昨日、本作に歌手としての小泉今日子本人は登場するか気になるというという話を書いたのだが、喫茶リアスに来た観光客が「ママさん、小泉今日子に似てるって言われない?」、「よく言われるんですよー」というベタなネタがあるといいなぁと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第9回目の放送を見ましたよ。
東京から父・正宗(尾美としのり)が妻子を追ってやって来た。アキ(能年玲奈)は、父の小言から逃げるために海に飛び込んだ。それでその場は収まった。
正宗と春子(小泉今日子)は話し合いをすることになった。その間、アキは漁協の海女クラブで時間を潰す事となった。
アキは袖が浜の人々の過去について様々な話を聞いた。駅長・大向(杉本哲太)と安部(片桐はいり)が半年だけ結婚していたこと。漁協長の長内(でんでん)とかつ枝(木野花)も元夫婦で、現在は離婚しているが一緒に住んでいること。美寿々(美保純)は男と何度も駆け落ちをしては、別れて帰ってきた。
かつ枝と美須々は異口同音に、人にはいろいろなことがあり、それを乗り越えて今がある。様々な事情を抱えて戻ってくる。受け入れる側も、それをわかっているから優しく受け入れるのだと話した。
その話を聞いて、アキは胸のつかえが取れた気がした。
その頃、夏(宮本信子)の家では、正宗はどうして春子が出て行ったのかわからないと文句を言っていた。一方の春子は、夫婦関係が冷えきっていたのは分かっていたはずだと反論した。ふたりの話は平行線だった。
そこへ夏が割って入った。春子の父・忠兵衛(蟹江敬三)は遠洋漁業の漁師で、年に10日ほどしか家にいなかった。そのせいで、春子は普通の家庭とは違った育ち方をしてしまったと弁護した。それを聞いた正宗は、自分は家庭を最優先する良い夫であり父であったと主張した。
春子は、そうした正宗の態度がアキのことを追い込んでいたと反論した。アキにいい子に育って欲しいという願いや言動が逆方向に働いた可能性があるというのだ。
その日の話し合いはそれで終わった。正宗は同席していた大向に送られて、駅前のビジネスホテルに宿泊することになった。なお、大向の指摘で、春子の書いた離婚届には不備のあることがわかった。妻の欄は離婚前の苗字と印鑑でなければならないのに、春子は離婚後のものを記入してしまったのだ。先に投函した離婚届は無効であった。
アキが帰宅した。春子は大儀そうに正宗との話し合いの結果を説明しようとした。しかし、アキは春子を遮った。人にはいろいろあるものだなどと達観した一言を述べて、そのまま寝てしまった。
その頃、喫茶兼スナック・リアスには、正宗が大向らと一緒にいた。正宗は春子との馴れ初めについて語った。
1989年(平成元年)、24歳だった正宗(森岡龍)は、世田谷から上野駅まで客を乗せた。それは23歳の春子(有村架純)だった。道が混んでいたので、ふたりは様々な話をしたという。春子は、東京での生活に疲れたので田舎に帰ると言っていた。東北の出身だと打ち明けていたので、上野から列車に乗るのも当然であった。
上野で春子を降ろした直後、正宗がタクシーを流していると女性に呼び止められた。それは春子だった。彼女は列車に乗らなかったのだ。ふたりの再会も偶然だった。タクシーは先程の道を逆に進んで世田谷へ戻った。連絡先を交換し、相談に乗っている間に交際を開始した。その年に結婚し、2年後にアキが生まれたのだという。
正宗は、家族との時間を大切にしていたと話した。土日は仕事を休みにし、平日も6時には仕事を上がるようにしていた。これだけ家族思いなのに、春子が出て行く理由がわからないと言うのだ。
話を聞いていた弥生(渡辺えり)の意見は逆だった。むしろ、正宗のメリハリのない生活が問題なのだという。弥生の父も漁師で、半年に1度しか家に帰ってこない。たまに父が帰ってくると、母はとても嬉しそうにしていたのだという。しかし、1週間もすると父のことが邪魔になり、ケンカが始まるのだという。
弥生の結論としては、時には距離を置くのが長続きのコツであり、四六時中一緒にいたら会話すらなくなるのは当然だというものだった。
翌朝、正宗は再び袖が浜ヘ向かった。今回は、アキが働く姿を遠くから眺めるに留めた。すると、今まで学校や家庭で見せたことのない、溌剌としたアキの姿を見ることができた。とても明るい笑顔と声だった。
そこへ、春子もやって来て、ふたりでアキを眺めるのだった。
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