峰なゆか『アラサーちゃん』

週刊SPA!峰なゆかの『アラサーちゃん』という4コマ漫画が連載されている。30歳女子のアラサーちゃんが、男と女の微妙な駆け引きを行うというもの。男にモテるために様々な努力をしたり、理不尽で幼稚な男の言い分に合わせてみたり、つい我慢の限界に達して本音を叫んでみたりといった漫画。
ライバルのゆるふわちゃん(男好きのするかわいこちゃん)と張りあってみたり、元彼氏のオラオラ君と腐れ縁が続いていたり、本命の文系くんが振り向いてくれなくてヤキモキしたりもする。

雑誌で読んで気に入ったので、単行本を買ってしまった。おもろかった。

『アラサーちゃん』というはてなダイアリーがあり、そこで多くの漫画が読める。それを試し読みして、気に入った人は買うが良い。なお、単行本に収録されている漫画の半分近くは先のはてなダイアリーに掲載されているものの、ネットで見ることのできるものはラフスケッチ版。単行本では同じ話がキレイに描き直されています。

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園山二美『続蠢動』

15年ほど前、僕はある漫画を読んだ。漠然と内容を覚えているだけで、著者もタイトルも分からなかった。その事を当ブログに書いて情報提供を募ったところ、あっという間に判明した
すでに絶版となっている漫画であったが、幸運なことにamazonで古本が売られていたので直ぐに購入した。今日届いて15年ぶりに再読した。僕の記憶は細部がずいぶんと違っていたが、面白かったはずだという記憶に間違いはなかった。

その作品は、園山二美の「怠惰嬉楽」という作品であった(参考写真)。1996年に読み切りとして雑誌に掲載された後、1999年の単行本『続蠢動』に収録された。

表紙の女の子が可愛くて、ちょいエロ


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岡崎京子『リバーズ・エッジ』

7月の「東海道五十三クリング」では、京都・三条大橋にゴールした後、冷房を求めて電車に乗った。三条京阪から京橋(大阪)までを往復した。

その日は、祇園祭の宵山であった。1年でもっとも京都が混雑する日と言われている(おかげで、僕は京都に宿を取れず、神奈川の自宅までとんぼ返りしたのだ)。

大阪から京都へ戻る電車は、宵山の見物客と思しき乗客で混雑した。それでも、僕は運良く座席に座ることができた。京阪特急の4人がけボックスの窓際だった。

僕と前後して乗り込んだのは、男女3人ずつの若いグループだった。合同デート(デート?デートなのか!?)のような感じで楽しそうだった。彼らはまとまった座席を確保することはできなかったが、男女組みになって分散することで全員座ることができたようだ。

僕の座る4人がけボックスにも、その中の1組がやって来た。年の頃は、高校生か大学生くらいに見えた。男の子は少々うつむき加減で、他のメンバーに比べてあまり楽んでいるようには見えなかった。グループの中のリーダー格っぽい快活な女の子が、別の女の子を呼び寄せて彼のそばに座らせた。

この女の子は、色白ベビーファイスでかわいらしい夏服を来ていた。はっきり言って、僕好みの女の子だった。目が釘付けになった。暗い雰囲気の彼に代わって、俺が彼女のお相手をしたい、強くそう思った。
そういう思いもあって、根暗の彼とベビフェの彼女を横目で観察しまくった。彼らと目が合うと、空々しく外を眺めたりしたが、耳だけは常にそばだてていた。
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「角コミ2011夏」のミニ色紙

久しぶりに本屋さんで漫画を買った(いつもはAmazon)。

買い求めたのは、ヤマザキマリ『テルマエ・ロマニ』『テルマエ・ロマエ』の1-3巻である。最近、面白いと評判らしいので読んでみることにした。

中身はまだ見てない。この記事を書き終わったら取り掛かろうと思っている。

さて、現在、角コミ2011夏というキャンペーンが行われていて、角川のコミックを買うと漫画家のミニ色紙がもらえるそうだ。

僕はそんなことを全く知らずに買いに行ったので、店員さんにいきなりサンプルと共に「選べ」と言われて困った。
特に欲しくはなかったのだが、「いらないから引っ込めろ」と言うのもなんだか気恥ずかしかった。
顎に手をあてて、うーん・・・と少し考えた。全部で20種類ほどある中から3つ選べと言われたのだが、僕がほとんど知らない作家ばかりなのだもの。
角コミ2011夏で全絵柄を見ることができる。

店は全く混雑していなかったが、あまり長考するのもみっともない。
えいや、と選んだのが以下の3枚。この選択で良かったのですよね?
#「はぁ?なんでそれを選ぶの?」とか言われても、今さら交換に行ったりしないけど。

色紙3種類

『テルマエ・ロマエ』とミニ色紙。ミニ色紙は左から、島本和彦、ヤマザキマリ、よしたに。

まずは、『テルマエ・ロマエ』を購入したってことで、作者のヤマザキマリ(写真中)をチョイス。
次に、『アオイホノオ』を愛読していることにちなみ、同作の作者である島本和彦(写真左)をゲット。

最後の1枚は困った。上記2人を除けば、あとはどの人も知らないし、当然作品を読んだこともない。
唯一、『ぼく、オタリーマン』だけはなんとなく絵を見たことがあった。そんなわけで、最後の1枚はよしたにの色紙に決定(写真右)。

こんな選択で良かったのですよね?

・・・とはいえ、こうやって写真にとってブログに掲載したら、もうこのミニ色紙に用は無いなり。
なんか面白い活用方法があれば募集。

会田薫『梅鴬撩乱―長州幕末狂騒曲―』 タイトルと作者が判明

昨年の7月、以下のような問いかけを発した。

「タイトルも作者もわからない漫画」

以下の情報だけで、それがなんという漫画なのかわかる人はいるだろうか?

(1) 時代劇漫画(幕末物である可能性が高い)
(2) 作者は女性である
(3) 最近(少なくとも 2010年)、この作家初となる単行本が出た
(4) この作品は1巻で完結ではないらしい
(5) 講談社か集英社(もしくは小学館かも)あたりの大手からの出版らしい

その答えがわかった。

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岡崎京子『pink』

このマンガ、大好きです。
10年くらい前に人の家に置いてあって、エロい表紙に興味をひかれて手にとって、読んでみたら主人公が売春婦でエログロで血生臭く、そういう設定にもかかわらず、ロマンチックで微笑ましく、互いを慈しみ合うような愛ある男女の物語で、悲劇的な結末ではあるのだけれど前向きで、大好きなんです。

ハルヲくんのヘタレな独白も、いちいち好きです。
以下のふたつは、リアルに引用してつぶやいたことある、たぶん。

ももの缶づめはひんやり
のどに冷たく
熱のせいか
薬のせいか
何だかオレはこの部屋で
人生を台無しにしてもいいや
とゆう気になった

でもオレできないの
気が弱いから

気が弱いからさあ

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『酒場ミモザ 3』(とだともこ)にトニーたけざき登場

『酒場ミモザ (3)』 p.65

マンガ『酒場ミモザ』3巻に、主人公らが阪神淡路大震災の傷跡が残ったままの神戸を訪れる話が描かれている。画家の卵である主人公が、瓦礫の中に散らばった画家道具を見つけて、思わずしんみりするシーンがある(p.65)。

左上のコマには、描きかけと思しき作品が顔をのぞかせている。
目を凝らすと、キャンバスにはいいかげんに描かれた人の顔が見える。一瞬、作者の手抜きかと思われるワンカットだ。

トニーたけざきのホームページしかし、僕は知っている。
これは、漫画家トニーたけざきの自画像だ。
キャンパスに描かれた署名をよく見れば、ちゃんと “Tony” と記してあるようにも見える。

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『酒場ミモザ』 とだともこ(ほうさいともこ)

先日、オルニオ氏に大推薦された『酒場ミモザ』(とだともこ)の1巻をゲットすることができた。

『酒場ミモザ』1巻表紙と、オマケのシール

同書は1990年代前半の京都のバーの初老のマスターと常連客とのゆったりとしたやり取りを描いたマンガ。
舞台は酒場なのだが、小うるさい酒のウンチクなどは出てこないので、肩が凝らずに読める。一方、京都独特の風俗(京言葉や京料理、京都でのしきたりなど)がさりげなく紹介されていて、関西在住数年の当方もいろいろと勉強することができた。

全4巻。続きもぜひ読みたい。

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