NHK『おしん』第1-6回(第1週)

空前の大ヒットを記録した名作ドラマだということは知っていたけれど一度も見たことがなく、総集編を見たらすっかりハマってしまった当方が、NHK連続テレビ小説アンコール『おしん』の第1週を見ましたよ。

* * *

(第1回)
1983年(昭和58年)早春。
三重県の志摩半島一円にチェーン展開するスーパーたのくらがあった。同チェーンは田倉一家によって経営されており、全16店舗が順調に運営されていた。この日、新たに17店目が華々しく開店しようとしていた。地元の名士を集めての開店記念式典も開かれる予定であった。

その直前、社長である田倉仁(高橋悦史)の家ではトラブルが発生していた。会社の副社長であり、仁の母であり、一家のご意見番でもあり、83歳と高齢である しん(乙羽信子)が姿を消したのだ。しんの部屋を調べてみると、お気に入りの着物や帯と共に、大量の下着も一緒に消えていた。どうやら、何かを思いつめて家を出ていったようである。

家族への伝言や置き手紙は一切なかった。しんの親族は彼女の真意をはかりかね、憶測を始めた。
しんの実の娘である崎田禎(吉野佳子/現・吉野由志子)や、養子である八代希望(野村万之丞/現・野村萬)は嫁姑の確執を疑った。仁の妻・道子(浅茅陽子)の実家からはスーパーの経営に関して資金援助を受けていた。そのため道子は家の中で大きな顔をしていた。しんも気の強い性格であり、道子と衝突したこともあったというのだ。家長であり社長であるはずの仁であるが、母にも妻にも頭が上がらず、そのせいで嫁姑問題をこじらせているというのが兄弟たちの見立てであった。
一方の道子は、しんの家出を自分のせいにされてはたまらない。新店舗の設置に関して、しんが反対していたという事実を指摘した。まさにその開店日に出奔したことを引き合いに出し、仁に対する無言の抗議こそが家出の理由であると言って引かなかった。

血縁の有無を別にすれば、現在しんには4人の子がいる。
次男の仁は道子を妻とし、3人の子がおり、長男・剛(宮本宗明)も同じスーパーで働いている。しんの次女・禎は崎田辰則(桐原史雄)と結婚し、夫もスーパーの役員として働いている。しんの養女として初子(佐々木愛)がおり、彼女は実子たちへの遠慮もあってほとんど家には寄り付かず、今日の式典にも顔を出していない。
もう一人の養子に八代希望がいる。彼はしんからかわいがられており、その息子・圭(大橋吾郎)も特に気に入られていた。そのかわいがり方は、他の親族から軽いやっかみを受けるほどだった。

圭はしんのいなくなった部屋で古ぼけたこけしを見つけた。そのこけしは、希望が小さかった時にはすでにあったものだという。圭は、しんからそのこけしのいわくを聞いたことを密かに思い出していた。

(2回)
スーパーの開店式典に出る気のわかない希望と圭は自宅へ帰ってきた。

圭は、おしんの部屋で見たこけしのことを考えているうちに閃くことがあった。
父に旅に出たいと願い出て、行き先を告げないまま10万円を無心した。希望は圭の真意がわからなかったが、深く問いただすことはしなかった。東京の一流大学にストレートで合格し、今や20歳になっている息子に全幅の信頼を寄せており、彼が理由を言わないことには余程のことがあるのだろうと思い、言われるままに金を用意した。
圭は、大学の春休み中帰らないかもしれないと言って家を出た。

圭が夜行列車で向かった先は、山形県の山深くにある銀山温泉だった。
朝早くに現地に着くと、温泉街を歩くおしんの姿を見つけた。圭の予想通り、おしんは銀山温泉に来ていたのだ。

誰にも行き先を告げずに出てきたはずなのに、圭が追ってきたことをおしんは驚き、不思議に思い、呆れた。しかし一方で、思いがけない道連れができたことを嬉しくも思うのだった。

(3回)
圭が言うには、おしんの部屋にあった古いこけしを見て、居場所を推測したのだという。
普段は昔話や物に執着しないおしんが、なぜかそのこけしだけは大切にしていた。それを不思議に思った圭が、以前にそれについて聞いてみたことがあるのだ。いつもなら何も言わないおしんであるが、その日だけはこけしの由来を説明したのだ。

そのこけしは、幼い頃のおしんが初めて母と一緒に旅館に泊まった時に買ってもらったものだという。その時の旅館というのが、銀山温泉だったというのだ。圭はその時の話を覚えていて、一か八か銀山温泉へおしんを探しに来たのだ。
おしんは圭にうっかりと昔話をしてしまった過去の自分を呪った。しかし、圭がその話を覚えていて、こうして自分を探し当ててくれたことを愉快にも思うのだった。

一息ついた圭は、三重の父に電話でおしんの無事を知らせた。ただし、居場所については固く口止めされていたので伝えなかった。家出の理由はまだ聞き出せていなかったので、それは知らせることができなかった。父・希望も、おしんの頑固さをよく知っているのでそれ以上は聞こうとはしなかった。
希望は早速スーパーに出かけていって、他の兄弟たちにおしんの無事を知らせた。すると、他の兄弟たちは自分たちに連絡がないことを不服に思い、希望ばかりがかわいがられていることにますます腹を立てた。ついに、同居している嫁の道子の怒りは頂点に達し、もう家には帰ってこなくてよい、他の兄弟で引き取って欲しいとまで言い出す始末だった。

電話連絡を終えた圭は、おしんをたしなめた。おしんが家出の理由を言わないことで、親族が憶測にもとづいて疑心暗鬼になっていると言うのだ。嫁姑問題、もしくは会社経営に不満があると思われており、関係が悪化するばかりだと言って聞かせた。しかし、おしんは自分の真意はそこにはないと言って、笑い飛ばすだけだった。

おしんは圭を伴い、タクシーで山奥の村に向かった。タクシーの運転手(西村淳二)によれば、そこにあった集落はすでに廃村になり、誰も住んでおらず、今の季節では雪で閉ざされていてたどり着くのも困難だという。それでもおしんは聞く耳を持たず、とにかく車を向かわせるよう命じた。

途中まで向かうが、やはり雪が積もっており、車が通れる状態ではなかった。おしんはタクシーで行く事を諦めた。そのかわり、雪山用の準備を整えて、翌日に歩いて行くといって聞かなかった。
圭は、どうしておしんがそれほど頑なに行きたがるのかはわからなかった。しかし、彼女の思いつめた表情を見ていると、理由を問わずに助けてやりたくなった。圭は、自分がおしんを背負ってでも連れて行ってやると約束した。彼は中高生時代に登山をやっており、重い荷物を背負って雪山を登るのには慣れていると胸を張った。

(4回)
翌朝、旅館で長靴や防寒具を借り、おしんと圭は旅館を出た。
おしんは雪道には慣れているつもりだった。しかし、年老いた現在では思うように足が動かなかった。彼女には珍しく弱音を吐き、雪が溶けた時に再訪するといって引き返そうとした。しかし、どうしても彼女の願いを叶えてやりたい圭が本当におしんを背負って歩き始めた。
そうして、やっと目的地に着いた。

そこには、打ち捨てられた村落があった。みすぼらしい小屋が数件あるきりで、どれもほとんど朽ち果てていた。
その中の1軒の前に立ったおしんは、流れる涙を隠そうともしなかった。その小屋こそ、おしんの生家だったのだ。

旅館に帰ってきたおしんは呆然としていた。
一方、圭は感激していた。大好きな祖母の生家を見ることができて、心の底から嬉しいと思っていたのだ。
そんな圭の様子を見ていると、おしんは柄にもなく自分の身の上を話したくなった。

おしんは以前から何度も山形に来たいと思ったことがあったのだという。けれども、そう思っても実行しなかった。ところが、新店開店の前夜、どういうわけか眠りにつけず、山形のことばかり思い出されたのだという。山形に生まれ育った者は、誰しも長くて寒い冬や深い雪のことを忘れることができない。そんなことを思いながら眠れぬまま朝を迎え、辛抱ならずに家を飛び出してしまったのだという。
また、おしんは息子・仁の育て方を間違えてしまったと後悔している。今の仁のような商売のやり方では、早晩スーパーたのくらは潰れてしまうと予想している。仁がそうなってしまったのは、自分の育て方のどこかに間違いがあったはずなのだが、それがどこなのかわからない。

自分の人生を見つめなおし、自分の子育ての失敗点を見つけることが今回の旅の目的であると告白した。済んでしまった事をくよくよ思い悩む事は大嫌いだが、何か大切なものを忘れてしまったそれを取り戻さなければ、自分も息子もダメになってしまう。それを避けるために旅に出たのだと説明した。
圭の知っているおしんは、いつも冷静で感情を表に出す人ではなかった。そんなおしんが急に家出したり、故郷の村に執着したり、自分勝手なことをする姿を初めて見た。圭は、おしんの旅に最後まで付き合うことを決めた。

おしんの生家は、当時も小さくてみすぼらしい藁葺の小屋だった。すきま風がひどく、暖房といえば囲炉裏だけだった。それでも、おしんにとっては暖かくて幸福な家だったという。祖母と両親、6人の兄弟で身を寄せ合っていると、心の底からポカポカと暖かくなる心地がしたという。

おしんは、自分が数えで7歳(満6歳)の時のことを話して聞かせた。
当時、おしんは貧乏とは何かを知らなかった。周りの世帯も同じように貧しい暮らしだったので、自分たちの生活がしごく当たり前のものだと思っていたのだ。
おしんの家は小作農で、地主から5反の田んぼを借りていた。豊作の時でさえ、25俵(約1,500kg)しか米が獲れなかったが、半分は地主に収めなければならなかった。残りの12俵を9人家族で1年間食いつなぐのである。ましてや、不作の年には田植え前に米が尽きるなどという事もあった。その際には地主から米を借りることはできたが、結局、秋に返すことになるため少しも楽にはならなかった。当時、3年ばかり凶作が続いており、おしんの家の生活はどん底だった。

けれども、おしんの歳では貧乏というものがわからなかった。
4月からは学校にいけると信じ、母(泉ピン子)に学習道具を買ってくれとせがんでばかりいた。

(5回)
おしんは1901年(明治34年)に最上川の上流域で生まれた。
7歳当時のおしんの家は貧困であった。2反ある自分の畑で大根を栽培し、それをピーナツほどの大きさに刻み、同量の米と一緒に炊くことで飯をかさ増ししていた。
祖父は亡くなり、祖母なか(大路三千緒)はリュウマチのため農作業も機織りもできなくなってしまった。母・ふじと父・作造(伊東四朗)は、朝から夜中まで働き詰めだった。日中は農作業を行い、夜はわらじを編んで現金収入にしていた。冬は炭焼きに従事し、年中寝る間もなく働いていた。母ふじは新しい子を妊娠しており、折からの凶作と相まって、おしんの生家・谷村家の生活はこのままでは立ち行かなくなる瀬戸際だった。

おしん7歳の春、村にはまだ雪が残っていた。
父・作造は、おしんを奉公に出すことを決めた。母・ふじと祖母・なかは、年端のいかないおしんを奉公に行かせることを猛反対した。しかし、父の決意は固かった。このままでは一家全員が餓死するというのだ。作造はおしんに説明した。最上川を下ったところにある材木屋で子守りの奉公に行くこと、奉公先では腹いっぱい飯が食えること、2人の姉も奉公に行っているのだからおしんも同様に働かなければならないこと、家にももうおしんに食わせるコメがないことなどを言って聞かせた。

しかし、おしんは反発した。学校に行きたい、食事を減らしてもいい、農作業も手伝う、故に家に置いてくれと頼み込んだ。
当時、極貧がどういうものかわからなかったおしんは、ちょっとの我慢で物事が好転すると思っていたのだ。

おしんが圭にそんな話をしている頃、三重では小さな問題が持ち上がっていた。
仁の義理の弟で、スーパーたのくらの役員をやっている辰則がある情報を入手した。スーパーたのくら17号店の近所の商店街が、土地を大手スーパーに売り渡す契約を交わしたというのだ。地元商店街はスーパーたのくらの進出で壊滅的ダメージを負った。どうせ潰れるなら、大手スーパーに売り渡して廃業しようというのだ。商店街のある地域は、スーパーたのくら17号店よりも立地が良く、その話が進めば、今度はスーパーたのくらが大きな損害を受けることになるのだ。

(6回)
翌日、おしんと圭は最上川を訪れた。

幼いおしんは、その川で魚を1匹釣った。
近頃、祖母の食が細くなってきたのを心配したおしんは、滋養のある魚を食べさせてやろうと思ったのだ。ところが、釣った魚は同年代の男の子に奪われてしまった。釣り道具の持ち主はその男の子であり、その道具で釣った魚の所有権は自分にあると言い張るのだ。おしんと男の子は、魚をめぐって揉みあった。すると、足を滑らせたおしんは、雪解け水で冷たい最上川にはまり込んでしまった。

濡れて家に帰ると、母・ふじに叱られた。女が男と一緒に釣りなどしてはいけないと言うのだ。一方で、急に魚釣りを始めた理由を問われたおしんは、祖母に食べさせるためだと説明した。祖母・なかは、自分は魚は嫌いだから、もう二度と魚を獲るなと言うのだった。

しかし、それは祖母の方便だった。祖母が食事を摂らなくなった本当の理由は、家族の食い扶持を減らすためである。リュウマチで働けなくなってしまった自分が、一人前を食べる訳にはいかないと遠慮しているのだ。そのことは、母・ふじにもわかっていた。ふじは、おしんが心配するといけないので、祖母にはちゃんと食事を摂って欲しいと頼んだ。すると逆に、祖母はふじが身重であることを指摘し、ふじこそたくさん食べるべきであり、そのために自分の食事を減らすといって聞かなかった。

そのやりとりをおしんは聞いていた。そして、無性に悲しくなった。自分の家には全員に行き渡るだけの食料がないこと、そして、働けない者には居場所がないという世の無情を知ったのだ。

さらにショッキングな出来事があった。
ある日、夕方になっても母が帰って来なかった。おしんが探しに行くと、母が川に入っていくのが見えた。腰まで雪解け水に浸かり、腹の子を流そうとしていたのだ。

おしんは、ついに奉公に出されることを承諾し、家族の前で宣言した。自分が奉公に行く事で、祖母も一人前の飯が食えるし、生まれてくるはずの弟や妹が死ぬこともない。自分も奉公先で腹いっぱい食べられる。悪いことはないというのだ。

そう言ってはみたものの、幼いおしんにはまだ自分の決定の重大さがわかっていなかったし、迷いもあった。本心では、家を離れたくないと思っていた。
その矢先、口利きの源助(小倉馨)が米を1俵持って来た。おしんの奉公1年分の給金を先払いしてくれたというのだ。その米を見て、おしんは自分が売られたことを実感として知った。もう後には引けないと諦めざるをえなかった。

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フロントでわらわら黒木華(NHK『純と愛』第21回)

今朝は出張で『純と愛』の放送前に家を出なきゃいけなかったので、つまらないドラマだしもう二度と見るもんかと思っていたのだけれど、どうしても千香ちゃん(黒木華)が気になったわけで。23時からの「夜の朝ドラ枠」で見ました。
オオサキプラザホテルのロビーで暴力事件が発生し、警察(?)に連絡したのがフロント係の千香ちゃんでした。セリフはなかったけれど、異常事態に緊張し、わらわらしている様子を表情だけでうまく表現していらっしゃいました。黒木華は実力派女優、実力派女優は黒木華。
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←黒木華がじっと見ている(NHK『純と愛』第20回)

千香ちゃん(黒木華)を背景画像(WEB版)にしてみた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『純と愛』の第20回めの放送を黒木華目当てに見ましたよ。
今日の放送では、最初の10分間に大量に出演します。とてもすがすがしい朝でした。

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本日の黒木華、密かな人気の加藤千果(NHK『純と愛』第19回)

黒木華はワンシーンだけの登場。セリフなしの顔芸のみ。純(夏菜)と水野(城田優)がロビーで話しているのを、フロントの中から不安げに見るという場面。

そして、今日の隠し玉は加藤千果。この人、『カーネーション』で百貨店のエレベーターガールをやってた人です。かわいらしい関西弁で「上へまいりま~す」という、その一言で巷の男性陣のハートをキャッチアッププリキュアした人です。今日は、服屋の店員役で登場。柳原可奈子がモノマネするような、軽薄な店員を演じていました。笑った。しかし、かわゆい。
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今朝の黒木華、もしくは今夜の千香ちゃん(NHK『純と愛』第18回)

千香ちゃん(黒木華)はワンシーンだけ登場。
いつの間にか水野(城田優)を落とし、彼の部屋に入ることに成功。水野がシャワーを浴びている間、純(夏菜)に電話をかけ、部屋に来たことを報告。二人の仲が進展したので、純はもう水野に色目を使うなとわざわざ告げる。
嫌な女だぜ。しかし、黒木華がそう言うなら許せる当方です。
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今日の黒木華、そして山野さゆり(NHK『純と愛』第17回)

千香役・黒木華の登場は1シーン。純の不在中、外国人客への対応結果を教えてくれた。表面では純を慰めつつも、内心では純の失敗を小気味良く思っているという場面。
なお、それだけでは黒木華が少なすぎる。少なすぎるので、今日は会社を休ませてもらうことにしたことだし、彼女が声優を務めている映画『おおかみこどもの雨と雪』を見に行く。

そして、大先社長(舘ひろし)の愛人役で、山野さゆりが登場。この女優さんは僕と同い年なのだが、『カーネーション』で「中年女性」という役名で登場していた。「俺と同い年なのに、世間からは中年と呼ばれるのか」と思い、「俺も明日から中年と名乗ろう」と思うきっかけとなった人。
ご活躍、嬉しく思います。
当ブログの参考記事: 「33歳と37歳の間には深くて暗い谷がある」、「仮面ザイバー
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NHK『純と愛』第15回

僕が朝ドラに注目する理由は、NHKらしい手堅い脚本や出演者の演技はもちろんだが、ヒロインの故郷や職業を通じて地方の景観や風俗、職人芸、職業観などを垣間見せてくれるという「雑学的面白さ」への期待があるわけで、『ちりとてちん』(主演:貫地谷しほり)では福井県小浜市の名物や落語家の生態についてよくわかったし、世紀の駄作『だんだん』(主演: マナカナ)ですら島根県松江市の紹介だけは見事だったし実際に行って好きな街になったし、『つばさ』(主演: 多部未華子)を見てはいつか埼玉県川越市に遊びに行ったり和菓子を食べたいと願うようになったし、『ゲゲゲの女房』(主演: 松下奈緒)は隻腕・水木しげるの漫画を描く様子が見事に写実されていて舌を巻いたし、広島県尾道市が舞台の『てっぱん』(主演: 瀧本美織)を見てから初めて大林宣彦の「尾道三部作」に興味が湧いて原田知世の『時をかける少女』を見て楽しんだし、『おひさま』(主演: 井上真央)の長野県安曇野の風景の美しさに心打たれて先日ドライブに出かけたし蕎麦も食ったし、『カーネーション』(主演: 尾野真千子)を見て日本のファッション史のおおまかな流れを理解できて満足したわけであり素晴らしいわけでもあったわけだが、一方で『梅ちゃん先生』(主演: 堀北真希)とかありゃなんだ?東京蒲田という舞台も医者の仕事の裏事情もほとんど絵空事で架空の土地の架空の職業みたいな感じで少しも憧れを抱かなかったし、本作に関していえば、つい半月前までは沖縄県宮古島の位置すら知らなかった俺なのでそこがどんな場所なのかふんだんに紹介してくれるのかと期待していたのに九州訛りの大阪弁をしゃべる武田鉄矢が島民をこき下ろすだけだったり、ホテルの裏方の苦労ややり甲斐をめいっぱい紹介してくれるのかと期待していたら中学生が作文で想像して書くようなホテルスタッフしか出てこないからがっかりだし、ほんとどうにかしてくれよとブツブツ言っている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『純と愛』の第15回めの放送を見ましたよ。

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第3週「しんじるこころ」

兄・正(速水もこみち)が那覇にいる女性を妊娠させた。しかし、彼女と別れたがっている。実家の母(森下愛子)にせがまれ、純(夏菜)は那覇にやってきた。歳の近い純ならば、相手の女性を説得して穏便に別れさせることができるだろうと当てにされたのだ。

空港で純は母、正と合流した。
正の説明によれば、相手はマリヤ(高橋メアリージュン)という名で、日本人とフィリピン人とのハーフだという。那覇のキャバクラで働いており、そこで正を出会ったという。普段はおとなしい性格だが、興奮すると人が変わるという。我を忘れると英語で喚き立て、何をしだすか分からなくなるという。

3人はタクシーでマリヤのアパートの前に乗り付けた。ただし、ふたりはアパートの前で待つといい、純を一人で説得に向かわせた。不承不承ながら純はマリヤの部屋へ向かった。
呼び鈴を鳴らすと、すぐにマリヤが出てきた。純が正の使いで来たと言った途端、マリヤに殴られた。純のことを正の新しい恋人だと早合点して、かっとして手が出たのだ。すぐに妹であることを説明するとマリヤは深く謝罪の上、部屋に招き入れ鼻血の手当をしてくれた。

手当が済むと、マリヤはお茶の準備を始めた。純を歓迎しているのだ。
マリヤの暮らしは質素なものだった。中では、正とマリヤが楽しそうに写っている小さなスナップ写真だけが目を引いた。それを見るだけで、マリヤが正のことを大切に思っている様子がうかがえた。マリヤと話をして、彼女の真の愛情も確認できた。優しくてハンサムな正のことを心から愛していると言うのだ。

話しているうちに、マリヤの感情は高ぶってきた。彼女が言うには、自分が正のことを好きになればなるほど、彼の気持ちが離れていくのがわかったのだという。そして、子供ができたとわかった途端、正はひどく冷淡になったというのだ。腹の中の子が、正の子ではないことを疑っている素振りもあるという。マリヤは自分の愛を信じてもらえないことにひどく落胆している。
ついに包丁を握り、この場で死ぬとまで言い出した。

慌てて純は包丁を取り上げた。互いに落ち着くことと、包丁をマリヤから遠ざけるため、純はトイレに篭った。
するとそこへ、愛(風間俊介)から電話がかかってきた。外国人宿泊客(ベン・スレター)のために購入するケーキは無事に買えそうだから安心しろという連絡だった。ただし、大阪に嵐が近づいていおり、悪くすると飛行機が欠航になる恐れがあるという。今日中に外国人宿泊客にケーキを渡すためには、早く大阪へ戻った方が良いという助言だった。

純は、正とマリヤを直接話し合わせることにした。マリヤの心情を思いやれば、ふたりが面と向かって話すことが必要だと思ったのだ。その上、純もこの話には深入りしたくないし、何よりも嵐が来る前に大阪に帰りたくなったのだ。

アパートの外で、純は正に対して、マリヤの愛が本物であることを説明した。けれども正は、マリヤに口を開くやいなや、本当に自分の子どもかどうか疑わしいと言ってしまった。
怒ったマリヤは何も言わずに正の頬を叩いた。そして、出勤するといって歩き去ってしまった。
正はマリヤを追いかけた。母はどうしていいかわからずオロオロするばかりだった。しかし純は、飛行機に乗るために、母を無視して空港へ向かった。

空港への道中、純は土産物屋で竹笛を見つけた。外国人宿泊客の娘は珍しい楽器を集めるのが趣味だと言っていたのを思い出し、彼女の誕生日プレゼントに最適だと思い、それを購入することにした。
そして土産物屋に入って行くと、なんとそこで働いていたのは弟・剛(渡部秀)だった。家出し、昨夜届いた絵葉書では東京にいると書いてあった剛が那覇にいることにひどく驚いた。剛の方も、大阪で働いているはずの純が那覇にいることに驚いた。
しかし、そんなことに構っていられない純は、早く大阪に帰りたくて焦れた。ところが、焦れば焦るほど、マリヤのことが気になり出して留めることができなくなった。剛と連れ立って、歓楽街へマリヤの働いている店を探しに行った。

ほどなくマリヤの店は見つかった。そっと覗いて聞き耳を立てると、正は離れた所に座っていた。代わりに、母がマリヤに向かって説得している最中だった。母は、自分も3人の子持ちだから子を授かった女性の気持ちはよく分かるとは言うものの、マリヤに堕胎しろと言うばかりだった。対するマリヤは、正を愛しており、ふたりの子どもをどうしても産みたいと言って聞かなかった。

そのやり取りを聞いて、純は頭に来た。店内に飛び入り、傍観を続ける正へ食ってかかった。
するとそこへ、新たな人物が現れた。宮古島にいるはずの父・善行(武田鉄矢)だった。

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NHK『純と愛』第14回

宿泊客が笑顔になる「まほうのくに」の実現を目指す純(夏菜)と同じように、まとめ記事を読んだ読者が笑顔になる「まほうのぶろぐ」を書き上げようという理想を抱く当方であるが、「もう無理。おじい(平良進)助けて!」などと弱音を吐き、読者の皆様におかれましては本当にこんな内容でマジごめんなさいと謝罪する当方が、NHK朝の連続テレビ小説『純と愛』の第14回めの放送を見ましたよ。
※「こんな内容でマジごめんなさい」の「こんな」が何を指すのかについては意見の別れるところだと思いたい。俺のせいじゃねーと言いたい。

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第3週「しんじるこころ」

ホテルの中で、純(夏菜)と愛(風間俊介)、そして誠と名乗る女性(岡本玲)が邂逅した。
誠は愛のことを実名の「いとし」ではなく「あいちゃん」と親しげに呼んだ。長い間音信不通だったことを責めるなど、まるで愛の恋人のような振る舞いだった。純は、彼女こそが愛の恋人なのではないかとやきもきした。

愛は誠に応えることなく、すぐさま走って逃げ、姿をくらました。
取り残された誠は、自分はホテルの利用客だと名乗り、愛のバイト先を調べて知らせるよう命じた。

居丈高な誠の態度に純は腹を立てたが、客だと思ってにこやかに対応した。話の接ぎ穂として、愛との関係を聞いてみた。しかし、誠は答える義務はないといって口をつぐんだ。また、誠は季節はずれのマスクをしている。純が風邪を引いているのかと水を向けるが、それにも答えようとしなかった
マスクの話になると、誠は何かに気づいたように純へ鼻を近づけて匂いを嗅いだ。誠は、純からなんの匂いもしないことを不思議に思う様子だった。一方、他の人々からは不快な匂いがしているかのように顔をしかめた。マスクを付け直して立ち去った。

早速、純は電気工事会社に電話をかけた。しかし、ついさっき愛が仕事を辞めたということだった。結果を誠に知らせてに行くが、彼女はすでにそのことを知っていた。先に愛本人から連絡があったのだという。
純より先に知っていることで、純はますます愛と誠がとても親密なものであると嫉妬した。しかし、誠がいうことには、自分たちは兄妹なのだという。それを聞いて純は安堵した。

ふたりが家族だと知った純は、愛のことをいろいろ聞きたくなった。しかし、誠は口止めされているといってほとんど何も話してくれなかった。
唯一聞き出せたことは、愛が家出して8年も行方不明だったということのみであった。本来なら成績優秀な愛が親の職業を継いで弁護士になるはずだった。しかし、彼が出奔してしまったせいで、その任は誠に全て負わされてしまった。そのことを誠は迷惑に思っていた。今日も司法試験対策セミナーのためにホテルに来ているのだが、嫌がっている素振りが見て取れた。

純は誠から、愛の電話番号を聞き出すことができた。家に帰るとすぐに愛に電話をかけた。
愛はすぐに電話に出た。しかし、純からの電話だと知ると、すぐに切ってしまった。その後は何度かけ直しても愛が電話にでることはなかった。

純に宮古島の母(森下愛子)から電話がかかってきた。明日の休日に那覇へ行くことを確認する電話だった。慌てて郵便物を探ると、確かに那覇行きの航空券が届いていた。那覇で母と落ち合い、兄・正(速水もこみち)が妊娠させた女性に堕胎するよう説得して欲しいというのだ。

純はそもそも正の件に関わりたくなかった。那覇行きを承諾した覚えもない。母が勝手に独り合点してセッティングしたのだ。
その上、純は明日の休日は別の大事な用事があった。外国人宿泊客(ベン・スレター)の代わりに有名人気店へケーキを買いに行かなくてはならないのだ。純の休日を利用したプライベートな活動とはいえ、ホテルの信用に関わる重要な約束である。どうしてもその約束を破るわけにはいかなかった。
有耶無耶になったまま母との電話を切った。

その夜、純は眠れなかった。
心細くなって愛に何度も電話をかけるが、一度も繋がることはなかった。ウトウトすると、夢のなかに母や外国人客が出てきた。彼らの間で板挟みになる自分の夢を見てうなされた。

翌朝早く、電話が鳴って目が覚めた。それは愛からの電話だった。
愛は、純に那覇へ行けと言うのだった。純の代わりに愛がケーキを買いに行くから、安心しろというのだ。

その言葉を信じて、純は那覇へ向かった。

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NHK『純と愛』第13回

最初に気づいた人が誰なのかは知らないが、夏菜カリメロに似ているという指摘を見て首肯した当方が、NHK朝の連続テレビ小説『純と愛』の第13回めの放送を見ましたよ。

夏菜(左)とカリメロ(右)


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第3週「しんじるこころ」
様々なトラブルが重なって心細くなった純(夏菜)は、思わず愛(風間俊介)の背中にすがりついて泣いた。すると、妙なことに心が落ち着いていった。
その不思議な感覚に、交際の予感を感じるのだった。

しかし、そう思った瞬間、純は愛に突き飛ばされた。愛自身も、どうしてそうしてしまったのか自分でもわからずに戸惑っている様子だった。愛は謝りながらも、慌てて走り去るのだった。純はあっけにとられながらも、愛は自分のことを嫌ったのだと思うのだった。

翌日、純は外国人宿泊客(ベン・スレター)に接客した。彼は英語で何かを訴えているようであったが、純には理解できなかった。そこで、コンシェルジュの水野(城田優)に応対を手伝ってもらった。前夜、純と水野は恋愛関係でひと悶着あったが、ふたりはそれを水に流していた。

外国人宿泊客が言うには、明後日は娘の誕生日だという。観光後、ホテルに戻ったところでサプライズパーティーを行いたいというのだ。そのために、娘が欲しがっているケーキと日本の珍しい楽器を準備したいという。ひと通り話を聞き、まずは水野がコンシェルジュとして下調べをすることになった。

純も自分が担当した客だからといって責任を感じ、仕事帰りにふたりでケーキ屋に出かけた。外国人客が指定したその店はガイドブックでも大きく取り上げられる有名人気店で、純たちが出かけた頃にはほぼ全てのケーキが売り切れていた。しかも、どのような事情があっても予約販売は受け付けていないという。サプライズ誕生会のためには、当日並んで買う必要のあることがわかった。

偵察が終わると、ふたりは食事に出かけた。
その場で水野は純の手を握り、純と交際したいと再び口説きにかかった。水野は自分には上昇志向があると言う。純が社長になることを目指していることについて、自分と目標が同じなのだという。ふたりは互いに良き理解者でいることができ、ふさわしいパートナーになれるというのが水野の口説き文句だった。
純も水野に真正面から見つめられると、彼の端正な顔立ちにうっとりと見とれてしまうのだった。しかし、その気になった途端、愛の言葉が思い出された。愛は、水野は純の体だけが目当てだと言っていた。愛の言葉を完全に信じたわけではないが、それが気になるのも事実だ。

純は、自分は恋愛に奥手であり、もう少し考える時間が欲しいと言って、その場での返事を避けた。

話題を変えるために、純は水野と同級生だったという愛のことについて聞いてみた。水野によれば、高校時代の愛は成績優秀で運動神経も抜群だったという。水野に、愛のことが好きなのかと聞かれるが、純は強く否定した。

家に帰ると、実家の母(森下愛子)から電話がかかってきた。
兄・正(速水もこみち)が那覇の恋人を妊娠させてしまった件だ。正はもう手を切りたいと思っているのだが、相手は子どもを産むといって譲らないという。年の近い純ならば話も合うだろうし、純が相手の女性に会って説得して欲しいと言うのだ。
母は、明後日が純の休日であることを知っていた。相手の住んでいる那覇なら日帰りも可能であるから、現地で説得して欲しいと勝手に予定を立てた。航空チケットも手配すると言っている。
そのような面倒事に巻き込まれたくない純は断って電話を切った。

翌日、水野と純は例の外国人客に事情を説明した。ケーキを購入するためには客が自ら店に並ぶ必要があるが、それでは観光ができなくなるし、娘へのサプライズにもならない。客はひどくがっかりしてしまった。
その様子を見た純は、彼のことが放っておけなくなった。自分は当日休暇なので、客に代わって店に並ぶと約束した。それを聞いて、外国人客はとても喜んだ。純も、客が笑顔になってくれたことで有頂天になった。

ただし、そのことは桐野(吉田羊)に強くたしなめられた。純にとっては自分の休日を使ったプライベートな援助かもしれないが、客からすればホテルが正式に受け付けたサービスに思える。そもそもホテルではそのようなサービスは提供していないし、万が一約束の守れなかった時にホテルの信用に傷がつく。今すぐに断ってこいというのが桐野の命令だった。
しかし、純は反抗した。自分は桐野のような冷たいサービスや生き方はしたくないと言って、絶対に実行するといって聞かなかった。

純はホテルの中で愛に出会った。しかし、愛は純を見るなり脱兎のごとく逃げ出した。
やっと追いつき、純は自分のことが嫌いになったのかと訪ねた。愛は嫌いになったわけではないと否定した。しかし、自分とは関わらないほうが良いのだと言うばかりだった。

その時、謎の少女(岡本玲)がふたりの前に現れた。彼女は愛を探しており、やっと愛を見つけたのだった。

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