『大奥』(よしながふみ)を6巻まで読みました

 当blogで開催した夏の読書感想文大会において自由図書部門の最優秀賞を受賞したのは、 @myuuko さんが『大奥』(よしながふみ)について書いたものでした。

いくら男を集めたってたくさん子どもができるわけでないし、無駄じゃん。そんな読者の不満は、物語中で徐々に解消されていきます。うーん、これなら将軍職に女がいても仕方ないのかもしれない・・・、あっそうか、この場合には男を集めた大奥は確かに必要だな――

 この一節が、僕に最優秀賞の授与を決めさせました。
 男女が逆転した大奥の存在がどのように正当化されるのか。そのカラクリを知りたい一心で『大奥』を手に取りました。

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NHK『ゲゲゲの女房』第152回

 近所のスーパーでビールとトイレットペーパーのみという情けない買い物をしていたところ、以前職場で一緒だった通称「白いスバルの女」(ちょっとベビーフェイス系美人さん。ただし既婚)に遭遇し、嬉し恥ずかしだった当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第152回めの放送を見ましたよ。

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「ありがとう」

 実家に滞在する布美枝(松下奈緒)の所へ、幼なじみのチヨ子(平岩紙)が訪ねてきてくれた。久しぶりに会うふたりの間で話が弾む。
 チヨ子によれば、布美枝は小さな時から目立たない所で頑張って大きな成果をあげる人物だった。茂(向井理)の活躍を陰で支えているのは布美枝に違いないと、チヨ子は布美枝の努力を称えるのであった。

 布美枝の兄嫁の邦子(桂亜沙美)は、ふたりに茶を出すとさりげなく席をはずした。その様子を見て、チヨ子は邦子の細やかな心遣いに舌を巻いた。
 夕方、布美枝は邦子と一緒に夕飯の支度をしていた。布美枝の嫁入り前、一緒に台所仕事をしたことをふたりで懐かしむのだった。そして布美枝は、自分に代わってよく一家を守ってくれたと感謝をした。邦子は遠慮がちに答えながらも、最近あった嬉しいことを話してくれた。
 脳梗塞で倒れた源兵衛(大杉漣)の看病をしていると、彼は邦子のことを自分の娘だと言ったのだという。昔は源兵衛に叱られてばかりで泣くことも稀ではなかったが、今では「嫁」ではなく「娘」と呼んでくれる。邦子はそれが何より嬉しいのだ。

 いよいよ、布美枝が東京に帰る日となった。再度見舞いに来ると言う布美枝に対して、源兵衛は、一家の妻が軽々しく家を空けるべきではないとたしなめるのであった。その代わり、自分が元気になって調布へ遊びに行くと約束した。茂とは碁の勝負をするから、腕を磨いておくようにと言付けた。

 布美枝が帰った後、源兵衛は不自由な身体をおして、仏壇の前に座った。布美枝を心配させないよう、すぐに元気になって遊びに行くと言ったものの、それは無理であると自覚している源兵衛。母(野際陽子)と息子・貴司(星野源)の遺影を前に、自分に代わって布美枝のことを守って欲しいと麻痺した右手を一生懸命合わせて祈るのだった。

 調布に戻った布美枝は、茂に報告をした。碁の挑戦を受けた茂はやる気をかき立てるが、布美枝は父の味方をする。源兵衛は碁の有段者であり、茂に負けるはずはない、と。一度対戦しただけで、そんなことを知る由もなかった茂は、慌てるのだった。
 おどけながら源兵衛と茂の対戦について話し合うふたり。ふたりとも口には出さなかったが、もう二度と生きて源兵衛に会えないであろうことは悟っていた。

 翌年の春を迎えた。源兵衛が孫たちと一緒に見ると言っていた桜の季節がやって来た。源兵衛の状態は変わらず、もちろん約束は果たされなかった。

 幽玄社の北村(加治将樹)が水木プロダクションを訪問した。以前は茂の担当編集者だったのだが、現在は文芸誌に配属になり疎遠になっていた。ところが、鬼太郎の連載されている「漫画タンク」の編集長として漫画雑誌に復帰することとなったという。
 編集長就任の挨拶のために来たのだが、実は茂にたいへんなお願いがあるという。北村の緊張した様子に、一同は不安をかきたてられる。

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