劇中では2月になったわけだが、アキ(能年玲奈)は種市(福士蒼汰)にバレンタイン・チョコを用意していないのだろうか、女子高生の告白といえばそれが定番じゃないか、デート(デート?デートなのか!?)してくれと頼むならバレチョコを携えるのが王道じゃないか、などということが気になって眠りの浅かった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の第46回めの放送を見ましたよ。
2008年2月、北三陸鉄道廃止案が持ち上がった。起死回生の手として、大吉(杉本哲太)はお座敷列車を運行することを決めた。車両改装等の準備を行い、3月に運行する。アキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)が乗り込んで歌を披露することが目玉企画とされた。
アキの希望で「潮騒のメモリー」を歌うことした。喫茶リアスのカラオケでアキの歌唱力を試すこととなった。しかし、アキの歌は人に聞かせられるレベルではなかった。ユイも「時をかける少女」を歌ってみたが、こちらも到底褒められたものではなかった。それを聞いて失望した弥生(渡辺えり)が歌唱指導をすることとなった。実は弥生は歌が得意なのだ。「愛の讃歌」を朗々と歌い上げ、皆が彼女の実力を認めた。
3月になった。
4月から東京で働く種市(福士蒼汰)が北三陸市にいられるのもあと少しである。ところが、最近の種市はアキに対して素っ気ない態度を貫いている。アキが潜水試験に合格し、約束通りデート(デート?デートなのか!?)して欲しいと言った時から種市がよそよそしいのだ。アキはそのことが気になってボーっとしていた。
ある日の放課後、アキとユイはリアスで歌の練習をすることになっていた。ユイはしばし練習を抜け出し、駅の待合室で種市を待ち伏せていた。そして、種市の姿を見つけるやいなや、怒りを露わに詰め寄った。種市の態度をアキから聞いていて、そのことを怒っているのだ。女の子の気持ちを踏みにじっていることを詰り、1回くらいデート(デート?デートなのか!?)に付き合ってやれとまくし立てた。
すると種市は、ユイに何かを伝えた。それを聞いたユイは急におとなしくなった。種市と別れ、リアスに入るとアキと練習を交代した。アキが休憩のために駅待合室へ行くと、種市に話があると呼び止められた。アキは喜び勇んでついていくことにした。
アキは種市を無人の車両倉庫へ案内した。そこには改装中のお座敷列車があり、ふたりで見学した。車内をぶらつきながら、アキはユイのことを話した。ふたりは親友で大の仲良しであること、初めて会ったのも北三陸鉄道の車内だったこと(第4回)などを楽しそうに話した。
その時、照明が全て消えた。作業を終えて無人になったと思った副駅長・吉田(荒川良々)が戸締りをしてしまったのだ。ふたりは倉庫の中に閉じ込められてしまい、焚き火で暖を取った。
アキが「潮騒のメモリー」を歌うと、種市は三島由紀夫の恋愛小説『潮騒』のことを話した。「潮騒のメモリー」の歌詞にある「火を飛び越えて」というのは、『潮騒』の有名なセリフだと言うのだ。「火を飛び越えて来い」と言われ、その通りに飛び越えて男女が抱き合うシーンが最も有名だという。
暗い倉庫の中で焚き火の明かりだけがあり、その焚き火にまつわる恋愛小説の話をした。アキはひどくロマンチックな気分になった。ふたりはしばし無言で見つめ合った。
その時、倉庫の中でケータイ電話が鳴り出した。副駅長・吉田が置き忘れていたのだ。紛失に気づいた吉田は、自分のケータイに電話をかけて探していた。
着信音に気づいた種市は、ケータイを拾いに行った。しかし、焚き火と『潮騒』に夢中になっていたアキは、ケータイのことには気づいていなかった。種市が向こうへ歩いて行ったのは、『潮騒』を再現する目的なのだと思い込んでしまった。アキは種市が止めるのも聞かず、助走をつけて火を飛び越えようと進みだした。
その時、ケータイの在り処に気づいた吉田が飛び込んで来た。アキよりも早く焚き火を越え、種市に飛びついてケータイを取り戻した。
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