NHK『ゲゲゲの女房』第123回

 「イトーさん、どうもお世話になっております。あれはいい仕事ですね。」と突然挨拶をする当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第123回めの放送を見ましたよ。

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「戦争と楽園」

 布美枝(松下奈緒)は、『敗走記』を初めて読んだ。それは、茂(向井理)が2年前に雑誌に発表したもので、自身の戦争体験に基づくものだ。見せながら、茂はラバウル島で経験した悲惨な体験を話して聞かせる。

 本隊から100km離れてた前線に、茂らは10人の小隊で送り込まれた。早朝、茂が歩哨に立っている時に突如敵に襲われ、味方は全滅した。茂は装備を全て捨て、生きるか死ぬかの逃避行を始めた。
 途中、崖にぶら下がって、敵をやり過ごすことがあった。手もしびれ、死を覚悟し、心のなかで両親に別れの言葉を送った。その夜、母・絹代(竹下景子)は茂が敵から逃げて崖にぶら下がっている夢を見た。茂の窮地だと知った絹代は、あの世に行ってしまわないように、夫(風間杜夫)と一緒に寝室から大声で茂の名を呼び続けた。その声は茂にも届き、力が蘇って、窮地を脱することができた。とても不思議な出来事であるが、復員後、双方の話を突き合わせると、間違いなくそのようなことがあったのだ。

 その後、何日もジャングルの中を抜けて、やっと本隊にまで帰ることができた。しかし、本隊では茂の帰還は歓迎されなかった。命より大切な銃を捨て、敵前逃亡をしたことは恥ずるべき行為だというのだ。次の戦闘では、戦闘で突撃するよう命じられた。あまりの理不尽さと疲労により、茂はその場で倒れてしまった。
 そして、ジャングルで大量の蚊に刺されたこともあってか、マラリアにかかって寝こんでしまった。高熱で寝ているときに空襲に遭い、流れ弾で茂は左腕を失うこととなった。

 一通り、自分の体験を話して聞かせると、茂は引き出しから未発表の漫画作品を取り出して、布美枝に見せた。それは、復員直後にどこに発表するわけでもなく、茂自身の記録として描いた戦争体験漫画であった。
 貸本漫画時代に、茂は戦争活劇漫画を描いていた。しかし、いつかは自分の体験に基づいた「本物の戦争」を漫画にしたいと考えている。先日、ラバウル島を再訪したのもそのための取材の一環だったと打ち明ける。松川(杉本有美)から『敗走記』を大急ぎで仕上げて欲しいと言われたのを断ったのは、全身全霊をかけて描くためには十分な余裕が必要だからである。今は、他の仕事が忙しくて、自分の納得する『敗走記』が描けないのだ。

 ある朝、布美枝は家に客を迎える準備に忙しかった。茂の戦友の三井(辻萬長)が尋ねてくるのだ。彼は宝塚の遊園地の関係者で、1年前に茂が仕事で行った際にばったり再会した。その後、一緒にラバウルに行くなど、親しく付き合っている。ただし、調布の村井家に来るのは初めてのことである。

 ラバウルの話が出たことで、藍子(菊池和澄)は自分もそこで暮らしたいと言い始めた。学校も試験もない生活はきっと素晴らしいものだろうと言うのだ。藍子の心境の変化を布美枝は不思議に思うのだった。

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NHK『ゲゲゲの女房』第122回

 放送直前まで某所でガンダム話の添削をしていたので、あぶなく見逃すところだった当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第122回めの放送を見ましたよ。

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「戦争と楽園」

 藍子(菊池和澄)は明るくなった。小学校で新たに赤木(藤崎花音)という友達ができ、彼女の誕生会に招待されたのがうれしいのだ。その様子を見て、布美枝(松下奈緒)も安心する。

 喜子(松本春姫)は、茂(向井理)に左腕がないことを意識し始め、布美枝にそのことを聞く。戦争の話を聞かせるのはまだ早いと考えた布美枝は、大怪我をして失ったと言うに留めた。

 翌日、担当編集者の松川(杉本有美)がやって来た。美人を前にして、アシスタントの菅井(柄本佑)と茂の父(風間杜夫)は舞い上がる。

 松川は、『敗走記』を夏中に仕上げて欲しいと頼みに来た。しかし、茂はいつになく厳しい表情と口調で、そんなに早くは仕上げられないと断るのだった。心に何かを抱えているのであろう茂に対して、周囲はそれ以上何も言えなくなってしまった。

 小学校では、宿題をやり忘れた藍子の窮地を赤木が助けた。自分の宿題を見せて、書き写させてくれたのだ。しかし赤木は、宿題の引き換えとして、テレビの鬼太郎に自分をモデルとした人物を登場させて欲しいと頼んだ。茂は家族から仕事の指図を受けることを何よりも嫌う。藍子はそのことを懸命に伝えようとするが、赤木は決まったも同然だと思って立ち去ってしまった。

 困惑したまま藍子は帰宅した。宿題のカンニングを伏せたまま、友達をテレビに出せるかどうか布美枝に相談した。藍子の板挟みに気づいていない布美枝は、そんなことは茂が許さないだろうと、のんきで通りいっぺんの返事をするのみであった。

 夜、仕事部屋では、茂が一人で敗走記を読んでいた。

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20世紀アイドル写真館: 山瀬まみ

20世紀写真館より、山瀬まみ20世紀アイドル写真館がアツイ。
山瀬まみの写真が60枚もあった。スゴイ、スゴすぎる。

斜め上を見る1枚を見て、萌え悶えている。
パンチラはもちろん見逃さない。
10代ですでに二重あごでも、俺には光る汗がエロく見えるぜ。

そんなわけで、良いサイトみっけた。
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高校野球のカッコいいセーフ

以前にも取り上げたことがあるが、高校野球の一塁塁審のジェスチャーがカッコ良すぎる(?)という話。動画はこれ(AVIファイル)。

今、何気なく、NHKで土岐商業 vs 東海大相模の中継を見ていたら、また同じポーズが見えたような気がする。
同一人物だろうか、フォロワーだろうか。
試合開始時の審判団紹介を見ていなかったので、名前などはわからない。

スポーツニュース等のダイジェストで、カッコいいジェスチャーが見れるかもしれないから、注目ですよ。

NHK『ゲゲゲの女房』第121回

 某所で見た「おかえり。おつかれ。」というフレーズに癒されている当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第121回めの放送を見ましたよ。

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「戦争と楽園」

 真夏。妖怪物が得意な水木プロダクションは、夏の怪奇特集の注文を大量に受けて忙しい。

 しかし、茂(向井理)は南洋諸島文化にかぶれてしまって、仕事どころではなくなっていた。戦友達と一緒にラバウルを再訪し、戦時中に仲良くなった現地民との再開も果たした。その時に持ち帰ってきた民芸品やビデオ、音楽に心奪われていて、仕事が手に付かないのだ。
 周囲の迷惑も顧みず、ついには移住しようと言い出す始末。茂と気の合う喜子(松本春姫)は大喜びするが、布美枝(松下奈緒)と藍子(菊池和澄)は近代的ではない暮らしを受け入れることができず、猛反対する。

 喜子が一人で遊んでいると、気分転換に出かけようとした茂が声をかけて、かまってくれた。その時、喜子は初めて自分の父親が片腕で、他の人とは違うのだということを意識し始めるのだった。

 小学校では、藍子は相変わらずからかわれている。内気な藍子はじっと我慢するしかない。そんな彼女を、勉強ができてスポーツも万能、身なりもいい同級生・赤木(藤崎花音)が助けてくれた。今までそれほど仲が良かったわけではなかったのに、急に親しくしてくれたり、誕生会に呼んでくれることになったりした。藍子は嬉しく思いつつも、急に態度が変わったことを不思議に思う。

 最近、村井家は近所での評判があまりよくない。
 一つには、茂が大音量で聞いている南洋諸島の民族音楽のせいである。日本人にはまだ馴染みのない野性的なリズムであり、近所の人々は漏れ聞こえてくる音から、茂が新興宗教でも始めたのではないかと疑っているのだった。

 もう一つには、茂の母・絹代(竹下景子)が近隣住民との間にトラブルを起こしていることである。他の家がたまたま家の前に置いておいた荷物をゴミだとみなして勝手に捨ててしまったり、よその子供を激しく叱ったりするのである。
 すぐに怒るので、家族から「イカル」というあだ名を付けられるほど、激しやすいのだ。
 今日は、町内会の婦人役員(中村由起子)が絹代に老人クラブに入会するよう勧誘に来た。それを気に入らないと思う絹代は、頭ごなしに激しい口調で拒絶する。布美枝が間に入って取りなそうとするが、双方一歩も譲らず、完全に仲違いしてしまった。

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KYが1人: 『数覚とは何か?』プレゼントゲーム結果発表

 こちらで案内を出したとおり、ゲームに参加して書籍『数覚とは何か?』(スタニスラス・ドゥアンヌ著、長谷川眞理子 & 小林哲生訳)をget する読者参加ゲームの結果が出ましたので、成績発表をします。

 ていうか、ちょっと言わせて欲しい。今回の優勝賞品は、ちょっとお堅い本なので、参加者が少ないかもしれないと、主催者である僕はかなり心配していました。だから、オマケ賞(後述)を用意するなど、参加者を増やす努力を色々していました。このゲームは参加者が増えるほどが面白いから。

 そんな中、優勝賞品の翻訳者本人にも直々に声をかけて、参加してもらった。とにかく、参加者数の水増しをしたかったのだ。
 ただし、訳者本人が優勝しても、自分の本だから何も面白みもないだろう。そこで僕は、参加してもらうにあたって、以下のような条件を申し出た。

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NHK『ゲゲゲの女房』第120回

 数覚ゲームは今夜が締切りですよと最後の宣伝をする当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第120回めの放送を見ましたよ。

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「妖怪いそがし」

 貴司(星野源)と話をする中で、布美枝は(松下奈緒)は忙しさを口実に、自分自身が家族にきちんと向きあっていなかったのだと悟った。今まで気付かなかったことを恥じ入る。
 貴司は、自分も仕事に追われて、家族と心が離れていると反省した。自分もしっかりと家族に向き合うと宣言し、布美枝にも「妖怪いそがし」に負けないようにと励ました。そして彼は安来に帰っていった。

 布美枝は、寝起きの茂(向井理)を捕まえ、遠慮することなく藍子(菊池和澄)のことを相談した。彼女が高尾山に登ったという捏造作文の内容を現実のものにしてやりたいと願い出た。つまり、本当に家族で高尾山へ行こうと言うのだ。

 茂は、もっと高い山が良い、富士山ではどうか、と突拍子も無いことを言い出す。しかし、よく話を聞いてみれば、彼は富士山麓に別荘を買う話を進めているという。茂は素知らぬふりをしていたが、最初に藍子の作文の話を聞いたときから思うところがあったのだ。自分の少年時代を思い出すと、自然に囲まれて遊んでいた。娘たちにも同じ経験をさせたいと思い、黙って準備をしていたのだ。
 茂の家族に対する愛情を再認識し、布美枝は嬉しかった。

 初夏のある日、布美枝の運転で富士山の別荘へ出かけた。話に聞いていたのとは違って、オンボロで汚れ放題のみすぼらしい山小屋だった。しかし、眺望と周囲の自然環境は最高だった。一家で協力して掃除をしたところ、なかなか雰囲気のある山荘になった。

 ただし、藍子には気がかりなことがあった。この別荘には電気も電話も、漫画道具もない。いつも締切りに追われている茂の仕事に支障が出るのではないかと心配でならないのだった。
 ところが、布美枝も茂も、彼女の心配を笑い飛ばす。布美枝の話によれば、茂に取って本当に大事なのは家族だ。始めから仕事はしないつもりで来ているのだから、心配の必要はないと説明してやる。茂本人は、虫も動物も仕事はしない。生きるためには、本当は仕事は必要ないのだ、と話してやった。

 そして、茂は「妖怪いそがし」に取り憑かれていて、無理やり忙しく働かされていたのだと藍子に説明してやった。

 藍子は自分のわだかまりを素直に話す気になった。茂が忙しいのは、空想の世界に生きる妖怪の仕業ではなく、現実世界に存在する雑誌編集者たちが急き立てるからだ。学校の友達も、妖怪など存在しない、水木しげるは嘘つきだと言っていると、最近の悩みを打ち明けた。茂は妖怪を本当に見たことがあるのか、と。

 茂は、妖怪を自分の目で見たことは一度もないと正直に告白した。しかし、気配を感じたことは何度もあると逸話を聞かせた。たとえば、戦地のジャングルでどんなに頑張っても前に進めなくなってしまったことがある。あとから思えば、あそこには「ぬりかべ」が居たに違いない。
 妖怪は目には見えない、しかし、気配は感じる。昔から、多くの人々が同じ様な経験をし、それを言い伝えで来た。自分の使命は、それを漫画にして分かりやすく伝えていくのだと、妖怪漫画を描く理由を話した。

 まだ半信半疑の藍子であったが、暗い山荘で夜が怖くなるから、もう妖怪の話はやめて欲しいと茂に伝える。茂はここぞとばかりに、藍子が怖いと思うのは妖怪の存在を信じているからだと指摘する。そこで初めて、藍子は素直に妖怪を受け入れることができた。

 家族に明るい笑顔が戻った。

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NHK『ゲゲゲの女房』第119回

 昨夜、21歳Gカップの天然物おっぱいに千円札をチップとして挟む(悩殺写真)という、生まれて初めての経験をした当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第119回めの放送を見ましたよ。

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「妖怪いそがし」

 布美枝(松下奈緒)の実弟であり、父(大杉漣)の反対を押し切ってミシン店に婿入りした貴司(星野源)が村井家に来た。新型ミシンの研修で上京したのだ。
 人当たりがよく手先も器用な貴司は、いつも気難しい茂の母(竹下景子)にもすぐに気に入られた。布美枝の娘たちをデパートに連れて行き、好きなものを買ってやるという約束もした。

 布美枝と貴司は、ひさしぶりにゆっくりと話をすることができた。夜遅くまで仕事をして家族と団らんする暇もない茂(向井理)について、布美枝は「妖怪いそがし」に取り憑かれているのだと説明する。この妖怪に取り憑かれると、休む間もなく働き続けるハメになるという。貴司は、大真面目に妖怪の話をする布美枝のことがおかしくて堪らなかった。
 しかし、明るい話題ばかりではなかった。近頃は大量生産による既製服が安く手に入るようになり、ミシン業界は景気が良くないという。

 それに加えて、貴司は茂が家族と一緒の時間を持たないことを真剣に心配していた。男は仕事に没頭すると、とかく家族との溝に気づきにくいものだ。それがエスカレートすると、家族の方も男のことが理解できなくなり、互いの理解が阻害されるものだと語る。
 まるで、自分に言い聞かせているかのような貴司の口調に、布美枝は貴司の家庭にも問題があるのではないかと心配し始めた。そのことを聞こうとすると、貴司は話をはぐらかすのだった。

 翌日、約束通り貴司が子供たちを連れてデパートに出かけた。

 胸が苦しいと訴える義母・絹代(竹下景子)のことを心配した布美枝は留守番することになった。自分の世話を焼こうとする布美枝を、絹代は押しとどめる。自分のことは自分たち夫婦で何とかする、布美枝の役目は夫の両親の世話をすることではなく、夫本人を助けることである。そちらに全精力を傾けろというのだ。
 義母のことを案じる布美枝であったが、それには従うほかなかった。

 子供たちは、自分の欲しかったものを買ってもらい、大喜びで帰って来た。藍子(菊池和澄)などは、茂と出かけた時と違って、いろんな売り場をゆっくりと見ることができて大満足だったようだ。

 しかし、貴司は藍子について気になることがあったという。鬼太郎を歌っている子供たちと出くわした時、藍子がとっさに身を隠したと報告した。
 そこで初めて布美枝は、藍子が水木しげるのことでふさぎ込んでいるのではないかと思い至った。自分は水木しげるの家族であることを誇りに思っていたが、藍子はそうではなかったのだ。家族で楽しく高尾山に行ったという捏造作文も、彼女自身の夢を書き綴ったものかもしれない。
 家族の現状に、藍子は傷ついていたのだ。

 布美枝は、「妖怪いそがし」に取り憑かれていたのは茂ではなく、自分の方だったと思った。心の余裕をなくし、家族の事をきちんとわかってやれていなかったと反省するのだった。

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NHK『ゲゲゲの女房』第118回

 実家に一泊しただけで、早くも「ふるさとは遠きにありて思うもの」(室生犀星)の境地に達してしまった当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第118回めの放送を見ましたよ。

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「妖怪いそがし」

 藍子(菊池和澄)は相変わらず、学校でからかいの対象になっている。見知らぬ児童にまで「ゲゲゲの娘、妖怪の娘」とはやしたてられる。彼女は、嵐が通り過ぎるのを待つように、じっとしているしかなかった。心配をかけたくないからと、家族にも黙っているのだった。

 家庭訪問に来た担任教師(堀内敬子)は、まだ問題に気づいていない。藍子の過度に引っ込み思案な性格は、家庭環境に原因があるのではないかと考えている。教育方針を問われた布美枝(松下奈緒)は、全て本人任せだが、健康で優しい子に育てばいいと答えた。
 偶然、茂(向井理)の仕事場を垣間見ることになった担任教師は、締め切り直前の活気と混乱に目を回した。それとは別に、成人向けの漫画雑誌が子どもの手に届く場所にあることも注意したりした。

 一方で、担任教師は藍子の作文のできの良さを褒めた。家族で連休に高尾山にハイキングに行った様子が、活き活きと楽しそうに描写されているのだ。しかし、それは完全な捏造だった。本当はデパートに出かけただけなのに、藍子は高尾山に行ったと嘘を書いたのだ。布美枝は驚きながらも、担任の前では素知らぬふりをしていた。

 布美枝はふたりっきりの時、それとなく藍子に作文のことを聞いてみた。藍子の言い分は、ケチな茂が何も買ってくれなかったデパートの話など書いても面白みがない。友達から聞いた高尾山の話が面白かったから、それを書いたまでだ。父がこの世では有り得ないことを漫画に描くのと同じことだと言い張るのだった。
 布美枝から学校は楽しいかと聞かれると、ますます不機嫌になって部屋に閉じこもってしまった。

 その夜、漫画の構想を練るので頭がいっぱいな茂を捕まえて、布美枝は藍子のことを相談した。しかし、茂はまともに取り合わない。子供は創作をするものだから作文のことは瑣末だ、娘は健康に育てばそれでいい、などと話もそこそこに仕事に戻ってしまった。布美枝は、茂に相談しても無駄だと思い始めるようになった。

 ふと茂の背中を見つめると、なにやら妖怪が取り付いているようにも見えた。

 そして5月の末。
 布美枝の実弟で、騒動の末ミシン問屋に婿入りした貴司(星野源)が調布に遊びに来た。

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