アイドル時代の小泉今日子は僕の頭では処理しきれないほど美人だったのでむしろ嫌いだったのだけれど、彼女が結婚→離婚していい感じに枯れてきてからはとても好ましく思うようになり、これが「わびさびってことか」などと勝手に納得している当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第3回目の放送を見ましたよ。
春子(小泉今日子)は、自分が騙されて帰省させられたことや母・夏(宮本信子)とのわだかまりが残っていることに腹を立て、東京へ帰ることにした。
しかし、アキ(能年玲奈)は帰りたくないと言って座り込んでしまった。一刻も早く立ち去りたい春子は、アキを残して一人で駅へ向かった。夏は、春子の気性が昔を変わってないことに呆れるのだった。
その場にいた大向(杉本哲太)がすぐに春子を追いかけた。高速バスで帰ろうとしている春子を捕まえ、鉄道に乗るべきだと強引に荷物を掴み去った。そして列車の時間まで駅の喫茶店で時間を潰した。
春子は大向にアキのことを話した。アキは中学から私立の進学校に入ったが、勉強に付いて行くのがやっとなのだという。それで学校が嫌いになり、東京に帰りたくないと言っているのに違いないのだ。その上、アキは性格が暗い。家族と一緒に居間にいても、一言も喋らずケータイでゲームばかりしている。春子の夫・正宗(尾美としのり)も読書ばかりしていて喋らない、暗い性格だ。アキは彼の性格を受け継いだというのが春子の意見だ。
その喫茶店リアスにいた海女の弥生(渡辺えり)や美寿々(美保純)は春子の話がにわかには信じられなかった。彼女らが会ったアキは美味しそうにうにを食べ、よく笑う快活な少女だったからだ。
喫茶店リアスは小さな店で、カウンターが数席あるのみだ。地元の常連客でいっぱいである。経営も緩やかで、手の空いているものが交代で店番をしている。今日は海女の美寿々と副駅長の吉田(荒川良々)が担当している。
するとそこへ、夏がカウンターに姿を現した。そもそもここは、夏の店だったのだ。家での仕事を終えた夏がやって来たのだ。
春子が話に夢中になっている間に最終列車が出発してしまった。今日はもう東京へ帰る手段がない。しかも、夏が喫茶店にやって来たものだから、居心地が悪くなった。夏の家に世話になる気はこれっぽっちもない春子は、ビジネスホテルに泊まると言って店を出た。
そんな春子を大向が慌てて追いかけてきた。そして、ビジネスホテルにチェックインする前に、春子をスナックに案内した。ところが、確かにさっきとは違うドアをくぐったのに、そのスナックはさっきの喫茶店と同じ店だった。なんと、その店には入口が2つあり、内部が可動式パーティションで区切られていたのだ。昼はカウンターのみの喫茶店なのだが、19時半からはパーティションを開放してスナック営業を始めるのだった。春子は頭を抱えた。
夜が明けて7月1日となった。袖が浜海岸の海女漁解禁である。アキが目を覚ますと、夏はすでに準備万端整えていた。アキは伝統的な絣半纏の海女装を身につけた夏の格好の良さにますます惚れ込んだ。見物客も集まり、盛大に海開きが行われた。アキは夏が潜る姿を夢中で見ていた。
その日の漁が終わった。アキは夏に海女漁を行う理由を聞いた。夏の第一の理由は、面白いからというものだった。しかも、海に沈むウニが金に見えてくるという。他人に拾われる前に自分が拾わなくてはならないと思い、夢中になるのだという。アキは笑顔で楽しそうに話を聞いていた。
夏はアキにも海に潜ることを勧めた。しかし、引っ込み思案なアキは、自分には無理だと言って強く否定した。
その時、夏がアキの背中を強く押した。海に突き落とされたのである。アキは落ちながら
「なにすんだ、このババア」
と思っていた。
その一部始終は、どういうわけかまだ東京に帰る気にならず、辺りをぶらぶらしていた春子が目撃していた。
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