NHK『おひさま』第50回

予定では明日は早朝から旅に出ることになっており、道中ワンセグの電波が受信できない時は当まとめ記事の幕引きですよ、と予告する当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第50回目の放送を見ましたよ。

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第9週「お見合いと泣き上戸」

突然の訪問と婚姻の申し込みを礼儀正しく詫びながら、徳子(樋口可南子)は帰っていった。
良一(寺脇康文)は非常識な申し出に呆れ返り、断るつもりになった。しかし、どことなく嬉しそうな陽子(井上真央)の様子を見ていると、きっぱりと破談させるわけにもいかないと、躊躇するのだった。

父とじっくり相談するより先に、陽子は真知子(マイコ)を訪れ、彼女に今の出来事を報告した。
陽子自身は迷っている風を装っているが、真知子は陽子がほぼその気になっていることを見抜いた。真知子から祝福され、陽子は照れながらも嬉しく思った。

真知子の近況としては、ヨーロッパに遊学した婚約者(萬雅之)からは相変わらず連絡がないままだった。
しかし、何もしないわけにはいかないと、真知子は自ら郵便配達の仕事を始めた。当時、戦地にとられた男手を補うために、女性がどんな仕事でもこなす時代ではあった。それでも、安曇野で一番の名家のお嬢様が郵便配達をするということは、人々に驚きをもって迎えられた。
結局、真知子は終戦までその仕事を続けた。そして、その間には、とても悲しい手紙を自分自身に届けることにもなるのだった。

松本の丸庵では、和成(高良健吾)が欠けた丼の修理をしていた。そこへ徳子がやって来て、翌日の見合いの最終確認をした。自分が勝手に婚姻話を進めていることに異存はないかとあらためて聞くのだった。

和成は、母が見初めた相手に間違いはないと、全幅の信頼を寄せていた。せめて、蕎麦が好きなことと、物を大事にする人であれば、他の条件は問わないという。なぜなら、近いうちに自分は再召集されるだろうし、どうせ一緒には暮らせないと考えているからだった。死を覚悟したかのような態度に対して徳子は異議を挟むが、和成は聞く耳を持たなかった。

陽子と和成の見合いは、1943年(昭和18)の秋に陽子の家で行われた。
派手なことはできないご時世であり、見合いといえども普段着のままであった。

陽子の和成に対する第一印象は、優しそうな人だということだった。

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NHK『おひさま』第49回

ついに『だんだん』(まとめ記事48回)以上、『ゲゲゲの女房 』(まとめ記事156回;全話)未満の領域に突入し、正直なところ「もうこれで、いつやめてもいいな」という心境になっている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第49回目の放送を見ましたよ。

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第9週「お見合いと泣き上戸」

丸山徳子(樋口可南子)が前触れもなく須藤家へやって来た。思いつめた表情の徳子は、深呼吸をして気を落ち着かせ、また自分自身に気合を入れてから声をかけた。

平穏な休日を過ごしていた陽子(井上真央)と良一(寺脇康文)は突然の訪問に驚く。特に、徳子とは初対面の良一は戸惑った。
徳子は、陽子とは何度か往来で会って話をしたことがあること、松本でそば屋・丸庵を開いていることなどを自己紹介した。丸庵という名を聞き、良一も一度行ったことがあり、なかなかいい店だったと思いだした。

一通り話し終えると、徳子は突然改まり、陽子を一人息子・和成(高良健吾)の嫁に欲しいと切り出した。徳子の説明によれば、和成は24歳(陽子より3つ年上)。商業学校を出た後、軍隊に召集された。今は一時除隊になって家を手伝っているが、いつ再招集されるかわからない状態にある。性格は真面目で無口ではあるが、働き者で心の優しい男だという。

徳子が陽子を嫁にしたいと思った理由は、陽子が女学生の時に初めて会って、とてもかわいらしい女の子だと思ったのがきっかけだという。自分の息子が将来嫁をもらうことになったら、こんな女の子がいいと思ったのだ。自分の娘になってくれたら、毎日が楽しくなるだろうとも思ったと話した。

そして徳子は、結婚後も陽子が教師を続けることを勧めた。教師は立派で大切な仕事であるばかりか、徳子は仕事をする女性が大好きだという理由だった。

自分が高く評価されていることに、陽子は大喜びだった。陽子自身も徳子に対して憧れを抱いており、この場できっぱりと断るだけの理由はなかった。けれども、あまりに当然のことで混乱しており、返事は落ち着いて父と相談した後にして欲しいと丁寧に答えた。

最後に、徳子は仏壇を拝んだ。そして、陽子を大切にすると仏壇に向かって約束したら、陽子の母(原田知世)も了解してくれたと言い出した。
ところが、亡き妻の意見を捏造されたことに良一は気分を害し、嘘をついたことをたしなめた。そう言われるや否や、徳子は舌を出し、嘘をついたことをあっさり認めた。

その軽妙な態度に、一同に笑いが巻き起こるのだった。

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ゴーヤ折るバカ、トマト折らぬバカ

気象庁の「平成23年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」によれば、関東地方でも昨日(5月27日)梅雨入りしたという。これは平年よりも12日早いという。

今日も朝から小雨模様。
しかし、自宅のゴーヤが大きくなり始めているので、そろそろツタを這わせるための支柱やネットを設置しなくてはならない。これからはどーせ毎日雨だろう、いつやっても同じだと諦めて、本日の小雨の中ネットを敷設した。

ゴーヤとネット

つっぱり棒の支柱を立て、その間にネットを渡すタイプのものだ。ホームセンターで3,000円弱で購入した。
今、楽天で同じ商品を探してみたところ、軒並み売り切れのようだ。今年はグリーンカーテン・ブームが来てるっぽいし、バカ売れしているのだろう。僕は4月のうちに買っておいた。

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NHK『おひさま』第48回

今日は雨、でもどうしても明治神宮にお参りしようと思っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第48回目の放送を見ましたよ。

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第8週「それぞれの朝」

国を守るために軍人になる。
表向きの理由は国のためであったが、茂樹(永山絢斗)にとって真の理由は、愛する家族を守ることに他ならなかった。

陽子(井上真央)と共に実家へ帰った茂樹は、父・良一(寺脇康文)を驚かせようと家の中で姿を隠した。しかし、帰宅した父は何事もなかったかのように、極めて冷静に茂樹と再会した。良一は、近所で茂樹帰省の噂を聞きつけており、茂樹のイタズラを予想し、逆手にとってからかったのである。
それを口火に、家族に爆笑が巻き起こり、何を話しても笑いが絶えない夜となった。

しかし、家族はみな、それが茂樹と過ごす最後の夜だと分かっていた。示し合わせたわけではないが、深刻な話は避けようと、みながみな軽口ばかり言い合っていたのだ。

深夜、陽子は隣室で寝ていた陽子は、茂樹がうなされているのに気づいた。静かに枕元に座り、茂樹の汗をぬぐってやった。

そのうちに、茂樹の寝言がはっきりとしてきた。家族の名前をひとりずつ挙げ、この家族に生まれた幸福と感謝を述べた。そして、自分は星になるが、陽子は太陽になれ、と言うのだった。
いつの間にか目を覚ましていた茂樹であったが、目をつむったまま寝たふりを続けていたのだ。面と向かっては言いにくいことを、寝言を装って家族に伝えていた。いつの間にか部屋の外に来ていた良一も、全てを漏れ聞くことができた。陽子と良一は涙を止めることができなかった。

陽子(若尾文子)は、いまだに兄の恐怖や悲しみを思う。そして、そういった境遇にあっても、一切弱音を吐かなかった兄の事を尊敬し、誇りに思うのだという。そして、茂樹だけではなく、同じように強く生きていた人々全員に対して同じ思いを抱いているのだった。

茂樹を戦地に送り出した後、陽子はぼんやりとしたままだった。
そんなある日の放課後、下校したはずの子供たちが走って学校に戻ってきた。通学路で四つ葉を見つけ、陽子に贈るために大慌てで戻ってきたのだという。
受け取った陽子は、それを大切に修身の教科書に挟んだ。そして、たったそれだけのことで、陽子は嬉しくなり、自然と笑顔になるのだった。

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NHK『おひさま』第47回

某妊婦さん(初産)から、分娩中は「しっかり息を吸って!深呼吸して!」と声をかけられるのだという話を聞き、その瞬間に渡辺満里奈の「深呼吸して」という歌を思い出し、笑いを咬み殺すのに必死だった経験のある当方が、、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第47回目の放送を見ましたよ。

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第8週「それぞれの朝」

茂樹(永山絢斗)が春樹(田中圭)を尋ねた。
名古屋帝国大学で医学を学ぶ春樹は、安曇野で開業するのが将来の夢だと語った。それを聞いた茂樹は、家族がまた安曇野に揃うことはいいことだと述べた。それを受けて、春樹は茂樹も帰ってくるよう言ったが、茂樹は曖昧に答えるだけだった。

茂樹は、自分の配属先については、軍事機密だと言って明かさなかった。
そのかわり、同期の訓練生がたくさん死んだ話を始めた。仲間を誇りに思い、自分も彼らに負けないように努力しているのだと語った。

最後に、茂樹が幼かった頃、祖母(渡辺美佐子)の所へ養子に出されそうになったという件について話し出した。その時に体を張って止めてくれたのが春樹だと後に知った茂樹であるが、今になって兄に深く礼を述べるのだった。おかげで、家族と一緒に暮らせて、とても楽しく幸せだったと振り返った。

茂樹は笑顔で去っていった。その背中を見送りながら、何かを感じ取った春樹は「死ぬな」とつぶやきながら涙を流した。

次に茂樹は、陽子(井上真央)の学校を尋ねた。
陽子の授業の様子をこっそり覗くつもりが、目ざとい子供に見つかってしまい、しかたなく教室に入っていった。すると、海軍の制服に注目が集まり、それに憧れる子供たちに取り囲まれてしまった。

茂樹は同校の卒業生でもあるので、急遽みんなの前でスピーチをすることになった。
日本の勝利を確信し、子供たちは国のために働けるよう体を鍛えることが肝心だと話した。同時に、海軍飛行隊の自分が国を守ると、力強く宣言するのだった。それを聞いて、子供たちは熱狂した。

次に、茂樹はみんなを笑わせるため、陽子の子供の頃の失敗談を話し始めようとした。陽子が慌てて止めに入り、教室中に笑いが広がった。

しかし、陽子は、茂樹が別れを言いに来たのだと直感していた。

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NHK『おひさま』第46回

電子コミック雑誌『電撃コミックジャパン』2011年7月号で漫画版『おひさま』の連載が始まったと知った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第46回目の放送を見ましたよ。

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第8週「それぞれの朝」

真知子の父・剛三(平泉成)は事業に失敗した。しかし、真知子(マイコ)は国民全員が等しく苦労に耐える時期だと言って気にもとめなかった。むしろ、喜んでいる様子だった。
陽子(井上真央)は、真知子がそこらのお嬢様とは違って、自分の力を信じ、逆境に強く、困ったときにもくよくよしない性格だと密かに評するのだった。
剛三は、須藤家で夕食と酒を振舞われるうちに、少しだけ気を取り直すことができた。陽子の父・、良一(寺脇康文)から皮肉交じりの激励を投げかけられると、同じく憎まれ口で応えるほどまでには回復した。

国力が疲弊し、家庭からは金属供出が義務付けられた。陽子は、女学校時代から大切に使い、たくさんの思い出の詰まった自転車を手放すことになった。それが誰かを傷付ける武器になったら悲しいことだと思いながらも、どうすることもできなかった。

そして、世の中は暗くなる一方だった。教室の雰囲気も沈んでいた。父兄を戦地に送り出し、働き手が居なくなったことで、どの家庭も貧しくなる一方だった。

そんなある日、ヒロシ(木村友治)の弁当がなくなったと泣き出した。
陽子は悲しそうな表情で、犯人がかわいそうだと言い出した。事件が明るみになったことで、犯人はいたたまれない気持ちになっているだろう。明日から学校に来るのが嫌になるかもしれない。しかし、陽子は学校は楽しく、みんなに会うのが楽しみな場所であって欲しい。その楽しみを味わえなくなった犯人がかわいそうだと、同情の弁を述べるのだった。
そして、正体のわからぬ犯人に代わって、陽子がヒロシに深く頭を下げて謝った。

その時、圭介(平岡拓真)が自分の仕業だと名乗りでた。彼は、以前にヒロシと喧嘩したこともある子供だった(第41回)。それで一度騒ぎは収まったが、陽子は彼が自ら濡れ衣をかぶったことを直感的に見抜いていた。

陽子が帰宅すると、家の前でケイコ(寺本純菜)が待っていた。ヒロシの弁当を盗んだのは彼女だったのだ。ケイコの父は出征し働き手がなくなった上、母は元来体が弱く働くのに不自由している。そのため、ケイコの家は食べるものにも困窮するほど貧しくなる一方だったのだ。

その日、ケイコが誰もいない教室で、弁当を盗み食いしているところを圭介に見つかってしまった。圭介は何も言わずに立ち去った上、後でケイコをかばってくれたのだ。
それから10年後、ふたりは結婚した。

その頃、名古屋帝国大学に通う長男・春樹(田中圭)を、次男で海軍航空隊に入った茂樹(永山絢斗)が突然尋ねた。

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NHK『おひさま』第45回

昨夜の『マドンナ・ヴェルデ』に冬瓜の煮物が出てきたのを見て、そういや自分は今まで一度しか冬瓜を食べたことがないなぁと思い、しかもそれは昔付き合っていた女の子に作ってもらったものであり、せっかく作ってもらったにも関わらず「これ、あんまり俺の好みじゃないかも」などとついうっかり言ってしまい、その子がカンカンに怒ったという経験を思い出した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第45回目の放送を見ましたよ。

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第8週「それぞれの朝」

陽子(井上真央)が帰宅すると真知子(マイコ)が待っていた。

真知子はずっと神戸にいて、婚約者(萬雅之)の実家に住んでいたという。真知子は婚約中のままで、まだ正式に結婚はしていない。婚約者がヨーロッパへ鉄道経営を学びに行ったまま戦争が始まり、まだ帰国できないでいるからだ。しかも、手紙すら届かず、婚約者とは音信不通になった。心労で体を壊した婚約者の母と祖母の世話をしつつも、本当の娘のように可愛がられていたという。
そんな中、今日安曇野に帰ってきて、実家に帰る前に駅から陽子の家へ直行したのだという。

真知子はまだ春樹(田中圭)への未練を残していた。しかし、自分の運命を受け入れ、春樹と結ばれることは諦めていた。そのかわり、一生心に春樹のことを留めておくことを陽子の前で誓った。
また、父(平泉成)へ反抗して陽子の家の便所に立て篭もった時の壊れた取っ手を、今でも首に下げていた。陽子も大切に持っていると言って、ふたりで見せ合った。

話は、もう一人の親友・育子(満島ひかり)のことに及んだ。真知子と育子は全く連絡を取り合っていなかったが、陽子は細々と手紙のやりとりをしていた。しかし、陽子がいくら長い手紙を書いても、育子からはごく短い手紙が間欠的に届くだけだと説明した。育子について分かっていることは、東京で洋服や料理を紹介する記者になり、順調にやっているらしいということだけだった。

しかし、それは育子の嘘だった。
実際の育子は、往来に露店を開き、手紙の代筆屋をやっているに過ぎなかった。めったに客も来なかった。それでも明るく健気で、周囲の露店仲間とも良好な関係を築いていた。数少ない客に対しては、相手の気持ちをよく理解し、本人が上手く口に出せない心境を的確に文章化してやるなど、親切な代筆屋であった。

陽子の父・良一(寺脇康文)は、せっかく真知子が来たのだからと言って、自分が夕食を作ると言い出した。腰に真っ白なエプロンを巻き、とても張り切っていた。
ちょうど食事を始めようとしたとき、真知子の父がふらりとやって来た。

またしても真知子を取り戻しに来たのかと緊張する面々であったが、真知子の父には覇気がなく、とても様子がおかしかった。聞けば、国の命令で事業計画が全て中止に追いやられたという。そのせいで、これまで投資してきた金を全て失ってしまったという。

真知子の家は破産寸前であった。それにも関わらず、真知子は嬉しそうだった。

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NHK『おひさま』第44回

以前に見た映画『墨東綺譚』(監督・新藤兼人、ヒロイン・墨田ユキ)や『カンゾー先生』(監督・今村昌平、ヒロイン・麻生久美子)では、女を知らない若者が出征するにあたり、その母親がヒロインに息子の初体験を頼んで成就させるというシーンがあったのを思い出し、タケオ(柄本時生)も母親(角替和枝)の仲介でヒロイン(井上真央)で筆おろしするのではないかとワクワクドキドキしながらも、NHKでそれはないよなぁ・・・と思い直した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第44回目の放送を見ましたよ。

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第8週「それぞれの朝」

タケオの母(角替和枝)は、もう二度とタケオ(柄本時生)に生きて会えないものと思い、激しく泣き崩れた。母から見れば、タケオは要領が悪く、いつもぼーっとしている。だから、タケオは真っ先に死ぬと考えているのだ。

ところがタケオ自身は、兵士になるのが嬉しくて仕方がない様子だった。徴兵検査に集まった若者の中で、タケオはほぼ一番の成績で合格した。何かに合格したことは生まれて初めての事だったし、検査官からたいそう褒められたことが何より嬉しかったという。不合格だった者の分まで頑張ってくるつもりだという。

タケオから意見を求められた良一(寺脇康文)は、一瞬戸惑いつつも、タケオの意見に力強く賛成し、応援した。

すると、良一が陽子(井上真央)に目配せをした。陽子の部屋でふたりっきりで別れの挨拶をしろという意味だった。幼なじみのタケオは、初めて陽子の部屋に入った。

タケオが話したことは、最近の陽子から笑顔がなくなったということだった。太陽の陽子は、笑うことだけが取り柄で小さい頃から笑ってばかりいたのに、近頃は難しい顔ばかりだというのだ。タケオは、陽子の笑顔を取り戻すためにも、自分が戦って早く戦争を終わらせるのだと豪語した。
タケオは、自分のセリフを自画自賛した。その冗談に、陽子はやっと笑顔を見せた。

タケオは、もう一つ何かを言おうとしたが、そのセリフを飲み込んで帰っていった。

数日後、タケオは村中に見送られて、誇らしげに出征して行った。

タケオの居なくなった畑を物憂げに見つめながら陽子が帰宅すると、家の前には真知子(マイコ)が立っていた。4年ぶりの再会だった。

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NHK『おひさま』第43回

YouTube で 83thekurokawaというユーザーが「手袋フェチ」という、女優が手袋をはいている映像ばかりを集めているのを見つけ、その着眼点に深く感じいった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第43回目の放送を見ましたよ。

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第8週「それぞれの朝」

1943年(昭18)5月。
陽子(井上真央)の受け持ちの子供たちは6年生になった。しかし、戦争で日本は疲弊し食糧事情も悪化、子供たちは皆腹をすかせて元気がなかった。

授業の内容も戦争にかんするものばかりになった。たとえば、敵国の戦闘機の音から機種を推測し、適切な避難法を選択することが教えられた。
そのような授業でも、陽子はなるべく明るく楽しく実施した。しかし、同僚の中村(ピエール瀧)や福田(ダンカン)は、他の教員の目の前で、陽子のやり方は生ぬるい、子供たちの命がかかっているのだからもっと厳しく教え込むべきだと批判した。

そこへ、普段は無口で、教師たちの言い争いにも無関心な校長(綾田俊樹)が割って入った。しかし、校長の話は陽子の結婚についてだった。県からの指導で、女性の婚姻と子作りが奨励された。それに従って、校長は陽子の見合いを世話しようというのだ。頭に来た陽子は、話を遮って職員室を出、雑務を片付けに向かった。

夏子(伊藤歩)と共に宿直室の掃除をしながら、陽子は不満をぶちまけた。見合い話ももちろんであるが、今の国や学校の情勢に対する違和感もあった。自分が教師であることを見失いつつあったのだ。
すると夏子は、戦争のことしか考えない教師だけでは子供たちがかわいそうだ、自分たちのような教師も居続けることが子供たちのためなのだと話して聞かせた。陽子は自分が暗く、後ろ向きになっていたことを反省した。夏子の前で愚痴をこぼしても、子どもたちの前では明るく照らす太陽でいようと決意するのだった。

陽子が帰宅すると、父・良一(寺脇康文)がラジオで熱心に戦況を聞いていた。その時の陽子には、父の戦争に対する思いはさっぱり解らなかった。しかし、何も言わない父であったが、胸の中に複雑な思いを秘めているであろう事だけは理解していた。

すると、タケオ(柄本時生角替和枝村松利史)一家が突如訪ねてきた。タケオに召集令状が届いたのだという。出征の前に一緒に食事がしたいと言って、料理や酒を携えてきたのだ。
良一は彼らを歓迎し、座に着くや、男達に酒をついでやるのだった。

タケオの母は、タケオを送り出したくなかった。しかし、そんなことをおおっぴらに言うわけにもいかず、歯切れ悪く話しながらしくしくと泣き出した。彼女に同情した良一は、両家は家族同様の付き合いだ、家族だからこそ本音で話していいのだと声をかけた。
すると、タケオの母は堰を切ったように激しく泣きはじめた。

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NHK『おひさま』第42回

若尾文子が演じる現代の陽子は、実は陽子の元教え子であり、陽子への憧れが高じるあまり本人になりきり、本人から聞いた思い出話をさも自分のことのように話している、だからこそ井上真央が演じる若い陽子との違和感が大きいし、すべて陽子に都合のいいように話が捏造されている・・・などという妄想をした当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第42回目の放送を見ましたよ。

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第7週「教室の太陽」

夜、陽子(井上真央)が慌てて学校に戻ると、幹太(相澤大翔)は暗い教室で泣きながらバケツの修理を続けていた。陽子は無理難題を命じたことを謝り、修理を手伝うのだった。
やっと壊れたバケツが元通りになった。幹太は陽子が持ってきてくれた握り飯を頬張りながら、陽子と一緒に下校できることがむしろ嬉しいと笑うのだった。

陽子(若尾文子)は、自分は児童たちの母親がわりだったと当時を振り返った。子供たちのほとんどは農家の子であったが、母親たちは野良仕事で忙しく遊び相手になってくれなかった。自分がその代わりとなっていたのだと。
一方で陽子は、今にして思えば、子供たちを正しい方向に導くことができなかったと反省もしていた。目先の世の流れに右往左往し、国のために死ぬことを指導していたことを悔やんでいた。

1941年(昭和16)11月。
日本の戦争は激しさを増し、陽子の同僚教師も次々と出征して行った。教え子たちの父兄も同様で、中には肉親を失う者もあった。
圭介(平岡拓真)の自慢の父が中国戦線で戦死した。本当は学校どころではなかったが、兄から「少国民の勤めだ」と言われた圭介は遅刻しながらも出席した。しかし、授業に身が入らなかった。父を失った悲しさと、動揺を抑えることのできない自分の不甲斐なさに、圭介は教室で涙を流した。陽子は彼を抱きしめて慰めてやること以外、何もできなかった。

その時陽子は、こんな時代に教師をしていることが恐ろしくなった。

ある日の帰り道、陽子は女学校時代に道草をしていた飴屋・村上堂を覗いてみた。しかし、店は休業しており、女将ら(渡辺えり)の姿もなかった。

するとそこへ、もう一人村上堂を訪ねてきた婦人(樋口可南子)がいた。彼女とは一度、陽子が女学生時代に蕎麦畠で出会って立ち話をしたことがあった。互いにその時のことを覚えていて、しばらく話し込んだ。
彼女は水飴を買いに来たのだという。また、贔屓にしている蕎麦農家も出征してしまって、少々困っていた。その上、跡取りである一人息子も戦地に送り出したという。

それでも、婦人はひとつも落ち込む素振りを見せなかった。男がいなくなった分、女がしっかりして社会を支えていかなくてはならないと論を展開した。痩せた土地でも太陽の光さえあれば成長する蕎麦を引き合いに出しつつ、「太陽の陽子」を応援するのだった。

そして、12月8日(真珠湾攻撃の日)を迎えた。
全校児童が校庭に集められ、校長(綾田俊樹)から訓示があった。日本軍の大勝利が伝えられると、教師も児童も大喜びに湧いた。誰しも、日本の強さを自慢に思い、このまますぐに戦争が終わると信じた。

明るいニュースに触れて、陽子はふと親しかった人々を思い出した。彼らに会いたいと強く願った。

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