『そこに僕はいた』 辻仁成

5日前、僕が辻仁成について知っていたのは、彼が中山美穂の夫であるということだけだった。
4日前、みうらじゅんの「色即ぜねれいしょん」の書評をいろいろ読んでいたら、「・・・自伝的小説としては、辻仁成の方が面白いと思う。」という記述を見つけて、ふーんと思った。
3日前、辻仁成を wikipeida で調べてみて、彼は作家のキャリアよりも、ロッカーとしてのキャリアの方が先であることやら、北海道に暮らしていたことなどを初めて知った。

本日、ふらっと本屋に入ったら、辻仁成の『そこに僕はいた』があったので買って読んでみた。
彼の著作を手にするのは、これが初めてだ。

内容は、辻仁成の小学生時代(福岡)、中学生時代(帯広)、高校生時代(函館)のそれぞれについて、当時の友人たちのエピソードに絡めて自分の思い出を語ったエッセイだ。
彼の少年時代は、喧嘩っ早くて、へそ曲がりではあったものの、特にカッコイイとか美しい友情とか、憧れるとか、そういう類のものではなかった。出てくる友人たちも、とりたてて魅力的だというほどの人物たちでもない。

しかし、ともすれば地味な思い出話を、飽きさせずに読ませる辻仁成はスゲェなと思った。何が面白いのかよく分からないのだが、1エピソード数ページで淡々と簡潔に書かれているスタイルなので、サラッと読めて引き込まれる。

個性豊かな友人たちが出てくるのだが、僕が一番印象に残っているのは、新聞配達をしている少年。父のいない家庭で親戚からの援助はあるのだが、長男が新聞配達をして家計を助けているというエピソード。
そういえば、昭和の中期まではそういう苦労話はあったようだけれど、平成の現在では全然聞かない。ワーキングプアだの、格差だの騒がれている現代だが、義務教育中の子供がアルバイトに出なくてはならないほどの貧しさってのはあまり聞かれないので、当時に比べれば今の日本は裕福なんだろうなぁと思ったり、思わなかったり。

深く感動する本ではないが、軽い胸キュンで僕はお気に入り。

たばこの自動販売機で少年の心を思い出す

僕が小学校低学年の頃、たばこ自動販売機に硬貨を入れ何も買わずに釣銭ボタンを押すと、さっき入れた硬貨と額面は同じだが、別の硬貨が出てきた。
わかりにくいので具体例をもって説明すると、たとえば昭和50年製造の100円玉を入れて釣銭ボタンを押すと、昭和48年製造の100円玉が出てきたりする。つまり、額面は同じだが、製造年が異なる別の硬貨などが出てくるわけだ。

現代のたばこ自動販売機の構造がどうなっているのか正確にはわからないが、今は投入した硬貨(もしくは異物)がそのまま吐き出されるようになっているのではないかと思う。
そうしなければ、偽硬貨を投入して、本物の硬貨を手に入れる犯罪が可能になるから。

もちろん、当時の僕は、偽造コインのロンダリングにその自動販売機を利用していたわけではない。
あくまで、違う製造年のコインを手に入れることが目的だったのだ。全製造年をコレクションするとかそういう趣味があったわけではなく、なんだか知らないけれど、異なる製造年のものが出てくるというカラクリそのものが楽しかったのだ。

小学生って、大人にとっては何が楽しいのか良くわからないものに楽しみを見出すものだ。

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田中陽子「夕陽のクレッシェンド」

観客席における真ん中の5人とその他との温度差は、ホリプロ・スカウトキャラバン優勝者・田中陽子の末路とも相まって、深い哀愁を誘う。

ていうか、哀愁を感じるのはほんの一瞬で、実は腹を抱えて笑い出したら止まらない。
最初の15秒と同じアングルのみで編集してやればいいものを・・・。

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キャンディとテリーの別れ: 山瀬まみが好きなシーン

『テレビ探偵団』に富田靖子がゲストで出演した回は、超絶アニメ特集として語り草。

富田靖子が好きなアニメとして『キャンディ・キャンディ』を挙げ、特にキャンディーとテリーの別れのシーンが印象に残っていると発言。
番組アシスタントの山瀬まみが「私も好き。だって、テリーの本名を知ってるもん。テュース・G・グランチェスター。」と威張るくだりは、当方の大切な思い出。

その、キャンディとテリーの別れのシーンを試しに Youtube で探したら、見事にあった。
以下のビデオ 2:51 – 4:22 が『テレビ探偵団』で紹介された箇所。
スタジオにカメラが戻って、山瀬まみの目が潤んでいたという演出。う~ん、懐かしい。

ちなみに、ビデオを見る前に前説しておく。
キャンディ: 主人公。学生時代に不良っぽいテリーに惚れ、相思相愛
テリー(♂): 学校を中退し、劇団の人気俳優。離れてもキャンディを愛する。
スザナ: テリーの同僚女優。照明落下事故においてテリーの身代わりになり大怪我。
そんなわけで、テリーはスザナに負い目があり、以前から自分に好意を寄せていたスザナを恋人にせざるを得なくなる。

そんな悲しい三角関係の結末が以下のビデオだ。

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4-5月当方の注目展覧会@京都: 安齋肇と高橋留美子

同じ時期(開始日がたった1日違い)に、安齋肇と高橋留美子の個展が京都であるそうで。
遅刻の帝王・安齋肇なので、予定通りに開催されるのかどうか不安だが(2月末に出ると言われていた彼のエッセイは、結局6月に伸びた)。

【安齋肇個展 in 京都(タイトル未定)】
詳細も未定。
イラストレーターと言うよりも、ソラミミストとして有名な安齋肇の個展。
当方が突然丸坊主になったのは安齋肇の後を追ったためらしいし、これは見に行かないとね。

会期:2009年4月24日 – 5月17日
入場無料
会場:トランスポップギャラリー(京都市左京区田中関田町22-75) 京阪出町柳そば。
詳しくは安齋肇・ニュース

高橋留美子展パンフレット【高橋留美子展】
『うる星やつら』、『めぞん一刻』、『らんま1/2』、『犬夜叉』の原画が中心らしい。
そのほか、あだち充、羽海野チカら34人の漫画家が描いた「マイラム」も展示されるらしい(これって、数年前に出た『うる星やつら』愛蔵版のオビだかなんだかに描かれてたやつかな)。
響子さんは青春の憧れの年上女性だし、見に行かないとね。

会期: 2009年4月25日 – 5月17日
入館料: 700円(優待・前売 500円)
会場: 美術館「えき」KYOTO; JR京都駅直結 JR KYOTO ISETAN 7F
詳しくはJR KYOTO ISETAN: 7階美術館「えき」

ピカソとクレーの生きた時代展: 兵庫県立美術館

「宝物」 クレー兵庫県立美術館において、2009年4月10日-5月31日の期間、「20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代展」(観覧料 1,300円)が開催されるという情報をキャッチしたので行ってきた。

20世紀絵画の一つの潮流として、キュビズム、シュルレアリズム、抽象画という流れがあるそうで(今日、会場で勉強してきた)、それをテーマに展示してある。
ドイツのデュッセルドルフに、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館というところがあるそうだ。ここのコレクションはその筋では有名なのだが、作品の貸し出しが渋いことでも有名らしい。その博物館が改装のために休館するというチャンスに、日本への貸し出しが認められたとか。

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サプライズ

日テレが力を入れてるらしい、夜の生放送バラエティサプライズが始まった。

何に驚いたかって、山瀬まみと大竹まことが隣同士に立ってた。
昔、公衆の面前で大竹まことが山瀬まみを押し倒して、上着を破り取ったことは有名。
当方の知る限り、数年前までは山瀬まみと大竹まことは犬猿の仲だったはず。
複雑な思いで画面を見ている当方。

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