NHK『マッサン』第3回

中学生の時のあだ名は再び「まっちゃん」に戻った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』の第3回めの放送を見ましたよ。

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第1週『鬼の目にも涙』

家族の夕食の時間となった。しかし、エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)の食事だけが準備されていなかった。母・早苗(泉ピン子)は、エリーは家族ではないのだから女中と一緒に後で食べろというのだ。
政春(玉山鉄二)は怒り、自分も食事を摂らずに席を立った。

エリーは、故郷スコットランドで自分の母・ローズマリー(インゲ・ムラタ)に結婚を反対されたことを思い出した。エリーが日本へ行くと、外国人だということで差別やいじめを受けると言うのだ。文化や習慣が異なり、エリーがどんなに努力したところで日本人にはなれないと諭されたのだ。

しかし、そんなことで挫けるエリーではなかった。たとえ国籍が違っても、人と人は分かり合えると信じていた。愛する政春を助けるため、何としてでも彼の妻として認めてもらうよう頑張った。誰よりも早く店の前の掃き掃除を行ったり、たわしで鍋の焦げを擦るなど、人一倍努力した。

組合の視察旅行へ行っていた政春の父・政志(前田吟)が帰宅した。彼はほとんど日本酒造りにしか興味がなく、エリーに会っても特に何も言わなかった。早苗から相談を受けても適当に聞き流し、日本酒用の米を作っている田んぼに出かけてしまった。

政春は幼い頃から、日本酒造りに生活の全てを注ぎ込む父の背中を見て育った。灘や伏見に負けない酒を作ろうと、地元の人々と協力して工夫に工夫を重ねていた。その姿に憧れ、政春も何か新しいことに挑戦したいと思うようになったのだ。その結果、政春は日本で始めてのウィスキー造りを自分の目標と定めることになったのである。

政春の祖父の法事の日を迎えた。
今日は親戚一同が集まる。母・早苗にエリーのことを認めさせるため、周囲の人々を自分の味方に付けるというのが政春の目論見である。特に、和尚は長老と目されており、早苗も彼には頭が上がらない。和尚を真っ先に取り込むことがキモだと政春は考えていた。

エリーは和服に着替え、政春から日本風の作法の手ほどきを受けた。それはどれも難しいものばかりであったが、愛する政春と一緒に頑張ることはエリーにとって幸せなことであった。

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NHK『マッサン』第2回

小学校高学年の時のあだ名は「まささん」だった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』の第2回めの放送を見ましたよ。

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第1週『鬼の目にも涙』

スコットランドでの2年間のウィスキー修行を終え、政春(玉山鉄二)はエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)を連れて実家の広島県竹原に帰ってきた。エリーは、政春の母・早苗(泉ピン子)がふたりの結婚を祝福してくれていると聞いていたので、希望に胸を膨らませていた。

しかし、実際に会った早苗の態度はひどく冷淡だった。亀山家は酒蔵であり、早苗は政春を家の跡取りにするつもりでいた。家の伝統を守るのに外国人の嫁では不適切だというのが早苗の考えなのだ。政春のスコットランド行きを認めたのも、一時的に自由を謳歌した後は、きっぱりと跡取りにするつもりだったからだ。

政春は、自分は自分は日本酒造りを継ぐつもりは無いと反論した。自分の夢は日本で初めての国産ウィスキーを造ることであり、留学費用を負担してくれた大阪の会社社長の手前、それをなかったことには出来ないと主張した。すでに結婚している姉・千加子(西田尚美)の夫、もしくは妹・すみれ(早見あかり)に新たに婿を取って、その者を跡取りにすれば良いと提案した。実際、女きょうだいしかいなかった母・早苗も婿養子として父・政志(前田吟)を迎えたという前例がある。

しかし、早苗は全く聞く耳を持たなかった。翌日に祖父の17回忌があり、その準備に忙しいと言って早苗は席を立ってしまった。エリーは、政春と早苗の日本語でのやりとりをほとんど理解できなかったが、とにかく早苗がひどく怒っていることだけは理解できた。

そもそも、政春が早苗から受け取った手紙には、ふたりの結婚を祝福すると書いてあると聞かされていた。しかし、それは政春の嘘だったのだという。早苗は外国人を嫁にすることは絶対に認めないと書いていたが、政春は母もエリーに実際に会えば考えを改めるだろうと期待していたのだ。だから、エリーを実家に連れてきたのだ。しかし、そのアテは全く外れてしまった。

政春の次なる手段は、親戚一同を味方につけるというものだった。翌日に行われる祖父の法事には多くの親戚が集まる。彼らにエリーを認めさせれば、早苗も折れる他ないと考えた。妹・すみれと番頭・島爺(高橋元太郎)に協力を仰ぎ、エリーの和装の準備を進めた。

その準備の最中、すみれはエリーからふたりの馴れ初めを聞かせてもらった。それは以下の様なものだった。

ふたりは2年前、エリーの家で行われたクリスマスパーティーで知り合った。エリーの妹・ヘレン(アナンダ・ジェイコブズ)が政春と同じ大学で学んでおり、ヘレンが政春を家に招待したのだ。

みんなでクリスマス・プディングを切り分けて食べていると、政春のケーキから銀貨が出てきた。一方、エリーのケーキからは銀の指ぬきが出た。スコットランドの言い伝えによれば、銀貨の男と指ぬきの女は結婚する運命なのだという。周囲は二人のことをはやし立てた。しかし、ふたりは照れるばかりか、迷信だと言ってそれを否定しようとした。

それから、政春はエリーの弟・ウィリアム(タクマ・ウォーレン)に柔道を教えることとなり、頻繁にエリーの家に出入りするようになった。そうするうちに互いに惹かれ合って行き、ふたりきりで会うようにもなった。
日本で初めての国産ウィスキーを作るという政春の夢を聞き、エリーはそれが実現するよう心から願った。

しかし、ついに政春が日本へ帰ることとなった。エリーは政春に後ろ髪を引かれながらも、きっぱりと別れを決意した。
ところが、政春はスコットランドに残ると言い出した。エリーに結婚を申し込み、共にスコットランドで永住したいと言うのだ。

政春の夢を応援したいエリーは、それを否定した。結婚することに異存はないが、自分の方が政春に付いて日本へ行くと決意した。こうして、ふたりの結婚と日本行きが決まった。

しかし、話は簡単ではなかった。エリーの母・ローズマリー(インゲ・ムラタ)が猛反対したのだ。エリーが日本へ行くなら、親子の縁を切ると言い放った。

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NHK『マッサン』第1回

生涯で初めて付けられたあだ名は小1の時に「まっちゃん」だった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』の第1回めの放送を見ましたよ。

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第1週『鬼の目にも涙』

1971年(昭和46年)。
亀山政春(玉山鉄二)の作ったウィスキーが名誉ある賞を獲得し、北海道余市で祝賀会が開かれていた。
そのウィスキーは、政春の亡き妻の名を取り「スーパーエリー」と名付けられていた。
年老いた政春は自身の来し方を思い出すのだった。

受賞を遡ること50年、1920年(大正9年)5月。
政春はスコットランドでの2年間のウィスキー修行を終え、日本へ帰国する船上にいた。

彼の傍らには、妻のエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)がいた。政春はウィスキーの技術だけではなく、スコットランドの美しい女性をも娶っていたのである。まだ国際結婚の珍しかった時代、ふたりは恋に落ちて結婚した。

政春が日本でのウィスキー造りという新しい人生の始まりに胸を膨らませるのと同様に、エリーは初めて見る日本への期待と好奇心でいっぱいだった。政春の元に届いた手紙によれば、彼の両親はふたりの結婚を祝福してくれているという。エリーは政春の母に会うことを特に楽しみにしていた。

50日間の船旅を終え、さらに汽車とバスを乗り継いで、やっと政春の故郷である広島県竹原へ到着した。政春の実家は古くから続く造り酒屋であった。政春は早速エリーを酒蔵に案内し、日本酒や日本酒造りのしきたり(酒蔵は女人禁制など)を説明するのだった。

ところが、実家に着くやいなや政春の態度がおかしくなりはじめた。政春はエリーを実家の人々から遠ざけようとするのだ。特に、母と会うことを避けているようだった。実は、実家から届いた手紙の内容について、エリーに嘘をついていたのだ。

けれども、いつまでもそうしているわけにもいかなかった。番頭の島爺(高橋元太郎)が政春の母を呼びに行った。父・政志(前田吟)は組合の視察旅行で留守なのだという。

いよいよエリーが政春の母と対面することとなった。
どれだけ歓迎されるかと期待でいっぱいのエリーだったが、母・早苗(泉ピン子)の態度はまったくの予想外のものだった。

不機嫌な表情の早苗は、外国人の嫁は絶対に認めないと言い切るのだった。

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NHK土曜ドラマ『55歳からのハローライフ』 第1話「キャンピングカー」

リリー・フランキーの3大傑作といえば『東京タワー』と『グラビアン魂』と『ロックン・オムレツ』(森高千里)のPVだと考える当方がNHK土曜ドラマ『55歳からのハローライフ』第1話「キャンピングカー」を見ましたよ。

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大手家具メーカーの敏腕営業マン・富裕太郎(リリー・フランキー)は早期退職制度を利用し、50代でリタイアした。彼は仕事一筋だった半生を振り返り、残りの人生は自分の夢と家族のために使おうと考えたのだ。
自宅のローンは完済済みだった。娘の美貴(市川実日子)と息子の(橋爪遼)はまだ独身で実家ぐらしだが、ふたりともすでに就職している。早期退職による特別加算金も貰えるため、当面経済的な心配がない。妻・凪子(戸田恵子)も太郎の早期退職に反対しなかった。

太郎の趣味は美味いコーヒーを飲むことだった。手動のミルで豆を挽き、ネルドリップで自ら淹れて飲むことを好んだ。退職後の夢は、キャンピングカーで悠々自適に全国を回り、先々でコーヒーを楽しむことだ。妻とふたりきりで旅に出ることを望んだ。
早期退職の特別加算金がちょうどキャンピングカーの価格と同等だったので、退職を決めるとともに手付金を支払っていた。ただし、家族を驚かせるためにそのことは秘密にしていた。

退職日の夕食で、太郎はキャンピングカーのことを家族に打ち明けた。家族は確かに驚いたが、歓迎よりも冷淡な雰囲気で迎え入れられた。反対を明言する者はいなかったが、太郎は微妙な空気に戸惑った。

同伴を指名された妻・凪子もいい顔をしなかった。夫婦仲が悪いわけではなく、むしろ関係は良好であったが、突然のことに困惑したのである。
いくら経済的に困窮していないとはいえ、キャンピングカーは決して安いものではない。今後、年金を受給するまでは収入が無い。ふたりの子どもたちの結婚資金も準備しておきたいと考えている。生活が心配になるもの当然であった。また、凪子は趣味で絵画をやっている。教室に通ったり、絵画仲間と写生旅行に出かけたりすることもある。長期旅行に出てしまうと、それらの活動に支障をきたすのだ。

太郎とふたりきりになった時、凪子はあくまで控えめに、上記の懸念を表明した。しかし、太郎にとってはそれが妻のわがままに聞こえてしまうのだった。

娘・美貴も反対だった。特に経済的理由から反対した。キャンピングカーを購入するなら再就職し、その収入を購入費に充てるよう提案した。

娘の言い分にも一理あると思った太郎は発奮し、就職活動を始めた。
家具メーカーの営業マン時代の人脈に片端から連絡をとり、自分を雇ってくれるよう頼んだ。しかし、業界の景気は悪く、太郎を雇い入れる余裕のある会社はなかった。そればかりか、太郎が昔の勤め先の威光をかざし、居丈高な態度でいることで反感を持たれる結果となった。太郎は自分を採用しない人々の陰口を叩くのだった。

人脈の伝手が途切れた太郎は、人材派遣会社に登録することとした。その待合室には覇気のない中高年が大勢おり、太郎は仄暗い気分になった。その上、面接担当者は自分よりずいぶんと若い者であった。昔ながらの営業手法しかしらない太郎は、パソコンや外国語、女性社員の扱い方など、現代の企業で必要とされるスキルを全く有していなかった。若い面接担当者に憐れむような態度で接しられ、太郎は落ち込むのだった。

その頃から、太郎は精神に不調をきたし始めた。
喉に違和感を感じ、咳が止まらなくなり、大好きなコーヒーも飲めなくなった。不眠に苦しめられたり、近所の犬の鳴き声に激しく苛立つようになった。

その上、現実と区別の付かない夢を見るようになった。
夢の中で太郎は、キャンピングカーを手に入れ、凪子とともに旅をしていた。凪子が草原にイーゼルを立てて写生しているのを、太郎はコーヒーを飲みながら眺めていた。

そこへ、阿立(長谷川博己)と名乗る男が近づいてきた。彼は黒いフードを被った不審な姿をしていたが、太郎の話を真摯に聞いてくれた。太郎は会社時代の自分のこと、早期退職を決めたきっかけ、キャンピングカーや妻とのふたり旅に対する憧れなどを話した。

それから阿立が道連れとなったが、しばらくすると彼の姿が消えた。
ところが、太郎と凪子が人気のない露天風呂に入っていると、どこからともなく阿立が現れ、ふたりの入浴姿を眺めていた。妻の裸を覗かれたことに怒った太郎は、阿立を追いかけた。
すると、阿立はキャンピングカーを盗んで走り去った。

太郎はますます怒り狂った。自分の全てをつぎ込んだキャンピングカーを盗まれ、もう自分には何も残っていないと思ったからだ。自分の何よりも大切な物が盗まれたと声をあげて嘆いた。

その叫び声を聞いていた凪子は冷淡に言った。太郎はモノやスタイルを大切にするばかりで、妻である自分を顧みないと言うのだ。結局太郎は、家族や妻を自分の理想のライフスタイルの一部としか見ていなかったと批判したのだ。
夢の中で。

悪夢ばかり見て、気分が塞ぎこむばかりの太郎は、自ら心療内科を受診した。カウンセリングを担当した医師は、身なりこそ異なったが、夢に出てくる阿立と同じ顔をしていた。
太郎から話を聞いた阿立は、「誰でもが、自分だけの時間を持っている」ということを諭した。太郎が自分の夢を実現したいと思い、そのために自分の時間を使うのと同様に、凪子も自己実現のために自由に使う時間を持っていることを確認した。そして、太郎がそのことに気付き始めていると指摘した。自分と他人がそれぞれ固有の時間を持っているという事実を知ることは脅威である。太郎はそれに気づくとともに、その事実を拒否しようとしている。だから精神的に不安定になっているのだと説明した。それを受け入れることが今の太郎には必要だと言うのだ。

ある夕、太郎はコーヒーを保温瓶に準備した。それを携え、丘で写生している凪子を迎えに行った。
太郎の姿を見つけると、凪子は帰り支度を始めた。精神的に不安定な夫を心配するのはもちろん、長年の主婦生活の習慣から、家事に戻る時刻だと思ったからだ。夫を支えることが自分の義務だと考えているのだ。

そんな凪子を、太郎は押しとどめた。もう少し絵を続けて良いと言うのだ。そして、家から持ってきたコーヒーを差し出した。

太郎は、こうして時々コーヒーを持ってきたいと言うのだった。少しずつ始めていって、ずっと先にふたりで共通の夢が持てたら嬉しいと話すのだった。

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NHK『花子とアン』第7回

7:15からBSプレミアムで再放送の始まった『カーネーション』を見て、「第1話からちゃんと面白いな―。いいねー。初回から各キャラがちゃんと立っていて、だんじりの躍動的なシーンと日常的なシーンのバランスもよく、不自然ではない人物紹介が行われ、すっと物語に入っていける。いいねー。」と機嫌を良くした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』の第7回めの放送を見ましたよ。

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第2週『エーゴってなんずら?』

1903年(明治36年)。
10歳のはな(山田望叶)は修和女学校へ編入するため、吉平(伊原剛志)に連れられて上京した。汽車に乗るもの東京に行くのも初めてのことで、はなは緊張と不安で胸が張り裂けそうだった。

修和女学校の建物は大きく洒落ていて、故郷の甲府ではついぞ見たことのないような立派なものだった。この学校は明治のはじめにカナダの外国人宣教師が設立したミッション系スクールだという。授業は全て英語で行われるという。吉平は good morning, good afternoon, good evening の3フレーズだけ英語を知っており、それをはなに教えてやった。しかし、はなはそれがまるで呪文のように思えて、ちんぷんかんぷんだった。

学校では、校長のブラックバーン(トーディ・クラーク)に面会した。彼女は威厳があり、厳しい表情で英語しか話さなかった。英語教師兼通訳係の富山(ともさかりえ)も、校長の雰囲気そのままに厳しい態度で接した。はなは給費生として学費免除の代わりに、一度でも落第点を取ったら退学になることを伝えた。

そんな2人に比べれば、寮母兼裁縫教師の茂木(浅田美代子)は優しく接してくれた。「神の前で人は平等である。寄宿舎の生徒は姉妹同然」という言葉とともに、寄宿舎の生徒たちと別け隔てなく接することを約束してくれた。彼女に案内されて、はなは宿舎へ向かった。

修和女学校の寄宿舎では、必ず上級生と下級生が一緒の部屋に割り当てられ、予価、本科、高等科の生徒が一緒に暮らしていた。少女から成人した生徒までが同室だった。はなはさっそく同室の生徒たちに引き合わされた。

はなと同年代の醍醐(茂内麻結)は、父が貿易会社の社長を務めており、最近家族が外国へ移住したという。そのため、彼女だけが寄宿学校へ編入したのだ。彼女もこの学校に来たばかりであり、同じく編入してきたはなの存在を心強く思うのだという。ふたりはさっそく仲良くなった。リボンを持っていないはなに対しては、「髪にリボンを付けないのは、着物に帯を付けないのと同じ」と言って、自分のリボンをはなにくれた。

最年長の白鳥(近藤春菜)は、さっそくはなの下品な言葉遣いを注意した。彼女は言語矯正会の会長も務めており、言葉遣いには厳しいのだ。「言葉の乱れは心の乱れ」が彼女の言い分だった。
その他、上級生の一条(佐藤みゆき)と同室だ。

さっそく夕食の時刻になった。醍醐ははなを食堂へと案内してくれた。
その途中、はなは図書室を見つけた。大量の本があることを喜び、寄り道して本棚を眺めた。

しかし、そこにある本は全て英語の本だった。英語教師・富山によれば、授業も全て英語で行われるという。
はなは驚くとともに、この学校での生活が不安になった。

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NHK『花子とアン』第6回

女性の涙にはめっぽう弱いので、まとめ記事中止を撤回した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』の第6回めの放送を見ましたよ。


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第1週『花子と呼んでくりょう!』

1903年(明治36年)、はな(山田望叶)は10歳となった。

はなは母・ふじ(室井滋)が夫・吉平(伊原剛志)との馴れ初めを話しているのを聞いた。
若いふじはブドウ畑に面した道で行商人の吉平と出くわした。吉平はふじに櫛を売りつけようとするが、胡散臭さを感じたふじは無視して通り過ぎようとした。その矢先、歩き疲れた吉平は道に倒れてしまった。不憫に思ったふじは、ブドウの実を絞って果汁を飲ませてやった。
それからふたりは親しくなり、特にふじは吉平の見聞録に魅了された。生まれてから一度も村を出たことのないふじにとって、見知らぬ土地の話はどれも興味深かった。そうしているうちに吉平自身にも惹かれるようになり、ふたりは結婚したのだ。

その話を聞いたはなは、まるで自分が本を読んでいる時のようだと母に語った。本を読むと自分の行ったことのない場所の景色が思い浮かび、胸がドキドキと熱くなる。吉平と出会ったふじもきっと同じ思いだったのだろうと言うのだ。
それを聞かされたふじは、本に対するはなの情熱は少しも冷めていないことを悟った。

ふじははなを東京の女学校へ行かせることを決意した。祖父・周造(石橋蓮司)は女の子に教育など必要ないというのが持論だったが、ふじが一度言い出したら聞かない頑固者であることを知っていた。そのため、はなの女学校入学を認めざるを得なかった。

一方はなは、あれほど憧れていた女学校入学と本に囲まれた生活だったはずなのに、なかなか実感がわかなかった。
小学校で担任(マキタスポーツ)に促され、みんなに別れの挨拶をしても、まだ別の世界の出来事のようだった。

はながぼんやりしていると、旧友たちが全員机の上に正座をした。それは、初めて小学校へ来た時、着席の仕方を知らなかったはなが誤って行った行為だ。その時は旧友たち全員から馬鹿にされて笑われた。当時は周囲からいじめられてもいた。
ところが、3年の間に級友たちとはすっかり打ち解けた。今や、机の上に座る行為ははなへの何よりのエールを意味しているのだ。

そこでやっとはなは、自分が友達や家族、故郷を離れていくのだと実感した。涙が溢れてきた。
それと同時に、はなは自分の新しい生活が楽しみでならなくなった。

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NHK『花子とアン』第5回

大好きな号泣映画を1本上げろと言われれば、みんなから「なんだよそれ?マイナーすぎ。知らねー」と言われようがなんだろうが、迷わず『ストーリー・オブ・ラブ』を挙げる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』の第5回めの放送を見ましたよ。

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第1週『花子と呼んでくりょう!』

池にはまったせいで高熱を出したはな(山田望叶)は「まだまだとおもひすごしおるうちに はや しのみちへむかうものなり」と辞世の句を読んだ。

それでも、吉平(伊原剛志)が大慌てで病院へ担ぎ込み、適切な処置をしたおかげで一命を取り留めた。その後は順調に回復した。
死の淵をさまよったはなは、自分が一度生まれ変わったものと思い、自分で自分の名前を付け直すべきだと考えた。はなではなく「花子」という名前の方が自分のことを大切に思える。だから、以前にもまして周囲に「花子」と呼ぶことを強いるのだった。

ある日、吉平が牧師(山崎一)を家に連れてきた。花子を東京の女学校に入学させたいと思っている吉平だが、家族全員が反対しているので、牧師から説得して欲しいというのだ。
花子の辞世の句を見た牧師は、彼女の恵まれた才能に舌を巻いた。

しかし、牧師は花子の女学校入りに反対であると明言した。東京の女学校は華族や富豪の娘たちばかりである。給付制度によって最低限の生活が補償されるといっても、生まれも育ちも違う同級生たちとうまくやっていけないだろうと言うのだ。

夜、母・ふじ(室井滋)は花子の本心を聞き出そうとした。家の窮状を理解する花子は、はじめこそ学問に興味はないと答えた。しかし、ふじから、本を読んでいる時の花子の嬉しそうな表情を指摘されると、やっと本心を話しだした。
花子は本が大好きだと打ち明けた。何度も本を嫌いになろうとしたがうまくいかないのだという。自分の夢は、本のいっぱいある家に住み、思う存分本を読むことだと話した。

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NHK『花子とアン』第4回

そもそも、なぜ主人公は「はな」と呼ばれるのが嫌いで「花子」と呼んでもらいたいのか、そのあたりの事情が全くわからない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』の第4回めの放送を見ましたよ。

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第1週『花子と呼んでくりょう!』

本を読むため教会に忍び込んだはな(山田望叶)と朝市(里村洋)は、牧師(山崎一)らに見つかりそうになり慌てて逃げ出した。逃走中、ふたりは過って池にはまりこんでしまった。

追手が迫る中、はなはかろうじて陸地にあがることができた。手を伸ばして朝市を救おうとしたが、彼はそれを拒んだ。追手がすぐそこまで迫っているので、はな一人で逃げろというのだ。一瞬躊躇したはなであったが、朝市の言葉に従い、一人だけ無事に家までたどり着いた。

一夜明け、はなが長野の材木問屋へ奉公に行く段になった。
ところが、仲介人がやって来て言うには、話に行き違いがあったという。先方が欲しがっているのは力仕事のできる男の子であり、はなではその条件を満たさないのだという。そのため、奉公の件は破談となり、安東家に前金として渡した米1俵も取り上げるという。

一連のやりとりを聞いていた長兄・吉太郎(山崎竜太郎)は、はなの代わりに自分が奉公へ行くと名乗りでた。一家の重要な労働力でもあるので、家族は反対した。しかし、本人の意思は堅かった。吉太郎は父・吉平(伊原剛志)に可愛がられていないことを密かに悩んでいたのだ。これをいい機会と捉え、家を出たいというのだ。

そのまま吉太郎は奉公に行ってしまった。はなは悔いた。そもそも自分が勝手に奉公の話を進めてしまったことで、結局吉太郎が行くことになってしまったのだ。
しかもその直後、はなは高熱を出した。直接の原因は、夜に池に落ち、ずぶ濡れで歩いて帰ってきたことにある。しかし、はなはそれが自分に与えられた罰だと思った。朝市を置き去りにして、自分一人だけ安全に帰ってきたことへの報いだと信じだ。

それから2日経って、父・吉平が行商から帰ってきた。その時になってもはなの熱は全く収まっていなかった。
父の姿を見ると、はなは筆と紙を所望した。自分はこのまま死ぬのだから、辞世の歌を詠みたいと言うのだ。父が文房具を渡すと、はなは子どもらしいが見事な字で歌を書き付けた。それを終えると、ぱたりと倒れこんでしまった。

帰宅したばかりの吉平であるが、そもそもはなを医者にみせていないらしいことに気づいた。慌ててはなを抱き上げ、医者へ連れて行くことにした。

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NHK『花子とアン』第3回

山瀬まみの「高田みづえのものまね」っつーのが意外と似ていて驚くとともに、「この映像は結婚前のもののはずなのに左手薬指にリングをはめてるんだなぁ」と感慨深く思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』の第3回めの放送を見ましたよ。

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第1週『花子と呼んでくりょう!』

小作料が引き上げられたことに心を痛めたはな(山田望叶)は、積極的に家の手伝いをするようになった。そのため大好きだった学校も休みがちになった。

ある日、使いで町に出ると、地主の徳丸(カンニング竹山)に出くわした。はなは自分を奉公人として受け入れてくれるところはないかと、家族に相談もせず勝手に口利きを依頼した。徳丸はそれを請け負い、長野の材木問屋での仕事を見つけてくれた。

後日、徳丸の使いの者が前払いの米1俵を持って安東家に現れた。何も知らなかった母・ふじ(室井滋)はとても驚き、すぐさま反故にしてくれるよう徳丸に頼みに行った。ふじと徳丸は幼なじみであり、徳丸はふじに対して普段から親切にしているが、今回ばかりは話が本決まりになっており、もう後戻りできないという。

いよいよはなが奉公に行く前夜となった。肝心なときに父・吉平(伊原剛志)は行商に出かけており、家にいない。はなは奉公先で読み書きやそろばんを教えてもらえるだろうと明るい希望を話した。ふじは全てを諦め、はなを手放すことを受け入れていた。

夜遅く、はなの幼なじみの朝市(里村洋)がやって来た。はなが教会の図書室の話をしていたことを覚えており、最後に彼女をそこへ連れて行こうとしたのだ。教会に侵入したふたりは、愉快に本を眺めた。

その時、教会の下男が見回りにやって来て、危うく捕まりそうになる。なんとか教会から脱出することはできたが、暗い夜道でふたりとも池にはまりこんでしまった。

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NHK『花子とアン』第2回

昨日のまとめ記事で「『親指姫』と言えばアンデルセンの童話ではなく、山瀬まみのロックアルバムだよな!」というとても大切な情報を書き漏らしてしまったことについて1日中ほぞを噛んでいた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』の第2回めの放送を見ましたよ。

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第1週『花子と呼んでくりょう!』

吉平(伊原剛志)は、はな(山田望叶)を東京の修和女学校へ入学させることをひとりで計画した。勉強が好きなはなに良い教育を受けさせたいと思うのだ。自分が読み書きそろばんを独学したという苦労をはなに味あわせたくないという思いもあった。修和女学校はキリスト教の寄宿学校であり、貧しい者には給費制度もあるので好都合だった。

ただし、入学するためにはキリスト教信者であることが必要だった。さっそく吉平ははなを町の教会へ連れて行った。
しかし、吉平がひとりで勝手に話を進めていると見抜いた牧師(山崎一)ははなへの洗礼を渋った。まずは家族とよく話し合うべきだと諭した。

その時、退屈しのぎに教会の中を見物していたはなが感嘆の声を上げた。教会にある大量の本を見て感激したのだ。吉平から、女学校に行けばいつでも好きなだけ本が読めると聞かされ、はなは女学校に行くことを強く望むようになった。

その頃、小作人たちは窮地に立たされていた。地主の徳丸(カンニング竹山)が小作料を値上げすると言うのだ。徳丸の本業である生糸の相場が下がったことのしわ寄せが小作人たちに向けられたのである。米の収穫高の三分の二ほどを徴収されることとなった。
ふじたちはあまりの仕打ちに愕然としたが、地主に逆らうことはできず、言いなりになるままだった。

吉平ははなの女学校行きをふじに話した。しかし、当然ふじはいい顔をしなかった。吉平が教会に入り浸り、はなを女学校にいかせようとしているという噂はすでに村中に広がっており、吉平は西洋かぶれだと村人から馬鹿にされているとふじは話した。そして、小作料の値上げによってただでさえ足りない人手がますます足りなくなることの懸念を述べた。吉平が野良仕事を手伝えばまだましなのだが、彼は行商の仕事で年の半分は家にいない。家にいる時でも、畑仕事を手伝わず、遊んでばかりいることも不満なのだった。

はなは寝床でふたりの話を聞いていた。小作料の値上げで、この冬を越す米すら危ういという話ははなにとってショックだった。はなは女学校入学を諦めることにした。以後、吉平が教会で本を読むために連れだそうとしても、学校には行きたくないし、本も好きではなくなったと答えるほどだった。
その上、小学校へ弁当も持っていかないと言い出した。健気にも一家の経済状況に協力しようとしたのだ。

それでも、昼食時になると腹が減った。はなは一人で校庭へ出て、空を見上げた。浮かんでいる雲が真っ白な白米に見えた。はなは空想の握り飯を頬張り、空腹を忘れようとした。それと同時に、女学校のことも忘れようと努力した。

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