NHK『ゲゲゲの女房』第103回

 1日に12時間も運転をすると腕が軽い筋肉痛になることを思い知った当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第103回めの放送を見ましたよ。

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「悪魔くん復活」

 昭和41年夏。
 豊川(眞島秀和)は、『悪魔くん』を描くよう茂(向井理)に頼みに来た。鬼太郎はスポンサー受けが悪く、テレビ化できそうにない。そこで、受け入れられやすそうな『悪魔くん』の漫画化&テレビ化を進め、外堀を埋めてから鬼太郎のテレビ化を実現しようと画策しているのだ。

 しかし、茂は『悪魔くん』の再開には少しも気が進まない。彼自身『悪魔くん』は大傑作だと思っている。しかし、過去に戌井(梶原善)の出版社から貸本で出版したものの、あまりに不人気で打ち切りになった経緯がある。描きたい気持ちは強いのだが、また失敗してトドメを刺すのが恐ろしくて、踏ん切りがつかないのだ。

 布美枝(松下奈緒)も『悪魔くん』の大ファンの一人である。悪魔くんは、人々の幸せのために戦い、道半ばにして暗殺された。ただし、彼の復活がほのめかされるラストであった。執筆中に貧乏だったこともあり、布美枝は悪魔くんを茂に重ねて見ていた。いつか悪魔くんが復活するように、自分たちも貧乏生活から抜け出せると信じ、悪魔くんは希望の象徴だったのだ。自分たちが貧乏を脱した今、悪魔くんも復活する時期であると考えているのだ。

 しばし考え込んだ茂は、『悪魔くん』の再執筆を決意した。しかし、それを実行するためには戌井にスジを通す必要がある。そもそもは、戌井の出版社から出したシリーズであり、彼への義理があると茂は考えるからだ。
 相談を受けた戌井は、力強く茂を応援し、他社から『悪魔くん』を出版することを快諾した。戌井も同作品は傑作だと思っており、それが世の人々に読まれることを喜びだと思うからだ。本当は自分の会社から出版したいのだが、資金繰りが苦しくそういうわけにもいかない事情もあった。
 話がまとまるやいなや、茂は早速、新生『悪魔くん』の執筆に取り掛かった。

 その頃、戌井は妻(馬渕英俚可)からなじられていた。戌井は昔のよしみで仕事を頼み、人気者の茂の作品で、自分の出版社を立てなおそうと計画していたのだ。しかし、新たに『悪魔くん』に取り掛かると聞いて、忙しくなりそうな茂に依頼を言いそびれてしまった。元々は自分の会社で出していた『悪魔くん』を他社に取られた挙句、仕事を頼むことすらできなかった夫にハラワタが煮えくり返っていたのだ。
 しかし、漫画バカの夫に惚れた弱みもあり、それ以上は強く言えず、彼女はひとりでに納得してしまうのだった。

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根性試しに「ニュー・シネマ・パラダイス」

 映画『ニュー・シネマ・パラダイス』を見た。

 映画の時代設定は、第二次世界大戦終了直後あたりのイタリア。シチリア島の小さな村の映画館「シネマ・パラダイス」の中年映写技師と映画好きの少年の心の交流にかんする物語。やがて少年は成長し、映写技師の勧めもあって村を捨てる。中年になった少年が、自分の人生で得たものと失ったものを回想するという主題。

 古い映画の断片がたくさん出てくるので、映画フェチ垂涎の映画だろう。
 僕はそれほどの映画フェチではない。けれども、この映画は胸を張って良い映画だったと言える。たとえ上演時間が3時間(「完全オリジナル版」)あって、派手なシーンがないので油断すると寝そうになるという弱点はあるものの、この映画を観る前後で、僕は自分の人生に対する姿勢が軌道修正された。今まで右斜め方向(政治的意味ではない)に突き進んでいた僕の人生指針が、少なくとも3度位は正面方向に修正された気がする。

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NHK『ゲゲゲの女房』第102回

 今朝、家の周りでは初めてセミの声を聞いた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第102回めの放送を見ましたよ。

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「プロダクション旗揚げ」

 落ちこぼれアシスタントの菅井(柄本佑)は足を引っ張ってばかりだった。今朝は、完成間際の原稿にコーヒーをこぼしてしまい、経理担当の義姉(愛華みれ)ですら我慢の限界に達した。彼女は茂(向井理)に直談判した。それを偶然耳にした菅井は、自分はクビになると思い込んでしまった。
 茂は、菅井の今気強さ(単調な図形を黙って描き続ける)だけは評価しているという。しかし、それを聞く前に菅井は立ち去ってしまっていた。また、茂は、彼の滑稽な人間味が気に入っているのだった。

 落ち込んだ菅井は、仕事部屋で他のアシスタントに相談したが、彼らも冷淡だった。茂を呼びに行かせたのに、ひとりで帰って来てしまったことを倉田(窪田正孝)になじられる。彼はコーヒー事件を根に持っているのだ。小峰(斎藤工)は、漫画以外にも仕事はあるとぶっきらぼうに言うのだった。

 菅井は自分の机に書置きを残し、辞めるつもりでプロダクションを去った。居なくなった直後、布美枝(松下奈緒)が書置きを見つけた。布美枝は慌てて後を追っていった。
 しかしその時、菅井はまだ家から数メートルしか離れていなかった。上京してきた布美枝の妹・いずみ(朝倉えりか)に家の目の前で声をかけられた。布美枝からの写真や手紙で全アシスタントのことを知っていたいずみは、相手が菅井だと知っていたのだ。そのことが嬉しくなり、また、いずみが自分に惚れていると都合よく解釈した菅井は、何事もなかったかのように仕事に戻った。

 いずみは父(大杉漣)の命令で、布美枝の妊娠とプロダクションの手伝いに来たのだ。彼女は東京ぐらしに憧れていたので、渡りに船だった。父とは1年間の約束だったが、どさくさに紛れて東京に居座ろうという目論見もある。
 茂の大躍進による生活の激変、特に大勢が家に出入りすることで布美枝は精神的に辛い思いをし始めていた。そこへ、故郷の肉親が来てくれたことで、布美枝はほっとひと安心するのだった。

 その頃、鬼太郎のテレビ局への売り込みは失敗していた。豊川(眞島秀和)と船山(風間トオル)は打開案を練っていた。彼らの本命はあくまで鬼太郎なのだが、水木漫画の実績を作るために、まずは「悪魔くん」でスポンサーを獲得する方針に決めた。それが成功すれば、鬼太郎で大勝負に出ようというのだ。
 「悪魔くん」を見せられた船山は、それでは失敗するのではないかと訝しんだ。しかし、豊川は胸を張って「悪魔くん」を推すのだった。

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もちろん4年目

 ここ何年か、僕は当家の「あるにゃん記念日」を7月22日だと思っていた。毎年、22日にあるにゃんについての記事を書いていた。
 しかし、よく調べると、あるにゃんが当家にやってきたのは 2006年7月23日だった。

 僕はいつから誤解していたのか。翌年の2007年7月22日からだった。たった1年で勘違いし始めるなんて、自分がなんてアホなんだろうかと思う。

 これが人間の女の子だったら、「付き合い始めた記念日」とか「誕生日」とか「結婚記念日」だとか「サラダ記念日」だとか、そういう類のものを勘違いして覚えていたなどといったら、かなりの悲劇になったことだろう。

 幸いにしてあるにゃんは猫なので、そういう細かいことにはこだわらないようだ。ていか、猫の彼女は、そういうロマンチックな感情を持たないんだろうな、と思う。

 僕とロマンチシズムやセンチメンタリズムを共有しないあるにゃんのことを気に入らないわけではない。むしろ、サバサバした彼女の猫特有(ていうか、動物一般)の性格は気に入っている。湿っぽいところがないので、共同生活のパートナーとしては理想的な部分もある。

 4年経って、家の中の空間や、時間の使い分けについてお互いの領分がはっきりしてきた。お互いに必要最低限のこと以外は干渉しあわない、居心地の良い距離感が生まれた。たとえば、夏の暑い日は別々のところで寝るけれど、冬の寒い日はくっついて一緒に寝る。

 しかし、僕が寂しくてあるにゃんを構いたいタイミングと、あるにゃんが運動不足で僕にかまって欲しいタイミングだけはなかなか一致しない。不適切なタイミングで相手に一方的に近寄るので、喧嘩沙汰になる。そして、残念なことに、体が小さいあるにゃんの方が喧嘩に勝つ。僕は腕に生傷が絶えない。

 それでも、あるにゃんとの共同生活は楽しい。

抱っこ 抱っこ、抱っこ 抱っこ、抱っこ、抱っこ 抱抱抱抱 抱*5
4年前 3年前 2年前 1年前 現在

NHK『ゲゲゲの女房』第101回

 松田聖子の「夏の扉」を口ずさんでいる当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第101回めの放送を見ましたよ。

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「プロダクション旗揚げ」

 梅雨でジメジメとした季節。村井家には人間がすし詰め状態で仕事をしている。その上、家事をする布美枝(松下奈緒)や藍子(篠川桃音)が歩きまわり、電話のベルなどの騒音も激しい。

 ついに我慢の限界に達した茂は、自ら図面を引き、家の改築を行うことにした。やんわりと反対する布美枝の意見には耳も貸さず、早速大工を雇って工事を始めた。夏の盛りに、家は見違えるほどきれいになり、部屋も増えた。布美枝には近代的なダイニングキッチンがあてがわれた。
 以前の暮らしに比べれば夢のようだが、改築に金がかかった。またしても節約に励まなくてはならないことが、布美枝の悩みにもなった。

 茂は連日徹夜で仕事をしている。今日の締切りは、全アシスタントが残って徹夜作業だという。彼らの身体を案じる布美枝は、手作りの夜食を用意することにした。人が増えたせいで、大量の品物を買わなくてはならない。妊娠中なのに歩いて大量の荷物を運搬する布美枝に、乾物屋の女将さん(尾上紫)が心配して声をかけた。大事なときだから、手伝いの人を頼んで身体を気遣ったほうが良いと言うのだ。
 しかし布美枝は、他人がこれ以上家に出入りするのをあまり望んでいない様子だった。

 布美枝の実家の父母(大杉漣古手川祐子)も布美枝の身を心配し始めていた。東京に住む長女・暁子(飯沼千恵子)は夫の仕事の都合で地方に行くことになったため手伝いに行けない。母は自分が上京して面倒を見ると言うのだが、父はそれを押しとどめる。彼は何か妙案を思いついたようだ。

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タイトルも作者もわからない漫画

 以下の情報だけで、それがなんという漫画なのかわかる人はいるだろうか?

(1) 時代劇漫画(幕末物である可能性が高い)
(2) 作者は女性である
(3) 最近(少なくとも 2010年)、この作家初となる単行本が出た
(4) この作品は1巻で完結ではないらしい
(5) 講談社か集英社(もしくは小学館かも)あたりの大手からの出版らしい

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NHK『ゲゲゲの女房』第100回

 放送回数をインクリメントし、「ほふぅ」と小さく息を吐いた当方が、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の第100回めの放送を見ましたよ。

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「プロダクション旗揚げ」

 布美枝(松下奈緒)は、町の井戸端会議仲間に帳簿の付け方を相談した。茂(向井理)がプロダクションを作ったら、自分が経理を担当しようと思っているからだ。簿記の勉強をすると良いとアドバイスされ、早速問題集を入手して家へ帰った。

 家には、茂の兄夫婦(大倉孝二愛華みれ)が会社設立の発起人になるための打ち合わせに来ていた。ついで経理担当者を相談しはじめ、兄嫁に任せることになった。彼女は簿記の資格を持ち、職務経験もあるため最適なのだ。
 布美枝は自分が手伝おうと思っていたことを言い出せなくなってしまった。人々が集まってワイワイと仕事をしている声を聞きながら、布美枝は2階の部屋でひとりで洗濯物を片付けはじめた。自分が手伝えなくなったことが残念であり、疎外感も感じるのであった。しかし、今は元気な子供を生むことが何より大事なことだと自分に言い聞かせ、奮い立たせた。

 昭和41年6月。ついに、株式会社水木プロダクションの設立の日がやって来た。関係者を招待し、村井家で宴が催された。とても賑やかで明るい宴席であった。

 そこへ、少し遅れて戌井(梶原善)がやって来た。戌井は茂のことを一心同体のように思っており、茂の成功が何よりも嬉しい。茂の方も、不遇の時代を一緒に乗り越えてきた同志として、彼を大歓迎する。しかし、今や人脈の広がってしまった茂は、挨拶も終わらないうちに引っ張られていってしまった。その様子を見ていて、戌井は疎外感を感じてしまった。

 戌井の姿が見えないことを心配した布美枝が探しに行くと、彼は庭でひっそりと盃を傾けていた。戌井は昔を思い出し、世間から認められなくても布美枝だけは茂の成功を信じおり、それが実現したとしみじみ話す。布美枝はそのことを喜ぶ一方で、この成功がいつまで続くのかと不安も感じ始めているのだった。

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