庭のアサガオの周辺がかなり賑やかになってきた。5月29日の時点で7株だったアサガオは元気に成長している。いずれも本葉を10-20枚ほど付けている。しかし、支柱も立てたが、上に伸びていく様子はなく、横に膨らむばかりだ。思わず、「白木みのる型アサガオ」というフレーズが浮かんでは、消えた。
5月末の写真(右)と見比べて、ニンマリしているところである。
日別アーカイブ: 2010年6月19日
アサガオ・サバイバル
シングル、ダブル、サブル
中島らもが大阪で見た変なおじさん/おばさんを面白おかしく紹介するという話の中で、トリプルの事を「サブル」と表記する店があったと証言している。
僕は異なる2冊の書籍でその話を読んだ。しかし、話の細部が微妙に異なっていることに気づいた。そのことを指摘して、鬼の首を取ったように自慢しようというわけではないが、一応記録として残しておく。
「シロウトおそるべし」(中島らも『西方冗土』収録)
コピーではないが、東大阪の方に有名な「イカ焼き」屋さんがあった。老人夫婦でやっているのだが、このイカ焼きは普通の大きさのものと、二倍の大きさのと三倍のとがある。ここのメニューには、
「シングル百八十円、ダブル三百円、サブル四百五十円」
と書いてある。おそらく「トリプル」という言葉を知らずに憶測で「サブル」というのを考えたに違いない。この「サブル」はなかなか人気のある実力者だったが、ネーミングも力になっていたにちがいない。
「らもとさだおの『まずいもの大好き』」(東海林さだお『なんたって「ショージ君」』収録)
らも ようするにゲソを鉄板で焼いて、その上に小麦粉と卵を溶いたものをジャーッとかけて焼きあげるんですけど、天王寺に昔おじいさんがやってる店がありましてね、イカ焼きの大きさによって値段が違うんです。それでね、壁に、「イカ焼きシングル百二十円」「ダブル四百八十円」。その次がすごいんですけど「サブル五百四十円」。
さだお 理論的にいえば、三だからサブル。
らも おっちゃん何も知らんから、勝手につけたんですよ。
さだお そうすると、サブルの次はヨブル。
らも 誰か注意したれよと思うんですけどね。
両者を比較すると、地域の違い(東大阪と天王寺)、経営者の違い(老人夫婦とおじいさん)、価格の違いなどが挙げられる。
価格をより詳しく検討しよう。前者ではそれぞれ 180円、300円、450円であり、価格比は 1:1.67:2.5 である。わりとリーズナブルだ。しかし、後者は 120円、480円、540円となっており、比が 1:4:4.5 である。なんと、ダブルになると価格が一挙に4倍にもなるのだ。これはにわかには信じがたい。そのくせ、ダブルとサブルの価格には12%の違いしかない(前者では 50%の差がある)。
NHK『ゲゲゲの女房』第72回
明日(20日)午後5時よりNHK総合で、布美枝の少女時代から結婚までの総集編が放送されることを知り、一応押さえておいた方がいいよと宣伝するた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第72回めの放送を見ましたよ。
布美枝(松下奈緒)が風邪で寝込んだ。茂(向井理)は仕事をそっちのけで世話を焼く。現金が払底してしまったため、鼻紙すら買えない。描き損じの漫画原稿をしごいて鼻をかむありさまだった。ろくな食料もない中、先日はるこ(南明奈)が持ってきてくれた みかんの缶詰を開けて、それだけで夕食を済ませる。
みかんを食べながら、漫画をやめると言い出す茂。40歳を過ぎても芽が出ないのだから将来はない、映画の看板描きに転職するとボヤいた。茂の弱音を聞くのは初めてのことで、布美枝はショックを受けた。何か声をかけるべきなのだろうが、布美枝は言葉を発することができなかった。
居間で寝ていた布美枝は、夜中に仕事部屋から聞こえてくる物音で目を覚ました。茂がまたしてもプラモデルを作っていたのだ。体調が少し良くなった布美枝は、茂の作業を手伝った。
ふたりはプラモデル作りに没頭した。布美枝は、模型作りの楽しみもわかってきたが、茂と一緒に作業するのが何より楽しいのだと話す。結婚前の茂には腕が1本しかなかったが今は合わせて3本もある。自分は何があっても茂についていくつもりだ。だから、これからも漫画を続けて欲しいと訴えた。それを聞いて、茂も元気を取り戻すのだった。
翌日、戌井(梶原善)が原稿料を届けに来てくれた。戌井も相変わらず苦しく、全額というわけではなかった。しかし、茂も布美枝も急場を凌ぐには十分であると笑顔で受け取る。ふたりの明るさに戌井も元気づけられて、意気揚々と帰っていくのだった。
数日後、いよいよ年の暮れを迎え、布美枝は家中の掃除に余念がない。
そんな中、呑気な茂は大海原に白波が立つ絵を描いていた。その上に戦艦のプラモデルを据え置くと、波を切って進む艦隊のジオラマになるのだ。忙しいのにと文句を言っていた布美枝であるが、ちゃぶ台の上に展開する勇壮な情景に見とれ、愉快な気分になってきた。
さらに、藍子が本人初となる二足直立歩行に成功した。歓喜する茂と布美枝。一家は、貧しさに負けることのない、明るさと前向きさとを完全に取り戻したのだった。