愛の渦→恋の渦→身体を売ったらサヨウナラ

■『愛の渦』

偶然、『Amazon Prime Videoで無料で観られるおすすめ映画リスト~独断と偏見による32選』(盛り場放浪記)というブログ記事を見つけた。僕の大好きな映画がいくつも出ていて(『天国と地獄』とか『探偵はBARにいる』の1作目とか)、この人は信用できるな、と思った。

そんな中、

123分中100分くらい全員裸。映画的に優れているわけではないけれど、門脇麦の脱ぎっぷりが素敵なので、観といて損はない。

と紹介されていたのが、三浦大輔原作・脚本・監督の『愛の渦』(2014)。
NHK『麒麟がくる』でヒロインをやってる門脇麦がどういう事になってんの!?」って思って、そりゃ見たくなるよね。

見て思ったことは、

  • 乱交パーティに集まった男女の1夜だけの交流。
  • 門脇麦の脱ぎっぷりが素敵だった。もう平常心で『麒麟がくる』を見れない。
  • 「100分くらい全員裸」というのは語弊があって、実際にはタオルを巻いてるシーンがほとんど。いや、問題ないけど。
  • 乱交パーティの終わる午前5時からがクライマックス。オチがどうなるのかずっとドキドキした。
  • 季節は冬なのに、日の出早すぎじゃん。まぁいいけど。

って感じでしょうか。いや、面白かった。

セックスがテーマだし、ましてやほぼ行きずりの乱交だし、口汚く罵ったりするので、まっとうな貞操観をお持ちの方は眉をひそめる映画ではありますが、観といて損はないかもしれません。

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映画『食べる女』を見た

ポビドンヨードを含んだうがい薬がなんだかんだで、ドラッグストアに走った人々や、どこぞの首長に失笑を送る人々で世間が騒がしい中、現実を見たくない当方がアマゾンプライムビデオで映画『食べる女』(2018)を見ましたよ。

8人の女が出てきて、どの女も孤独で痛々しくて人生に悩んでいる。女同士で傷をなめあって、最終的にちょっとだけ前に進むって感じの内容でしょうか。時々、添え物のように、これまた痛い男も出てきます。
象徴的なのは、小泉今日子姐さんの
「人ってねぇ、美味しいご飯食べてる時と愛しいセックスしてる時が一番こう、暴力とか差別とか争いごとから遠くなるんだって。・・・でもほら、セックスの方はさ、相手がいないとできないけれど、ご飯ならいつでもできるでしょ。」
というセリフでしょうか。
僕は嫌いじゃない映画です。
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#まつしけ 1周年

むかしむかし、あるところにアラフォー独身の男女がいました。

一緒に住んでいたわけではないけれど。
むかしといっても1年前のことだけれど。
過去形で書かれているけれど、ふたりともまだ生きているし、あいかわらずアラフォー独身のままだけれど。

独身であるということと人間であるということを除けば、およそ共通点を見つけ出すことの難しいふたりである。
思わず、「声が違う、年が違う、夢が違う、ほくろが違う、癖が違う、汗が違う、愛が違う、利き腕違う」などと、『イミテーション・ゴールド』(阿木燿子・作詞、山口百恵・歌)を口ずさんでしまうほどである。いや、年と利き腕は一緒だけれど。ごめんね。
一方は気がふれてるんじゃないかって思うほど山瀬まみのことが好きだし、他方は頭がいかれてるんじゃないかってくらい天知茂のことが好きらしいし(参考情報サイト: トラウマの天知茂; 彼女が更新しているわけではないので、あしからず)。
まったく共通点が見出だせない

そんなふたりが1年前、なんかの流れで映画の話になった。
もちろん、共通点がほとんどないふたりなので好きな映画のジャンルがぜんぜん違う、これまでに見てきた映画も全く違う。

そんなふたりが、相手が普段見ないような映画を無理やり見せるという不毛な嫌がらせをtwitter上でのしりとりという形式で1年続けてきた記録が以下である。
ふたりの戦いはまだまだ続く。

#なお、こうして振り返ると僕にとっては『陸軍中野学校』がベストでした。次点は『たそがれ清兵衛』

映画『小さいおうち』

chiisai-ouchi160x40朝ドラ『純と愛』において、ヒロイン(夏菜)が就職面接を受ける際に同じく応募者としてその場に出演していたのが女優の黒木華さんであり、その姿を見た瞬間に彼女に一目惚れしたという経歴を持つ当方が、映画『小さいおうち』(監督・山田洋次、主演・松たか子、助演・黒木華ほか)を見ましたよ。

* * *

1936年(昭和11年)、日本は中国との戦争を行っていたが、国内は繁栄し好景気に湧いていた。

近頃、玩具メーカーの重役・平井(片岡孝太郎)は東京の小高い丘の上に家を新築した。その家はそれほど大きなものではなかったが、西洋風のモダンな建築様式で真っ赤な瓦屋根を有している。近所でも評判の建物だった。平井には妻・時子(松たか子)と幼い息子の恭一(秋山聡)があった。
当時、ある程度の収入のある家では女中を雇うことが当たり前の事だった。新しく家を構えたこともあり、平井は新しい女中を雇うこととした。

そこへやって来たのが、山形の寒村出身のタキ(黒木華)だった。1年前に村を出る時こそしゃべりから訛りが抜けていなかったが、元々聡明であったことに加え、東京の小説家(橋爪功)の家で女中の基本を仕込まれたこともあり、平井家に来たとたんに立派に女中として働き始めた。
時子はタキのことをよくかわいがったし、息子の恭一も彼女によく懐いた。タキは一家のために全身全霊をかけて尽くそうと思うのだった。また時子は管弦楽や洋風の喫茶を趣味にするなど、先進的で洗練された女性だった。タキはそんな時子への憧れも強く抱くのだった。

ある年の正月、平井の玩具メーカーの新人デザイナー・板倉(吉岡秀隆)が年始の挨拶にやって来た。彼は美術学校出身で、就職した後もモダンな長髪で芸術家風だった。どこか社会の大人たちに馴染めない様子であるらしく、平井家の新年会でも会社の仲間たちと仕事や世情の話をするよりも、平井の子どもに絵本を読んでやる事の方が落ち着くらしかった。

時子とタキは、板倉の独特な雰囲気に惹かれた。

日本の戦局が悪化し、景気もひどく落ち込んだ。平井の務める玩具メーカーは材料不足や需要減少の煽りをもろに受けた。そんな中、会社の重役たちは独身の板倉に白羽の矢を立てた。彼を名士の娘と結婚させて、会社を支援してもらうことを目論んだのだ。多くの若者たちが戦地へ行っており、適齢期の男は少なかったのでチャンスがあったのだ。しかも、板倉は目と気管支が悪く徴兵される見込みがなかった。名士たちにとっても、娘婿が戦争へ行くことは望まないので願ったりかなったりだったのである。

数人の候補者がすぐに見つかり、板倉の見合いの段取りは時子に任されることとなった。夫に命じられてその役を引き受けたものの、時子は板倉が政略結婚の道具に使われることをよく思わなかった。板倉の方も自分に結婚はまだ早いと考えており、何かと言い訳をつけては見合いを断り続けた。話の進まないことを夫に叱責されながらも、時子は板倉の味方であり続けた。

見合いの打ち合わせとして何度も顔を合わせているうちに、時子と板倉は互いに強く惹かれ合うようになった。そして、板倉の下宿で男女の契を交わした。

ふたりの関係に最初に気付いたのはタキであった。見合いの打ち合わせに出かけた前後で時子の帯の結び方が変わっていたからである。しかも情交は一度きりではないらしい。加えて、御用聞きの酒屋(螢雪次朗)も彼らの関係を怪しんでいるらしく、彼はタキに気をつけるよう促すのだった。

タキは葛藤に陥った。時子を先進的な女性として崇めるタキは、彼女の恋愛を応援したいと思う。一方で、平井家の幸福や平和を第一に考えるタキは、時子の不倫を露見させるわけにはいかないのである。

日本の戦局はますます悪化し、徴兵の範囲が広がった。そのため板倉にも召集令状が届いた。
板倉が東京を発つ前日、時子は彼に会いに行こうとした。それをタキは押し留めるのだった。タキはふたりの関係が噂になりかけていることを忠告し、時子が出かけるべきではないと説得した。その代わり、彼を平井家に呼び出すのが良いと助言した。会社員が上司の家に出入りするのならば不自然はないからである。

タキは、時子に手紙を書くよう言い、それを自分が板倉に届けると申し出た。そうすれば彼はきっと会いに来るだろうと言うのだ。時子は短い文を封筒に入れた。それを預かったタキは、すぐに家を出て板倉の下宿へ向かった。

しかし、結局、板倉は会いに来なかった。

その後、日本の劣勢はますます激しくなり、タキは郷里の山形に帰ることになった。終戦後、タキは平井家の消息を訪ねに来た。そこでわかったことは、平井夫婦は庭の防空壕で抱きあうようにして死んでいたということであった。息子の恭一の行方は知れなかった。

平成になり、タキ(倍賞千恵子)は親戚・健史(妻夫木聡)の勧めもあり、平井家での思い出をノート数冊に書きあげた。彼女の死後、遺品整理中にタキが保管していた写真など、数点の平井家縁の品が見つかった。

ひょんなきっかけから、健史は平井家の息子・恭一や板倉の終戦後の足取りについて調べ始めるのだった。

* * *


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映画『グッモーエビアン!』

水曜どうでしょう』で大泉洋を気に入り、『時効警察』で麻生久美子に惚れ、『あまちゃん』で能年玲奈にノックアウトされたけど、三吉彩花のことはよく知らなかった当方が、映画『グッモーエビアン!』をDVDで見ましたよ。

* * *

中学3年生のハツキ(三吉彩花)は自分の父親のことを一切知らない。母・アキ(麻生久美子)は17歳でハツキを身ごもった時、相手の男と別れてしまったからだ。それ以来、アキは未婚のままハツキを育ててきた。

ふたりはまるで友達のような親子だった。今でこそアキは普通に勤めに出ているが、ハツキが生まれた頃は名古屋で名の知れたパンクロックバンドのギタリストだった。アキはハツキを学習塾に行かせている以外は、特に教育熱心でもなかった。子育てに関しては放任主義で、ハツキの進路に関する三者面談にも出席しない。ハツキがどのような進路を選ぼうとも、全て本人の自由に任せるつもりでした。むしろ、登校前のハツキといつまでもおしゃべりしていたり、制服のスカートの丈を短くした方がカワイイなどとアドバイスするほどだった。

ハツキ(三吉彩花)とアキ(麻生久美子)は朝の準備をそっちのけでおしゃべりにふける。

ハツキ(三吉彩花)とアキ(麻生久美子)は朝の準備をそっちのけでおしゃべりにふける。

ただし、ハツキとアキは完全な母子家庭ではなかった。ハツキが生まれてから中学生になる頃まで、矢口・通称ヤグ(大泉洋)が同居していた。ヤグはアキと同じバンドのヴォーカリストで、アキへの恋愛感情を隠そうとはしていなかった。アキの妊娠が判明した時、彼女の事情を全て受け入れた上でプロポーズしたのだ。しかし、アキは正式に結婚することを拒んだ。けれども、ハツキの父親代わりとして、同居することになった。幼かったハツキは、ヤグが本当の父親だと信じて育ち、彼によく懐いた。

ヤグは根っからのプー太郎気質だった。ロックと酒以外に熱中するものはなく、のべつ幕なしに軽薄なことばかりしゃべっている。これといった定職に就くこともなく、もっぱらアキが食い扶持を稼いでいた。それでも、ヤグの明るい性格は、アキやハツキに愛されていた。

ある時、ヤグは交通事故に遭った。賠償金としてまとまった金が手に入ると、ヤグは一人で海外へ放浪の旅に出てしまった。残されたアキとハツキは、特に寂しがったりすることもなく、明るく愉快な母子として楽しく暮らしていた。

そんなある日、ヤグが旅から帰ってきた。アキはヤグの帰還を喜び、昔通りの生活に戻ろうとした。しかし、難しい年頃となったハツキは、ヤグのことを手放しで迎え入れることができなかった。世間一般とは異なる家庭状況を引け目に感じたり、ヤグの軽薄な態度を蔑視したりするようになっていた。

トモ(能年玲奈)はヤグ(大泉洋)の自由な生き方に憧れるが、ハツキは面白くない。

トモ(能年玲奈)はヤグ(大泉洋)の自由な生き方に憧れるが、ハツキは面白くない。

特に、ハツキの親友トモ(能年玲奈)と一緒にいると、その思いがいっそう強くなった。トモの家庭にはきちんとした両親が揃っており、生活も豊かだった。トモの家ほど裕福になりたいとは思わなかったが、せめて常識を有した両親であって欲しいと願うのだった。

一方のトモは、アキやヤグのような自由気ままな両親への強い憧れを抱いた。ハツキもトモも互いに互いを羨ましがり、ないものねだりをするのだ。そして、それがハツキとトモの友情に亀裂を生じさせる。

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映画『BUNGO ~ささやかな欲望~』を観た

最近、当方が黒木華にZOKKON命であることは当ブログの読者諸氏にはお馴染みであろう。

そんな当方は、黒木華が映画『BUNGO ~ささやかな欲望~』に出演しているという情報をキャッチした。twitter で「黒木華」をキーワードに検索すると当方のツイートが大量にヒットする(記事執筆時)ほど彼女を愛した当方なので、当然この映画も観に行かなければならない。

上映館を調べたところ、全国で4館したかけているところがない(記事執筆時)。「黒木華の活躍を見れる人間は全国でも限られている。俺がこの目で彼女の一挙手一投足を銀幕で見届けてくる!」そういう熱い思いに駆られ、角川シネマ有楽町まで出かけてきた。

なお、2日前には『おおかみこどもの雨と雪』を同じ劇場で観た。娘・雪の声優が黒木華なのだ。ナレーションも兼ねているので、彼女の語りで映画が始まるぞ!素晴らしいぞ!


#1:04に出てくる上の手が黒木華の手だ。心して見るように。
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映画『愛の新世界』を見た

鈴木砂羽のデビュー作にして、彼女のヘアヌードを見ることができると聞いていきり立った当方が、映画『愛の新世界』のDVDを見ましたよ。

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小劇団の看板女優である佐久間レイコ(鈴木砂羽)は、生活費と劇団活動費用の捻出のため、渋谷のSMクラブで女王様として働いている。
レイコは女王様としての自分に誇りを持っており、奴隷の調教に妥協はない。奴隷たちもレイコに従順に従っている。

レイコは女優業と女王業を表裏一体であると考えている。金にならない劇団のために女王様の仕事は続けなければならないし、自分が女王になりきって奴隷を調教することは芝居の上達に貢献するとも考えている。
そして何よりも、レイコは女にしかできないこの仕事を心の底から楽しんでいた。

鈴木砂羽が演じる女王様レイ

レイコのSMクラブがある雑居ビルには、デートクラブの事務所があった。いつしかレイコは、仕事の行き帰りによく顔を合わせるホテトル嬢アユミ(片岡礼子)と仲良くなった。
アユミは、いつしか玉の輿に乗ることを目的に、医学部を目指す三浪の男(松永博史)や司法試験を目指す文学部の男(武田真治)に貢いでいる。そのための金を自分の体を売って稼いでいるのだ。

片岡礼子が演じるホテトル嬢アユミ

アユミにも悲壮感はなかった。レイコと意気投合し、今の生活を楽しむのだった。

レイコとアユミは昼はそれぞれ別だった。しかし、夜になれば渋谷で仕事をし、明け方頃からふたりで連れ立って遊びまわった。
ふたりは明け方の海を見たがった。そこで開放的な気分を味わいたがった。

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映画『はさみ』

池脇千鶴が美容専門学校の講師を演じるのだが、あまりに童顔なため、生徒役の女優以上に生徒に見えてしまうという問題作『はさみ』を見た。

美容専門学校講師・永井久沙江(池脇千鶴)

池脇千鶴演じる講師は、生徒に対して美容技術を教えるのみではなく、生徒の人格形成や生活指導にも力を入れるべきであるという持論を持っている。しかし、その思いとは裏腹に、問題を抱えた生徒たちが表れ、彼らとの人間的交流を深めるというお話。
派手なところはほとんどなく、しみじみとした味わいのある物語。

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映画『サルベージ・マイス』をついに見ることができた

去年、空前の谷村美月マイブームが巻き起こった。彼女のブサカワ具合は当方のストライクゾーンど真ん中だ。谷村美月のことをブサカワというと、大量のオッサンから異論が寄せられるが、気にしない。

谷村美月マイブームの頃、彼女主演の『サルベージ・マイス』という映画あることを知った。当ブログでも「。俺の谷村美月マイブームが終結する前にちゃんと神奈川でも公開してくれ。」などと書いたのだが、結局当方の地元の映画館では公開されなかった。悲しい。

しかし、僕は『サルベージ・マイス』のことを忘れたわけではなかった。DVDをレンタルして見たのである。

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映画『ショーシャンクの空に』を見た

2011年11月4日(金)放送のラジオ『上柳昌彦ごごばん!』の中で、山瀬まみが好きな映画の一つとして『ショーシャンクの空に』(1994)を挙げていた。当方の愛する山瀬まみが好きだと言っている映画なのだから、当然当方も見ておかなければならない。放送から随分時間が経ってしまったが、今夜やっと見ることができた。
そして、この映画はとても良い作品だった。こんなに良い作品をお気に入りとしている山瀬まみに惚れ直した。

映画の主人公は有能な銀行員だった男だ。しかし妻が不倫をしており、さらに悪いことには、妻とその間男が情事の最中に何者かによって射殺された。主人公の男が容疑者として逮捕された。無罪を主張するが認められず、彼は終身刑を受けてショーシャンク刑務所に服役することとなった。
主人公は刑務所の中の不条理に戸惑う。他の囚人たちからの嫌がらせだけではなく、看守たちも腐敗しきっていた。所長ぐるみで理不尽な暴力や収賄が横行していたのだ。良識があり有能な銀行家であった主人公は彼らとは距離をおきたがった。

しかし、終身刑という長い年月の孤独に耐えられようはずもなかった。
いつしか主人公には気のおけない仲間ができた。そればかりか、看守たちの無償の税理士として働くことで一目置かれるようになった。ついには、類まれな経理能力を活かして、所長の裏金作りの片棒を担ぐまでになった。

その一方、親しかった囚人との不慮の別れが彼を追い詰める結果となった。

・・・と、そんなお話。
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