昨日の放送で中森明菜の歌が流れてことに関して、「ミ・アモーレ→中森明菜→DESIRE→『真っ逆さまに落ちてDESIRE♪』→落ちてデザイナー→デザイナー糸子階段落ち」と2chに書かれていたのを見て盛大に吹き出した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第135回目の放送を見ましたよ。
糸子(夏木マリ)は階段から転げ落ち、左足を骨折した。病院で治療を受け、松葉杖を携えて帰宅した。
いち早く岸和田に駆けつけた直子(川崎亜沙美)が病院から糸子を連れて帰ってきた。一方、優子(新山千春)は東京で一仕事片付けてから来たため、到着が遅れた。優子と直子は、到着が遅れた/遅れないと言って、糸子をそっちのけで喧嘩を始めてしまった。糸子が一喝して、やっと収まった。
家を飛び出し、母に会いたくないと思っていた里香(小島藤子)は、優子と目を合わせようともしなかった。
オハラ洋装店は休業することとなった。1階のリビングに大きな介護用ベッドを設置し、糸子はそこで寝かされた。糸子はそれが気に入らなかった。リビングからテーブルが無くなっただの、ベッドが大きすぎるだの文句ばかり言った。周囲が止めるのも聞かず、自分で歩いて近所に怪我の挨拶に行ったりした。
糸子は自分の弱みを見せたくなかったのだ。
けれども、夜、一人で寝ていると心細くなってしまった。
年をとると、当たり前にできるはずのことができなくなる。それがなんと情けないことか。今は普通にできていることでも、この先いつできなくなってしまうかわからない。その恐ろしさといったらない。けれども、その情けなさや恐ろしさに、たった一人で対抗していかなくてはならないのだ。
糸子は、ふと自分の来し方を思った。この家でいろんなものを生み、育て、増やしていった。多くのものが増えていったはずなのに、気づけば結局自分一人になってしまった。自分が人生の選択を間違えたのか、それとも、人間とはそもそも色々なものを失っていく存在なのか。それすらもわからなかった。
糸子は、北村(ほっしゃん。)の言葉を思い出した。北村は、この家で一人で暮らしていくことは、年を取り、多くのものを失っていく一方だと言った(第127回)。ここで泣いたり、悔やんだりしたら、北村の言い分が正しかったことを認めたことになる。北村にだけは負けたくない糸子は、ぐっと涙をこらえた。
夜中に、里香が降りてきた。2階は優子らのいびきがうるさくて眠れないのだという。里香は糸子の横に布団を敷いて横たわった。暗闇の中で里香は、自分は一生糸子のそばを離れないと約束した。
それを聞いた糸子は、嗚咽を漏らした。
翌朝、優子と直子が東京に帰ることになった。しかし、その前に糸子に話があるという。その内容は聡子(安田美沙子)とも打ち合わせてあるので、3姉妹の総意だという。ただならぬ気配を察した里香は、優子と直子ににらみを利かせるように同席した。
優子と直子は、単刀直入に、糸子に仕事を辞めるよう説得した。70歳を超えて仕事をするのは、糸子の体を悪くする一方だというのだ。そして、娘たちの目の届くように、東京で暮らして欲しいと言うのだった。
もちろん、そんな話に乗る糸子ではなかった。娘たちが毎日電話をかけてきて、仕事の相談や手伝いをしていることを引き合いに出し、自分はまだまだ現役で働けると抗弁した。それに対して、優子と直子はついに本音を語った。ふたりとも、わざと簡単な仕事を糸子に与えていたのだ。仕事が大好きな糸子なので、自分達が頼りにしているふりをすると喜ぶのを知っていたからだ。
糸子の怒りは頂点に達した。
気に入らない客が来ると投げつけるお手玉を、優子と直子にも思いっきり投げつけた。仕事をやめることは、自分が死ぬことだと言って怒鳴った。
優子と直子が去った。
少し冷静さを取り戻した糸子は、甲斐甲斐しくお手玉を片付ける里香を見た。そして、床に散らばったお手玉すら拾うことのできない自分を不甲斐なく思った。
里香に優しく声をかけた。もう岸和田にいなくてもいいから、東京に一刻も早く帰れと優しく声をかけるのだった。
それと同時に、糸子は自分で立ち上がらなくてはならないと決意を新たにするのだった。
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