北大で日本人間行動進化学会第4回大会が開催されており、昨夜はたくさんの知り合いのセンセー方が札幌での飲食を楽しんだようで羨ましいなぁ、今日と明日の発表も面白そうだしいいなぁ、僕も行くことにすれば良かったなぁ、と今になってに残念がっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第42回目の放送を見ましたよ。
昭和9年(1934年)、2月。
年内で末松商会を辞め、洋裁屋として独立するつもりだった糸子(尾野真千子)だが、それは叶わなかった。相変わらず、末松商会で働いていた。客がひっきりなしに訪れ、昼食すらゆっくり摂れない毎日だった。
ある日、仕事を終えて家に帰ってくると、店の戸がしっかりと閉められ、家はひっそりしていた。何よりも驚いたことは、小原呉服店の看板が降ろされていたことだった。
その前日、善作(小林薫)はある決意をしていた。
相変わらず呉服店の仕事はさっぱりで、もっぱら謡教室などの副業ばかりをやっていた。しかし、謡教室の方も弟子がどんどん減っていき、今では1人だけになってしまった。弟子の方も本当は辞めたかったのだが、自分が最後の1人かと思うと言い出しにくかったのだ。
ついに善作は教室を閉じることにした。弟子に将来のことを聞かれても、新しいことをするつもりはないと力なく答えるだけだった。
その夜、善作は吉田屋に商店街の旦那連中を集めて宴を催した。
若女将の奈津(栗山千明)は、珍しいことなのでそっと座敷の中を覗いていた。善作はいつになく真剣な表情で、これまで22年間呉服屋をやってきた礼と、これからのことで頼みがあると話し始めた。話の核心に迫った時、奈津は客の見送りに呼ばれた。急いで戻ってきたが、すでに善作の挨拶は終わっており、座敷の中は無礼講になっていた。結局、善作の決意が何なのか分からないままだった。
翌朝、またしても酔いつぶれた善作は、居間に転がったまま寝坊した。娘たちが出かけていく物音を聞きながら、物憂げに目を覚ました。娘らが全員家を出ると、ハル(正司照枝)は何かを言いかけながら善作を起こした。
ハルの小言を黙らせると、一人で外に出ていき、店の張り紙を全部剥がし、看板も降ろしてしまった。善作の決定に抗えないハルはもう何も言わなかった。千代(麻生祐未)は涙を浮かべながらじっと見つめるだけだった。
そして、その夕に糸子が帰ってきた。看板が降ろされ驚いていると、祖母のハルを残して家族全員がいなくなっていることにも気づいた。
ハルによれば、これからはふたりだけの生活が始まるのだという。
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