まあだだよ

名匠・黒澤明の遺作となった作品「まあだだよ」を見た。
wikipedia で黒澤明の作品リストを眺めてみたが、僕は1本も見たことがないことがあらためてわかった。
別にクロサワを見たからといって偉くなるわけではないが、なんとなく教養が足りないような気がしないでもない。

1993年作品の「まあだだよ」は存在だけは知っており、所ジョージが好演しているという噂も聞いてはいた。
なんとなく興味はあって頭の片隅に留めていたのだが、結局そのままになっていた。

それが先日、この作品が内田百閒をモデルにした作品だと知り、俄然興味が増したのである。
そんなわけで、レンタルDVDで見た。

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ゴッドファーザー

見た。

3時間弱もある映画にもかかわらず、途中どうしても用を足したくなって一時停止してトイレに行ったこと以外、一時も目を離さずにきゅーっと全神経を集中させて見た。

近年の映画に比べれば、とってもシンプルで短いエンディングロールが、例の有名なテーマ曲とともに終わったとき、ふーっと大きなため息が出た。
全身の緊張が一気に弛緩した。
どうやら強くこぶしを握りすぎたらしく、手のひらを開けて見ると点々と爪の痕がついていた。

この映画を見るきっかけは、当blogのこの記事に因る。
原田宗典の映画エッセイ『私は好奇心の強いゴッドファーザー』を読んで、映画「ゴッドファーザー」に興味が惹かれたからである。

そのときの記事では、「ゴッドファーザーは、シミジミとした感情が沸き起こるらしい」てなことを書いていたが、実際に見てみたところでは、そんな気持ちのいいもんじゃなかった。
僕が見ていて感じたことは、メンツや権力欲に駆られて生きることのバカバカしさだ。

長い映画だし、たくさんの登場人物(とその思惑)が錯綜するので、見る人やその時の気分で大きく印象が変わる映画なんだろうと思った。
原田宗典が「シミジミした」というのも正しい側面なんだろうし、僕のように「バカバカしい」というのも別の視点からは正しいのだろう、きっと。

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『オリヲン座からの招待状』は原作で十分だと思った。

映画『オリヲン座からの招待状』を先日見た。
映画を見る数日前には、浅田次郎の原作(『鉄道員』に収録)を読んでいた。

当然、映画と原作を比較してみてしまうわけで。

僕は、原作を読めば十分だと思う。
映画だと1,800円ほど払って2時間も拘束されるわけだが、原作は文庫で500円だし30分もあればサラリと読める。
コストパフォーマンスで比較すれば、明らかに原作だ。

ただし、コストパフォーマンス以外に映画版と原作で大きく異なる部分がある。

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『私は好奇心の強いゴッドファーザー』原田宗典

『私は好奇心の強いゴッドファーザー』は、原田宗典の映画にまつわるエッセイ集。
本書の中で紹介されている映画作品は、文末にあざとく amazon アフィリエイトのリンクを貼っておく。そちらを参照しつつ、興味があれば購入していただければと邪念を抱いている。

ていうか、リストにして分かったのだが、本書に紹介されている映画を僕は1本たりとも見ていない。
「私は好奇心の強い女」だの「自由の幻想」だの、(少なくとも僕は)ほとんどその名を見かけないような映画は仕方ないとしても、「エイリアン」だの「007/ロシアより愛をこめて」だの「ゴッドファーザー」だの、超有名映画まで見ていない自分をかなり恥じる。
見ていないどころか、あらすじも知らないことに気づき、自分の文化レベルの低さに辟易してしまう。

少しでも知識を吸収しようと、本書を熟読し、各映画について勉強しようと思った。
しかし、徒労に終わった。

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300 [スリーハンドレッド]

スリーハンドレッド映画「300」を見てきた。

当方の好みに合う、お気に入りの映画だった。
しかし、万民ウケはしないだろうと思った。
#自分の好みと、他人の好みが必ずしも一致しないことは思春期のころから如実に理解している当方。だって、山瀬まみに対する愛情が他人の共感を得ることは少ないから。

ギリシアに侵攻してきたペルシアの大軍を、たった300人のスパルタの精鋭兵たちが迎え撃つという内容。
2時間の尺のうち、戦場80%、政治的暗躍10%、エロいシーン2%、その他3%という感じだろうか。
このことをまとめると
「画面から漂う、大量の血生臭ささと、ほのかなイカ臭さ」
というところだろうか。

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「東京タワー」試写会キャンペーン by Kampo

郵便局の簡易保険 Kampoのサイトで、オダギリジョー、樹木希林主演の映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の特別試写会キャンペーンが開催されています。
WEBから簡単なアンケートに答えて応募します。
締め切りは、2007年2月28日。

スケジュールは以下の通り。

  • 3月18日(日) サンシャイン劇場(東京) 410組(820名)
  • 3月24日(土) 大宮ソニックシティ(埼玉) 240組(480名)
  • 3月25日(日) エル・おおさか(大阪) 400組(800名)
  • 3月25日(日) 都久志会館(福岡) 310組(620名)
  • 3月31日(土) 新都市ホール(神奈川) 490組(980名)

「ZガンダムIII: 星の鼓動は愛」を斜めから観る

今夜、NHK の「ニュースウォッチ9」を見た。

トップニュースは「日米親善高校野球試合に向けて、早実の斎藤投手と駒苫の田中投手が横に並んで投球練習をした。オマケに、選手全員がハンドタオルを携帯している」というものだった。
2本目は、家庭内の何かの機械に不具合があってメーカーがリコール修理したら、工法に問題があって白煙が上がる事故が多発したというものだった。その機械が何だったかは忘れた。
3本目は、「惑星の定義が変わって、冥王星が惑星と認められなくなったことの続報」だった。

そう、冥王星。
はたして、「機動戦士ZガンダムIII: 星の鼓動は愛」(2006年3月公開)では冥王星はどのように描かれているのか。
調べてみた。

この作品のエンドロールでは、太陽系の内側から外側に向かってカメラがパンしていくという演出になっている。
映像を見ながら、ブツブツつぶやく。
「水、金、地、・・・あ、月だ・・・コロニーも描かれてるぞ・・・、火、・・・アステロイドベルト。アクシズの残党はここに逃げ込むんだよね・・・、木、土、天・・・」

海王星と冥王星

「海、冥!」

やはり、冥王星は描かれていた。

そのほか、エンドロールの見所といえば、8月6日に亡くなった鈴置洋孝さん。

ブライト・ノア 鈴置洋孝

ちゃんと、ブライト・ノア役でクレジットされている。
嗚呼、亡くなる前に「閃光のハサウェイ」(小説をAmazonで買う)のアニメ版が見たかった・・・。
ラストシーンのブライトとハサウェイのねじれた父子関係が泣けるんだ。

もう1人、ガンダムシリーズの名優といえば、セイラ・マス役の故・井上瑶。この映画の公開時にはすでになくなっていたのだが・・・。

セイラ・マス 井上瑶(ライブラリー出演)

なんだよ、「ライブラリー出演」って?

以下、DVDを見ながら気づいた「ガンオタ向けの小ネタ(MS編)」の列挙。
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ヨコハマメリー

ドキュメント映画「ヨコハマメリー」がとても気になる。

歌舞伎役者のように顔を白く塗り、貴族のようなドレスに身を包んだ老婆が、ひっそりと横浜の街角に立っていた。本名も年齢すらも明かさず、戦後50年間、娼婦としての生き方を貫いたひとりの女。かつて絶世の美人娼婦として名を馳せた、その人の気品ある立ち振る舞いは、いつしか横浜の街の風景の一部ともなっていた。”ハマのメリーさん”人々は彼女をそう呼んだ。

「ヨコハマメリー」解説より)

主題歌は「伊勢崎町ブルース」らしいし、映画の中でゲイのシャンソン歌手がキーマンらしいし。
この泥臭さ、すごく興味が引かれる。

4月15日に新宿(テアトル新宿)と横浜(横浜ニューテアトル)で公開とのことだけれど、うちの近所でも上映してくれないかなぁ。

<梅田12/24> ジョージ・マイケル~素顔の告白~

街を歩けば、・・・ていうかコンビニに入っても有線で “Last Christmas” by Wham! が流れてくる今日この頃。
皆様におかれましては、今年のクリスマスの恋人の準備は万全ですか?
まだの人は残り1週間のラストスパートをがんばりましょう。
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