NHK『ゲゲゲの女房』第54回

 本日未明の自分のコメントの補足として、本記事を書くためのメモ・ファイルを放送直後の状態で大公開するので、関心のある人は本文と見合わせてニヤニヤしてはいかがでしょうかとアナウンスする当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第54回めの放送を見ましたよ。

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「私、働きます」

 家計簿の前でため息をつく布美枝(松下奈緒)。このままでは生活が成り立たない。自分が何とかしようと決意した。まずは、良き相談相手である貸本屋の美智子(松坂慶子)を訪ねることにした。

 貸本屋のこみち書房では化粧クリームの実演販売が行われていた。元銭湯の女将・靖代(東てる美)がセールスレディとして来ていて、売れ行きも好調であった。貸本屋の店先で実演販売をするというのは、美智子のアイディアであるという。場所を提供する代わりに、集まった女性客が本を借りてくれるので、お互いにとってメリットなのだという。日本は豊かになったので、人々は自分で本や雑誌を買うようになった。それで貸本業も伸び悩んでいるのが最近の美智子の悩みでもあったのだ。

 貸本業会の困窮に合わせて、布美枝は自分たちも困っているのだと打ち明ける。そして、自分も化粧クリームのセールスをやりたいと靖代にすがりつく。布美枝が内気でおとなしい性格であることを知っている周囲の人々は、向いていないのではないかとひどく驚く。しかし、靖代の手引きで、一応営業所長に会わせてもらうことになった。

 営業所では、実際にクリームの塗り方を習う。それを見た営業所長(吉田羊)は布美枝の採用を即決する。手先が起用であることに加え、素朴な人柄が客の心を掴むだろうと考えたからだ。
 一瞬喜ぶ布美枝であったが、他のセールスレディ達の活発な雰囲気を目の当たりにし、自分には務まらないのではないかと早くも後悔し始めるのだった。今までに外で働いた経験といえば、1日だけ即席めんの実演販売を手伝った経験しかない。しかもその時、大失敗をした(第10回参照)ことを思い出して怖気付くのだった。

 憂鬱なまま家に帰って来た。自分が外で仕事をすると言えば、茂(向井理)は反対するに決まっている。それを口実に仕事を断ろうと考えた。おずおずと話し始める布美枝であったが、仕事をしている茂は生返事しか返さない。しかも、茂は急に笑い出した。『河童の三平』の話が面白くて、描きながら自分で吹き出しているのだ。
 楽しそうに漫画を描く茂の姿を見ると、何も言えなくなってしまった。彼にはなるべく金の心配をさせず、のびのびと漫画を描いて欲しい。そのためには、やはり自分が働きに出て急場を凌がなくてはならないと強い決意を固めた。

 翌日から、早速仕事を始めた。初日は靖代と一緒に得意先をまわり、見習いをすることになった。訪問した家で、クリームの試供中に米が炊き上がった。手の離せない主婦に代わって、布美枝がご飯をおひつに移す手伝いを買って出た。しかし、炊きあがった米の匂いを嗅いだ瞬間、吐き気を催してしまう。

 初仕事で緊張しすぎたせいかもしれないし、変なものを食べたせいかもしれないと、迷惑をかけたことを謝る布美枝。しかし、靖代は妊娠であると見抜き、自覚のない布美枝に告げるのだった。

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