ゆかりにはゆかりの深い当方である。
一条ゆかりの「有閑倶楽部」は全巻読破した (なお、現在放映中のドラマは見ていない)。
鈴虫寺の記事のマクラに出てくる同級生の女の子の名前は、こっそり白状するとゆかりちゃんである。
愛知県に出かけたときは、できる限り海老煎餅の「ゆかり」を買うことにしている。
いかに当方がゆかりにゆかりがあるか分かってきたことと思う。
しかし、さらにゆかりとのゆかりは続く。
当方の「ご飯の3大お供」といえば、納豆、永谷園のお茶漬け、そして「ゆかり」である。
ゆかりとは、広島の三島食品が発売している赤しそを粉末状にしたふりかけである。
ゆかりがあれば、とりあえず丼飯2杯はいけるところである。
話は今日の昼、社食でのできごとに移る。
そこには、おにぎり2個が100円で売られていた。
ただし、海苔が巻いてあるものと、のりたまのようなふりかけのかけられたものとのセットであった。
以前、この食堂でゆかりちゃんのかけられたおにぎりがあったことを僕は知っている。
そこで、食堂のおばさんに、ゆかりちゃんにぎりはないかと尋ねてみた。
すると、おばちゃんは親切にも
「ゆかりちゃんのおにぎり、すぐ作りますよ。2個ともゆかりちゃんでいいですか?」
と言ってくれた。
もちろん、ダブルゆかりちゃんで、即刻オーダー。
満面の笑みで、ゆかりちゃんにぎりを食す。
ちなみに、すでに僕はゆかりちゃんのことを呼び捨てにできない体になっている。
とはいえ、もともとは食堂のおばちゃんが「ゆかりちゃん」とちゃん付けで呼んでいたのにショックを受けたのがきっかけだけど。
なんかね、ゆかりちゃんって呼ぶと、可愛い女の子にいたずらしているような、インモラルな興奮が得られるのさ。
僕だけかもしれんけど。
なお、しそのふりかけがなぜ「ゆかり」と呼ばれているかには深い理由がある。
あのふりかけは紫色だが、実は紫のことを「ゆかり」と呼ぶのだそうだ。
三島食品のゆかりちゃんのコーナーに
古今和歌集の中に、
紫のひともとゆゑに むさし野の 草はみながらあはれとぞみる (読み人知らず)
とあります。これは「むらさき草がひともと(1本)咲いている、という”縁=ゆかり”だけで、武蔵野の草花が皆いとおしく、身近に感じてしまう」という意味になるそうです。この「縁」あるもの、「ゆかり」あるもの=むらさき草で、ゆかり(縁)の色は紫色を言うようになりました。
と説明されている。
目をつぶれば、肩口で髪を切りそろえ、紫色の和服を着たゆかりちゃんという奥ゆかしい女の子が、じっと花を見つめながら自分との逢瀬を懐かしんでいるんじゃないかという妄想も沸いてくる。
僕だけだと思うけど。
ところで、「ゆかり」と「ゆか」は似ている。
ゆかにもゆかりの深い当方である。
続きを読む →