Crazy Ken Bandの「ある晴れた悲しい朝」が1年ぶりに頭の中でぐわんぐわんと鳴り響いている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第149回目の放送を見ましたよ。
2006年(平成18年)3月ひな祭り。
糸子(夏木マリ)は店の者に言って、雛人形を店に飾らせた。春は糸子の好きな季節だ。何度来ても嬉しいと言う。平和で穏やかで豊かな時間だった。
糸子は軽いめまいを覚えた。水を飲もうとキッチンに向かい、そこで倒れた。
すぐに救急車で病院の集中治療室に搬送された。意識不明となり、命も危ない状態となった。
糸子の娘たちは連絡を受けるやいなや、岸和田に帰ってきた。
ロンドンで暮らしている聡子(安田美沙子)の到着は当然遅れた。糸子が倒れた翌日の夜にやっと関空に着き、そこから急いで病院に駆けつけた。ところが、聡子が糸子の病室に入ろうとすると、中の様子がおかしいことに気づいた。姉たちの笑い声が漏れ聞こえてくるのだ。
訝しみながらドアを開けると、優子(新山千春)と直子(川崎亜沙美)がパジャマ姿で簡易ベッドに寝転がり、冗談を言い合っていた。互いのすっぴん姿を見るのは久しぶりで、その姿がおかしくて仕方ないと言うのだ。そして、いつものように優子と直子が言い争いを始めた。優子は仕事の都合がつかずに、糸子が倒れた翌朝にならなければ来ることができなかった。その日のうちにやって来た直子は自分が一番手柄だといって優子をバカにするのだった。
緊張感のない姉たちの様子に腹を立てる聡子であったが、すぐに姉たちの雰囲気にのまれた。糸子は意識不明のままであるが、こうして親子がひとつの部屋で寝るのは子供時代以来なので、自然と嬉しくなってしまうのだ。
しかし、糸子の容態の話になると、3人とも暗く沈んだ。糸子は今夜がヤマなのだという。そんな話をしているうちに、姉妹はベッドの中でさめざめと泣いた。
ところが、翌朝、糸子が目を覚ました。それに気付いた3人姉妹は、嬉しくなって大声で騒ぎ始めた。糸子は自分が倒れた事情を思い返すよりも先に、娘たちを黙らせるのに躍起にならざるを得なかった。
糸子が無事に峠を越えたことで、3人姉妹は安堵し、すぐに仕事に戻ることにした。彼女らはすでに糸子の事を忘れたように、仕事の情報交換を始めた。糸子は完全に蚊帳の外に置かれたが、悪い気はしなかった。娘たちが活き活きとしている姿を頼もしく眺めていた。
そして、娘たちが明るく去っていくのを微笑みながら見送った。
ひとりになった糸子は、娘や店の従業員、病院スタッフの一人ひとりの顔を思い出しながら、心の中で感謝の言葉を送るのだった。そして、自分はなんと果報者なのだろうかとしみじみ思うのだった。
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