NHKかんさい特集「天王寺ブロードウェー」に平愛梨

 映画『20世紀少年』で、ヒロイン・遠藤カンナ役に抜擢された女優・平愛梨が、NHKの単発ドラマ「天王寺ブロードウェー」で主演を務めることがわかった。
 同ドラマは、2010年7月30日(金) 20:00 より、NHKの関西地方でのみ放送される(かんさい特集)。

 天王寺ブロードウェー

大阪・下町の檀家さんに愛されて300年。由緒あるこのお寺の唯一の悩み・・・それは「跡継ぎ」がいないこと。
ブロードウェーのミュージカル・スターを夢見る一人娘・楠楓(くすのきかえで)(=・平愛梨)は、お寺を継ぐことに一切興味なし。
しかもあろうことか、アメリカからボーイフレンド・マイケル(=ジェロ)を連れてきたりする。

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NHK『ゲゲゲの女房』第92回

 つかこうへい(つかこうへんさん死去・・・早過ぎる62歳: サンスポ)といえば『蒲田行進曲』を思い出し、本ドラマでも共演する風間杜夫(ヒロインの義父役)と松坂慶子(ヒロインの良き相談相手役)が主要キャストで共演していた(「蒲田行進曲トリオも衝撃: スポニチ)ことを思い出す当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第92回めの放送を見ましたよ。

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「来るべき時が来た」

 戌井(梶原善)の貸本出版社への原稿を徹夜で仕上げ、休む間もなく茂(向井理)は大手出版社の豊川(眞島秀和)から依頼された仕事の構想を練り始めた。自由な作品を描いて良い代わりに、豊川からは「テレビよりも面白いもの」という条件が突きつけられている。ここで期待に応えられないと、二度とチャンスは与えられない。プレッシャーと無理難題を前に、茂の思考は停滞していた。

 原稿を届け終えた布美枝(松下奈緒)が帰宅すると、茂はもらってきたばかりの原稿料を渡すように言いつけた。その上、生活費のためにとっておいた現金も全て奪い取り、何も言わずに慌てて家を出て行った。

 茂が向かった先は質屋だった。有り金全てをカウンターに叩きつけ、中古の白黒テレビを購入した。蒸し暑い中、片腕の茂はテレビを一人で運ぶことはできない。そこへ偶然、茂の家に行く途中だった浦木(杉浦太陽)に出くわし、彼を使役して家までテレビを運んだ。

 ただ働きさせられた浦木は機嫌が悪い。一度断ったのに、大手出版社が二度目の依頼をしてきたのは、彼らの腹いせではないかと勝手な想像をまくし立てる。無理難題を押し付けることで茂を苦しめ、その挙句、原稿をボツにして仕返しをするつもりなのだと言うのだ。自分は広告代理店を始め、その会社にも出入しているからよくわかるという。あまりにやかましいので家から追い出されたが、浦木は心の底から半信半疑なのであった。

 茂は、テレビを知るために、一歩も動くことなくテレビに見入っている。
 藍子(篠川桃音)も不思議そうにテレビを眺める。その姿を見た布美枝は、子どもはテレビの中に小さな世界があると信じているのかもしれないと、何気ない感想を行った。ふと何かが心に引っかかった茂であるが、まだ漠然としていて掴めない。

 夜遅く、家族が寝静まっても、まだ茂はテレビを見続けていた。
 CMのラーメンを見ていて、自分もあんなものが食べたいとぼんやりしていた。すると、自分がテレビの中に入り込んで、宣伝されているラーメンをうまそうに食べる幻覚が見えた。
 その瞬間、茂の頭の中で瞬く間に構想が膨らみ、「テレビくん」というタイトルの物語ができあがった。ついに腰をあげた茂は、仕事机に座り込んで、スラスラとラフスケッチを始めるのだった。

 「テレビくん」は、現実の世界とテレビの中の世界を自由に行き来することのできる子どもが主人公の物語である。テレビを経由して、どこへでも行けるし、好きなものを手に入れることができる。それが現実の世界に大騒動を巻き起こすというあらすじができあがった。茂自身、大きな手応えを感じた。

 約束の日に、豊川がやって来た。「テレビくん」の構想を見せられ、豊川はヒット間違いなしだと太鼓判を押した。子ども達の夢をそのまま写しとったかのような漫画なので、人気が出るに違いないと予測したのだ。

 しかし、どんどんと乗り気になる豊川と半比例するように、茂の顔色が徐々に曇ってきた。「テレビくん」の絵柄に納得がいかなくなってきたのだ。
 ぼんやりと藍子を眺め、彼女の丸くて愛らしい姿を見て、やっと何かがひらめいた。

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勝手に観光協会と宇都宮餃子

 ここ2年くらいの間に当方の車に乗ったことのある人ならご存知だろうが、当方の車では勝手に観光協会がヘビーローテーションである。飽きることなく、ひたすら再生され続けている。

 勝手に観光協会とは、みうらじゅん安斎肇のユニットで、呼ばれてもいないのに全国の観光地に出かけ、頼まれてもいないのにご当地キャラやポスターを作るというプロジェクトである。
 彼らの視察のクライマックスは、勝手にご当地ソングをつくり、夜更けに旅館の客室で録音するところである。全国都道府県のご当地ソングが作られており、CDで販売されている。
 そのCDが僕の車の中でエンドレスに流れているのである。

 ほぼ全ての歌を覚えてしまった。
 通信カラオケに、勝手に観光協会の歌が収録されていることも知っている。しばらくカラオケなんて行っていないが、誰かに誘われたらホイホイと付いていく。そして、頼まれもしないのに全都道府県48曲(北海道は2曲ある)を北から順番にエンドレスで歌ってしまいそうである。顰蹙を買うだろうが。

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『うなぎの丸かじり』とアメリカンドックのまるかじり

 昼に、東海林さだおの『うなぎの丸かじり』を読んでいた。
 「丸かじりシリーズ」は、20年以上も週刊朝日に連載されている食べ物エッセイである。特に、B級C級グルメが多いので嫌味がなくて、僕は大ファンなのである。

 今月文庫化された『うなぎの丸かじり』には、柿ピーを買ってきて柿の種とピーナツがそれぞれ何個ずつ入っているかこまめに数える話などが書かれている。2つに分離したピーナツはそれぞれ 0.5個とカウントし、割れてしまった柿の種も可能な限り復元(著者は「土器の復元のよう」と書いている)して数えたそうだ。出荷時の柿ピー比率は、メーカーが最適で美味しい柿の種とピーナツの比率を示していると考えられるのだ。メーカー名はイニシャルしか示されていなかったが、3社の製品を調べて結果が提示されている。・・・バカバカしい。
 バカバカしいが、柿ピーが食べたくなる。

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NHK『ゲゲゲの女房』第91回

 朝マックでホットケーキセットを頼んだらフォークがついておらず、ワンセグを見ながら慌ててレジカウンターに戻った当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第91回めの放送を見ましたよ。

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「来るべき時が来た」

 梅雨の初め、豊川(眞島秀和)が再び訪ねてきた。どんなジャンルでも良い、茂(向井理)が描きたい作品を32ページ、読み切りで「別冊少年ランド」に掲載するという。その代わり、テレビよりも面白いものを描き、テレビに夢中になっている子供たちを漫画雑誌に取り戻して欲しいと注文が付いた。
 それは、豊川から茂に対する挑戦状であり、試金石でもあった。自由に作品を作れるということは、逆に言えば作家本人の真の実力が試されることである。ここで失敗してしまうと、茂に後はない。それを理解した上で、茂は引き受けることにした。5日後に構想を提案することで話がまとまった。

 茂の仕事部屋を観察した豊川は、精巧な戦艦模型や漫画資料として保管されている大量のスクラップブックに舌を巻く。さらに、茂の描きかけの原稿を見て、緻密で高密度の絵に圧倒された。それは、当時の印刷技術では再現できないほどの細かさだった。茂自身も無駄になることは理解しながらも、自分のやり方なのでやめるつもりはないと言う。

 豊川は、社内では前代未聞の若さで編集長に抜擢され、翌月からその任に就くことになっていた。とはいえ、漫画雑誌編集部は社内でも冷遇されている。自分が編集長に就任したあかつきには、雑誌を大胆に改革し、売上トップを目指すと野望を抱いている。茂の仕事ぶりを間近に見た豊川は、茂の漫画こそが新機軸の中心となる確信を得たのだった。

 布美枝(松下奈緒)は、戌井(梶原善)の貸本出版社へ原稿を届けるついでに、茂に与えられたチャンスの報告をした。自分のことのように喜ぶ戌井であったが、一方で楽観できないことも告げた。豊川からの依頼が茂に与えられた試練であることに布美枝は気付いていなかったのだ。戌井にそのことを説明され、急に不安になる布美枝であった。

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ビッグイシュー・クエスト

ビッグイシュー日本版 146号 ホームレスの自立支援を目的とした雑誌に「ビッグイシュー日本版」がある。大都市にお住まいの人なら、街角にポツンと立った人が有名人の顔写真が表紙になった雑誌を売っているのを見たことがあると思う。
 ホームレス販売員は、1冊 140円で雑誌を仕入れる。それを定価300円で販売し、利ざやの160円を全て自分のものにすることができる。ホームレスの人に対して一方的な施しをするのではなく、彼ら自身が働いて利益を得ることで自立を助けようという目的のもとに発行されている。

 この雑誌は書店では売られていない。書店で売ると、ホームレスが得るはずの利益が失われてしまうからだ。編集部は、定期購読をきっぱりと断るほどスジを通している。全国主要都市の路上販売所でしか手に入らない。僕も定期的に読みたいと思っているのだが、近所(奈良市内)では販売されていないので叶わない。たまに京都や大阪に出かけ、気づいたときに買うという程度である。そんな感じで、細々と応援していた。

 先日、ビッグイシュー日本代表・佐野章二の回顧録「ビッグイシューの挑戦」が出版されたと知った。講談社から出版され、通常の本屋や amazon.co.jp でも買える。しかし、雑誌と同様にホームレスの路上販売員から買うことも可能だと知った(朝日の書評)。利益はちゃんと販売員の取り分になるという。ならば、彼らから買おうと思い、大阪市内に出かけてきた。

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カミカラとペンギン・ハイウェイ

紀伊國屋書店での実演販売 阪急梅田の紀伊國屋書店で面白いものが実演販売されていた。

 ぺっちゃんこの紙細工を机に向かって放り投げる。それが机にぶつかると、ぶわんとペンギンのペーパークラフトに変化するのだ。
 思わず童心に返って、しばし眺めてしまった。

 「カミカラ」という商品とのこと。

 言葉では伝わりにくいので、動画でご覧ください。

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木公は、おたふく風邪の抗体を手に入れた

 めんどくさくて当blogには書いていなかったが、僕は5月中旬ころにおたふく風邪にかかっていた。当blogには書かなかったけれど、twitterではつぶやきまくったので、当方の知人の間ではわりと知れた話(その時のログの一部)。

 それから2ヶ月経った現在、おたふく風邪だと判明したが、当時は原因不明であった。耳の下が腫れて、高熱が出ていたが、おたふく風邪かどうかは判定不能だった。

 その経緯について、ちょっと書いておこう。

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アサガオを秩序づける

伸び放題のアサガオ

 うちのアサガオはこんな感じになってきた。地面付近は相変わらずワサワサと葉が茂っているが、ツルが順調に上方にも伸び始めた。目論見通り、庭の柵に絡みつき始めた。

 しかし、無様だ。あまりに無様だ。
 もうそれ以上柵はないのに、さらに上に伸びようとしているヤツ。つたう先が無いのに、地面に野放図に伸びているヤツ。

 これまで、「Que sera sera」、「Let it be」、「そのうちなんとかなるだろう」と自然に任せていたのだが、それも限界のようだ。少し剪定することにした。

BEFORE   AFTER
BEFORE AFTER

 写真で見ると違いは微妙かもしれない。しかし、現場は明らかにシンプルになり、そして当家のアサガオに秩序が生み出された。

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NHK『ゲゲゲの女房』第90回

 明日はちゃんと参院選挙の投票に行く予定である当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第90回めの放送を見ましたよ。

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「チャンス到来!?」

 大手出版社の編集者・豊川(眞島秀和)からの原稿依頼の内容は以下の通りあった。5月発売の雑誌に32ページの読み切り漫画。ただし、編集長からの命令で、子供たちに大人気の宇宙SF物を描いてもらわなければならない。

 喜んで引き受けようとした瞬間、茂(向井理)は仕事部屋の中のある物に気づいた。そして、仕事をきっぱりと断ってしまった。自分は宇宙SF物は得意ではないというのが理由であった。

 話が終わると、茂は溜まっていた仕事を再開した。豊川が帰るのに気づかないほどの没頭ぶりだった。仕事を断った上、見送りもしようとしない茂の態度に、布美枝(松下奈緒)はひどく恐縮して謝る。しかし、豊川はそれほど意に介するでもなく、茂の仕事姿に何かを感じ取っていた。

 一部始終を見ていた浦木(杉浦太陽)には、テレビも無い生活をしているから人類の初宇宙遊泳などの大ニュースを知らないのだ、そのせいで宇宙物を描くことができないのだろう、となじられる。頭に来た茂は、彼を家から追い出してしまった。
 布美枝も、茂が仕事を断った原因は、宇宙のことを何も知らないからだろうと想像している。そこで、金のことは心配せずに資料を買えば良いと提案した。しかし、茂はかなり虫の居所が悪く、仕事に口出しするなと怒鳴りつけるのだった。

 社に戻った豊川は、茂に断られたことを報告した。編集者たちには、たかが貸本漫画家が大手出版社の仕事を断るとは信じられないことだった。茂は、大舞台で勝負する度胸のない弱虫なのだろうと、編集者たちに嘲笑される。豊川だけは、茂の真意は何か別のところにあると思い、それを知りたいと強く思うのだった。

 夜になったが、布美枝も茂の真意がわからずいたが、やはり世の中の情報に対する知識不足がコンプレックスになっているのだろうと考える。嫁入り道具の一つとして、大切にしていたミシンを金に変え、テレビを買うことを決意する。仕事場を覗き、そのことを相談した。
 しかし、茂は相変わらず不機嫌で、その案を頭ごなしに否定した。すぐに話を打ち切り、夜食を用意するように冷たく言い放つのだった。しかし、茂もさすがに言い過ぎたことを反省し、夜食のカステラをつまみながら本当のことを話し始めた。

 漫画雑誌に移籍した貸本漫画家が、作風を変えて失敗し、消えていった例をたくさん見てきた。自分はその轍を踏まないよう、得意な分野で勝負したい。だから断った、と言うのだ。チャンスだからこそ、失敗しないように万全の備えをしたいというのが茂の意見である。
 それに加えて、豊川の背後で貧乏神(片桐仁)がニタニタ笑っているのが見えたという。貧乏神の罠だと思った茂は、とっさのところで仕事を断ったのだ。

 茂は、豊川の熱意をひしひしと感じたという。彼はきっと再びやってくるという確信を持っていた。
 その予言は的中した。数カ月経った梅雨入りの頃、豊川が訪ねてきた。

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