NHK『カーネーション』第42回

北大で日本人間行動進化学会第4回大会が開催されており、昨夜はたくさんの知り合いのセンセー方が札幌での飲食を楽しんだようで羨ましいなぁ、今日と明日の発表も面白そうだしいいなぁ、僕も行くことにすれば良かったなぁ、と今になってに残念がっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第42回目の放送を見ましたよ。

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第7週「移りゆく日々」

昭和9年(1934年)、2月。
年内で末松商会を辞め、洋裁屋として独立するつもりだった糸子(尾野真千子)だが、それは叶わなかった。相変わらず、末松商会で働いていた。客がひっきりなしに訪れ、昼食すらゆっくり摂れない毎日だった。

ある日、仕事を終えて家に帰ってくると、店の戸がしっかりと閉められ、家はひっそりしていた。何よりも驚いたことは、小原呉服店の看板が降ろされていたことだった。

その前日、善作(小林薫)はある決意をしていた。

相変わらず呉服店の仕事はさっぱりで、もっぱら謡教室などの副業ばかりをやっていた。しかし、謡教室の方も弟子がどんどん減っていき、今では1人だけになってしまった。弟子の方も本当は辞めたかったのだが、自分が最後の1人かと思うと言い出しにくかったのだ。
ついに善作は教室を閉じることにした。弟子に将来のことを聞かれても、新しいことをするつもりはないと力なく答えるだけだった。

その夜、善作は吉田屋に商店街の旦那連中を集めて宴を催した。
若女将の奈津(栗山千明)は、珍しいことなのでそっと座敷の中を覗いていた。善作はいつになく真剣な表情で、これまで22年間呉服屋をやってきた礼と、これからのことで頼みがあると話し始めた。話の核心に迫った時、奈津は客の見送りに呼ばれた。急いで戻ってきたが、すでに善作の挨拶は終わっており、座敷の中は無礼講になっていた。結局、善作の決意が何なのか分からないままだった。

翌朝、またしても酔いつぶれた善作は、居間に転がったまま寝坊した。娘たちが出かけていく物音を聞きながら、物憂げに目を覚ました。娘らが全員家を出ると、ハル(正司照枝)は何かを言いかけながら善作を起こした。
ハルの小言を黙らせると、一人で外に出ていき、店の張り紙を全部剥がし、看板も降ろしてしまった。善作の決定に抗えないハルはもう何も言わなかった。千代(麻生祐未)は涙を浮かべながらじっと見つめるだけだった。

そして、その夕に糸子が帰ってきた。看板が降ろされ驚いていると、祖母のハルを残して家族全員がいなくなっていることにも気づいた。
ハルによれば、これからはふたりだけの生活が始まるのだという。

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FIFTIES / 平塚のレストラン・バー

お母さんという人たちは、どうして誰彼かまわずたくさん食べさせようとするのか。

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僕がこれまでの生涯で「この人と結婚したい」と思った女性は4人いる。どれも成就しなかったから、アラフォーになった現在も独身なわけだが。
上手くいった試しがないとはいえ、必ずしも一人相撲ばかりだったわけではない。それなりに相手のご両親に会ったり、お家で食事をご馳走になったりといった経験がないわけではない。

2番目に結婚したいと思った女性の家に招待されたときは、すき焼きをご馳走になった。すき焼きといえば関西風(割り下を使わずに最初に肉を焼く)、関東風(割り下で野菜や肉を最初から煮込む)といった違いがあることも有名だが、その家でご馳走になったすき焼きに僕はちょっと驚いた。ていうか、すき焼き自体は通常の関東風だったわけだが。
なんと、その家のすき焼きの食卓では味噌汁も出された。鍋物と一緒に味噌汁をいただくという習慣があるとは、それまで想像すらしたことがなかったので、僕はたいそう面食らった。しかし、初めて招待していただいたお宅で、出された食事に怪訝な表情を浮かべるのも良くないだろうと思い、ごく自然な表情をつくろってその味噌汁を頂いた。
味噌汁の具は様々なキノコのごった煮状態だった。あまりの具だくさんキノコに、「もうこれだけですき焼きいらないんじゃね?」というほどのボリュームだった。すき焼きを存分に味わおうと思い、キノコの味噌汁を真っ先にやっつけた。その様子を見たお母さんは僕がよっぽどキノコの味噌汁を気にいったと思ったのか、すぐに味噌汁のおかわりをついでくれた。
お母さんという人は、とにかくいっぱい食べさせようとする人だ。

3番目に結婚したいと思った女性のお母さんは、仕事をしていてそれなりに忙しい人だった。仕事が終わって疲れて帰ってきたのに、僕のためにごはんを作ってくれた。手間を省いて、手早く簡素な料理だったけれど、十分美味しかった。香ばしく焼かれた塩鮭が美味しかった。それだけでご飯がずいずい進んだ。
さらに嬉しかったのは、有名メーカーかねふくの明太子を大量に出してくれたことだ。それまで明太子をあまり食べたことのなかった僕だったのだけれど、その明太子がとても美味しくて遠慮無くバクバク食べた。ますますご飯が進んだ。どんどん食えといって、ご飯を何度もおかわりさせてくれたし、惜しむことなく明太子をバンバン食べさせてくれた。腹がはち切れんばかりに飯を食った。
お母さんという人は、まさしくいっぱい食べさせようとする人だ。

4番目に結婚したいと思った女性のお母さんとは、一度お会いして会釈をしたことがある。それだけだ。特に記することはない。生きていれば、まあそういうこともある。
ただ、その4番目に結婚したいと思った女性から話を聞いた限り、彼女のお母さんもやっぱりいっぱい食べさせようとする人だったらしい。

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以上、僕が結婚したいと思った4人の女性のうち、3人のお母さんのエピソードを紹介した。
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NHK『カーネーション』第41回

「心の旅」、「なごり雪」、「木綿のハンカチーフ」は”汽車と別れプレイリスト”に登録され、脳内iPodで何度も繰り返し再生されている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第41回目の放送を見ましたよ。

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第7週「移りゆく日々」

糸子(尾野真千子)の働きにより末松商店は大繁盛した。さらに、洋服のデザインの説明用に即興で絵を描いたところ、それがまた評判を呼んだ。生地の裁断サービスだけではなく、デザイン画も描いてもらえるということで、入店を断るほどまで客が殺到した。

店は確かに繁盛したが、糸子は商売人としての勉強は何も進んでいないことを自覚した。毎日、裁断と絵を描くばかりで、それは以前から身に付けていた技術に他ならないからだ。自分は以前と同じ事をしているだけなのに、店は繁盛する。その理由はなんなのか、糸子なりに考えた。

その結果、自分が変わったのではなく、周囲の状況が変わったのだと気づいた。岸和田にも洋装が浸透し始めているのだ。今こそ独立の絶好の機会だと思った。父に何と言われようが、これ以上商売について学ぶ必要はない。時代の波に乗ることこそが重要だと決意した。

今日はクリスマスだ。仕事帰りにクリスマス・ケーキを買って帰った。善作(小林薫)はまだ帰宅していなかったが、家族たちはケーキに喜び、大はしゃぎした。
そこへ、いつものように善作が酔っ払って帰ってきた。家族は少し緊張した。

糸子は前置きもなく、末松商店を年内で辞め、年明けからは家で洋裁店を始めると宣言した。それは、善作に有無を言わせないという態度を隠さない言い方だった。自分は2軒の店を繁盛させた、給料もほぼ全て家に入れた、家族に扇風機やクリスマスケーキを買ってくる甲斐性もある。
今では、善作に代わって自分が一家の大黒柱だ。善作に口出しされる筋合いはないと啖呵を切った。

その主張に、当然ながら善作は激怒した。糸子を張り倒し、家族が楽しみにしていたケーキをひっくり返し、家を出ていってしまった。

残された家族は全員泣き出した。楽しかったはずのクリスマスケーキが台無しになったことと、糸子の境遇が不憫なことに涙が止まらなかった。家族はみんな糸子の味方だった。泣きながらも糸子の働きに感謝し、善作に翻弄されていることを慰めるのだった。

しかし、糸子の気持ちはとうてい収まらなかった。これ以上善作と顔を合わせたくないと言い、夜遅いにも関わらず、糸子は神戸の祖父母宅(宝田明、十朱幸代)に向かった。

しかし、糸子の予想に反し、祖父母宅にも自分の居場所はなかった。あんなに温かいと思っていた神戸の家が、今ではすっかり変わってしまっていた。東京の大学に進学したイトコの勇(渡辺大知)は、すっかり東京弁を話すようになっており、距離を感じた。おじ(田中隆三)夫婦も洗練された洋装をし、優雅かつ堂々とした立ち居振る舞いで、糸子はどこか近寄り難さを感じた。
糸子の最大の庇護者であった祖父母は第一線から退き、奥の部屋でひっそりと暮らしていた。以前なら糸子に会っただけで大はしゃぎしたものだが、今は特に感情の動きもなく、ぼんやりしていた。代替わりをして、すっかり覇気がなくなってしまっていた。

店に何も言っていないので仕事のことが心配だと言って、糸子は一晩過ごしただけで岸和田に帰ることにした。
しかし、糸子にとって本当の心配事は店のことではなかった。今まで自分を守ってくれた人も場所もすでになくなっていることに気づいたのだ。これからは自分が祖父母を守る立場になるのだ、いつまでも彼らに甘えてはいられないと自覚したのだった。

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NHK『カーネーション』第40回

オープニング・テロップに大山役として春やすこの名があったのだが、どこに出てきたのかわからなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第40回目の放送を見ましたよ。

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第7週「移りゆく日々」

ロイヤル紳士服店の先輩職人だった川本(駿河太郎)が家に訪ねてきて、糸子(尾野真千子)の帰りを待っていた。特に用事は無いが、糸子の顔を見に来たのだという。
母・千代(麻生祐未)や、幼なじみで喫茶店のボーイの平吉(久野雅弘)は糸子の恋人だと思い込んで興奮するが、そんなつもりのない糸子は冷静に否定する。そもそも糸子には、川本が訪ねてきた理由にまったく心当たりがなかった。川本は糸子の顔を見ることが目的だと何度も繰り返したが、糸子はそこでほのめかされている理由に全く気づかないのだった。
川本はロイヤル紳士服店に新しい洋裁師が入ったこと、女性用洋服の受注も相変わらずであることなどを話した。しかし、新しい洋裁師は糸子ほどの腕前は無いだろうというのだ。客の喜び方が、糸子の場合と違うのだと話してくれた。
そのような話をして、川本は再訪を約束して帰っていった。糸子にはもちろん、川本がまた来る理由が分からなかった。

糸子は、昼は生地の売り子、夜は自宅でセーラー服の縫い子として懸命に働いた。その頑張りの甲斐もあり、10月の給料はずいぶん良かった。しかし、連日の深夜までの仕事のせいで疲れきっていた。朝食の時も、仕事の休憩時間も、少しでも時間があれば居眠りばかりするようになった。
それでも、ここが正念場だと自分に言い聞かせ、弱音を吐かずに仕事を頑張った。

この前、洋裁を始めたいと相談に来た客・長谷(中村美律子)が、完成したワンピースを来て店にやって来た。本人によく似合う、素敵な洋服ができたと大喜びしていた。
それに気を良くして、近所のおばさんを2人ばかり連れて来てくれた。糸子は以前と同じように、本人に似合う生地選びと裁断を行い、あとは縫うばかりのところまで整えて布地を売った。

店主の末松(板尾創路)は、糸子の手腕に舌を巻きながらも、商売はそうそううまくいくものではないと小言を言うのだった。ところが、そんな末松を遮ったのは、店の奥で縫い子をしているおばさんたちだった。
彼女らは、糸子のやり口を見ていて、自分たちにも生地選びと裁断をやって欲しいと次々に頼むのだった。それからというもの、糸子の休憩時間は全て彼女らに捧げられることになった。縫い子らもきちんと代金を支払うので、末松は何も口を挟まなかった。

糸子が毎日寝不足で苦労しているのを知っている縫い子らは、糸子のノルマを全員で手伝ってくれるようになった。おかげで糸子はゆっくりと体を休めることができるようになると同時に、売り子の仕事に集中して頑張れるようになった。
それからは、歯車が噛み合ったように、物事がうまく進んだ。

最初に生地選びを手伝ってやった客が、さらに噂を広げて客を連れてくるようになった。縫い子のおばさんたちも同様だった。芋づる式に客が増え、あっという間に店は繁盛するようになった。裁断待ちに1時間もかかるほどの賑わいとなった。

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NHK『カーネーション』第39回

これまで「飯は食えれば十分。食器はなんだっていい」と思っていたのだが、最近自分で作った料理をtwitterにアップするようになってから、毎日同じ皿だというのも芸がないよなとか(1日目2日目3日目)、オシャレな皿に盛りつけたらもっと美味しく食べられるんじゃないだろうかなどと考えるようになった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第39回目の放送を見ましたよ。

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第7週「移りゆく日々」

奈津(栗山千明)は丸髷に結ってもらった。それは自分の少女時代との決別だった(既婚女性は丸髷にする習慣がある)。

仕事帰りの糸子(尾野真千子)は、髪結いの息子・勘助(尾上寛之)と道で出くわした。夕食はカレーライスだと聞いて、糸子は勘助の家について行った。すると、ちょうど奈津が髪を結い終わって帰るところだった。奈津は、自分は結婚するのだから、これからは子供時代のように馴れ馴れしくするなと言って、つかつかと帰って行った。
糸子らは髪結いの玉枝(濱田マリ)から、奈津が陰で苦しんでいることを聞いた。糸子は彼女のことを思うと複雑な心境になった。

ロイヤル紳士服店を辞めた糸子は、あらたに末松商店で働き始めた。ここは元は布地を売る店だったが、セーラー服の取り扱いも始め、店で縫製して売っている。洋裁の腕を買われた糸子は、店の奥で縫製を任されることになった。店にはおばさんばかり4-5人の縫い子がいた。仕事をしながらお菓子を食べたり、みんなで歌ったりと、楽しい職場だった。明るく、新入りにも優しい職場は初めてだったので、糸子は心底良い所だと思った。

しかし、糸子は洋裁の技術を磨きに来たのではないことをすぐに思い出した。善作(小林薫)から、もう1軒店を繁盛させることが洋裁店を開く条件だと言われていたのだ。
そこで糸子は、店主の末松(板尾創路)に売り子をさせて欲しいと願い出た。セーラー服縫製のノルマは家に持ち帰って夜に行い、昼間は店頭に立つことを提案した。そういうことなら店に損害は無いし、末松も店番をしなくて済むようになるというので認めてくれた。

しかし、糸子のがんばりにも関わらず、さっぱり店は繁盛しなかった。糸子は客に高い布を勧めたり、予備の生地を買わせようとするが、その言いなりになる客は皆無だった。家に仕事を持って帰ると、初めのうちは面白がって手伝ってくれた家族たちも、次第に飽きてきてほとんど手伝ってくれなくなった。末松からは少しも繁盛する素振りが見えないなどと、面と向かって皮肉を言われる。
糸子は商売の厳しさを知り、同時に仕事がつまらなく思うようになってきた。

ある日、一人の客(中村美律子)がやって来た。彼女は初めて洋服を縫うつもりなのだが、どうしていいかわからないと糸子に相談した。末松や他の客がいないのをいいことに、糸子は通常の接客以上に彼女に親身にした。客に似合う生地選びを根気よく行い、客の体に合わせて生地の裁断まで手伝ってやった。商売っ気を度外視し、あとは客が縫うだけの所まで整えてやった。
その布地を受け取ると、客は大満足で帰っていった。糸子もとても嬉しく思った。

一方、家での糸子は、呑んだくれてばかりの善作に腹が立つばかりだった。

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久住昌之のうた

久住昌之とは、マンガ『孤独のグルメ』や『花のズボラ飯』などの原作を行い、自分でも描く漫画家。生まれも育ちも三鷹で、吉祥寺界隈では楳図かずおの次によく目撃される漫画家だと言われているらしい(みうらじゅん談)。

先週の土曜日、高円寺フェス2011 みうらじゅん×久住昌之×前野健太トークイベントで僕は初めて生の久住昌之を見た。みうらじゅんにいじられながらも、軽妙に切り返すのが面白かった。

笑点の公開録画の取材に行き、適当に座席を選んで座っていたら、オープニングで真横に司会の三遊亭円楽(先代)がやって来て、そのつもりは全くなかったのにテレビ画面に写り込んでしまったエピソードが紹介されていた。おちゃめな人だ。

散歩も趣味だと言っていた(『散歩もの』というマンガの原作もしていますね。画は『孤独のグルメ』の谷口ジロー)。その散歩がすごくて、東京から大阪まで散歩で行ってしまったという。ただし、1日に歩ける所まで行って、電車で帰ってくる。再開するときは前回の地点まで電車で行って歩き始めるのだという。僕もこの夏、自転車で地べたを踏んで東京から京都まで行ったので、その話にとても共感した。彼の場合、三重から国道163号に入り、奈良を経由して大阪に向かったそうなので、僕と完全に同じコースというわけではないが。
京都府笠置町のあたりを歩いていたら、車に乗った知り合いに偶然会ったという話もすごかった。その付近の写真を見せてくれたのだが、僕が京都に住んでいた時に何度かドライブで出かけたコンビニが写っていて懐かしかった。もっとすごいのは、その知人が久住昌之を見つけて無理な停車をしたために、後ろの車が追突したという話なのだが。
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NHK『カーネーション』第38回

ドラマ『坂の上の雲』の記者会見で高橋英樹が「3年がかりの大作なので途中で予算が切れ、最後はナレーションだけで済ますのではないかと心配した」などと言っているのを聞いて(ここに出ている会見の発言だが、件の発言はカットされているようだ)、話が完結する前に打ち切りになり最終回は文字説明ばっかりだった漫画界の迷作『日露戦争物語』(江川達也)を思い出した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第38回目の放送を見ましたよ。

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第7週「移りゆく日々」

糸子(尾野真千子)のイブニングドレスはダンスホールの踊り子たちの間で大評判となり、ロイヤル紳士服店は大繁盛だった。2ヶ月先まで埋まっていた注文も、やっと折り返し地点まで来た。すると今度は、最初の頃にドレスを作った客が普段使いのワンピースも欲しいと言ってくるほどだった。婦人服をバカにしている店主(団時朗)であるが、金儲けのクチになるのでたいそう機嫌が良かった。

踊り子のサエ(黒谷友香)と糸子はすっかり打ち解けていた。最近のサエはロイヤル紳士服店には顔を出さず、糸子が居る時を狙って家に遊びに来るようになった。サエはロイヤル店主の意地汚い性格を知っており、彼と顔を合わせたくないのだ。彼に金が流れるのも気に入らない。
家にはミシンもあるし、糸子の評判は高まっていることを理由に、サエは糸子に独立することを勧めた。糸子もその気になり始めた。

早速、糸子は善作(小林薫)に店を辞めて独立したいと相談した。
ところが、酒を飲んですでに酔っ払っている善作はめちゃくちゃなことを言い出した。まず、糸子が「小原洋裁店」と言ったのが気に入らなかった。ここは呉服店だと言ってへそを曲げた。
次に、ロイヤル紳士服店に修行に出た糸子が身に付けたのは職人の腕前だけであり、そもそもの目的である商売人としての腕は挙げていないと難癖を付け始めた。イブニングドレスで繁盛したことは認めるが、それだけで商売人として成功しているとは言えない。

そこで善作は、もう1軒別の店を繁盛させることができたら独立させてやってもいいと、酔いに任せて適当な約束をした。
糸子は腹を立てたが、それに従うほかなかった。ロイヤルの店主に、ドレスを全て仕上げたら店を辞めることを申し出た。金のなる木を失うわけにはいかない店主は、困った顔を見せたり、怒ったりして引きとめようとするが、当然糸子の意思は固かった。父との約束のことを打ち明けると、店主は呆れてしまいそれ以上何も言えなくなった。

その頃、奈津(栗山千明)が玉枝(濱田マリ)の店に髪を結いにきた。翌日が入籍だという。ただし、父(鍋島浩)の喪中で式は挙げられない。父が買ってくれた高価な花嫁衣裳なのに、父が自分で無駄にしてしまったなどと、奈津は皮肉な冗談を言っていた。

ところが次第に顔を曇らせ、玉枝に打ち明け話を始めた。自分は小さい頃からずっと、玉枝の息子である泰蔵(須賀貴匡)のことが好きだったのだと。自分のことなど知られていないと思っていたのに、名前を知ってくれていて嬉しかったなどと話した。そのあたりまで話すと、しくしくと泣き出すのだった。
玉枝は人払いをし、奈津の気が済むまで店で泣かせてやるのだった。

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NHK『カーネーション』第37回

今朝の『額縁をくぐって物語の中へ』はゴヤの「着衣のマハ」&「裸のマハ」であって、2枚を並べるととてもエロチックであり、服を着ている方はばっちりメイクなのに、裸の方は化粧が取れて髪も乱れているという説明にますますエロさを感じた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第37回目の放送を見ましたよ。

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第7週「移りゆく日々」

昭和8年 (1933年)、奈津(栗山千明)の父(鍋島浩)が死んだ。

糸子(尾野真千子)は葬式に行く気になれなかった。奈津は小さい時から糸子に敵愾心を持っており、糸子にだけは絶対に弱みを見せようとしない。父を失くして大変な時に、糸子に会うと神経が参ってしまうのではないかと心配なのだ。
しかし、幼なじみの父の葬式に参列しないわけにもいかず、渋々と出かけていった。ところが、そこで見た奈津はいつも以上に気丈に振舞っており、糸子を目の前にしても少しも動じるところがなかった。

一方、糸子の仕事は大忙しだった。
サエ(黒谷友香)のイブニングドレスが評判を呼び、他の踊り子たちがロイヤル紳士服店に殺到した。店主(団時朗)はホクホクしながらも、糸子に無理難題を押し付けた。1着を3日で仕上げろというのだ。背広を最高級の製品だと考え、ドレスは女子供向けの低級品だと思っている店主は、ドレス作りに手を抜いても構わないから、とにかく早く仕上げろというのだ。店の職人たちも同様で、ミシンは背広づくりに優先され、糸子はミシンも使うことができなかった。

糸子は立腹した。
しかし、踊り子たちが1日でも早くドレスで踊りたいという気持ちもわかり、素早く仕上げることを重要視した。そこで、客の体に布を当て、直接裁断するという工夫を始めた。型紙を作る工程が省ける分、早く作成できるのだ。その工夫が成功し、客も店主も満足した。

店でミシンが使えないので、糸子は自宅のミシンでドレスを縫っていた。
ある日、芸妓の駒子(宮嶋麻衣)が訪ねてきた。2ヶ月先まで仕事の詰まっている糸子は彼女の依頼を一時的に断らざるを得なかった。残念がる駒子であったが、ふたりは久しぶりに女同士で楽しくおしゃべりをすることができた。

仕事で奈津の料亭にも出入りする駒子は、彼女の家の様子を教えてくれた。
先代女将である奈津の母(梅田千絵)は意気消沈し、ほとんど仕事もできない状態になってしまっている。その分を取り戻すかのように、若女将の奈津が気丈に働いているという。以前と同様に元気であるし、ツンツンとして口やかましいという。奈津の結婚に関して、式は無期延期のままだが、婿の入籍だけは済ませたのだという。一刻も早く、店に男手が欲しかったのではないかと思われた。

今年もだんじりの時期になった。
奈津のことが気がかりな糸子は、大好きなだんじりもどこか上の空だった。奈津が強がっていることが手に取るように想像できたのだ。こういう時は素直に泣くのが一番なのにと心配になってきた。どんな事でもいいから、自分が奈津に刺激を与えて、彼女の感情を爆発させてやる必要があるのではないかとまで思うのだった。

そんな中、だんじりの喧騒の中で泰蔵(須賀貴匡)と八重子(田丸麻紀)の息子が迷子になってしまった。
それを偶然見つけたのは、得意先回りに行く途中の奈津だった。どこの子かはわからなかったが、川辺に近づこうとしていたのを危ない所で呼び止めたのだ。すると、子供を探していた泰蔵がすぐにやって来た。

彼は奈津の初恋の人である。けれども、泰蔵は奈津のことを知らないので、いつも一方的に眺めるだけだった。今でも彼を見ると気が動転してしまう。
ところが今日は、泰蔵が奈津の父のことで励ましてくれた。奈津は自分のことが泰蔵に覚えられていると知ると嬉しかったが、ますます正気を失った。舞い上がってしまい、お使いのことを忘れ、今来た道を引き返してしまうのだった。

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生まれて初めて『天空の城ラピュタ』を見た俺の独り言

1986年公開の映画『天空の城ラピュタ』が名作の誉れ高いことは知っていた。けれども、僕はこれまでラピュタのことが好きではなかった。

その理由は、ハイダーの「バランス理論」を援用して説明できる。

バランス理論の簡略図

バランス理論の簡単な説明は次のとおりである。
僕たちは、いろいろな理由によって他人や物事を好きになったり嫌いになったりする。そのときのプロセスの法則の一つだと言われている。

この理論では、物事の好き嫌いに関して3者関係を想定する。「自分」、「相手」、「何か」である。その3つの間の関係をプラスとマイナスで表すものとする。好意を抱いている関係をプラス、嫌いな物をマイナスとする。たとえば、僕は山瀬まみが好きなので「自分-相手(山瀬まみ)」の関係をプラスとする。僕は黒ビールが嫌い(その理由は割愛する)なので「自分-何か(黒ビール)」の関係をマイナスとするわけである。

3者関係のそれぞれにプラスとマイナスの記号を付ける。ここで中学校で習う「マイナスの掛け算」の知識を動員する。つまり、プラスとプラス、および、マイナスとマイナスの積はプラスになる。一方、プラスとマイナスを掛け合わせた積はマイナスになる。この定義に従い、3つの関係のプラスとマイナスの記号を掛け算する。3者関係の掛け算の積がプラスの時には安定し、マイナスの時には不安定となると考えられる。上の図の左側を見ると、プラス×プラス×マイナス で積がマイナスとなる。この状態は不安定である。
不安定な時、人は積がプラスとなるよう態度を変えると考えられている。図の右側のように、それまで嫌いだった何かを好きになる(右上)か、それまで好きだった相手を嫌いになる(右下)だろうと考えるのだ。

この理論を当てはめれば、僕のラピュタ嫌いが説明できる。
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NHK『カーネーション』第36回

今朝はオープニング・テロップを見ながら「???」となった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第36回目の放送を見ましたよ。

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第6週「乙女の真心」

サエ(黒谷友香)と喧嘩別れしたことで、糸子(尾野真千子)は店主(団時朗)に激しく叱責された。他の職人たちが帰った後も、長く怒鳴られていた。

やっと解放され、店から出ると同僚の川本(駿河太郎)が待ってくれていた。糸子が泣きながら出てくると思い、慰めてやろうと思っていたのだ。
しかし、意外にケロッとした様子で川本はあてがはずれた。それでも、川本はかき氷を食べに誘った。

かき氷をペロリと平らげ、この暑いなか休むことなく怒鳴り続けた店長の方が大変だったに違いないなどと、糸子は少しも悪びれる様子がなかった。けれども、洋服づくりに没頭すると儲けを度外視してしまう悪い癖があるのだと川本に打ち明けた。父(小林薫)にも叱られた過ちを繰り返したことを反省するのだった。
そこまで話して一人で満足してしまうと、糸子は後ろを振り返ることもなくさっさと家へ帰ってしまった。川本はもう少し糸子と一緒に居たかったのだが、それを口に出すことはできなかった。

翌日は激しい雷雨になった。
そんな悪天候にもかかわらず、サエが再びロイヤル紳士服店にやって来た。

サエは糸子に正直な胸の内を語りだした。
自分は客のことを単なる金づるだと思い、彼らを適当にあしらうように踊りの相手をしているのは真実だ。岸和田の客には、どうせ踊りの良し悪しなどもわかるはずがない。
しかし、一人だけサエの踊りを褒めてくれた客がいた。その人は、彼の仕事の世界で成功している立派な人物である。道を極めた人に認められたことはとても嬉しかった。サエには踊りの才能があると認め、修行を積めばもっと上手になると言ってくれた。けれども、自分は精進することもなく、相変わらずその場しのぎの仕事しかしなかった。そのうち、その客にも指名されなくなってしまった。

その客というのが、サエにイブニングドレスのことを話した客であり、サエがドレスを見せたい相手だった。衣装をいくら着飾ったところで、中身が変わるわけではないことはわかっているが、どうしても着たいのだと、サエは本心を語った。

糸子はその話に感じ入るものがあった。糸子は洋裁講師・根岸(財前直見)の教えを常に忘れていない。人は着るものによって中身が変わると信じている。
糸子はサエのドレス作りを再び請け負うことに決めた。そして、自分が全身全霊をかけて一流のドレスを作ると約束した。サエに対しては、その一流のドレスに吊り合うだけの踊り子になるよう精進しろと、傲慢ながらもサエを勇気づけるに十分なエールを贈るのだった。

それからふたりは二人三脚でドレス作りにとりかかった。生地選びや試着、仮縫いなどを何度も繰り返した。糸子は少しも妥協を許さなかった。サエも嫌な顔ひとつせず付き合った。納期が遅れることも気にしなかった。ふたりは目標に向かって最大限の努力をした。

そしてついに、満足の行くイブニングドレスが完成した。
その日の夜、早速サエが着用するというので、糸子はダンスホールの見学に行った。そこでは、サエは男性客に取り囲まれ、ひっきりなしに指名を受けていた。ホールの真ん中で踊る姿も華やかで、堂々として見えた。糸子もそれを見て満足だった。

しばらくすると、上等な身なりをした男がホールに現れた。彼が入ってくると、店内は時が止まったかのように静まり返った。サエを取り囲む人垣が自然に崩れ、その男は一直線にサエへ向かって歩いた。サエは何も言わず、優雅に彼の誘いを受けた。
意中の客と踊るサエは、さっきまでの様子に輪をかけて美しかった。ホールにはふたりの他には誰もいないかのように見えた。

ただし、その客というのは歌舞伎役者の春太郎(小泉孝太郎)だった。糸子がこの世でもっとも嫌いな男の一人だった。彼のニヤケ顔を見ていると胸がムカムカしてくるのだった。

ちょうどその頃、奈津(栗山千明)の父親(鍋島浩)がこの世を去った。

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