NHK『純と愛』第2回

昨日のまとめ記事で「宝塚のオバQ」と言った際、頭に浮かんでいたのは『機動戦士のんちゃん』(YouTubeで見る)に出てくるQちゃんのことであって、藤子不二雄のオリジナルではなかったことに思い至った当方が、NHK朝の連続テレビ小説『純と愛』の第2回めの放送を見ましたよ。

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第1週「まほうのくに」

純(夏菜)は大阪のオオサキプラザホテルの前にいた。これまでの就職活動はことごとく失敗し、もうこのホテル以外に望みはなかった。今日の最終面接にかける気合は十分であった。

面接会場であるオオサキプラザホテルに入ろうとした時、人ごみの中をよそ見しながら歩いてくる男(風間俊介)とぶつかり、純は転んでしまった。
男は純の顔をじっと見た。勝気な純は睨み返してたしなめるが、男は目をそらそうとはしなかった。
「初めてだったから、つい・・・」
などと不可解なことを言うばかりであった。
やっと男は去って行ったが、少し離れた所に立ち止まり、再び純のことを凝視した。薄気味悪くなった純は足早に離れてホテルへ向かった。

最終面接は、志望者5人の集団面接だった。面接官はホテルの重役らしい5人であった。
それまで順調に面接は進んでいたが、純の前の志望者(黒木華)が話している時に、いきなり面接官・米田(矢島健一)の携帯電話がけたたましく鳴った。さらに別の面接官・露木(や乃えいじ)が遠慮のない大きなくしゃみをした。そのせいで彼女は動揺してしまい、言いたいことがほとんど言えずに終わってしまった。純は彼女のことを少々気の毒に思ったが、この場では情けをかけるわけにはいかなかった。

続いて、純の番である。
志望動機を聞かれるや否や、単刀直入に
「社長になりたいから」
と高らかに言い放った。その一言に場が凍りついた。

しかし、そんな純に興味を持った者が一人だけいた。
その男(舘ひろし)は面接官の後ろに控えて座っていた。彼は社長になってどうするつもりかと尋ねた。
純の答えは「魔法の国」を作りたいというものだった。宿泊客が笑顔になって帰るホテルを作りたいというのだ。そのための秘訣は、経営者の愛が溢れていることであり、自分がそうしたいというのだ。

純は自分の祖父(平良進)が作ったホテルのことを話した。元々は自動車整備工場を経営していたのだが、祖母が不治の病にかかった時にホテルを作った。それまでは仕事が忙しくてろくに旅行に連れ出すこともできなかった反省から、そこにいるだけで世界中を旅している気分になれるようなホテルを作りたかったのだという。
そこには、祖父の祖母に対する愛が溢れていたのだという。それが純の理想なのだ。

その時、再び米田の携帯電話が鳴った。遠慮することなくメールを読んではニヤニヤしている。露木も二度目の大くしゃみをした。まったく悪びれるところがなかった。
純は腸が煮えくり返った。しかし、他に就職できるあてがないので我慢しようとした。

しかし、できなかった。
携帯電話やくしゃみのことを純は激しい口調で避難した。そのせいでペースを乱された別の志望者のことを弁護した。司会役の面接官・中津(志賀廣太郎)にやんわりとたしなめられるが、純の勢いは止まらなかった。
中津が「時間がないので穏便に」と言ったその一言でますます激昂した。

志望者側は、この短い時間に自分の一生をかけている。その瞬間を良い物にしたいと願っている。それを台無しにしたのは、面接官側であると食ってかかった。
そもそも、ホテルの理念は短い滞在期間で客を満足させるというものだ。相手との短い時間の交流を大事にしないことは、ホテルで働く者として失格である。重役がこのような体たらくでは、このホテルは遅かれ早かれ潰れてしまう。
そう啖呵を切った。

面接は終わった。もうオオサキプラザホテルへの就職は叶いそうにない。

広場で落ち込んでいると、面接前にぶつかった男がまだそこにいた。そして、じっと純のことを見つめている。気味悪く思った純は慌てて立ち去るが、男はずっと追いかけてきた。慣れないヒールで転んだ拍子に男に追いつかれてしまった。

男は、純の顔をまじまじと見つめ、
「どうしてももう一度確かめたくて。でも、それがなんなのか、説明してもわかってもらえないと思う。」
などと、意味不明なことを言うばかりであった。

純の怒りは頂点に達した。
失礼な面接官に対する怒り、面接で自重することのできなかった自分自身への怒り。そこへ、この不気味な男への怒りが加わった。
今にも暴れだしそうだと言って、男に警告した。しかし、彼はなかなか立ち去ろうとしない。

焦れた純は自ら立ち去った。
純の背中に対して、男は
「あなたはそのままでいてください。ずっと、そのままでいてください。お願いします」
などと、ますます意味不明なことを言うのであった。

純は混乱した。

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NHK『純と愛』第1回

彼女に恨みは全くないのだけれど「げっそり痩せたオバケのQ太郎が宝塚歌劇の男役として登場したような感じだ」などといきなりdisってしまう当方が、NHK朝の連続テレビ小説『純と愛』の第1回めの放送を見ましたよ。

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第1週「まほうのくに」

那覇に住む大学3年生の狩野純(夏菜)は、久しぶりに実家のある宮古島(Google mapsで場所を確認)に帰ってきた。
就職活動シーズンが始まる前に、純は自分の進路についてある決意をしていた。彼女は、自分の実家のホテルを継ごうと思っているのだ。

実家のホテル・サザンアイランドは、母方の祖父・真栄田弘治(平良進)が開いたホテルだ。10年前、大阪で仕事を失った父・善行(武田鉄矢)は逃げるように宮古島にやって来て、母・晴海(森下愛子)の実家に一家で世話になることになったのだ。
当時幼かった純(安養寺可蓮)は、初めてホテルを見た時のことをよく覚えている。まるで「魔法の国」だと思ったのだ。一歩建物に入ると、全てのものが輝いて見えた。どんなにふさぎ込んでやって来た宿泊客であっても、祖父のもてなしを受け、帰る頃には満面の笑みになっていた。それがまるで魔法のようで、純は大いなる憧れを抱いていたのだ。
ロビーの中央には昔ながらのジュークボックスがあり、それがひときわ光り輝いていた。

しかし、祖父が亡くなった後、父が跡を継ぐやホテルはすっかり様変わりしてしまった。
建物の中は薄暗く、辛気臭い。宿泊客はどこか憮然とした表情で帰って行く。それを送り出す父もまったくやる気がない。
その現状を知っている純であったが、目のあたりにすると、ますますやり切れない思いになった。憧れの「魔法の国」はもう存在していなかった。ジュークボックスはもう壊れて動かない。

純は祖父の言葉を思い出していた。
「人の運命なんて最初から決まっていない。人生の一つ一つの選択が運命になる。」
その言葉を胸に秘め、純は父に直談判するのだった。

純はホテルを継ぎたいと申し出た。「ホテル・サザンアイランド再生計画」という手書きのノートを携え、自分なりの経営方針を披露した。しかし、父・善行はノートを数ページめくっただけで、それを放り投げてしまった。
そもそも純と折り合いの悪い善行は、ホテルの経営がうまくいかないのは自分のせいではないと責任転嫁した。地元の連中が観光客へのもてなし方やインフラの整備を進めないのが原因であって、自分はそのわりを食っているだけだと言い訳した。今のやり方を変えるつもりは全くない様子だった。その上、ホテルは長男の正(速水もこみち)に継がせるつもりであり、純がその下で指示に従うなら雇ってやってもいいと居丈高に言った。

父と純のやり取りを、他の家族は聞こえないふりをするばかりだった。跡取りとして指名された兄・正は、積極的な意思は見せなかったが、他にすることもないので受け入れるという風だった。大学を2浪中の弟・剛(渡部秀)は自分の飯を食うのに熱心で、やり取りを全く聞いていなかった。
母は心配して成り行きを見守っていたが、表立って純を援助する立場にはなかった。

ついに純は喧嘩腰になった。
祖父の遺したホテルがダメになるのを見ていられない、やる気のない善行が全てをダメにしているのだとはっきりと言ってしまった。
その言葉に善行は激昂した。二度と家の敷居を跨ぐなと言い捨て、純を追い出してしまった。
失望した純は父に見切りをつけた。
「うちよりデカいホテルの社長になってやる」
と啖呵を切り、家を出ていった。

外まで追いかけてきた母・晴海(森下愛子)であったが、純を引き止めることはしなかった。そのかわり、自分の気持ちを代弁してくれたと感謝した。晴海も祖父の作り上げた「魔法の国」が消滅したことを苦々しく思っていたのだ。
母が同じ気持ちでいることがわかって安心したものの、純は悔しくてならなかった。半べそをかきながら、一度も振り返ることなく家を去った。そして、二度と宮古島には帰ってこないことを決意した。

そして半年が経った。
本格的に就職活動が始まり、純は大阪にいた。オオサキプラザホテルという大阪でも一二を争う大きなホテルの就職面接を受けに来たのだ。

会場に入ろうとした時、人ごみの中でよそ見をしながら歩いている男(風間俊介)とぶつかって、純は転んでしまった。

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あるにゃんカレンダー

フェリシモ猫部 http://www.felissimo.info/neko/index.htmlのトップページにあるにゃん登場。
FELISSIMOから発売されている猫写真の日めくり「まいにちにゃんこ」の10月1日にあるにゃんの写真が採用されており、それがそのまま掲載されています。

10月1日はあるむの日

なお、「まいにちにゃんこ2013」にもあるにゃんの採用が決まったようです。めでたい。

こちらも一緒に。
あるむの日(あるむのママになった私の独り言)

義経と弁慶(交通科学博物館と鉄道博物館の蒸気機関車)

昨日、さいたま市の鉄道博物館へ行ってきた。

車両展示場の中に「辨慶」という蒸気機関車が展示されていた。


これを見た瞬間にピンときた。相棒の「義経」は大阪市の交通科学博物館に展示されている。


そんなわけで、判官びいきが高じて義経&弁慶が好きになりすぎた人や、北海道の開拓時代に活躍した蒸気機関車をリスペクトしたい人は大阪と埼玉の両博物館をハシゴすべきです。
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立ってるワニ

当方の大好きな漫画、サライネス『誰も寝てはならぬ』の3巻(2005)p.61に以下のような記述がある。

立っている偽物のワニ(『誰も寝てはならぬ』3巻)

ハルキという登場人物が、ワニのマークで有名な LACOSTE の偽物の服を持っていたという話である。
なお、右のコマは「交尾しているワニ」というネタである。

本当にそんなもんあるのかよ?と思っていたのだが、本当にあった。
しかも、別の漫画に。

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NHK朝ドラ関連ネタ3つ

【『おひさま』10月より再放送開始】
2012年10月のBSプレミアム番組表(PDF)を見たところ、『おひさま』の再放送が始まるようです。
現在(2012年4月-9月)は『ゲゲゲの女房』が再放送されている7:15-7:30の枠です。

しかも驚くべきことに、『おひさま』は7:15に加えて、19:00からも放送されるという。なんと1日2回。
名作と呼ばれる『ゲゲゲの女房』ですら1日1回だけだったのに、2回もやるとは。

2012年10月BSプレミアム番組表の一部

ていうか、『おひさま』は(以下自粛)。

なお、昨日、『おひさま』の舞台である長野県安曇野市までドライブしてきた当方ですが、その時は再放送のことを知りませんでした。


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俺の体調不良7日間戦争は、まあまあかわいい看護婦さんの生太ももを戦利品として終結の兆しを見せはじめていると信じたい

【1日目】
先週火曜日夜、38.2度の熱が出た。
数日前から肩と腰が凝っているなぁとは思っていた。軽い風邪かもしれないとは思ったのだが、鼻水もくしゃみも咳も出ないし、喉は痛くないし、寒気もしないので、風邪ってほどでもないかもしれないな、と思っていた。

しかし、この熱だ。念のため風邪に効くという漢方薬を飲んで寝た。
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FMぐんまラジオ特別授業2012 Vol.1 みうらじゅん

2012年9月9日(日)14:00-16:00に群馬県前橋市群馬会館で行われた、『FMぐんまラジオ特別授業2012 Vol.1 みうらじゅん特別授業』の公開録音に参加してきた。
収録の模様は、9月16日(前編)、23日(後編)の13:00-13:55にFMぐんまで放送されるという。群馬県にお住まいの方は要チェック!

入り口の案内。入場は無料抽選の当選者のみ。僕は、当選した群馬在住の知人に連れて行ってもらった。

トークは、司会の川上直子のもと、みうらじゅんが受け答えをするという形式で進行。しかし、みうらじゅんがマイペースで話すものだから予定通りに進まず、司会が終始焦るという展開だった。
そのため、みうらじゅんの軽妙なトークと司会の慌てぶりを眺めるという趣向のトークショーとなった。
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映画『愛の新世界』を見た

鈴木砂羽のデビュー作にして、彼女のヘアヌードを見ることができると聞いていきり立った当方が、映画『愛の新世界』のDVDを見ましたよ。

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小劇団の看板女優である佐久間レイコ(鈴木砂羽)は、生活費と劇団活動費用の捻出のため、渋谷のSMクラブで女王様として働いている。
レイコは女王様としての自分に誇りを持っており、奴隷の調教に妥協はない。奴隷たちもレイコに従順に従っている。

レイコは女優業と女王業を表裏一体であると考えている。金にならない劇団のために女王様の仕事は続けなければならないし、自分が女王になりきって奴隷を調教することは芝居の上達に貢献するとも考えている。
そして何よりも、レイコは女にしかできないこの仕事を心の底から楽しんでいた。

鈴木砂羽が演じる女王様レイ

レイコのSMクラブがある雑居ビルには、デートクラブの事務所があった。いつしかレイコは、仕事の行き帰りによく顔を合わせるホテトル嬢アユミ(片岡礼子)と仲良くなった。
アユミは、いつしか玉の輿に乗ることを目的に、医学部を目指す三浪の男(松永博史)や司法試験を目指す文学部の男(武田真治)に貢いでいる。そのための金を自分の体を売って稼いでいるのだ。

片岡礼子が演じるホテトル嬢アユミ

アユミにも悲壮感はなかった。レイコと意気投合し、今の生活を楽しむのだった。

レイコとアユミは昼はそれぞれ別だった。しかし、夜になれば渋谷で仕事をし、明け方頃からふたりで連れ立って遊びまわった。
ふたりは明け方の海を見たがった。そこで開放的な気分を味わいたがった。

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夢の寺子屋: 大修学旅行2012

2012年9月1日、安齋肇、泉麻人、みうらじゅん、山田五郎という豪華サブカル人脈4人が集まるイベントがあるとのことで、京都市駅前のホテル銀閣へ行ってきた。
イベントの名称は「夢の寺小屋: 大修学旅行」というもの。

とにかく4人を見たかったので参加することは決めたが(前売り券5,500円)、内容はよくわからなかった。チラシに明記されていないし、WEBで調べてもどういうイベントかよくわからなかった。
見終わった今でもあのイベントは何だったのか一言では説明できないが、とにかく5,500円分は楽しめたし、何か修学したような気もする現在である。


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