あけおめことよろ2018

年明けのおめでたい気分のところ、のっけから辛気臭い話で恐縮です。
旧年中は、あちこちで体にガタがきたという話が持ち上がっていました。

我が最愛の山瀬まみさまが両足骨折で1ヶ月の休業を余儀なくされたり。加えて、当方の知人何名かも鎖骨を折っただの、肘を骨折しただので大騒ぎでした。
がんで手術したヤツもいたし、放射線治療だかなんだかでガリガリにやせて髪の毛真っ白で別人になってしまった人もいたし。
そこまでの大事に至らなくても、健康診断でマズいところが見つかって精密検査だの、内視鏡で患部を取るだのなんだのという人も続出だし。

幸いなことに僕にはこれといった大事件はなかったけれど、年末の1週間はひどい風邪をこじらせてしまって、半分近くベッドで寝て過ごしてしまった。3日後に原稿の締切やら、週末に研究会発表があるやらなのに、ちっとも進んでいなくて泣きそうです。
本当は、原稿とかそっちのけで年末に女の子とデート(デート?デートなのか!?)の約束もあったのだけれど、それもキャンセルしてしまった。そんくらい体がしんどかった。

健康大事。

数週間前に、同世代の人と酒を飲んだ。いつもヘラヘラしていて軽口しか叩かない彼が
「この歳になるとよく分かる。健康さえあればあとは何もいらない」
としみじみ話していた。
その時は、僕も年末風邪を引く前だったので、実感もなく適当に聞き流してしまったけれど、今は考えを改めた。

健康大事。

そんなわけで年も改まったことですし、今年は健康第一を目標に、不摂生な生活も見直していきたいと決意する所存であります。

合わせて、僭越ながらみなさまのご健康とご多幸をお祈りさせていただきます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2018年5月『健康な暮らしは発酵食品で』に山瀬登壇

2018年5月26日(土)に大和ハウス生活文化フォーラム第4回『健康な暮らしは発酵食品で』が開催されるという情報をゲットした。聴講は無料だが、申込みと抽選がある。

もちろん申込んだ。開催は東京だが、当選すればもちろん新幹線に飛び乗って会いに行く。

そう、我が最愛の山瀬まみが登壇するのだから。
今年の5月にも同様のイベントが開催され、僕は山瀬まみを拝観した(そのレポート)。めっちゃかわいかった。目が潰れるかと思った。胸がドキドキして発作で死ぬかと思った。最前列だったからね。

前回は土井善晴さんとの掛け合いが面白かったわけだが、次回も土井さんと一緒。うん、期待が膨らむ。

そんなわけで、次回も当選を祈りつつ、最前列で山瀬まみを拝観することを夢見ているのである。
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『わろてんか』『トットちゃん!』まとめ記事終了

知力、体力、時の運の尽きた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『わろてんか』とテレビ朝日の帯ドラマ劇場『トットちゃん!』のまとめ記事を終了させていただきます。

ふたつとも、ドラマ自体はすごく面白いです。お勧めです。僕も見続けるでしょう。
ただ、時運が悪かった。1日に2本のまとめ記事を書くなんて僕の知力を超えている。折からの気温低下で体調も悪化中です。
そのようなわけで、断腸の思いで終わります。

ご愛読ありがとうございました。
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テレビ朝日『トットちゃん!』第12話

寒くて、気力体力が損なわれている時に1日2本のまとめ記事はまじツライ当方が、テレビ朝日の帯ドラマ劇場『トットちゃん!』の第12話の放送を見ましたよ。

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徹子(豊嶋花)は、登校途中の駅前で男((なだぎ武)が不思議な木の皮を売っているのを見かけた。その木の皮をかじってみて苦ければ病気にかかっているのだという。

学校に着くやいなや、徹子は校長室に飛び込み、小林校長(竹中直人)に相談した。家に帰ったら母(松下奈緒)小遣いをもらって返すので、木の皮を買う金を貸して欲しいと頼んだ。
小林はふたつ返事で金を貸してやった。

徹子の担任・三輪(宮崎香蓮)は小林校長をたしなめた。詐欺だとわかっている品物を買う手助けをすべきではないというのだ。
小林の意見は違った。本人が興味を持ったことは実際に試してみるのが一番だと考えるのだ。その後、ゆっくりと時間をかけて騙されていたことに気付き、学んでいけばいいと答えた。

木の皮を買い求め、学校に戻った徹子は、校長や級友たちに木の皮をちぎって分け与えた。苦味を感じた者は皆無だった。徹子はみんなが健康であるとわかり安心した。

ただし、2人の男子生徒、福元(横山歩)と菊池(ささきゆうた)だけはいささか冷たい反応をした。
福元は、木の皮で病気の有無がわかるなど迷信に違いないと断言した。しかし、徹子がみんなのためにやってくれていることだからと言ってかじった。小児麻痺の障害を持つ福元だったが、彼にも苦味は感じられなかった。徹子は福元の病気が治ったのだと思って嬉しくなった。
菊池は、頑なに木の皮をかじることを拒んだ。そのような非科学的なものは信じないというのだ。徹子はそれ以上無理強いしなかった。

母・朝は、徹子からの報告を受け、小林校長の教育方針にますます感心した。好奇心旺盛な徹子の性質をよく理解し、そこを伸ばしてくれていることをありがたく思った。
父・守綱(山本耕史)は、徹子が人を一切疑わないのはいい点だと認めた。しかし、将来悪い男に騙されるのではないかと早くも心配するのだった。

ある日、菊池は学校で英語の勉強をしていた。中国との戦争が激しくなり、国際社会でも孤立を深める日本では、西洋の言葉が禁じられつつあった。あたかもトモエ学園は別世界のようであった。
菊池に興味のある徹子は、彼に何度も話しかけた。しかし、菊池の態度はいつも冷たい。

一方、菊池自身は、担任の三輪先生とは親しげに話をしている。ふたりで英語の絵本でクイズをやっている様子を恨めしく眺めた。
ところが、さっきまで仲良くしていたはずなのに、急に菊池が三輪先生のスカートをめくって意地悪をする。仲良しの先生に意地悪をする菊池の気持ちがわからず、徹子は考え込むのだった。

ある日、守綱の稽古場で内輪だけでバレエ公演を行うという。時局が悪化し、会場でおおっぴらに公演を行うことができないのだ。その上、内輪向けの会とは言え、このようなことができるのも最後かもしれない。
守綱は、家族をバレエに誘った。自分の演奏やバレエといった芸術を子どもたちに見せておきたいと願ったからだ。

公演後、徹子はバレリーナに憧れた。今まではチンドン屋かスパイ、もしくは駅員になりたいと思っていたが、それらは全部あきらめてバレリーナを目指すと言いだした。
帰宅するなり、見よう見まねで新聞紙でチュチュを作り、勝手気ままに踊るのだった。

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NHK『わろてんか』第14回

寒さのせいでまとめ記事を行う気力と体力を失いかけた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『わろてんか』の第14回めの放送を見ましたよ。

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第3週『一生笑わしたる』

てん(葵わかな)はリリコ(広瀬アリス)から、籐吉(松坂桃李)の手紙に書いてあったことは全て嘘だと聞かされた。

信じがたいてんは、藤吉を直接問い詰めた。
藤吉は真実を話すほかなかった。

日本中の人々を笑わせたいと手紙に書いた気持ちだけは、間違いのない本心だと誓った。
しかし、旅芸人として日本中を旅しているという話はすべてウソだった。藤吉は寝る間も惜しんで芸の稽古を行ったが、才能がなく、全く身につかなかったという。一度も客を笑わせることができなかった。芸人の道を諦め、実家に帰ったのだと打ち明けた。しかし、そのことをてんには言い出せなかったのだ。

しかも、藤吉の実家は船場の米問屋だという。藤吉は長男であり、家督を継ぐことを運命づけられていた。それに反発して、一度は家を飛び出したのだという。芸に挫折し家に帰ったものの、やはり夢は捨てきれなかった。そこで、リリコを頼って再び家を飛び出し、今に至るという。

てんは、ウソをつかれていたことや、藤吉がリリコに依存していることに落胆し、その場を去った。
加えて、藤吉が米問屋の跡取り息子だということも問題だった。てん自身も跡取り娘であるため、藤吉と一緒になることはできないのだ。
てんは籐吉を忘れようと努力することにした。

翌日、下校途中に神社に立ち寄った てんは、藤吉と偶然出くわした。

ふたりが言葉をかわす前に、芸人仲間のキース(大野拓朗)が地回りの男たちに追われ、藤吉の方へ逃げてきた。キースは地回りに無断で見世物小屋を開いていたせいで追われていたのだ。

地回りの男たちは、藤吉はもちろん、その場にいたてんも仲間だと思い込んだ。捕まえて暴行を加えようとした。藤吉はひとりで複数の男たちを相手に大立ち回りをはじめた。

てんは木箱の陰に隠れていたが、騒動でそれが崩れてきた。
とっさに藤吉は てんをかばったが、木箱は藤吉の頭にひどく打ち付けた。藤吉は頭から血を流し、倒れてしまった。

てんは、籐吉を自宅の蔵に匿い、手当を行った。
そこへ、言葉もなく風太(濱田岳)がやって来た。

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テレビ朝日『トットちゃん!』第11話

水面下で新たなバンド計画が持ち上がっているという噂のある当方が、テレビ朝日の帯ドラマ劇場『トットちゃん!』の第11話の放送を見ましたよ。

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徹子(豊嶋花)は、校長の小林(竹中直人)からトモエ学園への転入面接試験を受けた。
面接試験といっても、小林は徹子に飽きるまで自由にしゃべらせるだけだった。徹子は4時間も休まずに話し続けた。
小林は、徹子のことを感受性の豊かな子だと判断した。それで転入を認めた。
徹子も小林のことがとても気に入った。生まれて初めて、本当に好きな人に出会ったという心持ちだった。

朝からの面接が終わったのは、ちょうど昼時だった。
トモエ学園では、生徒と教師が全員行動に集まって弁当を食べる。徹子と朝(松下奈緒)は弁当を持ってきていなかったが、小林におにぎりを分けてもらった。

食事の前、みなで昼ごはんの歌を歌った。また、生徒も教師も分け隔てなく、互いにおかずを交換して食べている。
その様子は、乃木坂上倶楽部のカフェマスター・シイナ(小澤征悦)が幼いころに小林と出会ったという思い出話と全く変わるところがなかった。朝はひどく感激した。

その日、帰宅すると北海道の朝の母・三好(古村比呂)から荷物が届いていた。
三好は朝と徹子のことを気にかけているが、父・周通(佐藤B作)は今でも朝のことを許していないという。徹子の入学祝いを送りたかったのだが周通に禁じられたので、せめて北海道の昆布とジャガイモだけは送るという手紙が同封されていた。
実家の両親と折り合いの悪いことを思い出し、朝は沈み込んだ。

その様子を見た守綱(山本耕史)は、朝に帰省するよう勧めた。
結婚するときこそは、「自分たち二人で暮らしていくので実家は関係ない」と周通に啖呵を切った守綱であったが、近頃は心境の変化があるという。自分でも理由は定かではないが、人の親になったことで丸くなったのかもしれないという。
今はまだ夏だが、来年の春くらいを目安に帰省することを守綱は勧めた。朝は守綱の配慮に感謝しつつ、春まで考えると言って肯定も否定もしなかった。

翌日、学校を気に入った徹子は誰よりも早く登校した。トモエ学園の校舎は電車を再利用したもので、早くそれに乗ってみたかったのだ。
トモエ学園では、生徒の席は決められていない。授業の開始や終了時の礼もない。それどころか時間割もない。生徒が自分で学びたいことを自由に学べば良いのだ。

徹子はふたりの男の子のことが気になった。

菊池(ささきゆうた)は利口そうで色男でニヒルな子である。彼の登校時の身のこなしを見ただけで、徹子は一目惚れしてしまった。
しかし、当の菊池は徹子に対して冷淡なところがあった。徹子がさかんに話しかけても邪険にするのだった。
また、彼は他の女子にも人気があった。昼食時には、女子が彼を囲み、盛んにおかずを分けていた。徹子も負けじと梅干しをあげようとするのだが、酸っぱいものは嫌いだと無下に断られた。
それでも徹子は気にするふうではなかった。

福元(横山歩)は奇妙な歩き方をする男の子だった。いちいち動作が緩慢である。徹子が奇妙な動作の理由を尋ねると、彼は小児麻痺なのだという。だから体の自由が効かないのだ。それでも熱心に勉強に打ち込んでおり、徹子には全く理解のできない難しい数学をノートに書き込んでいた。
その日、徹子は福元と一緒に下校したのだが、彼の歩みの遅さに業を煮やし、徹子は彼を置いて駅まで走っていった。しかし、悪いような気がして道を戻ると、彼はまだ学校のそばを歩いていた。

家に帰って学校の様子を報告する徹子なのだが、きっと自分は菊池か福元のどちらかと結婚すると宣言するのだった。

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NHK『わろてんか』第13回

昨日は、あるにゃんの健康診断&予防接種の手伝いに行ってきた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『わろてんか』の第13回めの放送を見ましたよ。

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第3週『一生笑わしたる』

てん(葵わかな)と籐吉(松坂桃李)は、神社で偶然再開した。8年前、初めて自分の芸に笑ってくれた客の証として、藤吉がてんに渡した根付が手がかりとなって互いを認めた。
藤吉は、たいそう美人に成長したてんに見とれた。昔と変わらない笑顔も素敵だと褒めた。

てんは嬉しくもあり、恥ずかしくもあった。
一方で、藤吉の手紙に大阪の寄席のトリを務めるほど出世したと書かれていたの訪ねて行ったことを話した。しかし、どこの寄席に聞いても見つからなかったことを尋ねた。
それはホラだったのだが、藤吉はさらに嘘を重ねてごまかした。占いで大阪の寄席は方角が悪いと言われたので出演を取りやめたと取り繕った。そして、今は京都・新京極の寄席に出ているという。

てんを探しに来た風太(濱田岳)が割り込んできた。藤吉への敵意をむき出しにし、抱えるようにして急いでてんを連れ戻した。
その時、てんは根付を落としたことに気づかなかった。当吉がそれを拾い上げた。

帰宅後、てんはぼんやりしてばかりいた。藤吉との再会が嬉しくて仕方がないのだ。

一方で、父・儀兵衛(遠藤憲一)はなんとしても てんに婿をとって家を継がせようと躍起になっていた。
伊能栞(高橋一生)との結婚は破談になったが、彼の投資を受けて藤岡屋はドイツの医薬品の専門店として再出発をした。儀兵衛自身の年齢のこともあり、早く代替わりをしたいのだ。その上、そうすることがてんにとって一番の幸せだと信じて疑わなかった。

儀兵衛は、婿に求める条件を緩和することにした。5つも6つも見合い写真をかき集め、てんに選ぶよう命じた。
なかなか決められないてんは、妹・りん(堀田真由)と女中・トキ(徳永えり)にそそのかされて、易者に選んでもらうことにした。

その頃、藤吉もてんのことばかり考え、ぼんやりしていた。
彼に心を寄せる娘義太夫・リリコ(広瀬アリス)は腹を立てた。リリコは易者を金で買収した上で、藤吉にはその易者に占ってもらうよう勧めた。

藤吉のことを占った易者(海原かなた)は、リリコに言われた通り、藤吉が再会した女は大凶の相を持つと告げた。ふたりでいると次々に災難が起き、命に関わると言うのだ。
藤吉は、てんのことを忘れようとしかけた。

その時、仕切りで区切られた隣の易者(海原はるか)へ、女の3人連れのやって来る声が聞こえた。当吉がそっと覗くと、そこには てん がいた。

てん たちは、見合い写真を並べて、一番良い相手を見つけてもらおうとした。しかし、易者はどの写真もふさわしくないと告げた。
易者は、てんには他に好きな人がいるはずだと看破した。今想っている、その相手こそ運命の人だと指摘した。

一緒に聞いていた りん とトキは大騒ぎした。手紙をくれる旅芸人こそ運命の相手なのだと囃し立てた。
隣で聞いていた藤吉は、そこで初めて てんが自分に寄せる気持ちを知った。

帰り道、一人でいた てん のことをリリコが呼び止めた。
リリコは、藤吉が手紙に嘘ばかり書いていたことをバラした。その上、さらに嘘を重ねた。手紙を書いていた8年の間に、藤吉は芸人になることを諦め、大阪に帰ったのだという。ある日、大阪でリリコと再開した際、「運命の人だ」と言ってリリコにまとわりつくようになったなどと話すのだった。

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NHK『わろてんか』第12回

週刊朝日の『NHK朝ドラ「わろてんか」好発進 でも大阪では総ツッコミで…』という記事には、ヒロインが京都出身とされたことに批判が巻き起こっていると書かれているのだが、モデルとなった吉本せいの経歴をwikipediaで調べてみると兵庫県明石市の生まれだと書いてあり、結局大阪じゃねぇじゃんと突っ込まざるを得なかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『わろてんか』の第12回めの放送を見ましたよ。

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第2週『父の笑い』

喘息発作から肺炎を患った兄・新一(千葉雄大)が亡くなった。
跡取りの唯一の男子を失ったのだが、藤岡家は間もなく明るさを取り戻した。家族の笑顔こそが新一の生前の願いであり、笑うことが何よりの供養になるからだ。笑いつつ、一家は店の再建を誓い合うのだった。

近頃、籐吉(松坂桃李)からの手紙が届かない。
それでも、てん(葵わかな)は平気だった。新一の死を境に、長女の自分が家を継いでいくことに決めたからだ。心の迷いを振り切るためにも、手紙の来ないことが好都合なのだ。

藤岡屋の経営が大きく傾いたことで、てんと伊能栞(高橋一生)の結婚も破談になった。
それでも、てんは栞を婿にとって一緒に家を継ぐのが一番良い方法だと考えていた。諦めきれない てんは独断で栞に手紙を書いた。しかし、返事は一向に来なかった。

てんが気を揉んでいたある日、前触れ無く栞が訪ねてきた。
てんの父・儀兵衛(遠藤憲一)を交えて、栞は訪問の理由を述べはじめた。

てんからの手紙には、新一の遺稿論文が同封されていたという。
新一の論文では、これからの時代は海外からの医薬品の輸入に頼るのではなく、日本で独自に新薬開発をすべきだと主張されていた。実際、近頃、ドイツに渡航した日本人が画期的な新薬の開発に成功したというニュースもあった。日本人が新薬開発に取り組むのもあながち夢ではないという点に栞も同意するという。

そこで、栞は藤岡屋の新薬開発に投資するという。本来なら伊能製薬が自前で行いたいのだが、自社は古くからの取引相手とのしがらみがあって思うようにならない。だから、藤岡屋に任せたいというのだ。
それは、新薬開発の点でも、藤岡屋の経営立て直しの点でも亡き新一の願いに合致する。藤岡家の一同は泣いて喜んだ。

ただし、栞はてんとの結婚だけはきっぱりと断った。
藤岡屋への投資はあくまでビジネスであり、自身の結婚とは別だというのだ。加えて、栞は西洋風の自由恋愛に憧れているという。誰かに決められたり、打算に基づく結婚をするつもりはないという。
てんとも知り合ったばかりであり、人となりがよくわからない。将来、互いに惹かれ合うことがあれば結婚することにやぶさかではないが、今はまだ段階ではないと言い切った。

隣室で盗み聞きしていた祖母・ハツ(竹下景子)が飛び込んできた。ハツは、栞の男前ぶりを心の底から気に入っていた。
てんが気に入らなければ、妹のりん(堀田真由)もいると勧めた。もし、りんもお眼鏡にかなわないならば、ハツ自身も候補に入れてほしいいう。未亡人だが独身なので、資格はあるというのだ。

ハツの剣幕に、栞は大笑いした。それまで終始硬い表情だった栞が初めて見せた笑顔だった。

てんは、帰っていく栞を追いかけた。直接お礼を言いたいというのが口実だった。

栞は、てんとふたりきりになったことで本音を話しはじめた。
みなの前では冷淡な口ぶりだったが、実は栞もてんに興味を持っているという。新一の論文を見つけて送ってきた機転に感心させられた。その上、添えられた手紙には家族を大切にするという思いが詰まっていた。
てんのような妻を娶れば、自分も幸せな家庭を築けるかもしれないと言うのだ。

しかし、栞の見立てによれば、今のてんには他に思いを寄せる男性がいるように思えると言う。
そこまで話して栞は去っていった。

家への帰り道、町では恒例のくすり祭りの準備が始まっていた。
その様子を眺めつつ、てんは藤吉と出会った時のことを思い出していた。

ぼんやり歩いていると、誰かとぶつかった。
その相手こそ藤吉その人だった。

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テレビ朝日『トットちゃん!』第10話

フライデーナイトギターをはじめたくてムズムズしている当方が、テレビ朝日の帯ドラマ劇場『トットちゃん!』の第10話の放送を見ましたよ。

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公立学校での和を乱す徹子(豊嶋花)は、転校するよう勧告された。
行き先が見つからず困った朝(松下奈緒)は、乃木坂上倶楽部のシイナ(小澤征悦)に相談した。

シイナは、自分が小さい頃に出会った先生のことを話しはじめた。
シイナはインド人と日本人の混血児であり、学校でいじめられていた。学校に行くのがつまらなくなり、公園でサボっていたらよその学校の先生に出会ったという。彼は毎日、子どもたちを公園に連れてきて遊ばせているという。自分の教え子ではないシイナにも優しくしてくれたのだという。

縁は切れてしまっていたが、先日の新聞で偶然その先生の記事を見たという。
彼の持論は、どんな子どもも良い性質を持って生まれてくる。しかし、大人たちや環境のせいでその性質が摘み取られてしまう。そこで彼は、子どもたちの良い性質を伸ばす教育を行う学校を開設したのだと言う。
朝は、早速その学校に連絡をとり、入学面接の約束を取り付けた。

ある夜、乃木坂上倶楽部の住人たちはサロンでダンスパーティを開いていた。黒柳一家も招かれ、守綱(山本耕史)がバイオリンで舞踏曲を演奏した。
住人のエミー市川(凰稀かなめ)とダニー市川(新納慎也)はアメリカで社交ダンスを学んだカップルであり、サロンでは本格的なダンスが披露されていた。

外に漏れ聞こえる音を聞きつけて、警官がやって来た。日本が国を挙げて中国と戦争をしている時局において、西洋かぶれの踊りをするなど言語道断だというのだ。
エミーは警官に口答えをした。自分たちは一流のダンスを学んでおり、貴族院議員の家族にも指導をしたことがある。議員のお墨付きがあるというのだ。
しかし、警官はひるまなかった。反抗的な態度であった市川夫妻と守綱を警察署に連行した。

3人はそれぞれ別室に入れられ、特高警察から厳しい取り調べを受けた。
日本女性にあるまじき扇情的な身なりをしたエミーは特に執拗に責られた。しかも、エミーの名乗った氏名は戸籍に記録がないという。中国から忍び込んだスパイではないかと疑われ、ますます状況が不利になった。

その時、メモを持った警官が取調室に入ってきた。メモによると、エミーは有澤伯爵(橋本大二郎)の娘なのだという。警官たちのエミーに対する態度は急変し、下にも置かない扱いとなった。即座に3人は釈放された。

警察署には有澤伯爵本人がエミーを迎えに来た。これまでのことは全て水に流すので家に帰ってきて欲しいという。
対するエミーは、釈放に力を貸してくれたことについて礼を述べるだけだった。しかも、とても他人行儀な口調だった。最後には、有澤伯爵と自分は初対面だと言い切った。誰かと人違いをしているに違いないと述べ、立ち去るのだった。

無事に乃木坂上倶楽部に帰って来た3人だったが、ダニー市川はひどく落ち込んでいた。自分の力で妻・エミーを守れなかったことを悔やんでいるのだ。そればかりか、エミーの将来を考えると、自分と別れて実家に帰った方がよいのではないかとさえ思った。
その思いを打ち明けられた守綱はダニーを励ました。戦時に芸術家が無力であるのは事実である。その一方で、人々の魂を癒せるのは芸術しか無いのも事実である。守綱はどんなことがあってもバイオリンと愛する妻・朝を捨てることはない。それと同じように、ダニーもダンスと妻・エミーを捨ててはいけないと説得した。
ダニーは救われる思いだった。

いよいよ、徹子の新しい学校の入学面接の日となった。
その学校の看板は、木に無造作にぶら下げてあるだけだった。しかし、徹子にとっては、看板が地面から生えているように映った。また、敷地の中には本物の列車が置かれていた。それも大いに興味をひいた。

校長の小林(竹中直人)は、徹子とふたりきりで話がしたいという。付き添ってきた朝は部屋の外で待たされた。

小林は、徹子になんでもいいから話したいことを話すように促した。
徹子は、飼い犬ロッキーや家族のことなど、脈絡もなく次々に話し続けた。小林校長は口を挟むこと無く、柔和な表情で徹子の話に耳を傾けた。
徹子のおしゃべりは、結局4時間続いた。

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