出て行こうとする。その時、手が滑って、自分の原稿の上に茶をこぼしてしまった。
 原稿が汚れてしまったこと、そして、秘めていた思いを口にだしてしまったことで、はるこは感情を抑えつけることができなくなった。涙を流し、茂の胸にすがりつくのだった。

 そこへ、布美枝と両親が帰宅した。ふたりが寄り添っているのを目撃される。はるこを帰した後、茂は整然といきさつを説明する。はるこの境遇をよく知っている布美枝なので、誤解はすぐに解けた。
 しかし、茂の父が、彼女は茂に惚れているに違いないと、不用意に話を蒸し返す。父の意見には誰も耳を貸さないが、布美枝だけは心に引っかかるものがあった。以前に、はるこが茂と一緒に写っている写真を隠し持っていたことを思い出したのだ。

* * *

続きを読む

MJ遺品展 7月24日より大阪で