NHK『カーネーション』第46回

ここの1枚目の写真(第8回名古屋CVPRML勉強会: とうごろぐ)のモデルは当方の知り合いであり、補正前で十分美人さんじゃねーかと言えるわけで、そんな彼女と初めて出会った時に交際を申し込もうと思ったこともあるわけだが、その時はまさに彼女自身の結婚式だったという間の悪い当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第46回目の放送を見ましたよ。

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第8週「果報者」

糸子(尾野真千子)は、タバコの栽培に使うという300坪のテントを一晩で縫い上げる仕事を引き受けた。
結婚が決まってからというもの、周囲のみんなはとても喜んでくれた。しかし、その結婚は親や親戚がトントンと決めていったもので、自分自身は何もしていない。だから、祝福される度に居心地が悪かった。
そんな矢先、自分を頼ってきてくれた客(はりた照久)がいた。それは自分の手柄だと胸を張れる。だから、無理な仕事でも喜んで引き受けたのだ。

テントを縫い始めると、それは思っていたよりも大変な作業だった。大量の布地が部屋中に散乱するし、休みなく徹夜で縫い続けなくてはならない。そして何よりも、テント用の分厚い生地は針がすぐに折れてしまうし、ミシンを動かすために通常以上の力で強く踏み板を押さなければならなかった。

糸子は夜半に膝の違和感を覚えた。明け方に無事テントは完成したが、その時には自分の足で立つことができなくなってしまった。
慌てた祖母(正司照枝)は、隣に住む履物屋の木岡(上杉祥三)をたたき起こして糸子を病院に連れて行ってもらった。
処置が早かったため、松葉杖を使えば自分で歩けるところまで回復したが、医者(国沢潤三)から向こう1週間はミシンの使用を禁じられた。

その間は、花嫁衣裳の生地合わせをするなど、のんびりと過ごした。神戸の祖母(十朱幸代)や母(麻生祐未)は大はしゃぎであれこれ注文をつけていたが、糸子はいちいち面倒くさくて仕方がなかった。結婚式など早く終わってしまえばいいと、どこか他人ごとのようであった。

一方で、結婚祝儀のかわりだと言って、洋服を注文してくれる人がぽつぽつと現れた。そのおかげで今月は少しばかりの利益が出そうだと、糸子はほくほくした。
けれども、仕事が増えた分はきっかり膝への負担となった。糸子の病院通いは長引いた。

ところがある日、看護婦たちの和装を見た糸子は、新しい洋服の売り込みのチャンスだと気づいた。
医者に掛けあって、10着分の制服を受注することができた。膝への負担を考えると医者は難色を示したのだが、「弟子が3人いて、彼らにミシンを任せている」と嘘をついて説得した。

ただし、困ったことに、家に帰ってきてから予定表を再確認すると、医者と約束した納品日は自分の結婚式の翌日であった。一瞬困った糸子であったが、少し早めに仕事をして結婚式の前日までに仕上げれば問題ないだろうと、あまり気にしなかった。

ところが、一向に良くならない膝のせいで、思ったように仕事が進まなかった。残り1着となったところで、結婚式当日を迎えてしまった。
祖母や母が会場に行くよう急かすのだが、仕事を終えてから行くと言って聞かなかった。彼女らを先に会場に向かわせ、糸子は一人で作業を続けた。

夕方になり、結婚式の開始時刻となった。列席者はみな揃ったのだが、肝心な花嫁席だけが空白だった。客を待たせるのも申し訳ないと、善作(小林薫)と花婿の勝(駿河太郎)が申し合わせて、先に宴を始めてしまうことを決めた。

会場の若女将である奈津(栗山千明)も、自分のことのようにイライラし始めた。花嫁のいない結婚式などあってはならないとカンカンに怒っていた。
しびれを切らせた奈津は、自分一人で糸子の家へ迎えに行くことにした。

すると、糸子がミシンの前で倒れているのを見つけた。

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カキのオイル漬け

11月21日放送のフジテレビ『知りたがり!』で山瀬まみが紹介していたカキのオイル漬けの作成に挑戦する所存。

以下、テレビで見たレシピを記憶した当方が、キッチンに立って調理した模様をお送りする。
詳しいレシピはESSE 2012年 12月・1月合併号
に掲載されているそうなので、そちらをご参照いただきたい。

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NHK『カーネーション』第45回

誰が書いたかは知らないが、wikipedia の天本英世に「忘れえぬ人を想い続け、生涯独身であった。」と書いてあるのを見つけて、そのフレーズも、天本英世もカッコいいなと思った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第45回目の放送を見ましたよ。

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第8週「果報者」

糸子(尾野真千子)が店で仕事をしていると、神戸の祖父(宝田明)がひょっこり現れた。仲の良いふたりは、はしゃぎながら再会を喜んだ。
しかし、祖父の背後から善作(小林薫)が姿を表すと、糸子は怪訝な表情を浮かべた。折り合いの悪いはずのふたりが一緒にいる理由に心当たりがなかった。身近な誰かに不幸でもあったのではないかと、不安が募るばかりだった。けれども、彼らはにこやかで、これまでになかったほどふたりは親しげにしていた。

善作の話は、糸子の結婚についてだった。
糸子は21歳で適齢期、自分の店を開店させた直後でもあり、時期として申し分がないという。相手の川本(駿河太郎)も評判のいい好青年であり、婿養子になっても良いと言ってくれている。糸子が婦人服、川本が紳士服を担当すれば店の繁盛も間違いない。これ以上の相手はいないと強く推すのだった。

その場はそれで収まったが、糸子は全く結婚する気になれなかった。今は仕事のことで頭がいっぱいで、それ以外のことは全て排除しておきたかったのだ。

糸子は、良き相談相手の八重子(田丸麻紀)を訪ねた。しかし、八重子の意見も糸子に結婚を勧めるものだった。
八重子も糸子と同じように、自分の仕事を第一だと考え、結婚する気は全くなかった。自分は美容師として大成することを考えていた。親に勝手に進めた縁談で、結婚式の日まで夫となる泰蔵(須賀貴匡)に会ったことすらなかったという。けれども、今では強引に結婚を決めた親に感謝をしているという。嫁ぎ先の義母(濱田マリ)は髪結いであり、自分はそれを手伝うことで夢を実現できた。幸せな家族にも恵まれている。
今にして考えれば、無理強いした親にむしろ感謝していると言うのだった。

八重子の話を聞いて家に帰ると、母・千代(麻生祐未)が隣町から訪ねてきてくれた。
早合点した母は、糸子の結婚がすでに決まったものと思い、泣きながら喜んだ。母は川本に一度だけ会ったことがあるが、その時のことを引き合いに出し、あの男なら間違いなく糸子とうまくやれると言っておいおい嬉し泣きをした。
その母の様子が決め手となって、糸子は結婚することを承諾した。

結婚を決めてしまうと、その後は物事がトントン拍子に決まっていくし、周囲もにわかに騒がしくなった。会う人はみな、口々に糸子のことを祝福してくれたし、糸子の結婚式の噂で持ちきりになった。けれども、糸子はそれが却って気に入らなくてムシャクシャした。自分が晒し者になった気がして、少しも嬉しくなかった。

ある日、糸子の店に一人の客(はりた照久)がやって来た。彼は大八車に大量の生地を載せ、他の店で仕事を引き受けてもらえなかった、糸子が最後の望みだと言って必死にすがるのだった。かなり難しい仕事のように思えたが、彼の困った様子を見ていると助けてやらずにはいられなくなった。

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NHK『カーネーション』第44回

本日発売の『新春すてきな奥さん2012年版』の表紙が山瀬まみだと知って、「とてもめでたいことだ」と独りごちている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第44回目の放送を見ましたよ。

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第8週「果報者」

幼なじみの平吉(久野雅弘)の務める喫茶店に呼び出された糸子(尾野真千子)。大好きな善哉を機嫌よく食べながら、神戸のおじ(田中隆三)と川本(駿河太郎)が一緒にいる理由を尋ねた。

紡績会社の社長であるおじは、市場調査として小売店の視察に出向くことがある。偶然、ロイヤル紳士服店を訪問し、そこで川本に出会ったのだという。話をしているうちに昔雇っていた腕の良い洋裁職人の話になり、それが糸子のことであったという。その話の延長で、ふたり揃って糸子に会いに来たのだという。

自分をロイヤルに引き戻しに来たと勘違いした糸子は、きっぱりと断ろうとした。
話があらぬ方向に動き出したのを察した川本は、訪問の本当の理由を話しだそうとした。しかしその瞬間、おじが何やらコソコソと耳打ちして、川本を押し留めた。
結局、肝心な所は分からずじまいだったが、糸子はあまり気にしないことにした。

糸子が自宅の店で仕事をしていると、勘助(尾上寛之)と平吉がニヤニヤしながらやって来て、糸子が結婚するのだとはやし立てた。冷静に否定する糸子であったが、喫茶店に務める平吉は水面下の動きを全て把握していた。

平吉によれば、1週間ほど前に神戸のおじと善作(小林薫)が喫茶店で密会していたという。おじが川本のことを口頭で紹介し、好青年で家柄に問題もないと説明した。糸子のこともよく理解している男だという。そして、3人兄弟の長男にもかかわらず、小原家の婿養子になっても良いと言っていると強調した。
糸子の婿取りに、これ以上良い話はなかった。善作もいっぺんに糸子の結婚に乗り気になったのだという。

その話を聞いて、糸子は一気に腹を立てた。自分の知らないところで勝手に縁談が進められているのが気に入らなかったし、そもそも自分は結婚するつもりなど毛頭なかったからだ。強く否定したが、勘助の仕業により、糸子の結婚の噂は町中に広まってしまった。

糸子は腹立ちまぎれに、その日の夕食は自棄食いしようとした。しかし、祖母(正司照枝)から、おかわりするご飯はこれ以上ないと言われてしまった。糸子の商売がうまく行ってないので家計を切り詰めているのだという。
糸子は結婚話のことは一時忘れ、顧客獲得に専念することとした。

けれども、商売に好転に兆しは見えなかった。知り合いの店に置かせてもらったチラシもあまり減っている様子は見えない。当然、店を訪ねてくる者もほとんどいない。
糸子は、店構えにも問題があると考えた。看板こそ洋裁店のものを掲げているが、店の作りは呉服店そのままである。洋裁店らしさや華やかさが少しもなく、とても野暮ったく見えた。そこで、自らのこぎりを持ちだして、店を改造し始めた。簡易ショーウィンドウを作り、そこにマネキンを置いた。
もちろん、そうしたからといって、劇的な変化があったわけではなかった。

そんな時、吉田屋に出入りしている駒子(宮嶋麻衣)が奈津(栗山千明)を連れてやって来た。奈津は糸子の店をバカにした眼差しで見回すと、洋服を注文しに来たわけではない、呉服屋のままで野暮ったいなどとズケズケと物を言った。そして、奈津もやはり糸子の噂を聞いていた。結婚式を挙げるなら自分の店で行なえと一方的に言いつけると、さっさと帰ってしまった。

一人になると糸子は物思いにふけった。
最近は、珍しい2人組の取り合わせが多い。神戸のおじと善作、神戸のおじと川本、奈津と駒子。人というものは、案外知らない所で繋がっているものだとしみじみ思うのだった。

その頃、犬猿の仲だったはずの祖父(宝田明)と善作が車に同乗し、にこやかにどこかへ向かっていた。

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NHK『カーネーション』第43回

「果報は寝て待て」という言葉の好きな当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第43回目の放送を見ましたよ。

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第8週「果報者」

善作(小林薫)は「小原呉服店」の看板を下ろし、糸子(尾野真千子)とハル(正司照枝)以外の家族を連れて家を出た。

善作は、地元の名士の紹介で、隣町の質屋の店主に収まった。そこは家付きの店なので家族を引き連れて移ったという。善作は自分が糸子の将来の邪魔をしていることを理解していた。また、糸子の稼ぎで食わせてもらうばかりの状態も辛く思っていた。そこで、一念発起して自分の人生を立て直そうとしているのだ。

糸子にとっては寝耳に水だった。家族がバラバラになってしまうことが悲しくて仕方なかった。自分が洋裁をやりたいと言い出したことがこの様な事態を招いたのだと、激しく後悔した。
夜遅くに、母(麻生祐未)が様子を見に来てくれた。母の顔を見るや、安堵と悲しみで感情が爆発した。母の胸でいつまでも泣き続けるのだった。そんな糸子を、母は優しく慰めてくれた。家族は誰も糸子のことを恨んでいない、糸子は自分のできることを精一杯頑張れと言って励ましてくれた。

それから2ヶ月ほど経った、昭和9年(1934年)4月。善作の置き土産である「小原洋裁店」の看板を店頭に掲げた。いよいよ糸子は自分の店を始めた。近所の人々が集まって祝福してくれたのはもちろん、家族も全員やって来て一緒に喜んでくれた。
糸子は満面の笑顔で新しい人生をスタートさせた。

しかし、商売は必ずしも順風満帆ではなかった。以前からの知り合いを中心にポツポツと客は来てくれたが、少しも繁盛しているわけではなかった。

そんなある日、神戸のおじ(田中隆三)が訪ねてきた。家で茶を出そうとするが、おじはそれを断って、糸子を近所の喫茶店に連れて行った。すると、そこには川本(駿河太郎)がいた。川本は開店祝いだと言って、カーネーションの大きな花束を贈ってくれた。

開店を祝ってくれたことはとても嬉しかった。しかし、神戸のおじと川本という奇妙な取り合わせに、糸子は緊張するのだった。

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NHK『カーネーション』第42回

北大で日本人間行動進化学会第4回大会が開催されており、昨夜はたくさんの知り合いのセンセー方が札幌での飲食を楽しんだようで羨ましいなぁ、今日と明日の発表も面白そうだしいいなぁ、僕も行くことにすれば良かったなぁ、と今になってに残念がっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第42回目の放送を見ましたよ。

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第7週「移りゆく日々」

昭和9年(1934年)、2月。
年内で末松商会を辞め、洋裁屋として独立するつもりだった糸子(尾野真千子)だが、それは叶わなかった。相変わらず、末松商会で働いていた。客がひっきりなしに訪れ、昼食すらゆっくり摂れない毎日だった。

ある日、仕事を終えて家に帰ってくると、店の戸がしっかりと閉められ、家はひっそりしていた。何よりも驚いたことは、小原呉服店の看板が降ろされていたことだった。

その前日、善作(小林薫)はある決意をしていた。

相変わらず呉服店の仕事はさっぱりで、もっぱら謡教室などの副業ばかりをやっていた。しかし、謡教室の方も弟子がどんどん減っていき、今では1人だけになってしまった。弟子の方も本当は辞めたかったのだが、自分が最後の1人かと思うと言い出しにくかったのだ。
ついに善作は教室を閉じることにした。弟子に将来のことを聞かれても、新しいことをするつもりはないと力なく答えるだけだった。

その夜、善作は吉田屋に商店街の旦那連中を集めて宴を催した。
若女将の奈津(栗山千明)は、珍しいことなのでそっと座敷の中を覗いていた。善作はいつになく真剣な表情で、これまで22年間呉服屋をやってきた礼と、これからのことで頼みがあると話し始めた。話の核心に迫った時、奈津は客の見送りに呼ばれた。急いで戻ってきたが、すでに善作の挨拶は終わっており、座敷の中は無礼講になっていた。結局、善作の決意が何なのか分からないままだった。

翌朝、またしても酔いつぶれた善作は、居間に転がったまま寝坊した。娘たちが出かけていく物音を聞きながら、物憂げに目を覚ました。娘らが全員家を出ると、ハル(正司照枝)は何かを言いかけながら善作を起こした。
ハルの小言を黙らせると、一人で外に出ていき、店の張り紙を全部剥がし、看板も降ろしてしまった。善作の決定に抗えないハルはもう何も言わなかった。千代(麻生祐未)は涙を浮かべながらじっと見つめるだけだった。

そして、その夕に糸子が帰ってきた。看板が降ろされ驚いていると、祖母のハルを残して家族全員がいなくなっていることにも気づいた。
ハルによれば、これからはふたりだけの生活が始まるのだという。

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FIFTIES / 平塚のレストラン・バー

お母さんという人たちは、どうして誰彼かまわずたくさん食べさせようとするのか。

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僕がこれまでの生涯で「この人と結婚したい」と思った女性は4人いる。どれも成就しなかったから、アラフォーになった現在も独身なわけだが。
上手くいった試しがないとはいえ、必ずしも一人相撲ばかりだったわけではない。それなりに相手のご両親に会ったり、お家で食事をご馳走になったりといった経験がないわけではない。

2番目に結婚したいと思った女性の家に招待されたときは、すき焼きをご馳走になった。すき焼きといえば関西風(割り下を使わずに最初に肉を焼く)、関東風(割り下で野菜や肉を最初から煮込む)といった違いがあることも有名だが、その家でご馳走になったすき焼きに僕はちょっと驚いた。ていうか、すき焼き自体は通常の関東風だったわけだが。
なんと、その家のすき焼きの食卓では味噌汁も出された。鍋物と一緒に味噌汁をいただくという習慣があるとは、それまで想像すらしたことがなかったので、僕はたいそう面食らった。しかし、初めて招待していただいたお宅で、出された食事に怪訝な表情を浮かべるのも良くないだろうと思い、ごく自然な表情をつくろってその味噌汁を頂いた。
味噌汁の具は様々なキノコのごった煮状態だった。あまりの具だくさんキノコに、「もうこれだけですき焼きいらないんじゃね?」というほどのボリュームだった。すき焼きを存分に味わおうと思い、キノコの味噌汁を真っ先にやっつけた。その様子を見たお母さんは僕がよっぽどキノコの味噌汁を気にいったと思ったのか、すぐに味噌汁のおかわりをついでくれた。
お母さんという人は、とにかくいっぱい食べさせようとする人だ。

3番目に結婚したいと思った女性のお母さんは、仕事をしていてそれなりに忙しい人だった。仕事が終わって疲れて帰ってきたのに、僕のためにごはんを作ってくれた。手間を省いて、手早く簡素な料理だったけれど、十分美味しかった。香ばしく焼かれた塩鮭が美味しかった。それだけでご飯がずいずい進んだ。
さらに嬉しかったのは、有名メーカーかねふくの明太子を大量に出してくれたことだ。それまで明太子をあまり食べたことのなかった僕だったのだけれど、その明太子がとても美味しくて遠慮無くバクバク食べた。ますますご飯が進んだ。どんどん食えといって、ご飯を何度もおかわりさせてくれたし、惜しむことなく明太子をバンバン食べさせてくれた。腹がはち切れんばかりに飯を食った。
お母さんという人は、まさしくいっぱい食べさせようとする人だ。

4番目に結婚したいと思った女性のお母さんとは、一度お会いして会釈をしたことがある。それだけだ。特に記することはない。生きていれば、まあそういうこともある。
ただ、その4番目に結婚したいと思った女性から話を聞いた限り、彼女のお母さんもやっぱりいっぱい食べさせようとする人だったらしい。

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以上、僕が結婚したいと思った4人の女性のうち、3人のお母さんのエピソードを紹介した。
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NHK『カーネーション』第41回

「心の旅」、「なごり雪」、「木綿のハンカチーフ」は”汽車と別れプレイリスト”に登録され、脳内iPodで何度も繰り返し再生されている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第41回目の放送を見ましたよ。

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第7週「移りゆく日々」

糸子(尾野真千子)の働きにより末松商店は大繁盛した。さらに、洋服のデザインの説明用に即興で絵を描いたところ、それがまた評判を呼んだ。生地の裁断サービスだけではなく、デザイン画も描いてもらえるということで、入店を断るほどまで客が殺到した。

店は確かに繁盛したが、糸子は商売人としての勉強は何も進んでいないことを自覚した。毎日、裁断と絵を描くばかりで、それは以前から身に付けていた技術に他ならないからだ。自分は以前と同じ事をしているだけなのに、店は繁盛する。その理由はなんなのか、糸子なりに考えた。

その結果、自分が変わったのではなく、周囲の状況が変わったのだと気づいた。岸和田にも洋装が浸透し始めているのだ。今こそ独立の絶好の機会だと思った。父に何と言われようが、これ以上商売について学ぶ必要はない。時代の波に乗ることこそが重要だと決意した。

今日はクリスマスだ。仕事帰りにクリスマス・ケーキを買って帰った。善作(小林薫)はまだ帰宅していなかったが、家族たちはケーキに喜び、大はしゃぎした。
そこへ、いつものように善作が酔っ払って帰ってきた。家族は少し緊張した。

糸子は前置きもなく、末松商店を年内で辞め、年明けからは家で洋裁店を始めると宣言した。それは、善作に有無を言わせないという態度を隠さない言い方だった。自分は2軒の店を繁盛させた、給料もほぼ全て家に入れた、家族に扇風機やクリスマスケーキを買ってくる甲斐性もある。
今では、善作に代わって自分が一家の大黒柱だ。善作に口出しされる筋合いはないと啖呵を切った。

その主張に、当然ながら善作は激怒した。糸子を張り倒し、家族が楽しみにしていたケーキをひっくり返し、家を出ていってしまった。

残された家族は全員泣き出した。楽しかったはずのクリスマスケーキが台無しになったことと、糸子の境遇が不憫なことに涙が止まらなかった。家族はみんな糸子の味方だった。泣きながらも糸子の働きに感謝し、善作に翻弄されていることを慰めるのだった。

しかし、糸子の気持ちはとうてい収まらなかった。これ以上善作と顔を合わせたくないと言い、夜遅いにも関わらず、糸子は神戸の祖父母宅(宝田明、十朱幸代)に向かった。

しかし、糸子の予想に反し、祖父母宅にも自分の居場所はなかった。あんなに温かいと思っていた神戸の家が、今ではすっかり変わってしまっていた。東京の大学に進学したイトコの勇(渡辺大知)は、すっかり東京弁を話すようになっており、距離を感じた。おじ(田中隆三)夫婦も洗練された洋装をし、優雅かつ堂々とした立ち居振る舞いで、糸子はどこか近寄り難さを感じた。
糸子の最大の庇護者であった祖父母は第一線から退き、奥の部屋でひっそりと暮らしていた。以前なら糸子に会っただけで大はしゃぎしたものだが、今は特に感情の動きもなく、ぼんやりしていた。代替わりをして、すっかり覇気がなくなってしまっていた。

店に何も言っていないので仕事のことが心配だと言って、糸子は一晩過ごしただけで岸和田に帰ることにした。
しかし、糸子にとって本当の心配事は店のことではなかった。今まで自分を守ってくれた人も場所もすでになくなっていることに気づいたのだ。これからは自分が祖父母を守る立場になるのだ、いつまでも彼らに甘えてはいられないと自覚したのだった。

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NHK『カーネーション』第40回

オープニング・テロップに大山役として春やすこの名があったのだが、どこに出てきたのかわからなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第40回目の放送を見ましたよ。

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第7週「移りゆく日々」

ロイヤル紳士服店の先輩職人だった川本(駿河太郎)が家に訪ねてきて、糸子(尾野真千子)の帰りを待っていた。特に用事は無いが、糸子の顔を見に来たのだという。
母・千代(麻生祐未)や、幼なじみで喫茶店のボーイの平吉(久野雅弘)は糸子の恋人だと思い込んで興奮するが、そんなつもりのない糸子は冷静に否定する。そもそも糸子には、川本が訪ねてきた理由にまったく心当たりがなかった。川本は糸子の顔を見ることが目的だと何度も繰り返したが、糸子はそこでほのめかされている理由に全く気づかないのだった。
川本はロイヤル紳士服店に新しい洋裁師が入ったこと、女性用洋服の受注も相変わらずであることなどを話した。しかし、新しい洋裁師は糸子ほどの腕前は無いだろうというのだ。客の喜び方が、糸子の場合と違うのだと話してくれた。
そのような話をして、川本は再訪を約束して帰っていった。糸子にはもちろん、川本がまた来る理由が分からなかった。

糸子は、昼は生地の売り子、夜は自宅でセーラー服の縫い子として懸命に働いた。その頑張りの甲斐もあり、10月の給料はずいぶん良かった。しかし、連日の深夜までの仕事のせいで疲れきっていた。朝食の時も、仕事の休憩時間も、少しでも時間があれば居眠りばかりするようになった。
それでも、ここが正念場だと自分に言い聞かせ、弱音を吐かずに仕事を頑張った。

この前、洋裁を始めたいと相談に来た客・長谷(中村美律子)が、完成したワンピースを来て店にやって来た。本人によく似合う、素敵な洋服ができたと大喜びしていた。
それに気を良くして、近所のおばさんを2人ばかり連れて来てくれた。糸子は以前と同じように、本人に似合う生地選びと裁断を行い、あとは縫うばかりのところまで整えて布地を売った。

店主の末松(板尾創路)は、糸子の手腕に舌を巻きながらも、商売はそうそううまくいくものではないと小言を言うのだった。ところが、そんな末松を遮ったのは、店の奥で縫い子をしているおばさんたちだった。
彼女らは、糸子のやり口を見ていて、自分たちにも生地選びと裁断をやって欲しいと次々に頼むのだった。それからというもの、糸子の休憩時間は全て彼女らに捧げられることになった。縫い子らもきちんと代金を支払うので、末松は何も口を挟まなかった。

糸子が毎日寝不足で苦労しているのを知っている縫い子らは、糸子のノルマを全員で手伝ってくれるようになった。おかげで糸子はゆっくりと体を休めることができるようになると同時に、売り子の仕事に集中して頑張れるようになった。
それからは、歯車が噛み合ったように、物事がうまく進んだ。

最初に生地選びを手伝ってやった客が、さらに噂を広げて客を連れてくるようになった。縫い子のおばさんたちも同様だった。芋づる式に客が増え、あっという間に店は繁盛するようになった。裁断待ちに1時間もかかるほどの賑わいとなった。

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NHK『カーネーション』第39回

これまで「飯は食えれば十分。食器はなんだっていい」と思っていたのだが、最近自分で作った料理をtwitterにアップするようになってから、毎日同じ皿だというのも芸がないよなとか(1日目2日目3日目)、オシャレな皿に盛りつけたらもっと美味しく食べられるんじゃないだろうかなどと考えるようになった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第39回目の放送を見ましたよ。

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第7週「移りゆく日々」

奈津(栗山千明)は丸髷に結ってもらった。それは自分の少女時代との決別だった(既婚女性は丸髷にする習慣がある)。

仕事帰りの糸子(尾野真千子)は、髪結いの息子・勘助(尾上寛之)と道で出くわした。夕食はカレーライスだと聞いて、糸子は勘助の家について行った。すると、ちょうど奈津が髪を結い終わって帰るところだった。奈津は、自分は結婚するのだから、これからは子供時代のように馴れ馴れしくするなと言って、つかつかと帰って行った。
糸子らは髪結いの玉枝(濱田マリ)から、奈津が陰で苦しんでいることを聞いた。糸子は彼女のことを思うと複雑な心境になった。

ロイヤル紳士服店を辞めた糸子は、あらたに末松商店で働き始めた。ここは元は布地を売る店だったが、セーラー服の取り扱いも始め、店で縫製して売っている。洋裁の腕を買われた糸子は、店の奥で縫製を任されることになった。店にはおばさんばかり4-5人の縫い子がいた。仕事をしながらお菓子を食べたり、みんなで歌ったりと、楽しい職場だった。明るく、新入りにも優しい職場は初めてだったので、糸子は心底良い所だと思った。

しかし、糸子は洋裁の技術を磨きに来たのではないことをすぐに思い出した。善作(小林薫)から、もう1軒店を繁盛させることが洋裁店を開く条件だと言われていたのだ。
そこで糸子は、店主の末松(板尾創路)に売り子をさせて欲しいと願い出た。セーラー服縫製のノルマは家に持ち帰って夜に行い、昼間は店頭に立つことを提案した。そういうことなら店に損害は無いし、末松も店番をしなくて済むようになるというので認めてくれた。

しかし、糸子のがんばりにも関わらず、さっぱり店は繁盛しなかった。糸子は客に高い布を勧めたり、予備の生地を買わせようとするが、その言いなりになる客は皆無だった。家に仕事を持って帰ると、初めのうちは面白がって手伝ってくれた家族たちも、次第に飽きてきてほとんど手伝ってくれなくなった。末松からは少しも繁盛する素振りが見えないなどと、面と向かって皮肉を言われる。
糸子は商売の厳しさを知り、同時に仕事がつまらなく思うようになってきた。

ある日、一人の客(中村美律子)がやって来た。彼女は初めて洋服を縫うつもりなのだが、どうしていいかわからないと糸子に相談した。末松や他の客がいないのをいいことに、糸子は通常の接客以上に彼女に親身にした。客に似合う生地選びを根気よく行い、客の体に合わせて生地の裁断まで手伝ってやった。商売っ気を度外視し、あとは客が縫うだけの所まで整えてやった。
その布地を受け取ると、客は大満足で帰っていった。糸子もとても嬉しく思った。

一方、家での糸子は、呑んだくれてばかりの善作に腹が立つばかりだった。

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